すべてが猫になる

期限があると読書ペースが上がる(はっけん)。

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桐野夏生著。光文社文庫。

高級タワーマンションに暮らす岩見有紗は窒息寸前だ。ままならぬ子育て、しがらみに満ちたママ友たちとの付き合い、海外出張中の夫・俊平からの離婚申し出、そして誰にも明かせない彼女自身の過去。軋んでいく人間関係を通じて、徐々に明らかとなるそれぞれの秘密。華やかな幸せの裏側に潜む悪意と空虚を暴き出す。人気女性誌「VERY」連載時から話題沸騰の衝撃作! (裏表紙引用)



文庫が出た時にこの作品を知って、面白そうだと思って久々に桐野さんを。


ざっくり言うと、東京の高級タワマンに暮らすママ友たちの暮らしを描いた物語。ここでマウンティングだったり、ママカーストみたいなものが繰り広げられるのかな?ワクワク。と思って読み始めたのだが…。
思っていたほど腹黒な内容でも陰鬱な世界でもなかった。

と言うのは、語り手である’花奈ちゃんママ'こと有紗の人物造形がそれだけでなかなかにキツかったから。ママ友リーダーのセレブ、’いぶママ’を始めとするママたちが、全然嫌な人に見えなかったんだよなあ〜。これぐらいの浅いけど楽しいお付き合いなら、女なら誰しも経験あるじゃない?いいおうちに生まれて、スタイルもセンスも良くて、素敵な旦那様と結婚して、かわいい子どもに恵まれて。それを守ることの何が悪いのって感じ。でも子ども同士は嫌がっていて仲が悪いのになぜ集まらなきゃいけないのかはほんとに分からん。集まるのはいいと思うけど、この人たちにママ友以外の友人関係が見えないのが疑問だった。ここにしか居場所を作れない、夫や両親を頼れない環境にいるママというのがもし実際にいるのだとしたら、必死になっても仕方ないのかも。

むしろ、自分は同じタワマンでも格落ちの賃貸組、公園要員だと卑屈になって必死にセレブに合わせている有紗の方に嫌悪感を抱いた。なんと言っても、バツイチで子どもがいるということを二人目の夫に言ってなかったってのが…。出産でバレるって最悪のタイミングだとは思うけれど、バレなきゃどこまで黙ってるつもりだったんだろう。唯一のタワマン外メンバー、美雨ママはサバサバしていていいと思うんだけど、言っちゃいけないこと言い過ぎ。。こんな近場で不倫しているのもドン引き。

意地になって離婚しない働かない有紗に終始イライラしていたが、追い詰められるごとに自分で自分を客観視できるようになったのは良かった。過去を失敗だと感じるのは、今が幸せじゃないからだよね。幸せならば、失敗があったから今があることが分かるはずだもの。誰しも人に言えない秘密の一つや二つあってもおかしくないし、自ら間違いに踏み込んでしまうこともある。でも大事にしたいものが一つでもあるうちは大丈夫なんじゃないかな。全ての女性のみんな、がんばろう。

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