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梅雨で地面きのこだらけ。。

海外<サ〜ソ>作家

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トム・ロブ・スミス著。新潮文庫。

スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レオ・デミドフは、あるスパイ容疑者の拘束に成功する。だが、この機に乗じた狡猾な副官の計略にはまり、妻ともども片田舎の民警へと追放される。そこで発見された惨殺体の状況は、かつて彼が事故と遺族を説得した少年の遺体に酷似していた…。ソ連に実在した大量殺人犯に着想を得て、世界を震撼させた超新星の鮮烈なデビュー作。 (上巻裏表紙引用)


2009年「このミステリーがすごい!」海外部門1位の作品。

舞台は1950年のソ連ですが、実話である52人少年少女殺害事件を元に書かれたもので、実際のそれは80年代に起きた事件だそうです。私達が生きて来た80年代としてこの作品を読むよりも、50年代として読む方が小説的なリアルさがあるという事でしょうか。ソ連というのは個人的によく分からない国です。ロシアの下の方にある独立したごちゃごちゃ密集している国とか全然分からないもの^^;一応史実そのままを描いてはいないそうですが、まあ詳しくなくても物語は楽しめます。上巻はまだスターリンが生きていて、当時のソ連の酷い実態を国家保安省のレオと妻ライーサの立場から描かれています。とにかく上がスパイと決めたらそいつはスパイで、1度逮捕したら釈放されない。その家族も苛酷な生活を余儀なくされるという。その犠牲となるのは高齢者や子供達も含まれていて、犯罪が横行しない国だという建前の元に、毎日何人もの屍がソ連の地に横たわるわけです。
めちゃくちゃな政治ですね。失敗して当たり前。とは言いつつも、現在ロシアでは本書が発禁となっているそうで。今となっても余韻を引いているのでしょうか。。

さて、そうは言っても本書はエンターテイメントですから、堅苦しく読まなければならない作品ではありません。文章はかなり読みやすく、登場人物達の描き分けも見事。構成も細部までしっかりしています。下巻はまさにハラハラドキドキのサスペンスという趣き。レオとライーサの夫婦愛もただベタなものではないのです。一度はお互いを裏切ろうとするのですから。諸悪の根源と言える事件が発生し、それをきっかけにレオの部下であるワシーリーがとにかく悪質に陰険に彼らを追い回して行きます。

ミステリ的な意外性もあり、この時代に生きた彼らすべての感情や性格の形成が深みを与えていて、そんじょそこらにはない面白さの詰まった作品。上下巻と聞くと長いですが、一気に読めます。

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レックス・スタウト著。ハヤカワ・ポケット・ミステリ。

探偵ネロ・ウルフを、事故死した娘は実は殺されたのではないかと考える父親が訪ねてきた。娘は出版社に勤める編集者で、亡くなった晩は原稿の採用を断わったアーチャーなる作家と会う約束をしていたという。ウルフはこのアーチャーという名前に聞き覚えがあった。先日、弁護士事務所で起きた殺人事件にも同じ名が登場したのだ。ウルフに命じられて二つの事件を調べるアーチーの目前でさらなる殺人が!アーチーは一計を案じ、関係者の女性たちにウルフ秘蔵の蘭とディナーを贈るが…美食家探偵が苦虫を噛み潰しつつ、狡知な殺人鬼と対決する。(裏表紙引用)


物騒なタイトルでごめんなさい。いや、付けたのおいらじゃないけど^^;前に”美食家探偵ネロ・ウルフ”に興味を持っていたので、いよいよ読んでみました。シリーズいっぱいあるみたいだけど、とりあえず開架にあったやつを適当に。

これはキャラクターがいいですね。ネロ・ウルフの体型(ちょっと横幅の方がごにょごにょ^^;)にも驚きましたが、意外と捜査では後ろに廻っている感じで、大事な事だけをビシッと伝えるタイプっぽいです。いつも仔羊のなんたらソースとか、ハムとブラックバターでどうたらとか、よだれの出そうな料理を食しておられる^^;園芸係はともかく、料理人を雇い入れてるんだよね〜。それよりも、彼の助手であるアーチーの方が目立っていて(語り手なんだから当然なんだけど)、むしろ彼の方が主人公のようです。行動力があって紳士的で若々しい。ちょっと女好きなのが玉にキズですが、おいらはアーチーの方が気に入ってしまいました。

