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昨夜はぎりぎり七夕の夜とかいいながら、 もたもたしているうちに日付をまたいでしまいました。 ま、夜ってことでお許しください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 翌日。買い物に出かけるというミニョに誘われて、テギョンは市場に出かけた。 かたことの英語と現地語であれこれと買い物をする。様子を見ていると値切ることまでしているようだ。 首都に近いこともあって、外国人のバックパッカーも何人も見かけたが、 生活しているアジア人はめずらしいようで、歩いていると何人からも「ジェンマ!」と声がかかった。 「韓国にいると、おれは有名人だが…ここではおまえの方が人気者だ」 「あ、そうですね。くやしいですか?」 「いや、そうじゃなくて、誰もおれのことを知らないところにいるっていうのが不思議だ…」 実際、アジアではどこに行ってもA.N.JELLは知られているし、 パリに行ったときも、食事に入ったレストランで声をかけられたりして驚いた。 それでも、さすがのA.N.JELLもアフリカまでは征服していないようで、ここではだれもテギョンを知らない。 「いいな」 「え?」 「おれもここで暮らすか」 「えっ!?」 「物価は安そうだから、おれのこれまでの稼ぎと印税でやっていけそうだし。 なによりも街を歩いていて、だれにも追いかけられないのがいい。こうやっててもな」 そういいながら、ミニョの肩を抱く。 「1日いたくらいでそんなこといわないでください。 それに夜が暗いから生活できないとか言ってたじゃないですか」 ミニョはむきになって言い返す。 「冗談だ。A.N.JELLのファン・テギョンは…もうおれひとりのものじゃないからな」 「はい。アジアの恋人です。あ、ヨーロッパにも進出しましたから、『世界の恋人』になるのも間近ですね」 「2ヶ月後…。ちゃんと帰ってこいよ」 「もちろんです。…ここもたしかに助けが必要なところではあるけれど… もっと身近に…必要な場所もあるなって…。それがわかっただけ来た甲斐がありました…。 テギョンさん。わたしをここに来させてくれて、ありがとうございます」 「おれに礼なんかいう必要ない」 「テギョンさんが行って来いって言ってくれたから、今日のわたしがあるから…」 テギョンは照れ隠しのように早口になって言う。 「い、行くなっていって、近くに置いといても、おれたちだって忙しいし、 その隙にまたおかしなことになっても…。だったらおまえがやりたいってことをやった方が…」 その様子にミニョは吹き出す。 「おれたち…出逢ってから…一緒にいた時間より、離れている時間の方が長いんだ。 なのに…気持ちは変わらない。これってすごくないか?」 「えっ?」 自分の気持ちを素直に話すことの少ないテギョンのいう言葉はとても重く感じる。ほんとうにそうかもしれない…。 「だから…もし、おまえがもっとここにいたいって言えば、許すつもりでいた。…どうする?」 「いえ。わたしは…戻ります。最初からそう決めてましたから」 「そうか…。じゃ、帰ってこい。2ヶ月後…ちょうどアジアツアーも終わって国内の活動になる。 年末にかけて忙しくなるけど、これまでみたいに会えないわけじゃないからな」 そうつぶやくように話すテギョンの横顔をミニョは見上げる。 なんだか…ちょっと優しくなったような…。もしかして「なった」んじゃなくて「知らなかった」だけなのかな? だって…ふたりで過ごした時間は…まだわずか、だから。 これからたくさんの時間をいっしょに紡いでいけるのかな…? 「なにもみやげをもって来れなくて悪かったな」 「そんな。テギョンさんがきてくれるだけで、充分です」 「またパリに寄るし、あとでなにか送ろうか」 「いいですよ。気をつかわないでください」 翌日。テギョンはまたパリ経由で帰って行った。それから2週間ほどして、韓国から荷物が届く。 