|
浮気相手はリストカットの常習犯。
そのことに旦那が気づいたのは
ほんの1週間ほど前だった。
その日も浮気相手と一緒にお酒を飲んでいた旦那。
ふと、彼女の腕にあるキズに気づいて聞いたみた。
「どうしたの、それ」
すると、最初は「何でもない」と言っていた浮気相手が
ぽつりぽつりと話し始めた。
きっかけは学校を卒業後、就職した職場(歯科医院)で上司との折り合いが悪くなり、
失敗を何でも自分のせいにされるようになり、
誰にも悩みを相談できなくなって
職場にあるメスを使って、二の腕のあたりにキズをつけはじめたらしい。
その後、何かにぶつかったり、気持ちが晴れないときには
繰り返し、同じカ所をメスで斬りつけ
今ではシワのように深く刻まれた傷跡が残っているらしい。
で、職場をかえ、しばらくは落ち着いていたらしいのだが、
また、最近になってリストカットをするようになったらしい。
旦那曰く、「たぶん、今の関係にストレスを感じているからだと思う」だった。
以前、車で事故をしたときも、
太ももをカッターで斬りつけて
深く切りすぎたために病院で縫合してもらった帰りだったらしい。
浮気相手は生々しい傷跡を旦那に見せながら
「こんな話、家族にも友だちにもしていない。あなただけ」
「こんな話したら嫌われるかと思って怖かった。
でも、あなたはやさしく話を聞いてくれた。ホントにうれしい」と涙を見せたという。
そんな話を聞かされながら
旦那の声がどんどん遠くなっていく気がした。
浮気相手はリストカッター・・・。
旦那への異常なまでの執着や依存の意味が
やっとわかった気がした。
なんで、よりにもよってそんなややこしい相手と浮気なんて。
一言で別れると言っても簡単に別れられるはずがない。
どうすれば、いいのか。どうしたら、別れられるのか。。。
涙が流れて止まらない私を見て、旦那が言った言葉が
「だから、いますぐには別れられない。
相手を刺激しないように、向こうに振られるようにもっていくから」だった。
そして、バカな旦那は
「そして、できれば、力になってあげたい。
自分の力でリストカットがやめられるようになるなら
そうすれば、自分も安心して別れられるし」とも言った。
でも、どう考えたって、そんなことできるわけない。
絶対に旦那は浮気相手とは別れられない。
きっと、このまま、ズルズルと関係が続くんだ。
なんだかんだ言って、旦那は浮気相手を見捨てることはできないはずだ。
きっと、きっと・・・。
旦那は「浮気相手と別れる」ということを私に言いたかったのか。
それとも相手がリストカッターだから、今すぐには別れられないということを言いたかったのか。
本心はどちらにあるのか、だんだんわからなくなっていった。
そして、一気に絶望感が私の体を支配していった。
|