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「私、仕事に戻らなきゃ」 「玲美!この後打ち合わせが待っているんだ。仕事なんてしてる暇はないんだぞ。結婚式までのスケジュールが詰まっているんだ」 結婚式までのスケジュール。 そうなのだ、何故か美幸は 私との結婚式を3か月後にすると決めた。 何故、そんなに早く?と私は逆に不安になる。 「社長もお忙しいですものね。その時期にならなければハネムーンなんてゆっくり取れませんからね」 「ああ、忙しいけど俺は絶対にハネムーンへは2週間行きたいんだ。玲美と二人でゆっくり過ごしたいんだよ」 そんな熱い目をして言われると体が熱くなる。 燃えてなくなりそうだ・・・・ そう言えば、社長と結婚式とどう関係があるのだろう? 「社長が忙しいって、私達の結婚式に社長は関係あるの?」 「ええ、大いにね。では、社長、私はこの後の会議の準備に取り掛かります」 「ああ、頼んだよ」 え? なに? 今、松井さんは美幸に社長って言わなかった? 「今の?」 「どうした?」 「松井さんが何で美幸に社長って言うの?」 私の耳が変になった?狂い始めた? だって、松井さんは社長秘書で・・・美幸の秘書で??? 「もしかして、この会社の社長なの?!!!」 「ようやく理解したようだな」 私ってこれまでとんでもなく失礼なことをしたんじゃ? だって、美幸が社長なら・・・ 私は単なるアルバイトなのに、絶対にこれはダメ!! 「ご・・ごめんなさい! 直ぐに仕事に戻ります!」 「待て!! 玲美!」 待てと言われて待ちません! だって、私は美幸が社長だなんて知らなかったから。 美幸が社長って知っていたら恋なんてしなかったし 私の様な女が傍にいてこれ以上迷惑かけなかったし。 私は急いで社長室から逃げだした そして私の仕事場へと急いだ。 追いかけてくる美幸を振り切ったつもりだったのに 私は美幸に捉まったしまった。 私の仕事場のフロアへ下りたエレベーターの前で。 私に追いつこうと美幸は階段を下りて来たのだ。 汗まみれ状態になって私の前に現れた。 「人の話は最後まで聞けよ」 「だって」 「俺が社長だと嫌いなのか?」 そんな事ない。社長じゃなくても美幸が好き。 だから頭を横に振った。 「だったら俺が文無しでも好きなんだよな?」 だって私は美幸が好きで、美幸が貧乏でも金持ちでも関係ない。 だから今度は頭を縦に振った。 「なら黙って俺について来い」 そう言って私を抱きしめてくれた。 温かい美幸の腕に抱きしめられて こんなに幸せな事はないと 私は嬉しかった。 美幸にこれほど求められると 私は絶対に美幸には抗えない。 「ごめんね、美幸」 「玲美、泣いている暇ないぞ。もうすぐ結婚式だからな」 「うん」 流れる涙を手で拭ってくれた美幸は 私の頭をしっかりと抱き寄せて 頭にキスをしてくれた。 すっかり社員達に囲まれてしまった私達は 社員らに祝福の拍手を受けていた。 そして、 「販促課は今後改革をする予定だ。お前達、今後は妻になる玲美の指示に従う様に。分かったか?」 と、課長にそう命令を出すとあの女狐たちは真っ青になって呆然と立ち竦んでいた。 そして、大勢の社員がいるのにまたもや美幸は私をお姫様抱っこしてしまった。 開いていたエレベーターの中へと入りドアを閉めると今度は甘いキスが待っていた。 ============================== 最後までお付き合い頂き有難うございます。 これにて、このお話は終わりです。 実はこれ、ケータイ小説向けに以前書いたものを手直しして Berry's cafeへUPしたものです。 殆ど内容は同じですが、かなり手を加えて Berry's cafeではラストシーンも変更しています。 元作はこちら→モバスペ 修正版 Berry's cafe作はこちら→ Berry's cafe ※元作の方は非公開扱いしていますので、上記リンクからのみ閲覧できます。 ※次回の更新分からは Berry's cafeの恋愛小説をUPします。お楽しみ下さい(*´∇`*) |