テギョンと…A.N.JELLからだ。 「なんだろう…」 ミニョが開けてみると…。 こまごまとした生活用品や医療用品がぎっしりと詰まっている。 テギョンの手紙が入っていた。 『みやげの代わりだ。 シスターから必要なものがないか聞いて、役立ちそうなものを、メンバーと一緒にスーパーで買ってきた。 元気で帰って来いよ』 そっけないけど、暖かいその贈り物に、ミニョも…そしてスタッフも胸を熱くした。 そして、今日もミニョは星空に向かって叫ぶ。 「おっぱ〜!さらんへよ〜!」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 昨日とは打って変わって、ちょっと大人なテギョンでした。 さて、そろそろ長編も書かないと…。 それと、先週お休みしましたが、金曜日恒例ドラマ企画。今晩放送予定です。 またあとで告知載せますね。 |
短編
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「美男ですね」二次小説のうち、短編を集めました。
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こんばんは。 ぎりぎり七夕の夜です。 なんだかとってもひさしぶりなテギョン*ミニョのおはなし…。 久しぶり過ぎてテギョンがちょっと微妙な気がしますが… よかったらどうぞ… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 When you wish… 大きな夕陽が半分くらい山の向こうに消えようとしている。 今日の仕事もそろそろ終わりだ。 コ・ミニョはいまアフリカの小国にいて、首都郊外のちいさな診療所で働いている。 汗をぬぐいながら片づけを始めるミニョ。 すっかりここの暮らしにもなれ、苦手だった早起きも少し平気になった。 …だって暗くなってしまえばたいしてすることはないから、あとは少し本を読んだり、仲間と話をして眠るだけ…。 ただ、ひとつだけ習慣になっているのは、寝る前に星を眺めること。 電気はあるけれど、街灯がないこの町は、少し影に行けば恐ろしいほどに星が見えた。 危ないから気をつけろとは言われたけど、この習慣は止められなかった。 夏のこの時期はなかなか暗くならないし、いつまでも熱気が消えないから、 街の人たちも夜になっても外にでて飲んだりしゃべったりしていてにぎやかだ。 「今日は7月7日…七夕だ…」 離れ離れになった恋人が年に1度会うことのできる日。カササギが橋をかけてくれるんだっけ。 今日も裏庭に出て、空を仰ぐ。まだ西の空に紅い雲が残っていて、大きな星がいくつかきらめいているだけだ。 「ベガとアルタイルはどれだっけ…。ここから見えるんだっけ」 韓国にいる時とは違う星の形に最初は戸惑っていたけれど、 毎日眺めていると、だいたいわかるようになってきた。 診療所の仲間が教えてくれたから、南十字星だけはわかる。 空を仰ぐ時…星を見る時…思い出すのは…。 …今日も元気だったかな…。向こうはもう明け方になる時間だよね…。 ちゃんと眠れてるかな…好き嫌いしないで食べてるかな…。 そういえば、メール来たのいつだっけ…?忙しいのかな…。このごろメールも短いし…。 「会いたいな…。カササギが橋をかけてくれたらいいのに」 自分で道を探して、自分で決めて来たはずなのに…。やっぱり…会いたくなる。 半年って言ってきて、あと2ヶ月ほど…。ふと、空にむかって叫んでみた。 「のむのむ ぽごしっぽよ〜!(すごくすごく会いたいよ〜!)」 誰もいないし、聞かれたって韓国語だ。その状況がミニョを大胆にする。 「おっぱ〜! さらんへよ〜!」 言ってしまった…。さすがに自分でもちょっと照れくさい。 「な、どぅ(おれも)」 薄闇の中から低い声が聞こえた、ような気がした。 …あまりに会いたくて声まで聞こえてきちゃったような…。疲れたからかな…早く寝よ。 踵を返そうとしたとき、腕を掴まれる。 「きゃ!」 「おれだ」 「…え?」 いるはずのない人がそこにいる。