すべてが猫になる

梅雨で地面きのこだらけ。。

国内<ま〜も>作家

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湊かなえ著。新潮文庫。

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵―。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われている(「約束」)。誰にも言えない秘密を抱え、四人が辿り着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー。(裏表紙引用)



湊さんの文庫新刊は、トンガ王国と日本を舞台とした連作ミステリー。いずれも阪神淡路大震災をテーマにしていて、被災者である4人の女性が代わる代わる語り手となる構成。

この女性4人、いずれも震災による心に深い傷を負っていて、どのお話も「あれがなかったらどうなっていたのだろう」という、逆らえなかった運命への悔しさや悲しさが浮き彫りになっている。日本人なら多くがそうであろうが、正直読んでいて辛いところも多かった。双子の姉妹の片方だけが亡くなってしまい、母親に酷い言葉をぶつけられた「楽園」の雪絵は今までの人生と決別しに。「約束」では国際ボランティア講師の理恵子が独占的な気質の婚約者と別れを決意するために。「太陽」に出てくるシンママの杏子はかつて憧れたボランティアの青年と再会し人生を輝かせるために。そして「絶唱」ではベストセラー作家の千晴が、自身の経験した震災での悔恨を告白。ラストで全てが繋がる仕掛けとなっていて、それぞれ独立していた女性たちのバラバラの人生が、震災を通じて1つの魂となるようだった。

キーパーソンとなるトンガ在住日本人の尚美さんの存在が際立っていたのだと思う。女神とは言わないが、多くの傷ついた人々を救える太陽のような人だったのだろう。あるいはトンガという平和で自然溢れるゆったりとしたお国柄のせいだろうか。

読後に、湊かなえさんが阪神淡路大震災を体験し、実際にトンガへ向かったことを知った。見事に作品に消化していると思う。

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森博嗣著。講談社タイガ。

楽器職人としてドイツに暮らすグアトの元に金髪で碧眼、長身の男が訪れた。日本の古いカタナを背負い、デミアンと名乗る彼は、グアトに「ロイディ」というロボットを探していると語った。彼は軍事用に開発された特殊ウォーカロンで、プロジェクトが頓挫した際、廃棄を免れて逃走。ドイツ情報局によって追われる存在だった。知性を持った兵器・デミアンは、何を求めるのか? (裏表紙引用)



WWシリーズ〜新シリーズ始動!!ぱちぱちぱち。

……って、グアトとロジ、絶対ハギリとウグイやん。結婚してる!わーい。てかなんで楽器職人やねん。引退?してドイツに移住したのねえ。

と、いうわけで前Wシリーズの完全なる続編。なので少なくとも前シリーズ(全シリーズが理想だが最低でも「すべてがFになる」を)を読んでいないと全く分からないと思われる。前回より50年〜100年ほど未来なのかな?しかし設定も世界観も変化はない。そりゃそうか。テクノロジーの進歩が少しあるくらい。今回グアトたちの前に現れたウォーカロン(ロボット?)、デミアンがロイディを探していて、ナクチュの王子の頭脳がデミアンに移植されてるのか、ってことで今回もあっちにこっちにドタバタ。「すべF」の事件がここにまた濃密に繋がってくる。人間の身体の存在理由やウォーカロンはどこまで人間の意識と絡んでくるか、ってあたりまだまだ伸びしろありそう。デミアンの正体にビックリだけどどうなるのかな〜。

まあ、そんなことよりキャラクターの関係性や会話にしかファンは興味がないというところも代わりばえなさそう。あと9作は出るはず、楽しみ。

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三上延著。メディアワークス文庫。

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―。これは“古書と絆”の物語。(裏表紙引用)


ビブリア古書堂シリーズ第3弾。ちょっと前作から間があいちゃった。なので過去の事件などなど全然覚えていない。。

第一話「ロバート・F・ヤング 『たんぽぽ娘』(集英社文庫)」
古書店同士の開催する市場に参加した栞子さんと五浦だが、出した覚えのない古書がビブリア古書堂の名前で出品されていたり、栞子の母親を恨むヒトリ書房の店主が落札した本から「たんぽぽ娘」が盗難に遭いそれを栞子のせいにされたりと大問題。本を盗んだことは許しがたいが、理由が切ない。ヒトリが言う「あの母娘を信頼するな」とは一体?まだ栞子さんのキャラが掴みきれていないので、信頼していいのかどうか揺らぐ。ヒロインが裏切ってたら面白いな。

第二話「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」
常連の奥さんから、タイトルを思い出せない児童書を探して欲しいと頼まれた五浦。その奥さんは年の差婚で、両親とは折り合いが悪く…。この母親キツいなとは思うけれど、愛情表現がヘタなのかな。銀行に押し入ったなんていう前科のある夫のところに嫁にやるのに抵抗あるのは仕方ないしな。。私も昔繰り返し読んで見つけられない児童書があるので気持ちはわかる。

