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交通事故で入院したボクの奇妙な日々

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ご報告

 しばらくお休みして申し訳ありませんでした。
大変ご心配をおかけいたしました。
その後のことを含め、本になりましたのでご報告いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。         Y.S
http://www.tokyotosho.co.jp/info/bun/h14.html

暗黒

起き上がるリハビリを始めて3日目となった。
けれども体調が思わしくない。
初日の夜から ひどい頭痛に悩まされている。
立ちくらみ や めまい といったものではなく、前頭葉が割れるような感じだ。
昨日からは両目にまで その痛みは波及しはじめ、
主治医の指示により、眼科の医師が病室に呼ばれた。
処方された目薬をさした後は、多少痛みも和らぐのだが
今朝に至っては視力にまで影響が出てきて、肝心の目薬ですら良く判別できず、
苦い薬剤を頬に大量にこぼして、ぬぐう間もなく口に入ってしまう始末だ。
車椅子になるのが目前にまで せまって来ているのに……。
それよりも 目の前のPCのモニターがほとんど見えなくなってきた…。

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人類

いよいよボクにも車椅子が準備されることとなった。
しかしながらボクの場合、他の人のようにすんなりと
車椅子に移行できるということではなかった。
人間 2ヶ月半も寝たきりだと、起き上がろうとすると
立ちくらみの重度 のような状態になってしまうそうで
まず 起きる 練習をしなくてはいけないとのこと。
二足歩行の人類として生まれてきた者として、
今になってそんなことをしなければダメなのかと考えると
唖然というかなんというか………。
でもそんな感傷に浸る暇もなく、ボクはストレッチャーに移され
リハビリ室に運ばれていくことになった。
この病院に転院してきて2ヶ月、初めて病室の外に出た。
ナースコールの受信ベルが頻繁に聞こえていたのは
ボクの部屋とナースステーションがこんなに近かったからか…
なんてことを思いながらの移動だ。
リハビリ室では板状のベットに乗り、頭の方を少し上げてもらう。
しばらくその体勢のままでいて 終了 だった。
日々角度をキツくしていって慣らしていくんだそうだ。
確かにめまいがして、吐き気も もよおした。
大した角度ではないはずなのに…。
だけど「これが里中さんのが再スタートなんだよ」との リハビリの先生の
言葉を聞いて、ちょっと感動してしまった。。
グッときてしまったけれど、吐き気と共に飲み込んだよ。
ここからが第一歩、なんとか頑張りたい。
あっ いけない、まだ歩けないから 第一歩 ではないんだよね…。

握手

岡山さんが再手術を受けることになった。
股関節を人工関節にする手術をしていたのだが、
その骨頭部分に不具合が生じているらしい。
リハビリの経過状況から判断して、
先々の摩耗係数を考慮しても、このままではどうしても
片足の方が1センチちょっと長くなってしまう と言われたそうだ。
1〜2センチでもやはり歩きにくいということで、良い足にも
負担がかかる。バランスはとても重要なんだ。と
自分自身に言い聞かせるようにボクに話してくれた。
還暦を過ぎて、短期間に2度の手術をするというのは
肉体的にも精神的にも大変で、決断したとはいえ、不安も大きく
ボクなんかに話すことで、その決心を肯定的なものとして
逆に自身に受け入れたい様子がうかがえて、
ボクは「頑張ってください」と思わず握手をしたのだった。
術後はしばらく個室に入るそうで、良くなってきたら
又この病室に来れるようにしたい、と居合わせた看護婦さんにも
聞こえるように話していた。
少しの間さみしくなるけど、今は手術がうまくいくことを祈りたい。

外人

ハタチくらいのクリスくんという外人が歩いて入って来た。
ストレッチャーに乗らないで入院してくるのは初めてかな。
上半身の肋間神経のまわりに腫瘍ができたらしく、
内科にいたのを整形外科に移ってきて、
肋骨を何本か切ってはずして手術すると言っていた。
流暢な日本語でコミュニケーションには問題なさそうだ。
神経の周辺の病気なので、今もとても痛いようだが
彼の服装があまりにも派手すぎて、その痛さも特に伝わってこない。
それはミッキーマウスの真っ赤なパジャマ。
大きなミッキーの顔がたくさん描かれていて、病人には不釣り合い。
夕日が照らしているからだから ではなくて、眩しいくらいの赤。
でも、彫りの深い顔立ちと日に焼けた肌、ブラウンの髪の彼には
とても似合っている色の格好だ。
今朝、手術着に着替えさせられた時、その地味なスタイルに
本人もしきりに照れ笑いを浮かべていた。
今日は無菌室がいっぱいで、手術後は直でこの部屋に来ることに…。
そして先程オペが終わり戻って来た。時間からすれば短い手術の
ようだが、帰って20分もすると、麻酔が切れ始めたらしく
やはり神経の近くで痛いのか、ものすごい剣幕で騒ぎだす。
すぐさまモルヒネをうたれ、数分後 寝息を立てて眠り始めた。
里田くんが看護婦さんに
「クリスくんはどこの国の人?」
「どこの国って…? 日本ですけど」
「日本って? ハーフなの?」
「いえ、さっきご両親が見えてましたけど2人とも日本人でしたよ」
(どういうことなのよ)
「だって、クリスっていう外人じゃぁ…?」
「クリス って名字で、漢字で栗に……」栗と須で栗須なんだって。
驚いたよ。てっきり昨日から外人だとばかり思ってたからさ…。
里田くんと顔を見合わせちゃったよ。
聞いていた中学生の少年も思いっきり笑ってた。
どうりで日本語がうまいわけだ!
それにしても端正なマスクに良く合った名字だなぁ…。

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