すべてが猫になる

有線にしたら高速すぎて逆に使いづらい。やめないけど。

オールタイムベスト30

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1月からスタートし、好評のうちに先日終了いたしましたゆきあやオールタイムベスト。
まさかこんなに月日がかかるとは本人も思っておりませんで^^;皆さん、長らくお付き合いいただき
ありがとうございました。
思えば、この焦らし焦らしで発表して来たやり方がたまたま功を奏した事と、世間的ヒット作と
隠れたお薦め作がバランス良く配合され^^、さらに普段のすべ猫らしくない作品を随所に登場させた
事が意外性を生み、今回の成功に繋がったのだと思います。(と、自分で褒めておく)


振り返ってみると、色々ありましたねえ〜。
↓振り返って下さい^^;;
1 孤島の鬼 江戸川乱歩             16 人間の証明 森村誠一
2 Yの悲劇 エラリー・クイーン         17 ゲームの達人 シドニィ・シェルダン
3 そして誰もいなくなった アガサ・クリスティ  18 13階段 高野和明
4 人形はなぜ殺される 高木彬光         19 暗いところで待ち合わせ 乙一 
5 シャム双生児の秘密 エラリー・クイーン    20 アイデンティティー スティーヴン・
6 ミザリー スティーヴン・キング                       ピジック
7 十角館の殺人 綾辻行人            21 813 モーリス・ルブラン
8 夏と冬の奏鳴曲 麻耶雄嵩           22 翼ある闇 麻耶雄嵩
9 黒い家 貴志祐介               23 火の粉 雫井脩介
10 大誘拐 天藤真               24 わらの女 カトリーヌ・アルレー
11 煙か土か食い物 舞城王太郎         25 浅見光彦殺人事件 内田康夫
12 オリエント急行の殺人 アガサ・クリスティ  26 異邦の騎士 島田荘司
13 奇想、天を動かす 島田荘司         27 幽霊刑事 有栖川有栖
14 犬神家の一族 横溝正史           28 僧正殺人事件 ヴァン・ダイン
15 重力ピエロ 伊坂幸太郎           29 星降り山荘の殺人 倉知淳
                         30 七回死んだ男 西澤保彦


振り返ってみて、とりあえず「入れるんじゃなかった^^;」という作品はありません。
一応納得の行くランキングでございますね。

では、「入れたかったけど外さざるを得なかった作品」裏ベストはっぴょう〜〜^^

 「凍りのくじら」辻村深月/「青空の卵」坂木司/「占星術殺人事件」島田荘司/
 「死者の書」「月の骨」ジョナサン・キャロル/「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎/
 「斧」D・W・ウエストレイク/「ウォッチャーズ」ディーン・クーンツ/
 「エナメルを塗った魂の比重」佐藤友哉/「ダッシュ」内山安雄/「噂」荻原浩/
 「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」麻耶雄嵩/「出口のない海」横山秀夫/「奪取」
  真保裕一/「七人のおば」パット・マガー/「カナリヤの爪」E・S・ガードナー/
 「M・G・H」三雲岳斗/「クリムゾンの迷宮」/貴志祐介/「レーン最後の事件」「チャイナ・
  オレンジの秘密」「ドラゴンの歯」「生者と死者と」「ニッポン樫鳥の謎」エラリー・クイーン
 「三つの棺」ディクスン・カー/「痩せゆく男」「シャイニング」スティーヴン・キング

……とと、キリがないのでやめましょう^^;

あと、ミステリー、ホラーという枷がなかったら絶対入れていた作品。

 「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス/「砂の女」安部公房/「異邦人」カミュ
 (キイス以外は5位以内に入るぞ)

ということで、皆さん。コメントいただけたり、上位を予想して下さっていたり、ゆきあやの
知らないネタを教えていただけたり、紹介した本を読んでいただけたり、ご自身のブログで
宣伝していただけたりと、皆さんのおかげで盛り上がった企画となりました。(「わらの女」
以外、笑^^;)

良かったら、「出て一番嬉しかった作品」「一番意外だった作品」「どうしてアレが入って
いないの?」「色んな意味で順位に納得いかない作品、^^;」などなど、ご意見やら
なんやらコメントいただけたら嬉しいな〜、なんて^^;;

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神よ。乱歩よ。貴方の織り成す世界はどうしてこうも怪しく現代でも煌めいているのか。

おいらが乱歩に傾倒しているのは皆様ご存知だと思いますが、なかなか記事にする機会もなく、
3年の月日が流れてしまいました。他にも書きたくてしょうがない乱歩記事がたくさんあるの
ですが。本当は『黄金仮面』と『悪魔の紋章』もベスト内に入れる予定でした。短編はさすがに
入れられないので断念しましたが。同じ理由で『モルグ街の怪事件/エドガー・アラン・ポー』も
2位に入れたかったところを断腸の思いで外しました。