その気にさせないで(1-259)
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「鈴木課長、園田はこの後社長室へ行くから少し遅れて仕事に取り掛かることになるが問題はあるか?」 「いえ! なにも問題はありません」 「そうか、ならそのように頼んだぞ」 そう言うと、美幸は私の肩を掴むと 開いた重役専用のエレベーターへと行った。 「社長室へ行くの?」 「そうだ」 「え? どうして?」 「紹介したい奴がいるから」 それってもしかして社長に挨拶へ行くの? いきなりの事に心臓がドキドキしてきた! 急にそんなセリフを言われても心の準備が出来ていないのに・・・ ど、ど、どうしよう。 万が一、社長に美幸の相手に私が相応しくないって言われたら。 そんなの困るよ! 「ねえ、社長室はまた後日ってことで、よくない?」 「よくないね。社長に合わせてやるって言ってんだよ」 「ダメ! 絶対にダメ。私が会えるような人じゃないし! 雲の上の人なんだよ! そんな罰当たりな事したら私会社クビになるよ!」 「クビ? 良いじゃないか。俺が食わせてやるんだから。お前の一生は俺が面倒見るんだ。俺はお前に何もさせたくないんだぞ」 と二人でまたもや言い合いしながらエレベーターから下りて社長室へと向かっていた。 私と美幸の会話を聞いていた秘書らは みんな頭を深く下げるだけで 身動き一つしない。 これってどういうこと? 重役の息子ってそんなに偉いの? と、思っていたら 恐ろしい事に美幸が社長室のドアを開けて私に入れと命令していた。 社長室の中は空っぽだった。 そんな部屋に無断で入ったら 本当にマジにクビものですよ? 分かっています? 美幸さん! 「美幸ってば。バレたらクビになるよ!」 「いいから入れよ」 そう言って美幸は社長室のソファーにドカッと腰を下ろした。 社長が入ってきたら絶対に不味い。 もしも二人揃ってクビになったら どうやって生活するの? その時は私がバイトを3つ掛け持ちする? ううん、それじゃああの屋敷の維持は無理よ! バイト10個にしたらどうかな? そもそも、そんなに働ける時間ないし。 だって美幸とキスだってエッチだってしたいもん! 「おい、なに百面相してるんだ?」 「どうぞ、コーヒーです」 いつの間にかコーヒーを運んできたのは 美幸の彼女だったはずの松井さんだ。 彼女は確か社長秘書だったはず。 だから、堂々と遠慮なく美幸はここに来た? もしかして、社長と美幸は知り合いなのかも? だったら、クビの心配は必要ない? 「松井、今日は玲美と今後について話し合う時間を取りたいから会議は午後に回してくれ。それと、会議の後は今日は全てキャンセルしてくれ」 「はい、畏まりました」 「え? 松井さんて社長の秘書なんでしょ? 美幸が勝手に使ってもいいの?」 私がそんな事言うと二人とも顔を見合わせて笑っていた。 いったい何がどうなっているのか 私には未だによく分からない。 「それで、ご結婚後もあの職場でお働きに?」 「玲美がそう言い張るんだ。あの部署をどうにかしないとな・・・元々改善したいと思っていたんだ」 「でしたら奥様になられるのですから彼女にお願いしてみては?」 二人の会話はやっぱり私には未だに謎だらけだ。 「そうだな。それも一緒に玲美と考えてみよう。それから例の会議のファイルだが」 「こちらです」 「ああ、ありがとう」 「では、これにて失礼したします」 松井さんの雰囲気が全く違うのは 秘書モードだからだろうか? それにしても、素敵な女性だ。 本当に、美幸は松井さんではなく私で良いのだろうか? 婚約パーティの時に貰った婚約指輪が 今の私の左手薬指にはめられている。 これは偽物の様でなんだか不安になる。 「どうした?玲美?」 「体調が優れないのかしら?まさか妊娠では?」 「まさか。それは早すぎるだろ?」 やっぱりこの二人は息があってるし とても仲が良くて羨ましい。 |