事件も3つの殺人が起きてなかなか派手なのですが、アーチーの捜査方法が一風変わってるんですよね〜。関係者の女性達に蘭を贈ってディナーに招待するという。。。
謎に関しては推理というより調査という感じで。どんでん返しもありなかなか良かったのでは。特に、犯人が罪を認めるきっかけとなるシーンはお洒落(と言っては不謹慎ですが)でグッと来ました。一番忘れられないシーンです。

ただ、ちょっと読むのは苦戦したあ^^;;3日くらいかかってしまいました^^;(色んな本に浮気しつつ)

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ジョン・スラデック著。ハヤカワ文庫。


ミステリ好きの集まり<素人探偵会>が35年ぶりに再開を期した途端、メンバーのひとりである
老人が不審な死を遂げた。現場はトイレという密室ーー名探偵サッカレイ・フィンの推理を嘲笑うかの
ように、姿なき殺人鬼がメンバーたちを次々と襲う。あらゆるジャンルとタブーを超越したSF・
ミステリ界随一の奇才が密室不可能犯罪に真っ向勝負!本格ファンをうならせる奇想天外なトリック
とは?解説:鮎川哲也・法月綸太郎(裏表紙引用)


最近気になっていた作家さんです。アンソロジー「バカミスじゃない!?」で紹介されていて、
すご〜く興味があった矢先の復刊だったようで。ぴかぴかの表紙、でかい文字に万歳と叫び、
東野圭吾3冊の間にはさんでこそこそと購入。

あまり自分はコッチ系詳しくないんで、感じたままを書きます。

とにかく読みやすい。字の大きさだけに寄るものではないと思います。心配していた「名前の混乱」
もさほどではなく、ストーリーも設定もわかりやすい。最初から「クリスティみたい」と思って
読んでいたら作中でやはり名前が挙げられていました。探偵役がちゃんと存在しているので、
視点がブレずに入り込みやすかったのも○。

複数の死者が出る事件ですが、一人目の真相はしっかりとスタンダード。二人目の被害者にまつわる
ある真相が一番度肝を抜かれました。これと似た仕掛けのミステリがあったと思うのですが、
明らかにこちらが先ですね。そちらがそれをトリック、事件の全体的な肝としていたのに対し、
こちらは推理の構築上の一つでしかありません。メモ書きの謎も含め、一番話題となりそうなのは
最後の被害者のトリックでしょう。

ただ、物語のスリル、その雰囲気については若干不満も。これが作家のカラーなのでしょうが、
それが不足していると本格ミステリの”遊び”(グリーンを始めとする色の謎など)が
ふざけているように見えてしまうので個人的には物足りないかも。

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P・シニアック著。中公文庫。


フランスのとある田舎町のレストラン、その食卓に”狩人風ウサギ料理”が供された夜、必ず若い女が
殺される。犠牲者のかたわらにはいつも一本の扇が……。”食”と”性”に異様な情熱を傾ける町の
人々を脅かすこの奇妙な謎、その信じ難い結末。(裏表紙引用)



もねさん、べるさん、ありがとうございます。もねさん御厚意の巡回本で、ただいま一番注目を
浴びている噂の「椅子から転げ落ちるほどのバカミス」をお借りする事が出来ました!
皆さんが「うわー」「ぎゃー」「ひえー」と盛り上がっている中、姉貴に「ゆきあやさん向きでは
ない」と忠告をいただき指でのの字を書いておりましたが^^;それを見かねてか、優しい優しい
べるさんからお送りいただけました!


さて。早速読ませていただきましたので、感想を。

まず、結論としては。
「さすが姉貴……^^;」と言った方が早いかと思います。。。
すいませんすいません、仮にもお貸しいただいた本に対しこのような発言は失礼千万ですが、
やはり記事にするのがご恩返しであり大人の義務であります。今時の言葉で言えば、
この記事は「KY」というやつです^^;;
みなさんとわたくしの温度差にお気を損ねられませぬよう。


町で次々と連続殺人が起き、シャンフィエなる探偵がこの奇妙な町で地味に奮闘するこの
お話自体は非常にお洒落で、好みの作風でした。エロ要素ですら、ちょっとした昔の外国の
ストリップの舞台を連想するような大人の性、という雰囲気であり、下品だとか不必要だとか
引いてしまう、というものではなかったです。
ただ、これは本当に自分の好みだけの問題。
本作は元々がかなりユーモアの強い作品であったので、それがこの奇想天外な結末と非常に
似合ってしまい、「驚いた」「わはははは」という感情は芽生えなかったです。
どちらかと言うと自分は一見カタい作風のものの結末が非常におバカだった、的な
(例:「凶鳥の如き忌むもの」「百番目の男/ジャック・カーリィ」)
面白さ、の方を好む読者かもしれません。