あれ? 「なんだその顔は」 「て、テギョン…さん…?」 「ほかの誰に見える」 「ど、どどどうして…?」 驚きのあまりしどろもどろのミニョににやっと笑って見せる。 「カササギに橋をかけてもらった」 目の前にいるのは…本当に… 「テギョン、さん」 「ああ」 驚きとうれしいのとでミニョは泣き笑いが止まらなくなる。 そんなミニョをテギョンは静かに抱き寄せる。 「あいかわらず忙しいヤツだな。泣くか笑うかどっちかにしろ」 「そ、そんなの無理…」 A.N.JELLは、パリで開かれたK-popのイベントに参加していた。 アルバムの活動も終わったので、そのまま休暇になり、ジェルミはイギリスの実家に帰り、 シヌとミナムもそれについて行った。 「調べたらパリからここへの直行便があることを知って…。せっかくだから顔見にきてやった」 「よくここまでこれましたね」 「空港から半日かかったぞ。バスがあるって言うから探したのに見つからないし、 やっと見つけたと思ったら、いつ発車するか分からないっていうし」 「ターミナルからはどうやって?」 「ターミナルの職員がここのことを知ってて、丁寧に教えてくれたし、一本道だったから。 だけど、だんだん暗くなってきて…正直ヤバかったな」 話を聞きながら、ミニョは心底驚いていた。テギョンが…ひとりで、こんな辺鄙な場所までくるなんて…。 しかも、自分に会うためだけに…。そう思うとまた涙が出る。 「ほんとに暗いな…。おれはここでは生活できない…顔が見えないからもっと近くにこいよ」 診療所の待合室のベンチにならんで座っていたふたり。テギョンがミニョの腰に手を回し引き寄せる。 「ちょっとは女らしくなったか?」 「全然。だってここで生きて行くのに女らしくしてたら…」 「じゃあ、たくましくなったか」 「はい!もしかしたらテギョンさんを担いで走れるかもしれません」 「それならぜひ、担いでもらおうか」 そう言いながら身体をもたれかける。 「えっ…ちょ、ちょっと冗談ですよ」 気づくと、鼻が触れるほど近くに顔があって、ミニョは思わず顔をそらした。 「…そういうときは、そらすんじゃなくて、目を瞑るんだ…」 低い、囁くような声に誘われるように目を瞑ると、唇にふわっとキスが降りてきた。最初は軽く。 そして改めてゆっくり…お互いのぬくもりを確かめるように…。 離れていても忘れることのなかったぬくもり…そして匂い… こうして実感すると心の底から思いが湧きあがってくる… 薄暗い部屋にいて、テギョンは目の前にいるミニョしか見えない。 「さっきの…もう一度きかせろよ…」 「えっ?」 「叫んでたろ」 「あっ!」 まさか…よりによって本人に聞かれるなんて… 「ほら。大声で言ったんだから言えるだろ」 もじもじと下を向くミニョを面白そうにじっとみていると、ミニョがゴニョゴニョと分からない言葉を発した。 どうやら現地語らしい。 「分かるか、そんなの。『おまえなんか大嫌いだ』っていってても分からないじゃないか」 ごまかしきれない…ミニョはまだなんとか逃れようと考えをめぐらす。そして 「I love you, so much」 小さな声で言ってテギョンの頬にキスをした。 まさか、こんな行動に出ると思わなかったテギョンの方が固まってしまったのだが、 「Me too. I missed you」 そういって、またキスを返した。 「ところでテギョンさん。ホテルは?」 「おまえの部屋に泊めてもらう」 「えええっ!?」 突然テギョンが現れて、それだけでも驚きでうれしくて、でも緊張してドキドキしているのに… 「なんだよ、いまさら。ずっとおれの部屋で寝てたくせに。 …それにこんな辺鄙な街のホテルなんて危なくて泊れるか。ここのほうがよっぽど安全だろ」 「たしかにそうですけど…」 「おれが床に寝てやるから」 「…テギョンさん…。ここは韓国ではありません。床で寝ようもんなら…明日死ぬ目に遭いますよ」 「何?」 「診療所ですから清潔にはしてますけど、見えない虫がい〜っぱいいます」 じゃあ、おまえのベッドに寝かせろ、と言いそうになって言葉を飲み込む。