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イギリス人の「家」へのこだわりには時々びっくりすることがある。
うちのお隣さんは典型的な(見た目も含めて)イギリス人で、週末になるとトンカントンカンとなにやらリフォームしている。
表の道に面した部屋の窓は、カーテンをつけない。なぜなら、そこは「ショールーム」だから、人に見てもらって構わないようにインテリアに気を使う。よくロンドン市内を歩いていると、カーテンもなく、大きな窓から部屋が丸見えの家があるでしょう。あれは、のぞいても失礼にあたらないのです。むしろ、見て下さい、と言っているようなもの。さらに言えば「なんて素敵なインテリアなんでしょう!」と感想をぽつりと述べた知人は、その家の庭にあったバラを何本かプレゼントして頂いたと喜んでいた。
こちらで暮らす日本人の家はどうだろう。
我が家で言えば、築80年ほどの家に、子供部屋、寝室、書斎、居間の4つの部屋があり、日本だったらもう1軒くらい家を建てるであろう、無駄に広い庭がある。
自分で評価すると、各部屋に暖炉もあるし、典型的なイギリスの家のはずなのに、どこかやっぱり「日本人の家」なんだな・・。
そこで、夫に「なんでこんな風にならないのかな」とインテリア雑誌に載っている部屋の写真を見せたところ夫は「どうみてもこれ、生活感がないじゃない」と言う。たしかに、まったく生活観が感じられない。まさにショールーム。
「生活してたらこんなにきれいにはいかないよ」と夫は言う。
そこで、気がついたのだが、日本人を含め、中国人など自分で調理する人々の家のキッチンは、きれいにしていても、調味料、鍋やフライパンなどがあって「使用感」が否めない。
ところが、イギリス人の家、とくにインテリアに気を使っている人の家に行くと、なぜこんなにきれいなキッチンなの?と疑問を持つ。
キッチンには調味料がない。鍋などの調理器具も見当たらない。高価な皿などがきちんとディスプレイされている。そして、必ず大きな花束が飾ってあったりする。
そう、そうなのです、キッチンがきれいなのは使っていないから。要するに自分で料理はしないからなのです。レンジでチンするもので事足りてしまう、イギリスなのです。
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