海外<サ〜ソ>作家

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ロジャー・スカーレット著。新樹社。

年老いた、子のない大富豪の豪邸。彼の誕生日に集まった肉親たち。その夜起こる殺人事件。複雑な謎が絡みあう事件の手がかりはどこに? 江戸川乱歩も愛した作家による、本格派ミステリー。


<エラリー・クイーンのライヴァルたち>シリーズ。
ロジャー・スカーレット面白いね〜。一番有名な「エンジェル家の殺人」のほうはそんなに評価高くない気がするけどどうなんでしょ。


さてさて、本書は典型的すぎるほど典型的な、館もの、遺産相続ものの本格探偵小説。この系統は登場人物たち(被害者、容疑者ともに)に個性と面白さがあるかないかで全然のめり込み方が違ってくるのだけど、本書は文句なし。面白いところを増やしすぎて、事件発生から探偵登場までに半分以上費やしてしまっているのが難と言えば難だけど。読者からすれば、「え、今さっき死んだのにもう読者への挑戦なの!?」という感じ。しかも全部の手がかりを晒されていない。おーいしっかりしろー^^;

ちょっと性格のよろしくない富豪と、彼の誕生日パーティーのために集まった甥たち。彼らは富豪のお金に頼りきってしまっていて、お金がなくなるとお金を貰うサイクルを続けている状態。オイオイ、働けよ。と思うが、このオジサンにも色々策略があって、彼らも身動きが出来ない状態ではある。それぞれ個性的な性格をしているだけに、彼らの妻や妹、婚約者など女性陣の存在もなかなか。万引き癖があったり、元身内の恋人を婚約者として連れて来たり、かなりの荒れ模様。


そのくせ、探偵と助手が全然個性がないのが不満だわ。いや、凄い頭脳というだけで充分個性的なんだけど。もう名前も忘れた。解決はまず始めに「間違った真相」を故意に提示してから真の真相を明かすスタイルで、最後だけやたらとドタバタ。最初の真相が真相だったらどうしよう^^;と思っていたので、ホッとしたのもあり。まあ、そんなこんなはあるけれどなかなか私好みの作品でありました。

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ロバート・J・ソウヤー著。ハヤカワ文庫。

全世界の人びとが自分の未来をかいま見たら、なにが起こるのか?2009年、ヨーロッパ素粒子研究所の科学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。ところが、実験は失敗におわり、そのうえ、数十億の人びとの意識が数分間だけ21年後の未来に飛んでしまった!人びとは、自分が見た未来をもとに行動を起こすが、はたして未来は変更可能なのか……ソウヤーが時間テーマに大胆に挑戦する問題作。(裏表紙引用)


「SFハンドブック」より〜ミステリファンにおすすめのSF〜の章で紹介されていた作品。ドラマ化されているので有名作品のはず。自分はミステリファンであるが、本書を選んだ動機は↑の理由ではない。
SF気分なのにわざわざミステリを読みたいとは思わない。山荘と館と落ちる橋と奇人探偵あってこそのミステリである。SFとミステリ、ガジェットの楽しみ方は同じでも、スイッチは別のところにあるんだわさ。


まあ、今の御託は前フリ。

ヒッグス粒子だのニュートリノだのSF用語は普通に飛び交うが、エンタメ風なのでSF初心者でもさくさく読める。主人公は二人居て、どちらもヒッグス粒子を発見しノーベル賞を狙う科学者。年配のロイドは今回の<未来転移>で、現在の恋人とは違う女性と暮らしていることがわかる。一方の若者テオは、<未来転移>の2分間に自分の未来を見なかった。それが意味することはひとつ。テオは21年後、生きてはいないのである。この二人の異なった未来を挙げただけでも、「未来を変えたい」気持ちはわかるし、ロイドに至っては今の恋人との結婚をためらうことについて責めることは出来ない。全世界の人びとが、明るい未来を見た者が居る裏で夢が叶わない事を知る者も居たりと、それぞれに反応はさまざまだ。それでも、「もう一度、未来の自分のヴィジョンが見たい」という思いは全世界共通の願いだった。自分達の実験が原因だと発表し、世界を混乱に陥れたロイドとテオのふたりは、自分の未来と現在の選択に悩み苦しみながら、責任の重大さと原因の解明という大きな仕事を担う。。。


・・・面白すぎるわ!!!