さすがにそれは大胆すぎる気がする。 ミニョはため息をつく。 「シスターに話してみましょう。診療所のベッドを使っていいかどうか…」 結局、診療室のベッドをひとつ使わせてもらえることになり、蚊帳をかけて、ランタンを持ってきた。 ひとりじゃないと寝られないとか、明るくないとだめだとかいうテギョンが、 どうしてこんなところまで来たのだろうと思ったけれど… ミニョに会える、と思ったその気持ちだけで、そんなことまで頭が回らなかったのだろう。 「本当は非常用なのですけど、テギョンさんは特別なのでつけっぱなしにしていいことにします」 見れば部屋に電灯はついていない。物も豊富にあるわけじゃないんだろう。 そんなところで自分のわがままを通せるほどテギョンも子どもじゃない。 ミニョが「おやすみなさい」と部屋を出た後、テギョンはランタンのスイッチを切った。 もっと真っ暗な闇に覆われるとおもったが、開け放った窓の向こうに薄明かりが見える。 見れば半分より少し欠けた月の灯りで照らされていることがわかる。 「月…って、こんなに明るいのか…」 ギシギシときしむベッドに横になると、あっという間に睡魔に襲われた。 疲れもあったが、こんなところで眠れる自分があるんだと、テギョン自身も驚いてしまった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 書いているうちに七夕関係なくなっちゃいましたが… 久しぶりの二人の話、ちょっと新鮮な気がします。 |
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ついに!D-DAY! お題の「雨…そして虹」をテーマに、 シヌミニョ編のふたりの、すこし先の物語を書いてみました。 こちらもぜひ遊びにいってね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 Looking for the Rainbow 撮影の最中で雨が降り出した。 始まったころから暗い雲が空の隅にあって、風も強かったから、振りそうな気配はあった。 この季節には時々あるにわか雨だ。みんなそのことをわかっていて、たいして慌てはしなかった。 退避した温室でシヌは雨の音を聞きながらベンチに座る。 「そういえば、あの時も…」 そうあれは、彼女がまだ「コ・ミナム」だったときだ。なんの撮影だったか…ユ・ヘイもいた。 なんだか、みんな不機嫌だった…。おれも、そうだった…。 …雨が降り出して、撮影が中断された。 なぜかミナムだけがこの温室にいて…、ワンコーディがドレスを着せた。おれに見せるために…。 だけど…彼女が見せたかったのは、おれじゃなかったんだ。 紫色の、黒いレースをあしらったドレスだった。短い髪をアップにして…。 いつもは半ば顔を隠すように降ろしていた前髪をあげて…。今でもはっきり思い出せる。 すこし戸惑い気味に、彼女はここにいた…。 女の子の姿のミナムを見て…いろんな思いが交錯した。 試写会の会場で、とっさに出た言葉。「おれの彼女です」と…。 言ってしまえば、もしかしたら事実になるかも知れない、と密かに期待もした。 だけど彼女の眼は決して自分を見てくれなくて…。それでも見つめ続けたけれど。 あの温室の後だって、おれの恋人だということで、取材まで受けて、 釜山にまで行くことになっていたのに…全部うやむやになった…。 結局どんなに手をこまねいても、伝えようと努力しても…君には届かなかった…。 そして逃げるようにおれの前から去って行ったんだ…。 ここで思い出すことは…あまりいい思い出じゃないな…。 ふと…膝の上で組んでいた手に、ふと手が触れた。 「…もしかして…あの時のこと、思い出してた?」 「…ああ」 「わたしも…あのときは…いろんなことが重なって…自分でもどうすればいいのか… 自分はどうしたいのか…よくわかってなかったような気がする。 心の向くままに…歩いて行ったけど…うまくはいかなかったのよね…」 「みんな、そうだよ。