星屑ひとつ

ゆきの初期作品「先生は俺のモノ!」(ケータイ小説)を掲載中♪ 拙い作品ですがお楽しみ下さい。

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◆[愛の蜜月](3/16)
するとさっきより真っ赤になった杉田君は顔を手で覆ってしまった。そして私の肩に額を押し付けると深く溜息を吐いてしまった。


「俺、マジ自信ないよ。留美みてたらずっと一緒にいたい。もう、離れているのは嫌だ」


こんな可愛いセリフを言う杉田君が愛しくてしっかり抱きしめてしまった。そして、頭を上げた杉田君の頬を両手で挟むとそのまま引き寄せてキスしてしまった。


すると火が付いたのか杉田君のキスが激しくなって、また、さっきの様に私を天国へと導いてくれた。


重なりあった私達は時を忘れたかのようにキスしあい抱きしめあった。何度も何度もお互いの気持ちを確認するかのように抱き合った。


初めての今朝とは違い今度は痛みはなかった。それどころか、最初から最後までずっと甘い疼きの中で杉田君の温かい肌を感じていた。


「あ、先輩!私すっかり忘れていたわ」


「その先輩なら大丈夫だよ。今頃一人で楽しく観光しているさ」


「え?どう言う事?」


「う〜ん、留美の肌って相変わらず気持ちいいなぁ。柔らかくて良い匂い」


「ちょっと・・・ねえ、どう言う事なの?」


「ベッドで他の男の話なんてするなよ」


そう言って杉田君に口を封じられてしまった。しっかり抱きしめれて覆い被されてしまうと身動きが取れなくなる。それに、杉田君のキスは媚薬の様だ。


一度キスされると何も考えられなくされてしまう。だから、先輩の話を聞こうにもすっかり杉田君のペースに持ち込まれいつの間にか再び天国へといかされた。


今朝からいったい何度天国気分を味わっているのだろうかと思っていたら、考える暇なんてないくらいベッドの中から出ていないと気付いたのは外が暗くなり始めた頃だった。


朝から碌にまともな食事も取らないでベッドの中にいた私達。私が眠っていた時にルームサービスでランチを運んで貰ったのを二人で少し食べただけで後はキスばかりしていた。


杉田君に抱きしめられキスされると私の思考回路は完全に停止してしまっている。


「さてと・・・いい加減ベッドから出るか」


「お腹減ったわ」


「美味いもの食べに行こうか」


「何を食べるの?」


「そうだな、せっかく有明海の珍味が食べられる所へ来たんだ、俺達もエイリアンって奴を食ってみようか?」


にっこり微笑んでそんなセリフを言う杉田君が急に気味悪くなった。近藤先輩もそれを食べたい素振りを見せたけれど、まさか杉田君もそんな気持ち悪いものを食べたがるなんて・・・


「ねえ、普通にレストランへ食事に行かない?」


「俺と思い出作りの旅行したくないんだ、留美は」


いきなりりょんぼりして見せる杉田君。悲し気な顔をされたのでは私は嫌とは言えなくなる。


「分かったわよ」


「よし!行くぞ!エイリアン!」



いきなり元気になった杉田君・・・何だか騙された気分だ・・・エイリアンなんて・・・食べたくないのに。




◆[愛の蜜月](4/16)
ホテルの部屋から一旦外へと出かけた私達。その時、うっかりしていたけれど、私は確か金曜日の夜に自宅を出発しこのホテルへ宿泊したのだが、一晩だけの宿泊と受付をしていたはずだ。


杉田君との甘い時間にそんな事をすっかり忘れていた私。自分で変だと気付いていない程に杉田君のことで頭が一杯になっていた。


それだけ幸せな時間を過ごしていたという事になるのだろう。



「ねえ、ここって何のお店なの?」


「さっき、ちょっと通りがかりの地元人らしい人に聞いたんだ。地元ならではのお店らしいから観光ブックには載っていないお店だってさ」


通りから少し入った所にある小ぢんまりしたお店だった。お店の名前は看板を見損なった為分からないが、店内は実に落ち着いた雰囲気の居酒屋さんっぽいお店だった。


「いらっしゃい!」


元気の良い店長が迎えてくれた。店長はまだ若い人でどう見ても30代ではないだろうかと思わせる。


「開いている席へどうぞ」


とても明るい声で招き入れた店長さんはカウンター越しに厨房から元気な笑顔を向けてくれた。


店長さんがいる厨房はカウンター席で客席と仕切られていて、その店長さんの真正面に見える場所にある畳のスペースの一番端っこに私と杉田君は座った。


細長い畳のスペースは複数のテーブルが置かれていた。そテーブルの間は仕切り版が置かれていて一応個室っぽい雰囲気はあるものの、店長さんやカウンターからは丸見え状態だ。


それでも、一番端っこを選んだこの場所は少し奥まっていて陰になりやすい場所でもある。


すると、杉田君は早速靴を脱いで座ろうとした私の腕を引っ張っては私に反対側へ座れと指さした。


「どっちに座ってもいいじゃない?」


「いいからお前は仕切り版の方へ座れ」


何故、杉田君がそんなセリフを言うのか私には今一つ理由は分からなかったが、少し怖い顔をして言う杉田君には逆らえない気がして言う通りにそこへと座った。


「よし」


腰を下ろした私を見て『よし』とはかなり偉そうな態度を取ってくれるじゃないの?


確かに私は杉田君のものになったかも知れないけれど、ここまで偉そうな態度を取られると少し気分悪くなる。まるで亭主関白みたいな態度に少し顔をムッとさせた。



「何で私がこっちなの?お店の中がよく見えないじゃない」


一番奥の端っこに座った所為で、仕切り版側に座った私が見えるのは壁と杉田君の顔だけ。だから不満に思った私は直ぐに口に出して杉田君に訊いた。


「あの店長、お前が店に入ったらずっと厭らしい目で見ていた」


そんなセリフを言う杉田君は私から目を逸らし顔を横に向けた。そしてその横から見える杉田君の耳が赤くなっていた。それって、もしかして嫉妬?


杉田君も嫉妬なんてするの?と、私は思わずそれが可笑しくて笑ってしまった。


「うるせぇよ」


顔まで真っ赤になった杉田君。何だかとても幸せな気分になってしまった。



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