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海外<マ〜モ>作家

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カレン・М・マクマナス著。服部京子訳。創元推理文庫。

放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰で教師に作文を書かされていた。だが突然、生徒の1人サイモンが苦しみだし、病院搬送後に死亡する。検死の結果、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒のゴシップを暴くアプリを運営しており、ほかの4人は全員が彼に秘密を握られていたのだ。4人は順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか? (裏表紙引用)


初挑戦の作家さんの第一作。前知識はないがタイトルとあらすじだけで面白そうだと思って決めた。

高校内のゴシップ・アプリ<アバウト・ザット>を運営している生徒サイモンが殺された。彼に恨みを持つ4人の生徒の目の前で、自身のアレルギーであるピーナッツオイルが彼が水を飲んだコップに混入されていた――というシンプルな内容。4人の容疑者たちがかわるがわる語り手となり、事件や自分自身の生活、思いを吐露していく。優等生と思いきや問題用紙を盗んでいた者、ドラッグを密売している者、ドーピング疑惑をかけられた者、恋人の友人と寝た者。それぞれの個性が違い、秘密を隠し持っているのだが、単なる謎解きものと違って彼らがその出来事を通じて日々内面が変化していくのが1番の読みどころだろう。青春小説と呼ばれる由縁もわかる。お国柄の違いもあり、若い頃の自分を当てはめて共感とは簡単にいかないが、若さゆえの無謀さや視野の狭さは共通するところだろう。彼らが徐々に心を通わせてゆくのも良かった。

残念な点と言えばやはりミステリ的にお粗末だったところ。普段あまり創元系にそこは求めないが、本書はそちらを売りにしているジャンルだったので少々残念。あと、長すぎるかな。。面白くなってきた頃には飽きてきた。

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G・ガルシア=マルケス著。野谷文昭訳。新潮文庫。


町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた幻想とも見紛う殺人事件。凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。(裏表紙引用)





読むべき100冊のうちの1冊。ラテンアメリカ文学かな?登場人物が多い上に全員長いフルネーム登場だからメモを取りましょう。真っ黒になりますよ。これぞ「予告された殺人の記録」の記録。

さて、ある1人の若き青年サンティアゴ・ナサールがどうして殺されたのか。被害者の友人である名無しの語り手が30年前の大事件を関係者の証言を元に構築する物語。最初にサンティアゴが殺されると分かっているところから始まり、続いて青年が殺される直前どう行動していたのか、何を語っていたのか、母親や使用人はどう見ていたのかが明らかになる。やがて語り手のいとこアンヘラ・ビカリオが生娘ではないことを理由に実家へ戻されるところまで遡り、アンヘラがその相手をサンティアゴだと告白(ウソ)。それに怒った双子の兄貴たちが「サンティアゴ許さねー!殺してやる!」と息巻いて・・・。

私には解説にあるような小難しい構成の妙や共同体のメカニズムの考察などは出来ないのだが、小さな町で起きた残酷すぎる殺人事件をどうしてこれだけの人が事前に知っていて止められなかったのか、はたまたこの時代の異国の人々の価値観の異常性がこれほどハッキリ記された物語はそうないのだろうと思った。最後の最後に重要なシーンを持ってくるあたり、期待し焦らしに焦らされた自分は作者の手のひらの上で転がされたということなのだろう。サンティアゴの死に様が衝撃すぎて夢に出そうだ。

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ゴードン・マカルパイン著。古賀弥生訳。創元推理文庫。

2014年カリフォルニアで解体予定の家から発見された貴重品箱。そのなかには三つのものが入っていた。1945年に刊行されたパルプ・スリラー。編集者からの手紙。そして、軍支給の便箋に書かれた『改訂版』と題された原稿…。開戦で反日感情が高まるなか、作家デビューを望んだ日系青年と、編集者のあいだに何が起きたのか?驚愕の結末が待ち受ける、凝りに凝った長編ミステリ! (裏表紙引用)


初・マカルパイン。面白いと聞いたのでどんなもんかなと試してみたが、想像のかなり斜めを行く複雑かつ怪奇な実験的小説だった。

真珠湾攻撃後の、アメリカで日系人が蛇蝎のごとく嫌われていた時代。まずは「改訂版」と打たれた、強制収容中の作家を目指す青年・タクミ・サトーによるスリラー小説というものがある。その物語の主人公はスミダという日系2世で、彼はどうやら妻が殺された事件を探っているらしい。

そして次に描かれるのはそのタクミ・サトーに指示を出す編集者ウェイクフィールドの手紙。次に、タクミが編集者(これが青鉛筆の女。あちらでは赤ペンではないらしい)に削除されたり訂正させられた小説、「オーキッドと秘密工作員」というスパイ・スリラーが描かれる。元に戻すと、最初の「改訂版」は作者が本当に描きたかった未発表の小説、ということになる。

非常にややこしいが、これが三部構成として代わる代わる掲載されているということ。「改訂版」ではスミダの存在が世の中から消されるなど不可解な出来事が起こっており、他の2つの小説、手紙とリンクしながらも、「微妙なズレ」や時系列の混乱など、読めば読むほど読者をケムに巻く物語なのだ。


