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図書館行ってきました。2冊借りたぞー

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深水黎一郎著。講談社文庫。

嵐で孤立した館で起きた殺人事件!国民的娯楽番組「推理闘技場」に出演したミステリー読みのプロたちが、早い者勝ちで謎解きに挑む。誰もが怪しく思える伏線に満ちた難題の答えは何と15通り!そして番組の裏でも不穏な動きが…。多重解決の究極にしてミステリー・ランキングを席巻した怒涛の傑作!! (裏表紙引用)



4冠達成ということで話題になっていた作品がついに文庫化〜。

な、なるほど、こういう作品か…。かなり期待していた方向とは違ったけれど、誰もやったことがないことにチャレンジしているという点では素晴らしいと思う。なんせ解答が15通りだもんね。どの推理もいちいち納得のいくロジックで固められているので15回「うんうん」と頷くことになった^^;結局なんでもいいんじゃん。

作風は極めてコミカルでバカミスの範疇なのかなと。こんな番組が大ヒットするとは思えないし、政府がこういう非人道的な法律を通すとはとても思えないがそこは読み物として容認するしかないんだろうな。問題編そのものは全く面白くない凡庸な話なので。。15通りの解決を考えてゲームブックみたいな構成を思いついたのは素直に天才的だと思う。ただ、ありえない設定、世界観、条件内で成立している小説なので、本格ミステリとして評価していいのかどうか?

うーん、もう少し最後の推理そのものに目を見張るものがあればなあ。おふざけ系の文体が好きではないので、俯瞰するとどうしても「読みやすさ」が評価のかなりを占めたのではと思わずにいられない。

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東野圭吾著。幻冬舎文庫。

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた―。病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。(裏表紙引用)




東野さんの文庫新刊。

今回のテーマは脳死に深く切り込んだ内容となっている。子どもが脳死の疑いになった場合、遺族が臓器提供に同意しなければ脳死判定はしない、心臓死をもって死とするなど、深く考えたこともなければ知らなかった事実。日本ではドナーが少ないということは薄々感覚として知っていたが、子どもの海外手術になぜそこまでお金がかかるのか、ということにも触れているので勉強になる。しかし2億6千万て。。。なぜそんな金額になるのかはだいたい分かったが、それにしてもあまりに…だろう。


6歳の娘がある日突然プールで溺れ脳死状態になり、現実を受け入れられない薫子は夫やその部下の協力を得て娘を生かし続ける。二度と目が覚めることはないのに、最新の技術で娘の筋肉を動かし成長を促す。そんな薫子の姿に夫や家族は恐怖し、というのがだいたいの流れ。

薫子の言動は恐ろしい。ほとんどホラー。筋肉を動かすまでは理解できても、さすがに表情筋を動かして笑顔にするというのは…自分だったら止めてほしい。息子もいるのだし、もう前を向いて生きて行って欲しいなと苦々しく思うのは他人事だからだろうか。なーんか同情できないのって、この物語に出てくる大人がどいつもこいつも浮気や不倫をし(かけ)ているんだよねえ。なんで東野作品に出てくる人って営業や医者にいちいち異性を意識するの?夫の部下の星野が2児の母で子どもが脳死になったばかりの薫子に好意を持つとか本気で気持ち悪いんだけど。しかも彼女持ち。薫子も、男女の関係になりかけている医師といちいちケジメで会う必要ある?こんな状況に遭ったらこんなもん自然消滅で良くない?

と、テーマ自体はとても良いし面白かったし「傑作」でいいのだと思うが…。登場人物の言動に違和感がありすぎて思い入れを持てなかったな。

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羽田圭介著。文春文庫。

「じいちゃんなんて早う死んだらよか」。ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のため面接に臨む日々。人生を再構築中の青年は、祖父との共生を通して次第に変化してゆく―。瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、老人の狡猾さも描き切った、第153回芥川賞受賞作。(裏表紙引用)



羽田さん2冊目。「黒冷水」であれほどあの陰鬱とした閉塞感にヤラれたというのにまた読んでしまった。羽田さんと言えば私はまずローカル路線バスを思い浮かべるんだけどね^^;で、この方は家族を描いた作品が多いのかな?たまたま?