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櫻井美幸の溺愛している妹さんにも会った。 まるでフランス人形の様な可愛い子だった。 どうしたらこんな女の子が生まれるの?と思いたくなるほどに可愛い。 櫻井美幸のお母様はとても美しい人で、お父様も若い頃は相当なイケメンだっただろうと思わせる顔立ちだ。 この両親にしてこの子ありか、と、つい眺めてしまった。 この家族は美形家族なのだと思い知った。 そんな中に私の様な冴えない女が嫁で良いのだろうかと心配になる。 すると、私の両親が「十分に可愛いよ、お前は」と我が子を慰めてくれる。 だけどその言葉を聞くとなんだか美形家族の前では余計虚しくなりそう・・・・ すると、今度は櫻井美幸が一言「お前が一番可愛いよ」って言ってくれると私は天国気分になる。 沢山の親戚の人や知人なども招待されてのパーティは晩くまで続いた。 それから私の生活は一変してしまう。 一番の変化はと言うと、 私と櫻井美幸の寝室が同じになったこと。 そして、会社へは一緒の車に乗って行くことになる。 「おはよう」 「やあ、おはよう。今日もキレイだよ」 櫻井美幸はすぐ私を天国気分にさせてくれる。 甘い言葉を囁かれて目覚める朝はちょっとまだ恥ずかしい。 「玲美、着替えたら一緒に会社へ行くよ」 「はーい!」 本当は仕事を辞めて家に居て欲しいと言われた。 だけど、こんなに贅沢をさせてもらうのに 私は何もしないで奥様でいるのは性に合わない。 せめて少しでも櫻井美幸の役に立ちたい。 だから、私に出来ることならなんでもする。 「本当は働かせたくないんだけどね」 そう言って、会社へ向かう車中で 私は櫻井美幸に抱きしめられキスされていた。 「いつも俺の傍にいろよ。離れるな」 「うん」 こんなに甘いとは思わなかった。 それにこんなに人肌が心地よいとも思わなかった。 もう〜私は完全に櫻井美幸の虜になってしまった。 「ねえ、櫻井美幸って会社では何してるの?」 「・・・・俺をフルネームで呼ぶの止めて欲しいんだけど」 そう言われればそうだ。私はずっとフルネームで呼び続けていた。 「いい加減、美幸って言えよ」 急にそんな事言われても困る。 だって、恥ずかしい・・・ 「美幸って言わなきゃ一生キスしてやらないからな」 そんなセリフ言われたら言わなきゃいけなくなるじゃない! ずるいよ、櫻井美幸は! 「み・・美幸」 もの凄く恥ずかしい。顔から火が出るほどに恥ずかしい! 「良く出来ました。じゃあ、とびっきりのキスをご褒美にくれてやろうか?」 「うん!」 ちょっと意地悪な所もあるけれど でも、こんな美幸が大好き! そして車中でしっかり抱きしめあってキスしていると、 「お取込み中申し訳ありませんが、会社へ到着しましたが・・・」 「わかってるよ。もう少しだけ待ってろ」 「はあ」 「運転手さん、こんな時は超特急じゃなくて鈍行列車になるものよ」 「なんだそれ?」 会社の駐車場でしばし二人だけのアツアツタイムを過ごすとやっと車から降りた私達。 「本当は働いて欲しくないんだけどね」 「まだ、そんな事言うの? 諦めなさいよ」 「ったく、頑固だな君は」 と、二人で言い合いをしながら会社のエントランスから入って行く。 すると美幸は流石重役の息子だけあって周りの社員の態度が違う。 私達の前にいる大勢の社員達がまるでモーゼの海の様に開けていく。 凄いなぁ・・・と感心しながら歩いていくと、 エレベーターホールで課長と同じ課の社員達と鉢合わせした。 「あ、おはようございます」 私は久しぶりに出社するのでもしかしたらクビ? かと思って恐る恐る課長に挨拶をした。 すると、課長はビクビクした顔をして私を見ると 「おはようございます!」 とかなり大きな声で元気よく挨拶をしてくれた。 すると、背後にいた社員達まで何故か私に向かって 頭を下げて挨拶をしてくれた。 どういうこと? |
