萬屋ユカリン

リコメ、遅くなったけどやっと出来た〜。後はブログ更新か〜(汗)

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Q39 
日本側が中国に領海侵犯を許してしまっていることには、どんな問題があるのでしょう?
A 
まず、中国が日本周辺海域を行動するうえで根拠としている法律などについて説明しておきます。
第一に、日本政府が領海や排他的経済水域(EEZ)に関して国際的根拠としている国連海洋法条約は、「各国政府が非商業的目的のために運航する船舶」に軍艦なみの治外法権を与えています。この種の船舶が、領海内の無害通航に関する規則に違反しても、沿岸国は退去を要求し、損害賠償を所属国に求めることしかできないのです。中国の公船(漁業監視船や調査船など)のケースはこれに該当するのです。
第二に、日本が領海警備の根拠法として2008年に定めた「領海等における外国船舶の航行に関する法律」も国連海洋法条約に準拠した解釈を採用、「軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるもの」を適用から除外しています。これに基づき、中国の公船も適用を除外されているのです。
第三に、現行の日中漁業協定は、北緯27度以南の東シナ海の日本EEZについて棚上げしており、この海域で中国が自国漁船を取り締る権利を否定していません。だから、中国の公船は、これを根拠に行動することができるのです。
第四に、日本政府はこの海域を「EEZ漁業法適用特例対象海域」に指定し、中国漁船に対して漁業関係法令を適用していません。その結果、これを根拠に中国漁船は操業しているのです。
非常に残念なことですが、中国政府には自国の公船の活動を日本が容認していると主張するだけの根拠がある、と考えるのが国際法的にも自然なのです。
海洋国家として生き残るための法整備が急務
あまり知られていないことですが、尖閣諸島周辺で行動する中国の公船は機関砲以上の固定武装を持たない非武装の状態です。これは意図的な措置と考えられますが、かりに海上保安庁の巡視船が非武装の中国公船を享捕したり銃撃したりすることになれば、これを幸いとして、国際世論に日本の暴挙と国際法違反を訴え、最初は武装した巡視船、次にけ海軍の艦船を派遣、尖閣諸島問題を国連海洋法条約に規定された海上警察権の舞台から、一気に軍事力と軍事力が対時する新たな土俵に上らせようとするでしょう。目下のところ日本には対処できるだけの備えはないのです。
日本の領海に関する法律(領海等における外国船舶の航行に関する法律)は領海侵犯し方外国の公船や軍艦に対して、国連海洋法条約に基づいて「退去を求めることができる」「しかるべき措置を講じることができる」としていますが、相手がたじろぐような強制力を備えていない形式的な法律という点も重大な問題です。
この法律が通用するのは、海をはさむ両国が良好な関係にある場合であって、日本と中国の間ではなんの役にも立たないことを肝に銘じる必要があります。
日本は、どうすればよいのでしょうか。まず手掛けなければならないのは、法制度に関する不備を正すことです。少なくとも当該海域を日本国の「死活的重要」な海域であり、中国側の表現を借りると「核心的利益」とする領域警備法、これと補完関係に位置づけられる国境法を制定し、中国側の行動を規制できるようにしなければなりません。日中漁業協定についても、棚上げされた部分を詰めて、中国側に拡大解釈の余地が少なくなるようにする必要があります。
ベトナム国会は2012年6月、国連海洋法条約を遵守する立場を明確にしながらも、ベトナム領海への外国公船などの立ち入りにはベトナム政府の許可を必要とするとした海洋法を成立させました。中国は非難の声を上げましたが、一部の係争海域を除いて、ベトナム領海への立ち入りを抑制するようになっています。
2014年5月、南シナ海で中国とベトナムが衝突を繰り返したあと、徹底抗戦の姿勢を崩さないベトナム側に対して、中国は外交の最高責任者である楊潔籏国務委員を6月と10月にハノイに派遣し、10月にはグエン・タン・ズン首相と李克強首相がイタリアのミラノで、フン・クアン・タイン国防相と常万全国防相が北京で会談しています。ひたすら中国の顔色をうかがい、事を荒立てないようにする日本の姿勢とベトナムの対中外交は、明らかに違っていることがわかると思います。