そうやって迷いながら生きてるんだ…。 おれだって、何度も、何度も…本当に数えきれないくらい後悔してたよ」 重ねられていた、彼女の手を握り返す。周りが明るくなってきたのに気づいて顔を上げると… 雨音が静かになってきていた。 「あ、雨…あがりそう…。虹、出ないかな?」 「見てみる?」 「うん」 ふたりで手を取り合って立ち上がり… 「裾が汚れるから」 と…ウエディングドレス姿の彼女…ミニョを抱きあげた。 「え?ちょ、ちょっと…重いでしょ?」 「大丈夫」 遠巻きにふたりを見守っていたスタッフから思わずため息が漏れる。 カメラマンは…はっと気づいてふたりを追いかける。 セットや照明なんてなくたっていい。この瞬間を逃したらプロの名折れだ、と。 ふんわりとした純白のドレスのミニョを抱いて温室の外に出る。山の向こうに明るい空が見えていて… 「う〜ん、ここだとよく分からないな…」 まだ小雨が降っていたが、シヌはミニョを抱いたまま、すこし広い歩道まで歩いて出る。 「あ、あそこ!」 ミニョが空を指差す。小さいけれど、はっきりとした虹が暗い雲の前に現れていた。 「見えたな」 「うん…」 「あの時は…雨はあがらなかったけど…今日はちゃんとあがって…虹まで見えた」 「…虹って…雨が降らないと見えないよね」 「ん?そういえばそうだな」 「わたしたちも…そう、かな?」 「そうだな…。これからだって晴ればっかりじゃない。大雨が降ることだってあるだろうけど…」 「そのあとにはきっと虹が見える」 「うん。そんな風に生きて行こう…一緒に」 6月のある日。 ふたりは結婚式を控えて、ウェデイングフォトの撮影を植物園で行っているところだった。 雨の中をはさんで、ほぼ1日かけて撮影し…。数えきれないほど撮ったショットの中で …やはり話題になったのは… 空に浮かんだ虹とふたりの後姿、だった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 わりと正統派? あの植物園のシーンを思い起こしながら… さて、明日。 おまけの隠れ部屋があります。 なにしろ隠れ部屋なので… 夜にUPします… なにしろ、あの怪しいシヌひょんのyaoiさんをして 「すげーブラックじゃん」と言わしめてしまったので… 乞うご期待? |
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昨日の続きです。 たいしたオチはないけれど… ちょっとかわいいシヌひょんをどうぞ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 Dream of You そろそろゴールが近そうだ、と思っていたシヌは、テラスでミニョが待っているのでは、 と思っていたのだが、誰もいない。 暗いテラスの足元に小さく光るものが見えるだけだ。 「はあ、まだ続くのか…」 足元の光っているところには、カードが置いてあってA.N.JELLのサイリウムのペンライトで押さえてある。 カードを開くと 『頭上注意』 とある。上を見上げると、ザクロの木にカードが結びつけてあった。 「はあ、そろそろ終わりにしようぜ…」 カモミールティを飲みながらカードを開ける。 『おつかれさまでした。シャワーを浴びて、お休みください』 ?…これで終わりか?それともシャワールームでいいことでもあるのかな…?それとも部屋…? お茶を飲み終わって、シャワールームに行ってみた…がなにも起きない。 「まさかオチなしってことはないよな…」 さんざん歩きまわらせてなにもない、っていうことはないと思うが、ちょっと不安になった。 最後は「お休みください」だったから、部屋にもどればいいんだな、と部屋にもどる。 …さっき部屋を出た時と何も変わらない気がする…。まじでオチなし? パソコンの前の椅子に座ってさっきの動画をまた観ていると部屋の隅で物音がした。 …だれか、いる…? ベッドを見るが、誰かが潜っていそうな気配はない。 