このお話の結論から言うと、最後にある告白で判明する事実というものがある。そして今まで疑問を感じていた部分が氷解し、この小説に仕掛けられていた全体像がくっきり見えるという、凝りに凝った物語なのだ。読後しっかりネタバレなどを読んだほうがいいかも?ぶっちゃけるとコレは作風自体かなり読者を選ぶというか、この構成や題材自体好き嫌いがハッキリ分かれてしまうだろうなという印象。私の場合はそのトリックが凄い!というよりは、お話自体が面白く好みだったので他の作品が出れば読んでみたいと思う。ただし雰囲気で読んでいるので創元に限る。

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シャーロット・マクラウド著。眦椿子訳。創元推理文庫。

農業大学のある田舎町バラクラヴァに、今年もクリスマスがやってきた。町をあげての浮かれ騒ぎを見に、群衆が押し寄せる季節が。毎年の喧噪に業を煮やした大学教授のシャンディは、自宅をどぎつく飾りたて旅に出るが、それが事件を招いてしまう。戻ってきたわが家で、友人の妻が変死していたのだ!アガサ賞生涯功労賞作家が贈る、万人に愛された傑作ミステリ・シリーズ第一弾。(裏表紙引用)



マクラウド二冊目。前回はセーラ・キリングシリーズを読んだのだけどちょっとピンと来なかったので人気があるというこちらを。

うん、シャンディ教授のキャラクターは悪くない。街をあげて盛り上がるクリスマスの装飾が気に食わないからと逆に家をゴテゴテ飾って大音量で音楽を鳴らして嫌がらせをして出かけるとか(笑)。こういうことにお金と時間かける人嫌いじゃない。登場が遅いが後の奥様となるヘレンもいい女性だし、タイトル通り街の住人みんなが騒がしくて楽しい。殺人が起きたとは思えないノリの人も結構いる^^;夫が死んだのに、電話料金が今は高いから子どもにはまだ連絡するなとか。。。

殺人事件は2件起きていて、どちらも第一発見者がシャンディ教授というのが気の毒すぎる。落ちていたビー玉の数が足りないとか暇な時は物の数を数えるのが癖とか、観察眼の鋭さが作品の雰囲気と好対照。家の鍵を管理方法とかがこの街独特で面白いし。

しかしまあ、美点のほうが多いのにどうにも入り込めなかったのはどういうわけか。。。コメディが好きではないというのもあるだろうが、登場人物の多さとややこしさに参った。夫婦多いし、ボブって呼んだ次の行で同じ人がダイサート教授って呼んだりするし。(ダイサートって誰?→確認→ボブかよ!みたいなことが多々あった。。それぐらいは統一してくれ)そういうわけで次を読むかはわからない。

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パット・マガー著。吉野美恵子訳。創元推理文庫。

前妻、現夫人、愛人、そしてフィアンセ―人気絶頂のコラムニスト、ラリーを取り巻く四人の女性。彼はひそかに自宅バルコニーの手摺に細工し、四人をディナー・パーティに招いた。ラリーには、そのなかの一人を殺さねばならない切実な理由があったのだ…。一作ごとに趣向を凝らす才人マガーが、犯人ならぬ「被害者捜し」の新手に挑んだ、いつまでも色あせない傑作ミステリ。(裏表紙引用)



こりゃ面白かった!パット・マガーの大傑作がここに。

今まで読んできた本の中でベスト・オブ・クズ男と呼びたくなるような男(ラリー)が、四人の女(前妻!現妻!愛人!婚約者!!)をテラスから突き落とし殺そうとするのだが、果たして彼は誰を殺そうとしているのだろうか――という、パット・マガー得意の「被害者探し」が主体となったミステリー。

ところがしかし、このお話の肝はそこではない。ラリーがどれほど忌々しい男かということがよ〜〜く分かる、それぞれの女とのエピソードが面白さの本当の肝。それがまあ、もう、本を持っている手がプルプルするような腹立たしい言動、行動のオンパレード。自分を大きく見せようと、偉い人やセレブなど自分に利益のある人間にだけ媚びへつらい、自分を偽って見せかけだけの人間関係を築いていくラリー。それを女が指摘しようものならブチ切れて手を出した挙句腹いせに他の女と結婚するとかどんだけ。今まで色んな腹立たしい男を読んで来たけれど、ここまでヒドイ男は知らない。勿論女側にもオイオイと突っ込みたくなるようなキャラクターは居るのだが。

賢い女の次は綺麗な女、綺麗な女の次は地位のある女、とそれぞれの女にそのたびバカにされ、そのたびに女を替え、自分の浅はかさを自覚していくラリーが哀れだ。。。最初は四人の女のうちの誰かがラリーを殺して終わってくれないかな、と願って読んでいたがこの結末が実際のところ1番しっくりくるのかも。

「七人のおば」よりも私はこちら推し。

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