江戸川乱歩よ永遠に

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1894〜1956。三重県生まれ。本名、平井太郎。大正12年『二銭銅貨』でデビュー。明智小五郎、少年探偵団の活躍する怪人二十面相シリーズは有名。乱歩なくして現在のゆきあやは存在しません。マイベストは『孤島の鬼』。
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これは小学教師である僕が、新聞社に勤める友人のRと共に体験した恐ろしい話だ。Rの誘いで百面相役者の芝居を観に行った僕は、その生々しい演技に感銘を受ける。しかし、観劇の後Rから途方もない空想話を聞かされ・・・。(短編)

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『写真報知』に掲載された作品。締切に追われて無理に書いたにしてはいい発想をしている(笑)。タイトルだけ見ると明智小五郎シリーズのようだが、まったく関係はない。この作品が後の怪人二十面相の礎となったのは間違いないだろうが。。。相変わらずの腰砕けな真相ではあるが、個人的にはこのあたりの乱歩は嫌いではない。逆に言うと、あまり使い回しはして欲しくなかったネタとも言える。

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創元推理文庫『乱歩傑作選』第12巻「人でなしの恋」収録。
春陽文庫『江戸川乱歩文庫』第7巻「心理試験」収録。
光文社文庫『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。

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父ひとり子ひとりで暮らす彦太郎は、人知れず夢遊病を患っていた。このままではいつか無意識に人を殺してしまう、、と恐れる彦太郎だが、父と口論になった翌日、彦太郎が自宅の庭で見たものは・・・。(短編)

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雑誌『苦楽』より依頼されて執筆した探偵小説。掲載当初は『夢遊病者彦太郎の死』という長ったらしいタイトルだったらしい。怪奇もののファンを掴んでいた乱歩にとって、こういう純粋な探偵小説は好評を持って迎えられなかったらしい。確かに真相も唐突であり、展開が早すぎる。が、個人的にはこの作品は良いと思う。時代を考えればトリックも意外性があるし、何より彦太郎の病気がこの事件にうまく機能している点はミステリとしてというより真実味という点で評価されるべきだ。ある意味、時間があれば傑作に化ける可能性もあったのではないだろうか。

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創元推理文庫『乱歩傑作選』第11巻「算盤が恋を語る話」収録。
春陽文庫『江戸川乱歩文庫』第5巻「人間椅子」収録。
光文社文庫『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。

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指輪  (ねこ2匹)

同じ列車の同じ車両で再び遭遇した二人の男。以前車中で発生した指輪盗難事件で、Bは無実の罪を着せられたと懐かしげに話す。調子を合わせるだけだったAだが、だんだん雲行きがおかしくなって来た。(短編)

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『白昼夢』に続く2作目のショートショート。
会話文だけで構成されたシンプルな作品である。まことにもって、これほど書き出しが面白そうでこれだけオチにがっかりさせられた作品も珍しい。乱歩の言う「愚作」ほどには言い過ぎだとは思うが、これは語り口の軽妙で独特な雰囲気以外に美点を見出せない。『白昼夢』好評の裏でこういう肩透かしの作品も存在していたのだ。

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創元推理文庫『乱歩傑作選』第11巻「算盤が恋を語る話」収録。
春陽文庫『江戸川乱歩文庫』第5巻「人間椅子」収録。
光文社文庫『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。

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晩春の午後、ある場末の大通りをあてなく歩いていた私は、道ばたで大勢の大人子供が半円を描いて立ち止まり、ゲラゲラと笑っている場面に立ち会った。何やら、「妻を殺した」という演説者の口上に聴き入っているようだが・・・。(短編)

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わずか数ページの、今で言うショートショート。
作風は完全な怪奇乱歩で、後の『人間椅子』や『芋虫』に繋がりそうな、グロテスクなお話。何がグロテスクかと言って、その肝となる展示物の描写もさることながら、それに気付いていないのかそうでなく平然と受け入れているのかが曖昧なところではないか。
『新青年』に掲載され、好評だったという。この後しばらくはこの路線で傑作が続いたのは、この小粒な作品が地味に成功した事によるものか。。。個人的にはまだ推したい作品ではない。読める機会も少ないようだ↓。

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春陽文庫『江戸川乱歩文庫』第2巻「パノラマ島奇談』収録。
光文社文庫『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。

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盗難  (ねこ3匹)

ある元宗教団員が、一人の探偵小説家に語った不思議な話。。。教会の説教所で集めた寄付金を盗むという脅迫状が届いたというのだ。予告時刻、彼と主任は巡査と共に金庫の見張りをするが。。(短編)

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乱歩が気合いを入れていた「新青年」ではなく、「写真報知」の為に執筆された作品。息休めに描かれた作品だというからどんなものかと思ったら、これがなかなかに悪くはなかったりする。知恵と行動力で颯爽と盗みを働く泥棒の描写もスタイリッシュだし、終盤のどんでん返しに次ぐどんでん返しにはしてやられた感がたっぷり。個人的には、このうやむやさは好みではないけれど雰囲気や語り口調のリズムがどうしても心地がいい。だんだん、世間に知られている”乱歩らしさ”が現われて来た。

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創元推理文庫『乱歩傑作選』第11巻「算盤が恋を語る話」収録。
春陽文庫『江戸川乱歩文庫』第1巻「陰獣」収録。
光文社文庫『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。

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