狭い部屋であと隠れることができるとすると、パソコンを乗せてある机の下か、クローゼット。 どっちにしたって狭いぞ、と思いながら、クローゼットを開けてみると… 「おいおい…」 狭いクローゼットのなかでミニョが丸まって寝ていた。 「ミ〜ニョ」 「…ん?…あれ…あっ!」 「きゃっ!わ、わたし、寝ちゃってた!?…あ〜ん…」 「待ちかまえて、驚かそうとしたんだろ」 「…そのとおりです…。あ〜ん、頑張って準備したのに〜!あれ?ミナムオッパとジェルミは?」 「いないよ。出かけたんじゃないの?」 …なるほど。ミニョをおきざりにしてミナムとジェルミで粋な計らいをしてくれたらしい。 「最後のミッションはまだ終わってないな」 「え?」 「『シャワーを浴びておやすみなさい』って。それはミニョも付き合ってくれるの?」 「うそっ!そんなこと…あっ!」 「なに?…あ〜、ミナムたちにはめられたわけか…。本当は何て書いてたの?」 「『今日着てたジャケットをチェック』って。だからジャケットの下で待ってたんだけど」 シヌは肩を震わせて笑う。いかにもミニョらしい。ある意味すごいオチだ。 「ごめんなさい…」 「いいよ。一生懸命考えて準備してくれたんだろ?」 ミニョを引き寄せて抱きしめる。 「ありがとう。すごくうれしかった」 「お誕生日、おめでとう。シヌオッパ」 見上げたミニョと目があって、キスをする。だけど…。あいつらの思うツボにはまるのは悔しいし…。 「ねえ」 「ん?」 「あの、ジェルミたちが踊ってた曲、なんだっけ」 「あ、『Dream of You~』ってあれ?「雨に唄えば」の曲だけど?」 「そうか…聞いたことはあるけど、なんだったか思い出せなかった」 「観たことある?」 「映画?う〜ん…ダンスとかは観た記憶あるけど、映画はちゃんと観てないかも」 「観ない?DVD」 「これから?」 「うん」 「いいよ。じゃリビングで」 結果はどうであれ、宝探しはゴールにたどり着き…ふたりはリビングのTVで「雨に唄えば」を観た。 トップスターが新人女優と出会って恋に落ちるストーリーが、自分たちの立場と似ていて、 なんとなく共感できるな、と思いながら観ていたのだが、結局最後まで観ていたのはシヌだけで、 ミニョは途中からすっかり夢の国だった。 こうやって、ソファで寝たのはいつのことだったっけ…。 いろんなことがあったけど…おまえはちっともかわらないな…。 〜All I do is dream of you The whole night through… 一晩中…夢の中でもあなたのことを思ってる…って…。おまえはそう思ってくれてるの? 眠っているミニョをぎゅっと抱きこんでシヌも目を瞑る。 「おれは…その通りだけど、ね…」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 このストーリーは某絵本から… お題の「雨から…虹」を考えていて 「雨…雨…といえば『雨に唄えば』」ときて 書けたお話です。 さて、明日がいよいよ本番です。 わたしのお話はとっても短いです。 でもこれもけっこう可愛く書けたかな〜って。 では、また明日。 |
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シヌひょんWEEK 第1弾。 「ちょっと可愛いお話」編、です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 Dream of You 午前0時を過ぎてすぐ。携帯が着信を知らせる。 「センイルチュッカエ! 動画を見てね!」 短いミニョからのメール。動画って?メールにはアドレスが書きこんである。 シヌはパソコンからそのアドレスにアクセスすると、ぎょっとするような画像が現れた。 「シヌヒョ〜ン!センイルチュッカエ〜!」 なぜか…バニーガールスタイルのジェルミとミナムがチャールストンを踊りだした。 〜All I do is dream of you The whole night through… 「なんだこれ…」 ミニョが撮影しているらしく、ケラケラ笑う声が聞こえる。 