本作は30代で求職中、実家暮らしの青年と介護の必要な祖父との同居生活をこれまた陰鬱に描いた作品。毎日死にたい死にたいと漏らす祖父のため、マイナス介護という手段を取る健斗。足も使わなきゃ衰えるし、脳だってそう。労働者ヘルパーは自分が楽をしたいために優しさを発揮するのだと嘯く健斗と、電車で座れる席を探し人前で舌打ちをする彼女。祖父に暴言を吐き続ける母親。この作品が描いているのは出口のない閉塞感に苛まれる、現代の日本人の姿かな?どこにでもこういうギリギリの家庭は潜んでいると思う。

「黒冷水」と同じくネチネチと絡みつくような描写で危うく飲み込まれそうになったが、祖父に暴言を吐くようになった健斗と祖父の隠された姿を読んで、このお話の方向性はある程度見えたかな。こういう「犯罪には走らないけれど周辺に害を及ぼす」グレーゾーンの人間がたくさんいるのでは。

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早坂吝著。新潮文庫nex。

人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して―。高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは!?大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。(裏表紙引用)



結婚相談所の『相』に、条件は年収一千万円以上の『以』ってなあ^^;

早坂さんにハズレなしだなあ〜。今度は双子の人工知能ですか。キャラ的にはラノベの女子高生ノリみたいな感じを想像してもらえれば。主人公の輔(たすく)との掛け合いが漫才のようで面白い。ディープラーニングってプロファイリングのコンピュータ版みたいなもんかな?人工知能の生みの親(輔の父)が死んでしまったことから輔とAI(相以)は様々な事件に巻き込まれる。しかも、双子でライバルの以相(いあ)がテロリスト集団とつるんじゃったからもう大変。

輔はまあどこにでもいる普通の男子という印象。AIは事件を重ねるごとに人間の感情を学んでいくところが良いな。フレーム問題でめちゃくちゃな推理をする時代も味があったけど。双子の以相はあまり好きじゃなかった。テロリスト集団の内部でも色々歪みが出てくるし、刑事の左虎や右龍も胡散臭いし、リーダーの正体はビックリだし、色々ぶっ込み過ぎてるあたりシリーズ第一弾って感じするな。

ミステリー的にも物語の構成も凄くはないので、推理バトルやキャラクターを楽しむ感じ。フレーム問題や後期クイーン問題、シンボルグラウンディング問題などなど(なんじゃそりゃと思うかもしれないが、読めば案外分かります)本格ミステリに興味がないとクドくて辛いかも。読者ターゲットをかなり絞っている感じだけど、早坂ファンなら外さないと思う。それより最近、井上真偽さんと早坂さんって同じ人なんじゃないかと疑い始めているわたし。

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東野圭吾著。角川文庫。

ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2か月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒事故が起こる。ふたりの被害者に共通点はあるのか。調査のため青江が現地を訪れると、またも例の彼女がそこにいた。困惑する青江の前で、彼女は次々と不思議な“力”を発揮し始める。 (裏表紙引用)



東野さんの文庫新刊。

母を北海道の竜巻事故で亡くした円華は、数理学研究所で生活していた。円華のボディーガードを任された武尾は、円華の能力について何も知らされていないままだった。一方赤熊温泉と苫手温泉では映像関係者が相次いで硫化水素中毒で死亡。事故とみなされたが、警察署に被害者の母から殺人を思わせる手紙が届く。やがて地球科学学者の青江は彼らの事故を調べ始めるが――。

登場人物が目まぐるしく代わるので、半分くらいまで読んでも誰が主人公か分からなかった。青江が翔くんなんだろうな、と当たりをつけて映画のキャストを調べてみたら正解。でも違和感あるなあ、未だに。もっと年齢のいった人かそう見える人に合いそうな役だけど。福士蒼汰と広瀬すずはイメージに合ってると思う。

どうやってこの不可能犯罪を成し遂げたのかというところは東野さんらしいアイデアだったが、そうなるとトリックの衝撃が薄いのが難点。肝はその能力だということは分かるが、それだと何でもありとまでは言わないがミステリ的には肩すかしかも。人間が考えることの恐ろしさや異常な人間というものの構造を知るには面白いかもしれない。でもそれだと円華や謙人の内面をもっと掘り下げて欲しかったし、結構いいキャラだった武尾の見せ場があれだけというのも残念。映画のほうが映像的に派手だろうしドラマチックになるだろうから面白くなるかも?

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