では、この作品の結末は私にとってどうだったか、と言うと、「感心した」の方が表現としては
近いと思われます。実は、第18章〜あたりからは「ハハ、面白いやん」という感じで
多少こじつければ何でもこじつけられるんだなあ、という読み方でした。
評価が上がったのは、やはり皆さんと同じく「解決してからその後」ですね。
面白さを通り越してむしろどんどんやってくれ、というくらい爽快でした^^;
フランスの作家さんって、あまり「規制」がないのが特徴なのかな。やっぱ。

纏めましょう。
しかしながら、上で挙げた「結末だけが椅子から転げ落ちるほどの」面白さを持つ本よりも、
本書のように終始安定した面白さ、ワクワク感のあるものの方が質は高いって事です。



もねさん、ありがとうございました!うだうだ書いてしまいましたが、堪能いたしました。
何より、こうやって皆さんと同じ本を読んで感想を分かち合う場を与えていただけている事に
感謝しております。いつも^^

さ〜て、次はどなたが。。。
あれ?もうほとんど回っちゃった??^^;;
どなたか是非挙手を!

あ、しろねこさん、「蔵六」とセットでいかが?(笑)

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ようアニス、待たせたな!なんていうカティさんのような気さくな発言は出来ませんが、ようやっと
お待たせしました。ブログ内知的男子No.1を誇るアニス様より、なんとしろねこさん率いる
本学大学の裏メインイベント、『本のタイトルリレー』が廻って来たではありませんか。

詳細や今までのリレーの歴史はこちら → http://blogs.yahoo.co.jp/staranise1969/49074481.html

簡単にルールを説明しますと、『前の人が出した本のタイトルに含まれる文字がひとつ以上
使われている別の本を紹介する』という事で、早くも二周目に突入している模様。

アニスさんのご紹介本は、藤原正彦著『心は孤独な数学者』でした。
おいらは、「心」「は」「孤独」「な」「数学」「者」に当てはまる本の記事を書けば良いわけ
ですね^^。おいらが「パッ」と直感で思いついた本は、3冊ありました。

アダム・ファウアー『数学的にありえない』
第一候補だったんですが、これはなんかノレなかったのでパス^^;
森博嗣『笑わない数学者』
シリーズ物途中の、しかも悪口ばかりになりそうな本を挙げてどうする。しかもこれじゃいかにも
ゆきあやらしすぎて面白くない。


ということで、この本です。
アラン・シリトー著『長距離走者の孤独』。懐かしいかね?皆さん^^

実は短編なのですが^^;あらすじを纏めますと。『感化院に収容されている非行少年が、
院長の推薦でクロスカントリー競技会に出場する事になる。社会へ、権力へ、彼が選んだ
「誠意」の選択とは。。』という感じでしょうか。


☆       ☆       ☆       ☆       ☆


今の年齢で読んでも全く印象が変わらない。精神に訴えた青春小説なんて、年を重ねれば
読む角度が変わっていても良さそうだが。。
文体の言い回しさえ変えれば、舞城王太郎の新作ですと言っても通りそうだ。BGMは
もちろんブルーハーツ。学歴社会に生まれ、引きこもりという逃げ場すら存在しなかった
80年代に登場した彼らの音楽は衝撃的だったが、たくさんのパンク・キッズを
生み出した功績だけが残り肝心の社会は変わらなかった。選挙に行けとは言わなかったからね。
何の話だ。いや、この本を読むと私はぬるい。学校に行けとかさ、就職しろとか言ってるのが
もう遊んでんのかなって思う。いや、間違ってるとは思ってないし何も変えないんだけど。
私がキレるのは「結婚しろ」って言われた時ぐらいで……ええい何を書かせる。
力のある文学っていうのは形が変わらない。自分が何を思うとかどんな人間だとかを
置き去りにしたまま、意志と物語がそこにある。
「昔読んだ時は主人公はこう言ったのに」なんて事もないんだな。





終わり。すいません、ここんとこ死体となって帰っているので変な事書いてます。。
アニスさん、遅くなりましたがこんなもんで採用していただけますでしょうか。。


次回、どなたかの所へいきなり廻します。希望者歓迎。

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