本作も、中編と言えば中編なのですが(たいてい『猟奇の果』とカップリングになっている)、
一応300ページ程の文量ですし、「復帰後第二長編」として通っている作品なのでアリかと。
乱歩は本来、探偵小説らしい探偵小説、つまり論理とトリックを重要視した作品を目指していた
そうです。が、ファンから支持されるのは「猟奇乱歩」の方だという事実に諦観し、一時乱歩は
筆を折ったのでした。(でも『D坂の殺人事件』『心理試験』とかはいいと思うんだけどな。。)

おいらも実は、論理乱歩より猟奇乱歩派で、明智小五郎に心酔している訳でもはたまたそういう
時期があった訳でもありません。『芋虫』『人間椅子』『一寸法師』系の作品が大好きなので。
『屋根裏の散歩者』『恐怖王』のように、怪物ではなく、人間が怪奇的な行動を取る、その
恐怖が途轍もない楽しみであったのです。そもそも怪人二十面相もヒトだし。人がマントかぶって
気球に乗ってアドバルーンに自分の名前書いて変装してナニやってんだって思いません?^^;
そこで理論と冒険、行動で事件を解決する乱歩のスタイルが子供心にも、大人になった今でさえも、
大きな魅力なのだと思います。


そこで本作なのですが。
今読むと、不可能犯罪事件を華麗に解決した第一部とある孤島に閉じ込められた不○者の手記で
始まる第二部(自分で勝手に分けた)が独立しすぎ、もったいない感はありますね。
昔の記憶では、コレとアレは別のお話だと勘違いしてた頃がありましたから。
殺人現場からなくなったチョコレートの缶や、衆人環視の中での刺殺事件、壷の謎など、
今読むと絶対「んなばかな」なんですが、恐ろしくて眠れない程衝撃でしたねえ。
一番好きなのは、やはりある哀れな双子の片方が書いた日記の内容なのですが。。。
後半は宝探しという冒険小説の体をなして来ますが、その中でもちょっとした切ない恋愛が
ほの見えたり、同性しか愛せない宿命を持った諸戸の純粋さと呪われた血がやるせなく、
単調でない物語の深みを見せてくれます。

内容が内容だけに、改訂版では現代に適さない表現は修正されているとは言え、やはり
元あるものが淘汰されてしまうのは仕方がないのかもしれません。出来れば元の版で読んで
欲しい。
今ではほとんど読む事のなくなった乱歩だけど、時々心に隙間が出来た時、何かが失われた
現実を思い知った時、その何かを埋めるために乱歩を引っ張り出すのです。

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ああ、あと1冊で終わりなのね。(;;)
というわけで、しつこくエラリー・クイーンの登場です。『シャム双生児〜』で軽く伏線を出していた
つもりなんですが、余計な事をしてしまい多くの方にバレてしまってましたね^^;
まあ、おいらがこの作品を挙げないわけないでしょう、って事で。

読むのに体力がいる作品なので、『そして誰もいなくなった』程再読回数は多くないのですが、
まあ、3、4回は読んでいます。創元で2回、ハヤカワで2回。どうもおいらはいつも、ハヤカワの
訳だと乗り切れない所があるのですが。「ここは改行してよ!」とかそんなレベルの怒りですけど^^;


まあともかく、この作品には愛情たっぷり思い入れ満点なもので、過分に盲目的になってるな、と
再確認できる読書となりました。しかし、自分にとって「推理小説の完成形」「怪奇性と悲劇的演出の
天井」と信じている作品が本書なのです。本書は犯人の意外性も高評価の一端を担っていますが、
初読で犯人の見当はついてしまったおいらなのですよ。ルイザの証言の一つでピンと来ちゃった。
ですから、あの人物が犯人であった驚き、というのはあまり自分の評価には関係ないところも
あります。





本書はドルリー・レーン四部作(悲劇シリーズ?)の2作目にあたる。
ゆきあやが好きなのは、本書と『レーン最後の事件』。ぜひこの2作は続けて読んで欲しい。
ある病魔に侵されたハッター家に起こったある惨劇。主人であるヨーク・ハッターの死体が
ニューヨークの港にあがったことから事件は始まる。捜査に乗り出したニューヨーク警察本部
殺人課のサム警部は、以前『Xの悲劇』事件でその手腕を見せつけた元シェークスピア俳優、
ドルリー・レーンに助けを求める。ハッター家一族を調査すると、出てくるわ出てくるわ、
狂気に蝕まれた血筋の面々が。。。

