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周木律著。講談社文庫。

放浪の数学者、十和田只人は美しき天才、善知鳥神に導かれ第三の館へ。そこで見せられたものは起きたばかりの事件の映像―それは五覚堂に閉じ込められた哲学者、志田幾郎の一族と警察庁キャリア、宮司司の妹、百合子を襲う連続密室殺人だった。「既に起きた」事件に十和田はどう挑むのか。館&理系ミステリ第三弾! (裏表紙引用)



十和田シリーズ第3弾。

今までで1番読みやすい。数学薀蓄が前作と比べかなり少なくなっている。だからと言って雰囲気が壊れていないのはさすが。

宮司警視正の妹・百合子は同級生である志田悟の帰省に同行することに。東北の某所にあるその建物は日本有数の哲学者志田幾郎のものであった。幾郎の死後、一族を集めて「二番目の遺言」が発表されたが、それは長男に遺産の八割を譲るという不当なものであった。さらに遺言には、この遺言発表後30時間は誰も外へ出てはならない、外部と連絡を取ってはいけないという決まりが。そして早速その夜、小礼拝堂にて密室殺人事件が起きるが――。

善知鳥神に見せられた事件終了後のビデオを元に推理をする十和田の章と、リアルタイム五覚堂の章が交互に語られる。リアルタイムのほうは割とあっさり進んでいくので推理に集中しろということかな。五覚堂が回転するという凄いヒントが最初に提示されているので、かなり大掛かりなトリックだというのは想像の範疇……だと思ったが思っていた何倍もスケールがでかかった。百合子が同行する必然性が弱い(悟の父親、同席してるし)とか一番目の事件を他殺だと見破る根拠が弱い、容疑者を排除していく理由にそれぞれ面白味がない、ス○○○が残っていたことを犯人は不都合に感じなかったのか?などなどちょっと気になる所はあるが、最後にすべての伏線が回収されて「ああ、だからだったのか」と膝を打つこともあり総じてなかなかのものかと。しつこいぐらいに親切に図解や人物表を挟んでくれるところも作者のマニアぶりがうかがえて良きかな。

でもやっぱちょっと金田一少年ぽいんだよなあ〜。トリック+犯人も綾辻さんの○○館を彷彿とさせるし。こういうジャンルでお涙頂戴をやる小説はなかなかないから個性と言ってもいいかもしれないけど、シラけてしまうのはキャラクターに魅力がない(特に女性)ことと無関係ではなさそう。

でも善知鳥神とか色々気になるから続きも読む。

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塩田武士著。講談社文庫。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め―。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。(裏表紙引用)



2016年に話題となった、「グリコ・森永事件」を下敷きとしたフィクション小説。この未曾有の未解決事件は自分にとってリアルタイムで体験したこともあって、興味をおぼえた。とはいえ当時10歳だった自分が覚えているのは、テレビや街頭で何度も見た「キツネ目の男」の似顔絵、当時グリコ・森永のお菓子が店頭から消えたことの騒動。脅迫に幼児の声が使われていたことやグリコ・森永以外の菓子メーカーも脅迫されていたこと、菓子メーカーの社長が誘拐されていたことなどは完全に失念していた。名前は違えど現実に起きた事件そのままに描かれているとのことなので、いかに当時の警察が翻弄させられたか、どれだけ大きな事件だったかを改めて知るいい機会となった。

主人公はテーラーを営む曽根俊也。亡父の遺品から出てきた、自分の声とおぼしき男児の声。父があの事件の犯人だったのか?俊也は亡父の同級生堀田の力を借り、独自で調査を始める。すると昔祖父が内ゲバに巻き込まれ殺されたことや伯父が左翼と敵対していたことなどを知る。

一方新聞社文化部の阿久津は上司の命令で事件を調べ始める。イギリスへ飛び様々な証言を得るも手応えはない。やがて元証券マンや板前から、犯人グループの正体が浮かびあがる重要な話を聞く――。

この二人がやがて出会い、事件が明るみになっていく。
時代と言ってしまえばそれまでだが、こんなつまらない理由で…というのが正直なところ。現実にどうだったのかは知る由もないが、一部の人間の自己満足でどれだけの人間が苦しめられたのかと思うと腹が立つ内容。そしてこの作品が重点を置いているのは事件の真相そのものよりそれによって人生を狂わされた子どもや何の罪もない人々の苦しみだった。一度落ちてしまった人間は死ぬまで逃げることを強要されてしまう。そんな彼らを現在の苦境から少しでも救い出したいと奮闘する阿久津と俊也には頭が下がる思い。ここにはリアルなノンフィクションの体裁を取っただけではない物語としての厚みがあった。

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周木律著。講談社文庫。

二重鍵状の館、“Double Torus”。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。“堂”シリーズ第2弾。(裏表紙引用)




結局第2弾も読んでしまった。

館シリーズ+S&Мシリーズの二番煎じ感は払拭できないものの、それを楽しめるなら文章もトリックもキャラクターも全然アリだと思う。

今回は語り手に警視庁警視の宮司司を配すことによって、探偵役十和田の浮世離れした存在に親近感を持たせている。十和田の超ひも理論だのポアンカレ予想だの数学薀蓄が凄まじいが、これを理解しなければいけない訳ではないので我慢するしかないかな。個人的にはこういう風にキャラクターの賢さを際立たせるのって楽をしている気がするのであまり肯定したくはないのだけどね。でもまあ十和田の変人ぶりは伝わる。