「あしたのパーティの余興でやるつもりだな…」 明日…もう今日だけど、夜には事務所主宰のバースディパーティがある。 シヌにしてみれば音楽で表彰されるとかそういう場で中心に立つのはともかく、 誕生日なんてまったくプライベートな出来事で主役にされるのは、どうも苦手だった。 社長もそのへんはわかっているらしく、いつも「誕生日パーティという名の宴会」になる。 だからお祭り好きなジェルミやスタッフたちはえらく気合いの入ったパフォーマンスを用意してきて、 みんなもそれを楽しみにするようになっていた。 画面の中の踊り終わったふたりは、紙に手書きで書いたものをカメラに向ける。 そこには… 『まずは相棒にご挨拶を』 と書いてある。そこで動画は終わった。 …?なんだ?いきなり。相棒っていえば…ギター…だけど。 パソコンの前から振り返ると立てて置いてあるギターの絃のところに 小さなカードがはさみこまれてあるのをみつけた。 開けてみると… 『洗濯はおわりましたか?』 と書かれてある。 …なんだこれは…。ちょっと考えたが、すぐに思いついた。…宝探しだな。 たぶんミニョとミナムとジェルミの3人が仕込んだにちがいない。謎解きにしては簡単すぎる、 と思いながらランドリールームに向かう。 まずは乾燥機の中を確認…何もない。 ちょっと考えて見まわすと、小物を干すためのピンチにカードがはさんであった。 「ほらみろ、すぐに見つかる」 そのカードに書かれていたのは 『ジョリーからもお祝いです』。 やれやれ、今度は外か。そういえば、みんなどうしたんだろう…。 それぞれの部屋を覗いてみたが、みんないない。 なんでおれひとりなんだ…?わざとみんな出かけたんだな…。無人の合宿所をひとりで歩く。 デッキにでると、ジョリーの小屋に行く。当然ジョリーは熟睡中で、寝息が聞こえるほどだ。 「おいおい、そんなに爆睡してちゃ、番犬にならないぞ」 小屋の周りを見まわすと、軒先にカードが鋲でとめてある。 「さて、今度はどこに行くのかな」 『このゲームにはナビはありません』 「ナビね…。っていうことは車だな」 3人でどんな顔してこのカードを作ったんだろう、と思うとつい笑みがこぼれる。 たったひとりのゲームが華やかなパーティや豪華なプレゼントよりもずっとうれしい、と思う。 キッチンにカギを取りにもどって、車に乗り込む。ナビ…というからナビにつけてあるのかと思えばそこにはなく…。 隠してありそうな場所を探ると…サンシェイドを降ろした時にぱらり、とカードが落ちてきた。 「そろそろめんどくさくなってきたぞ」と思いながらカードを開くと 『毎朝』。 それだけ書いてあるカードを眺めて、なんだろう…と考える。 毎朝、すること?かな…だとすると…お茶、かな…? キッチンに戻って、ポットやカップを探すがカードは見当たらない。 茶葉を置いている棚を見たけれど、そこにもなかった。 「まずい…見つからない…」 すこしため息をついて、シヌはちょっと休憩しようとケトルに水を入れ、コンロに掛けた。 茶葉をどれにしようか、と棚を眺めていてふと気がつく…。 「毎朝、飲んでいるのはこれだ…」 ひとつのビンを手に取り、ふたを開けると…。 「あった…」 茶葉の中に細く丸めてあるカードを発見する。 二つ折りのカードを探していたから、ビンの中までは予想がつかなかったのだ。 「ここまでやるとはね…」 丸めてあるカードを指でつまみだし、広げてみる。 『いつもの場所でティータイムをどうぞ』 お茶もいれることだし、ちょうどいい。でも今は夜だからこの茶葉じゃないほうがいいな。 カードが入っていたビンはかたづけて、カモミールブレンドの茶葉を取り出して淹れ、 カップを持ってテラスに上がった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 この話… そんなに大きなヤマもなく…オチも…あるんだかないんだか… でもこういうシヌひょん、って可愛くない? |