テーマとしてはパラレル世界と「未来は変更可能なのか?」というところにあるが、議論としては初期条件の変化が時間に影響するというカオス理論や未来は不変であるという物理学の理論的基盤だのが俎上に載っていたりして、単純なパラレルものではないことがわかる。まあ、正直言うと何かが判明するのかと思って読んでいたわけで、そこがミステリ要素なのかと期待していた自分としては若干放置された感も。まあ、でも、だからこそ読みやすいわけで。テオを殺す犯人の謎、というところも、これをミステリと言われても困る、というぐらいのレベル。伏線、仕掛け、そういったものは行方不明(作者は仕掛けたつもりなんだろうけど)。これは悪口ではない。事実を書いただけ。

面白いよ、ってところでは文句なし。しかしミステリじゃないとも言いたくないし、ガチガチのSFでもないと思う。オススメする対象を絞らずに、ミステリ風味のSFでございます誰が読んでも楽しめますよ、って言いたいな。

(461P/読書所要時間3:30)

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ドロシー・L・セイヤーズ著。創元推理文庫。

兄のジェラルドが殺人犯!? しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。お家の大事にピーター卿は悲劇の舞台へと駆けつけたが、待っていたのは、家族の証言すら信じられない雲を掴むような事件の状況だった……! 兄の無実を証明すべく東奔西走するピーター卿の名推理と、思いがけない冒険の数々。活気に満ちた物語が展開する第2長編。(裏表紙引用)


ピーター・ウィムジイ卿シリーズ第2弾。
「貴族探偵」を読んだばかりだから、こういう本物を読むとアッチが新喜劇みたいに思えてならなくなって来た^^;本書ではピーター卿の兄であるデンヴァー公爵が殺人事件の犯人として捕まってしまうという衝撃の内容である。しかも、被害者の婚約者がピーター卿の妹なのだ。情にほだされているような面が前に出ているが、それなりに現場へ赴き証拠を見つけ論証しようとしているピーター卿と、従僕バンターのコンビ愛が好感度高し。ストレートな推理小説としてはあまり見るべきものはないが、貴族の生活と
常識を堪能するにはこれほどいいシリーズもないだろう。

思ったのは、貴族の恋愛って一体・・・?ってところ。貴族の初夜権ってなんだ?^^;そして中盤から判明する妹の境遇を読んでも、純粋で高潔でありながらどこか「適当」に思えてしまうのは。。
今回はピーター卿が沼に落ちたり銃で撃たれたりとさんさんたるありさま。女性が食事中に立ち上がってネックレスをスープに沈めたりするしなあ^^;推理じゃなくて、裁判の異様さや、キャラクターのおかしさを楽しむ作品。

2作品と短編集を読んで来て、自分がハマるかどうかはこの段階でまだわからない。少なくとも、今の時点では微妙。貴族ライフだけでは持たないレベルなんだよね、ミステリ読みとしては。この調子で名作と言われる「ナイン・テイラーズ」まで続くと結構辛いな。

(381P/読書所要時間3:00)

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ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著。ハヤカワ文庫。

やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!(裏表紙引用)


SFに疎いゆきあやでもタイトルを知っている、<SF短編オールタイムベスト>常連作品に挑戦した。
短編というより中編集。知的生命体コメノ族の図書館司書が、カップルにお薦めするヒューマン(人間)
と異星人の物語3編、という設定。感動・感涙のスペース・オペラとの触れ込みなので多大な期待と共に読んでみた。著者が70歳だったという事も興味深い事のひとつ。

ではそれぞれの作品の感想を。少し内容が具体的になっていますが。。


『たったひとつの冴えたやりかた』

あらすじは↑の引用をご参照下され。
宇宙人とのファースト・コンタクトに憧れる少女という設定が面白い。普通こういう行動を起こすのは少年じゃないか?と思ったのだが、16歳という大人と少女の境目にある年齢である事を鑑みて、ただの憧れと勢いだけではない事がおいおい分かって来る。脳に寄生した病原菌(シロベーン)と少女(コーティ)が親友になるという物語なのだが、会話の面白さやシロベーンの体質もさることながら、シロベーンが隠していた秘密が明らかになっていってからの怒涛の展開が涙を誘う。その決断と人間性の高さはこの年齢の少女だからこそ引き立つ気がする。お互いの友情を確かめ合う会話は、リミットがあるゆえの真実だろう。シロベーンの勇気を最後まで称えることをやめなかった彼女の「たったひとつの冴えたやりかた」は、コーティだけでなくシロベーンのものでもあったと思う。ラストの残されたものの言葉がそれを証明している。

ただ、自分は「インデペンデンス・デイ」のラストとどうしてもかぶってしまったので。。。


『グッドナイト、スイートハーツ』
記憶を喪失した男が、かつての恋人と再会した。恋人のクローンまで出現し、彼の心は乱れてしまう。老いたが思い出を抱えたままの元恋人か、若きクローンか。。海賊との闘いで苦渋の決断を強いられた男の
出した答えとは。。
自分は表題作よりこちらの方が好きだ。二着しかない宇宙服、選べない二人の恋人と責任感。コメノ族が「ヒューマンにこういう側面があるとは」と驚いていた通り、自分がこうなったら彼と同じ判断をしそうな気がする。彼の迷いって、純粋で、真っ直ぐと言い切れない感情じゃない?こういうのの方が奥が深いな。