これが、世界に通用するレベルの海洋権益を保護する取り組みです。日本が強い姿勢をとることで日中関係にきしみを生じようとも、動揺してはいけません。領域警備法、国境法などの制定によって初めて、日本は中国と対等の条件で外交交渉に臨むことができるのです。
2014年秋に起きた小笠原、伊豆諸島海域での中国漁船によるサンゴ大量密漁事件のようなケースについても、中国政府が厳しく規制するようになるのは間違いないでしょう。
海白と海保のねじれた関係
領海に関する法律以外にも、海上自衛隊と海上保安庁に多数の同名異船が存在し、世界から「日本には国境を守る意志が存在しない」とみなされてきたという、笑えない問題があります。この国家とは思えない実態は、少しずつ改善されているとはいえ、まだまだ残っています。
同名異船は、私が最初に調べた1988年7月段階で49組98隻もありました。これはほかの組織との識別などを定めた自衛隊法と海上保安庁法に触れると指摘した結果、新造船から名前の重複を避けることになりましたが、海上保安庁側からの報告によれば2013年3月時点で15組30隻となっています。
海軍である海上自衛隊と沿岸警備隊である海上保安庁がこんな課題を残していては、海洋権益を守るどころではないでしょう。日本が攻撃を受けるような事態やグレーゾーン事態に直面したとき、海上自衛隊と海上保安庁の関係はどのようになるのか、考えてみたいと思います。
海上自衛隊と海上保安庁の関係について、自衛隊法第80条(海上保安庁の統制)は次のように記しています。
〈内閣総理大臣は、第76条第1項又は第78条第1項の規定による自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れた場合には、政令で定めるところにより、防衛大臣にこれを指揮させるものとする。
3 内閣総理大臣は、第1項の規定による統制につき、その必要がなくなつたと認める場合には、すみやかに、これを解除しなければならない。〉
ここでいう「第76条第1項又は第78条第1項」とは、それぞれ自衛隊法の条項のことで、防衛出動と命令による治安出動を定めています。
これで両者の連携がスムーズであれば心配はいらないのですが、実は、そうではありません。
海上保安庁の統制にあたっても、次のような法律の解釈があり、それを読むとスムーズな連携が実現しない可能性のほうを危惧せざるをえないのです。
〈内閣総理大臣は、防衛出動を命じた場合、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れることができる。このとき、統制下に入れた海上保安庁は、防衛大臣に指揮させるが、防衛大臣の海上保安庁の全部又は一部に対する指揮は、海上保安庁長官に対して行うものとされている。〉
海上保安庁の組織と機能を十分に理解していない防衛大臣だから、海上保安庁長官に任せるというのは当たり前ですし、それだけなら当然です。しかし、海上保安庁法第25条の次の条文が適用されると、海上保安庁の統制が円滑に進まない可能性を考えておかざるを得なくなるのです。
〈この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。〉
防衛出動が出た段階で「(防衛大臣の)指揮監督を受ける」ことになる海上保安庁ですが、実際には海上保安庁の行動について海上保安庁長官に委ねているのです。海上保安庁側が海上保安庁法第25条を前面にかざして、自衛隊の統制下に入らない可能性は、ありえることとして考えておかなければならないのです。
この問題を解決しておかないと、同じように海上自衛隊と海上保安庁が協力して行動しなければならない自衛隊法第82条(海上警備行動)の事態についても、スムーズな連携が損なわれると思わなければなりません。
そんなことは起きないとタカをくくっていると、国家の危急存亡の時、国民が泣きを見るはめになることを忘れてはなりません。


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