とにかく彼らの記述が凄い。傲岸不遜の鬼婆あエミリー、いじけにいじけた小男ヨーク、
天才詩人バーバラ、遊蕩児コンラッド、無軌道娘ジル、おどおどしているマーサ、悪童ジャッキーに
その弟ビリー。三重苦の身体障害者ルイザ。
これはギャグかと思える程の派手派手しい舞台設定。差別用語が乱用され読みぐるしいのは
時代のためか、次から次へと起こるルイザ毒殺未遂に老婦人撲殺事件、さらに謎の放火騒ぎ。
ルイザの証言を手がかりに、レーンはこの理不尽で筋の通らない犯人像に苦悩し続ける。


レーンが得意の変装を断念した事だけが心残りだが。
最後にはあまりの悲惨な事件の真相にショックを受け、ハムレット荘にひきこもるレーン。
最終的にはサムの前で真相を暴露するのだが、その推理はあまりに数学的で、これ以外の真相は
考えられない地点まで証明しきってみせる。推理小説のトリックは可能性が無限で、あくまで
探偵は「説得力がある」真相を披露する力しかない。あとは証拠だけだ。理論だけで、
残る全ての可能性を排除してしまうこのテクニックは圧巻だ。

なぜ、この人物が犯人であるかと同時に、この人物以外の人間が犯人足り得ない証明を
してしまう。そして、不可解な足跡や残された注射器、目的のわからない火災や凶器に持ち込まれた
マンドリンなど、全てが同じ人物を指し示す。その犯人の心理や行動にはこれ以上ない説得力と
状況証拠があり、他の可能性を論じる隙を与えない。


さらに、自分がこの作品を愛している大きな要素がある。
まさに悲劇の名にふさわしい、一気に10も20も老けてしまったドルリー・レーンが取った
行動である。明確な答えは書いていないが、作者はレーンになんという重たい十字架を背負わせて
しまうことか。本当にこのラストには震えた。ぜひ『最後の事件』と読み比べてもらいたい。
(しかし、倫理的にも常識的にも、レーンのこの判断は誤っている。彼の性格は非常に
独善的で、思い込みが激しいという事がわかる。レーンは自らを神だと勘違いしたのかもしれない)



ふう。(;^^A。
まあ、正直言うとここまで来るとさすがに本作の世間的な批判や中傷は気にしていない。
古くさかろうと、粗があろうと(ないない)、自分にとってのベスト・オブ・ミステリは
本書であって、そしてドルリー・レーンはいつまでも自分の心の中で生き続ける。

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いよいよベスト3突入です!^^vどうです、第3位にミステリの女王の代表作。かっこいいなあ。
『十角館の殺人』記事で「1位かと思っていた」とコメントいただいた皆さん、さすがに納得して
いただけるかな?おいらがミステリで一番再読回数が多いであろう作品がコレです。
「十角館」がミステリのさらに広い世界へ踏み出した記念すべき作品ならば、本書はおいらがミステリ
世界そのものへ踏み出した記念すべき代表作と言えるでしょう。
そのもの、と言ってしまえば江戸川乱歩やエドガー・アラン・ポー(ははは)がそれを指すのですが、
本書は真面目に大人のミステリ小説にはまるきっかけとなった真のスタート地点です。


さすがに本書を読んでいないミステリファンはいない、と断言しても差し支えないでしょうか。
というわけで、オールタイムベストで初の堂々ネタバレで進行いたしますよ!
これからミステリにはまろう、試しにミステリでも読んでみよう、という未読の方はこれにてごめん。



       〜〜未読の方は以下読まないで下さいね〜〜










はっきり覚えています。最初に読んだアガサ・クリスティが本書です。幸運だなあ^^
人気シリーズキャラであるポアロやマープルは出て来ませんが、シリーズキャラが世界的な
成功を収め、さらに一番有名である作品が別にある、という真の実力派アガサ様。

殺人者が間違いなく10人の中にいるというのに、タイトルの持つ言葉通りでなければ
いけない、という不思議さはまさにミステリの根本的な好奇心を触発します。これは読者に興味を
抱かせるには満点で、読む前から成功している例と言えるでしょう。まさか既に死んでいる者の中に
犯人がいるとは想像もつかず、マザー・グースの子守唄に合わせてインディアンの人形が一つ一つ
死体の出現と共に消失して行く。恐怖を喚起させるのにもこの演出は見事で、”遊び心”という
推理小説の面白さも体験出来るというわけです。