『衝突』
ちょっと設定を把握するのに苦戦したのだけど、ヒューマンと戦争をしている惑星があって、別のところから同じ惑星と戦争している異星人が現れた、って事でいいよね?で、ヒューマンと協力し合おうという。異なる言語を理解し合おうと尽力してコミュニケーションが活発になって行くさまが読みどころ。
実は一番好きになったお話がこれ。自分の琴線って、泣く泣かないの問題じゃないんだよ。

「ともだち・なる・わたしたち・お互い・信じる・しないと・だめ!お前の話・本当・信じる!」
「連邦・戦争・ほしくない。連邦、友だち、ほしい!戦争・わるい!平和・来る!」

人間が異星人に言われちゃってるよ、聞こえるかな。


(379P/読書所要時間3:00)

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アル・サラントニオ編。創元推理文庫。

田舎町に起きた連続猟奇殺人の顛末を、少年の目を通して描くランズデールの表題作。幽霊屋敷をなんとか売り物にしようと策を巡らす不動産業者ら一行を待ち受ける意外な運命を物語るブラッティの長編『別天地館』。加えてストーカー賞作家モンテルオーニ、怪奇の詩人リゴッティらの世にも奇妙な4つの物語を収録。ホラーを愛するすべての人に贈る一大アンソロジー、ここに完結。 (裏表紙引用)


原題なげぇよ^^;
というわけで、beckさんお薦めのホラー・アンソロジー。ランズデール入門にも最適ということで。先日読んだハヤカワ文庫のホラー・アンソロジー「闇の展覧会」解説でも、優れた叢書として特に本書が紹介されており。ゆきあやの知らない作家さんが盛りだくさん。

さて、各感想を。

「狂犬の夏」 ジョー・R・ランズデール
『ボトムズ』の短編バージョンということらしい。長編のあらすじを読んだ時はキツそうだなあと思っていたが、読んでみると相当好みの作品だった。兄と妹が、死に掛けた愛犬と共に森に入って黒人女性の惨殺死体を発見するという。。噂の「山羊男」がいい味出してる。これ、子供視点だから余計怖いんだと思う。妹を守ろうとする兄や床屋を営む父親、従業員の青年などなど、閉塞的な環境の中得体の知れないものに命を狙われる恐怖や、人々の差別、盲目的な恐怖の対象など、良い感じで描かれているね。ラストの意外性もさすが。これ、長編になったらどうなるの?これでしっかりまとまっている気がするんだけども。

「影と闇」 トマス・リゴッティ
すいません、わけがわからなかった^^;;;;
芸術家のもとに集まった人々が旅をしているわけなんだけど、形而上学的なんとかの話ばっかりでいまいちワタクシには^^;;好きな人も居るんだろうけど、自分がこういう作風を気に入る日は一生来ない気がする。。エドガー・アラン・ポー全集とかに入ってそうな^^;

「ヘモファージ」 スティーヴン・スプライル
警官が吸血鬼!?というお話で、短いのだけどなかなか楽しめる一品。怖いねえ。血のつながりと、吸血鬼であるがための哀しい宿命が読み取れる。

「リハーサル」 トマス・F・モンテルオーニ
一番ダントツに気に入った作品。
劇場の掃除人兼警備員をしている男が、自分の半生を振り返る。舞台に出てきたのは、死んだはずの父親と会えなくなった母親、そして少年時代の自分だった。。。
「こうであったなら」を具現化した作品で、シナリオ調になっているのも効果的。ラストはどうにでも解釈出来るのかな。夢だったのかリセットしたのか。こういう作品は誰でも面白く読めると思う。

「闇」 デニス・L・マッカーナン
これもかない短いお話。莫大な遺産と屋敷を手に入れた男。亡くなった叔父が好んだというまばゆいばかりのライト。男を狂わせたのは光か闇か。ラストもよく出来てる。

「別天地館」 ウィリアム・ピーター・ブラッディ
ようやく読んだ事のある作家さんが。。「エクソシスト」の人だね。
なんと200ページほどの中編。自分にとってのこういうアンソロジーのお約束は、長いものほど好みじゃないタイプのものだったりするのだけど。。これはなかなか面白かった。幽霊屋敷ものとしてはあまり見ない性質の仕掛け、、、ではないのだけど、これでこのオチが来るとは予想していなかった。人物造形もしっかりしていて読み分けしやすい。


以上。
ランズデールとモンテルオーニが大変気に入りました。その2つだけだと4匹越えていたでしょう。この叢書、あと2つも読みたいのだが。。こういうジャンル(オカルト)は自分の好みがはっきりしてしまうのでちょっと腰が引けるかも。


(459P/読書所要時間4:00)

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