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「こんなに可愛い顔をされるともう我慢も限界かな」 笑ってそんなセリフを言う櫻井美幸はとても意地悪な顔をしている。 戸惑っている私の頬に数回キスをして 涙が流れそうになる瞼にもキスをした。 そしてとても甘くて蕩けるようなキスを 唇にされてしまうと さっきまで松井さんとのことを悩んでいたのが 嘘みたいに心のモヤモヤが晴れてしまった。 そしてしっかり抱きしめられると耳元で囁かれた。 「好きだよ」 って。でも、松井さんはいいの? 本命の彼女は松井さんじゃなかったの? 「でも、松井さんは?」 「彼女は関係ないよ」 「でも、」 「彼女は単なる俺の秘書だけど?」 そう言うと再び甘いキスをされた。 そして私が何か言おうとすると それをさせないようにと 次々とキスの嵐がやってくる。 そして、私も櫻井美幸も息が熱くなって 呼吸が乱れてしまうと 抱きしめあう手にも力が入ってしまう。 「寝室へ行こう」 私は恥ずかしくても頷いて返事をした。 すると櫻井美幸はまたお姫様抱っこをして 私を二階まで運んでくれた。 それからはあっという間の出来事だった。 櫻井美幸の腕に中で抱きしめられながら 私は生まれて初めての経験をする。 何がなんだか分からなくて どうしていいのか分からなくて 怖くもあったけれど 櫻井美幸の優しい唇や指が私を幸せにしてくれた。 甘いキスに私は一晩中蕩けてしまいそうな程に 幸せな時間を過ごした。 翌朝、目を覚ますまでずっと櫻井美幸に抱きしめられていた。 こんなに心地よい眠りってあっただろうかと思わせるほどにぐっすり眠った。 「おはよう」 「おはよう」 恥ずかしいけれど 生まれたままの姿で顔を見合わせ 目覚めのキスをして挨拶を交わす。 信じられない時間を過ごしたと自分でも驚きだった。 「玲美、お願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」 「なに?」 櫻井美幸は真剣な顔をして私を見つめると唇に甘いキスをしてから話しはじめた。 「俺と一緒に家族を増やさないか?」 家族を増やす? どう言う意味? 「嫌か?」 「意味が分からない・・・」 「・・・俺と結婚して欲しいってことだよ。バカ、分かれよ!」 そう言うと恥ずかしそうに顔を真っ赤にした櫻井美幸が私の顔を覗きこんでは瞼にキスをした。 「け・・・・結婚?!!」 「結婚して子ども作って二人で家庭を築きたい。愛しているんだ、玲美」 それは嘘か誠か? 私は本当に耳が狂ったのか?と思ってしまった。 だけど、目の前にいるのは間違いなく櫻井美幸で、 彼は私にプロポーズをしている。 「だけど、私でいいの?」 そうよ松井さんみたいな美人でもないし 学もないし教養だってない ただのアルバイト社員なのに? 「玲美じゃなきゃダメなんだよ」 そう言って櫻井美幸は私に抱きついては何度も何度も甘いキスをした。 私は魔法使いのおばあさんに魔法をかけられているみたい。 それも、とびっきりの素敵な王子様と結婚すると言う とびっきりの素敵な魔法。 魔法使いのおばあさんは私に素敵な王子様を与えてくれた。 それも私が願っていた王子様を。 私の魔法の夢は現実になった。 「私も愛してるわ」 別荘では二人はとっても甘い時間をたっぷり過ごした。 本当に魔法にかかった様に、嘘の様に 櫻井美幸が私に優しくてとても大事にしてくれる。 でもいつから私のことを好きになったのかしら?と聞いてみた。 「出会いが衝撃だったしね。それに2400円の生活が信じられなくて凄くそそられたよ」 と、まるで変わり者の発言にちょっと引いてしまいそうだった。 でも、そんな櫻井美幸が私の為にと別荘から帰宅した日に盛大なパーティを開いてくれていた。 それは、なんと二人の婚約パーティだった。 あまりにも突然のことに私はパニック状態。 すると、 「俺のものにしておかないと他のヤツにさらわれてしまうからね」 と、ちょっと独占欲の強い人なんだと知った。 そして、そのパーティには櫻井美幸の家族と私の両親もお祝いに駆けつけてくれていた。 |