また、招待者であるオーエン氏が画策した”罪の告発”で動機は提示されつつも、彼らの
一人一人が裁かれない罪を背負い、またそれを心の闇にしまい込んで苦しんでいる姿が映され
深刻な問題提起と共に、深みのある人間ドラマとして広がっています。


次に死ぬのは誰か。どのように殺されるのか。
緊迫した空気の中、誰もが疑心暗鬼になり、胸の内を探り合う。
盗まれるピストル。注射器。
後半になると、犯人である判事は死んだ事になっている為、彼ら全員の”自分ではない、犯人の
見当はついている”というモノローグがさらに謎の迷宮へと誘います。この時点で、アンフェアな
記述がいかなるものかを本能で知っているべきなのでしょうか。

”変だな、十個あったはずなんだが……”
”オーエン氏はわれわれのなかの一人なのだ!”
”おかしいじゃないか、人形が八つしか……!”
”熊の形をしていたんだわ……”
”岩へ泳いで行っていいわ、シリル……”

と、自分が当時からゾクゾクさせられているシーンを集めてみましたが^^

そしてさらに、最後の二人が殺し合い、生き残った一人が自殺をするラストまで。
息もつかせぬ勢いで読み通したものです。
当時、自分はそこで「あ、あれ??誰もいなくなった。。」と思いましたね。

最後の判事による手記によって、淡々と事件の真相が暴かれるわけですが。
燻製のにしん等の伏線、ヒントを開示して、”してやられた”感までも得られるとは流石としか
言いようがなかったなあ。
さすがに今久々に読むと、裁きというからして判事が犯人だってピンと来なくちゃおかしかった
のね、と思ってしまいますね。プロローグで最初に出るのも登場人物紹介でどあたまに来るのも
この人だし、いやあ、目立ってた(笑)



さて、いよいよ次回第2位です^^もう1位にしてもいいぐらい、大好きな大好きな、
殿堂入りのあのミステリーが登場します。数日お待ちを^^

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もう4位か。我ながら凄い作品を持って来たのに、4位ってなんか中途半端感がありますね^^;
本作は、国内ミステリーベスト1、2を争うと評判の作品で、さすがに今度こそはこの4位に異論は
なかろうと思われます^^
まあ、とは言ってもわたくし、高木さんの作品を記事にするのは4年目にして初めて、という
体たらく。それもそのはず、おいら高木作品は4冊くらいしか読んでいないのです。一応理由は
ありまして、実はこの東大出のインテリ美男子探偵、神津恭介があまり好きではないという……^^;
嫌いなタイプでもないのですが(探偵として)、容疑者に対する言葉の一つ一つがなんだか
キツいんですよ。本書で引用すれば、「僕はシャーロック・ホームズの再来だと言った覚えはない」
とかね。売り言葉に買い言葉的な会話が多い。
後は、文章。陰惨な雰囲気や探偵小説ならではの格調高さはそれこそ十二分にあるのですが、
横溝正史や江戸川乱歩に比べると表現などに若干の物足りなさを感じます。


おっと^^;、こきおろすつもりはなかった^^;;;
まあ、それでも自分のオールタイムベストで4位に輝くぐらいだから、この作品にはもの凄い
思い入れがあります。好きというのもおこがましく、神棚に飾って「ははー」と拝みたくなるほどの
別格の作品です。本当に、麻耶さんや島田さんが束になってかかって来ても敵わないくらい。




新作魔術会で、硝子の箱からマリー・アントワネットの”首”が盗まれる。作家松下研三は
神津恭介を呼び寄せるが、その後発見された殺人現場では首のない死体と、消えた人形の首が。
殺人の起きる前に必ず殺される人形の意味とは。。これは殺人予告なのか?神津恭介への
挑戦なのか?



トリックが凄いんですよ。。。

作中のプロローグ。作者による「なぜ人形は殺されるのか」という読者への問い。なぜタイトルに
これを持って来たか。
その姿勢は挑発的で自信が漲り、二度にわたる”読者への挑戦状”にヒントを交えあくまでフェアに。
一度目の挑戦状の後の章では少しずっこけますが^^;、神津恭介をうならせるほどの巧緻に長けた
犯人の明晰な頭脳には恐れ入るばかりです。
特に読者をうならせたのは、第二の殺人の人形と人間の轢殺事件のトリックとその理由。
現代では不可能なトリックでありますが、不気味さと計算高さが合わさって、探偵小説として
演出と理論で完璧とも言える出来映えを見せてくれます。


なんと1955年発表の作品です。(「大誘拐」より古いぜ)もちろん時代の古さは感じますが、
それがかえって怪奇的雰囲気や生活感を排除した冷徹さの徹底に繋がり、本格推理好きの心を
満足させてくれることでしょう。

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