双孔堂の、大きなカギを二つ合わせたようなデザインはやりすぎてて面白いかも。トリックは前作ほどじゃないけど、まあまあ。後出しの情報はズルいなと思うが…。容疑者もそれぞれキャラ立ってるし、理系ミステリの雰囲気はしっかりあるし。ただ、動機が完全に昭和。金田一少年か。このメロドラマがかなり浮いてて減点。

ラストに某シリーズを彷彿とさせる人物が登場して、シリーズ全体を構成するキーになりそう。まあ、こういうの好きなんで…完結したようなので全部読みますよ。

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坂木司著。新潮文庫。

おしゃれして、好きなインテリアで部屋を飾って、(ブラックだけど)アパレル勤務。みきは憧れの“女子的生活”を謳歌していたが、ある日、マンションの部屋の前に不審な男が。「あの、ここに小川って奴が住んでるって聞いたんですけど―」マウンティング、モラハラ、毒親。次々現れる強敵に、オリジナルな方法でタフに立ち向かうみき。読めば元気が湧いてくる痛快ガールズ・ストーリー。(裏表紙引用)



志尊淳主演でドラマ化もされているので、タイトルの「女子的」の意味やみきがどういう種類の性的マイノリティーであるかは隠さなくていいのかなって気もするが…書いている人がいなかったので一応直接的な言葉は伏せる。ネタバレ気になる人はご注意を。

いわゆる若くてオシャレ好き、可愛いもの大好きの女の子の人生を満喫しちゃおうってお話。でも女子には女子であることで我慢しなくちゃいけないことや、女子の世界だけの敵がゴマンといる。女子の敵は女子、を地でやりながら、でもやっぱり女子同士の連帯感は最高。みきの立場の人間に浴びせられる差別、無理解を強気に元気に蹴っ飛ばして生きていく姿は痛快。うつ病詐称の高山田や、合コンに現れた偽ロハス女などなど、ぎょえ〜〜〜なキャラ満載。まあ、いるんだろうな〜〜〜って感じの輩ばっかり。特に、最後のエリート合コン逆ハーレムには目が点。。ドラえもんのしずかちゃん的立ち位置なのかなあ。身内でやっていただく分にはいいけれど、外でそれ出すなや。。
そもそもマナミの婚約者の態度なんなん。あれ、結婚しちゃうんだろか。目を覚ませマナミ。

女同士のめんどくさいあれやこれやはいくつになっても無くならない。でもそれでいい、闘っていく!っていうみきの姿勢は好感持てた。月のものがない、腕っぷしは男のもの、ってだけで女子のいいとこ取りだなそりゃ女子でいる方が楽しいだろうなと思ったりもしたが、その分別の苦労もあるだろうからね。最初はだらしなかった後藤も色々学習していいオトコに育ったし。自分も色々あるけれど、それでいいのかな〜って前向きになれた本かも。

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城平京著。講談社タイガ。

妖怪から相談を受ける『知恵の神』岩永琴子を呼び出したのは、何百年と生きた水神の大蛇。その悩みは、自身が棲まう沼に他殺死体を捨てた犯人の動機だった。―「ヌシの大蛇は聞いていた」山奥で化け狸が作るうどんを食したため、意図せずアリバイが成立してしまった殺人犯に、嘘の真実を創れ。―「幻の自販機」真実よりも美しい、虚ろな推理を弄ぶ、虚構の推理ここに帰還! (裏表紙引用)



大傑作「虚構推理」の短編集。「京極夏彦、歓喜!」「井上真偽、驚嘆!」だそうだ。

子どもの頃神隠しに遭い、右眼と左足を失った、妖怪たちからあらゆる相談を受ける「知恵の神」、琴子。パートナーの九郎は未来を決定できる力と不死の身体を持ち、強引に琴子の彼氏にされた大学院生。…という奇抜な設定を頭に入れてから読もう(正直忘れていた…)。

設定は奇抜だが、相談される事件は結構庶民的というか、ゲスいものも。三角関係だったり…身内殺しだったり…。これを琴子の「虚構」の推理で解決するのだけど、その事件そのものの真相を暴くわけじゃないところが特徴。妖怪の相談に合うように辻褄を合わせるっていうのかな。中には虚構じゃないよねそれ、って推理もあったり。推理と言っても、「凶器の声」を聞くことができる琴子はその妖たちから真相を聞いてそれを話してるだけだったりも。

内容としては、妖が関わる中盤以降の三篇のほうが好みかな。奇怪な人形の呪いだったり、ギロチンで首を斬ったり、狸経営のうどん店が出てきたり。

各篇レベルの高さを感じさせると共に、琴子と九郎のやり取りにますます脂がのって来てる感じだな。琴子下ネタ多すぎだけど(笑)。全く琴子を気遣わない九郎はほんとに恋人なのか?と責められるけれど、いわゆるツンデレの高度なやつなんだと思う。

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