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「ねえ、田辺さんに連絡して迎えに来て貰いましょうよ」 「そんなに帰りたい?」 櫻井美幸と二人だけは嬉しいけど、 胸が苦しくなるから早く帰りたい。 二人っきりは辛すぎる。 「だって、退屈でしょ?」 「じゃあ退屈しのぎに昔ばなしをしようか?」 「昔ばなし?」 櫻井美幸は昔ばなしと言って「ここへよく遊びに来ていたワンパク小僧の話」と言うのを聞かせてくれた。 誰の話だろうかと聞いていたけれど、 もしかしたら、それは 櫻井美幸の子どもの時の話ではないだろうかと思った。 櫻井美幸の話では、 いつも母親の反対を押し切ってこの山の中を走り回っては体中に擦り傷を作っている男の子がいたそうだ。 その男の子はとても元気が良くて生傷の絶えない子だったらしい。 そして、その男の子には年齢の離れたとても可愛い妹がいた。あまりにも可愛くていつも一緒に遊んでいた。 時には母親と妹の取り合いをする程に妹の世話を焼きたがっていたその男の子は妹をかなり溺愛していた。 妹を片時も離したくない男の子はこの山道でも一緒に遊んでいた。 二人で夢中になって遊んでいたら、妹が転んで怪我をしてしまった。転んだ時にぶつけた膝から沢山の血が流れるのを見た男の子はそれから怖くなって、これ以上妹を傷つけたくなくて妹と距離を置く様になったと。 もしかして、その話は櫻井美幸と 年齢の離れた妹の昔ばなしではないかと思った。 「もしかして、それが理由で実家と疎遠に?」 「まさか、まだ当時は俺も子どもだったんだよ。それに家を出る準備も出来ていなかったし、第一、俺が起業したのはその後の話だ」 「起業? 起業ってなに?」 「それはいつか話すよ。ただね、家族はやっぱり一緒に過ごすのが一番だと思うんだ。だからそろそろ実家へも顔を出そうかと思うんだ」 それは良い事だけど、 でも櫻井美幸はそれでいいの? 実家へ帰れば結婚の催促をされるのでしょう? ああ、そうか、 松井さんからプロポーズの返事が貰えたのね。 「以前は家族を持つように勧められるのが嫌で実家へ行くのが苦痛だった。家族を持ちたいって思わせるような子がいなかったからね。そんな出会いもなかったんだ」 だけど今は松井さんがいる? だから、実家へ帰る気になれたのね? 櫻井美幸には幸せなことだ。 だったら私は笑っていなきゃいけない。 櫻井美幸には何も告げずに あの家を出なければいけないのだから。 「今はね、ずっと傍に居て欲しいって思える子に出会ったんだ。彼女はとても純粋で子どもみたいに屈託なく笑って俺の心を癒してくれる大事な存在なんだ」 「きっと思いは通じているわよ。だって、あなた達はお似合いじゃないの」 本当はこんなセリフは胸が苦しくて言いたくない。 でも、櫻井美幸の幸せの為だから・・・・ 「お似合い?誰と誰が?」 櫻井美幸って残酷だよね。 松井さんとの関係はバレているのに 私に隠そうとするの? 「やっぱり、彼女は何も気付いていないみたいだよ」 「え?」 「俺が傍に居て欲しいと思っている子が誰か分かる?」 だから、それはあの時倉庫で松井さんにキスして・・・・いたし、 その後だって彼女とずっと一緒にいたんじゃないの? 櫻井美幸の顔が近づいたかと思うと 私の唇に優しくキスをした。 「俺が寝ている時にキスしただろ? そのお返し」 「うそっ!」 この人はあの時起きていたの?! だって、てっきり眠っているとばかり思って。 私って何てことしたの?! 「耳まで真っ赤になってるよ。可愛いね」 優しく微笑まれ私の心臓を貫いた 彼のハートに私は完璧に心を奪われてしまった。 |