「第三話 宮沢賢治『春と修羅』(關根書店)」
依頼で鎌倉へ向かった栞子さんと五浦。亡くなった父の蔵書が兄か兄嫁に盗まれたというのだが…。「兄か兄嫁」って、もう共犯みたいなもんだよね。動機が一致しているし利益共有でしょ。と思ったら意外なところに真相が。でもやっぱこの夫婦は好きになれないな。そういう手段で愛する本を手にして嬉しいもんなのかな。


以上。やっぱ凄く面白いな。それぞれのミステリも水準以上だし、何より栞子さんの母親の謎が深い。意味あるのかなって思っていた妹視点のプロローグ、エピローグでしっかり形になってビックリした。こっちのストーリーも気になるところ。

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松尾由美著。創元推理文庫。

仕事に悩む女性編集者の田宮宴はある日、袋小路で人が忽然と消えるという事件に遭遇。謎の実業家にして童話作家のミーミ・ニャン吉先生の事務所で、秘書の丸山にその不思議な出来事について話すと、そばにいた猫が何かを伝えようとするかのようにニャーニャーと鳴いている…。ニャン吉先生ことニャン氏の正体とは?!愛すべき猫探偵・ニャン氏の事件簿パート2、出来だニャ。(裏表紙引用)



ニャン氏シリーズ第2弾。帯がニャンニャンうるさい…(笑)。第1弾とは主人公を変えて登場。児童書担当の女性編集者がヒロインということで、作家でもあるニャン氏にはぴったり。

「袋小路の猫探偵」
引ったくりを追いかけていたはずの警察官が宴の目の前の袋小路で消えた。しかし警察は、その犯人は捕まえたと言う――。テニスボールの真相に納得。先入観とは恐ろしいな。ボール遊びを我慢するニャン氏。。

「偽りのアプローチ」
アメリカの飛行機のシミュレーターに代理で乗ることになった宴。そこで聞いたフライト中の社長の義理の両親の死の謎をメイド探偵来栖さんが解く。唯一の来栖さんもの。金持ちめんどくさいことするな。しかし○が殺したとすればどうやって容疑を逃れたのか。

「幸運の星の下に」
亡くなった作家の残した貴重な蔵書の整理に出向いた宴一行。作家らしいおちゃめな企みがいいな。悪いことは出来ないってことで。それより丸山氏おもっきしニャン氏の正体バラしてるし。

「金栗庵の悲劇」
お茶会、三姉妹と来て高級和菓子消失事件が発生。これ元ネタ獄門島?ややこしいと見せかけて実は単純な真相。目の付け所が違う。

「猫探偵と土手の桜」
元華族の主人の祖父が残した手記の謎。親子ゲンカの仲裁のためにそこまでやる執事けなげ。猫の演技力(笑)。

「ニャン氏のクリスマス」
ニャン氏の新作が入ったカバンを二人もの男に狙われた宴。ニャン氏のやろうとしている凄いことってなんだろう。プレゼントにほっこり。

以上。どれも短くてサクっと読める。推理がどれも猫目線から来てるのがいいな。設定としては主人公がツッコミまくる前回のほうが好きだけど、ミステリ的にもお話的にも上なのはコッチかなあ。このシリーズは毎回ニャン氏が主人公を事業に誘う→断られる、のパターンなのでこれならいくらでも主人公を変えて続けられるなと。主人公に情が芽生えないのはアレだけど、まあ主人公は丸山氏みたいなもん?次回はなんだろうなー「狼狽」?「回想」?

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森博嗣著。講談社文庫。

香港で仕事をする島田文子のもとに男が現れた。島田が真賀田研究所にいた頃に起きた飛行機事故について質問があるという。その日、走るトラムの中で殺人が起き、死者の手に「χ」の文字が遺される。乗客として警察の捜査に応じた島田だったが、そこである交換条件を持ちかけられ…。Gシリーズ後期三部作開幕。(裏表紙引用)



Gシリーズ第10弾。タイトルはエックスではなくギリシャ文字のカイ。クイーンの某作(バレバレだが)の内容が引用されているのと、トリック自体に既視感があるのでご注意を。

というわけで今作は真賀田四季の研究所で働いていた天才プログラマー、島田文子が主人公。舞台は香港なんだけど、全然香港っぽくない。。列車の中で毒殺された男のミステリーに迫る内容だがやっぱり既視感ある。。それはさておき、島田文子と真賀田四季。色々とシリーズが全て繋がってきたなー。結局カイの両親って誰なんだろう。。そしてラストで島田文子に対する読者への引っ掛けというか真相が分かって唖然。え、そうなの?これがWシリーズに繋がるのかと思うと目ウロコだな。

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