星屑ひとつ

ゆきの初期作品「先生は俺のモノ!」(ケータイ小説)を掲載中♪ 拙い作品ですがお楽しみ下さい。

御曹司はじゃじゃ馬が(147話)

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「美穂は妊娠しているから仕事を辞めて欲しいだけだ!」
「え?・・・ええ?!」

「だって、要の傍にいたいんだもん」
「俺だってそう思っているよ。美穂とはずっと一緒にいたいけど、子どもが生まれればそうはいかないだろう?」
「うん」


悲しそうにする美穂を抱きしめて慰めている要。
この二人のバカップルぶりに呆れてものが言えなくなった。

何度も夫婦喧嘩は犬も食わぬと言いながら、毎回それに首を突っ込んでは後悔していた弘。
今回ほどバカバカしくてやってやれないって思ったことはなかった。


「もう我慢できない。俺は家を出る!!」

「あ、そうか。なら早く出て行け」
「寂しくなるわね」


と、要も美穂も弘が家を出ることには興味なし。
あまりの扱いの酷さに弘はさっさと家を出て行こうとする。
そんな弘を慰めたのは執事の岡部だ。


「まあまあ、お二人にお子様が生まれると落ち着きますからそれまでの辛抱ですよ。それに、甥っ子や姪っ子というのは可愛いものですよ。家を出たら損しますよ」


岡部に説得されるように家に留まった弘だが、どうやら暫くは要と美穂のバカップルに付き合う羽目になりそうだ。



そして、妊娠したことで要と美穂の結婚式を早めることにし、例のホテルで盛大に行った。

挙式の誓いのキスの時も、披露宴で周りのキスコールに応えた時も、二人はかなりアツアツのキスをして周りを困らせていた。


「幸せのおすそわけだよ」


そう言って要は披露宴の間中、美穂を離そうとはしなかった。



あとがき

最後まで拙い作品にお付き合い頂き有難うございました<(_ _)>
本当に、私が書き始めた初期頃の作品なのでお恥ずかしい作品ではありますが、
ストーリーは好きなので、読みやすくしようと、
元作品をUPしていた Berry's cafeよりは改行等無駄な空白は省いていこちらに掲載しています。
手は加えずほぼ原文そのままの転載でした。

最初は弟の恋人だと誤解した兄の要と、その要に恋した美穂との恋愛模様。
楽しんで貰えたら嬉しいです。

そして、この後も、 Berry's cafeで公開した作品で今現在非公開中のものをメインにこちらで紹介して行こうと思います。
この作品も、 Berry's cafeでは非公開中でして(削除はしていないです、今もベリカ上にはあります)、こちらだけで楽しめるようにしています。

と言うことで、明日からは「鬼畜部長と一緒に食べる朝食は」と言う作品を転載しますので、またそちらの作品も宜しくお願いします。


今日の噂はかなりアツアツだったからと安心して帰宅した弘だが、早速二人の怒鳴り声が玄関まで聞こえていた。


「ただいま・・・・・」
「おかえりなさい。ねえ、弘さん、聞いて! 要ったら酷いのよ!」

「今度はなんなの?」
「美穂は考えが甘いんだよ。もう少し俺の言うことを信じてくれてもいいだろう?!」

「それで? 喧嘩の原因はなに?」
「私の考えが甘いって何よ! どうせ子どもっぽいって思っているんでしょ?!」
「ああ、そうだ。君は子どもだよ!」

「最低! そんな酷いこと言うなんて要なんて大嫌い!」


毎日、この繰り返しでは休まる暇もないと弘は頭痛がした。
本気でこの家を出てしまおうかと悩み始めた。
それに、これだけ喧嘩をしている美穂を見て可哀想になり自分が美穂を幸せにしてやりたいとさえ思えて来た。


「美穂ちゃん、兄貴なんかやめて俺と結婚しようよ」


弘のいきなりの告白に要と美穂は完全に体が固まってしまった。


「毎日喧嘩ばかりして、これじゃあ美穂ちゃん可哀想だし、兄貴だって本当は美穂ちゃんの事どうでもいいんだろう?」


弘の真面目な告白に要は眉間にしわを寄せるとかなり低い声で唸り声を上げ弘の胸倉を掴んだ。
そして今にも殴りそうな勢いで弘を突き飛ばした。


「俺の美穂にそんなよこしまな感情を抱いていたのか?」
「ちが・・・う。兄貴が美穂ちゃんを大事にしないから」
「俺は美穂が一番大事だ! この世で美穂ほど大事なものはない。だから、俺は美穂に無理させたくないのに。」


要が弘へ向けた怒りは簡単には収まりそうになかった。

そしてこの二人のバカップル振りは会社でもかなり有名になってしまった。
要は美穂に仕事は辞めて欲しいと頼んでいたのに、美穂は秘書の仕事をしたいと引かなかった。
その事をずっと言い合っていた二人だが、結局話は決着つかず美穂は相変わらず秘書の席から離れなかった。


「社長、今夜は江崎株式会社の専務と会食が予定されております。私も一緒に行きますので」
「秘書の君は来なくてもいい」
「そうはいかないわ。だって、この専務って女だって言うじゃない。私が同席しても問題ないはずよ」
「これは仕事なんだぞ」
「あら、私だって仕事で行くんです!」


要が時折綺麗な女性を見ると見惚れていることもあり美穂は浮気しないように見張っていた。
そんな美穂が鬱陶しいと感じた要は美穂を秘書にしたくなかったのだ。
けれど、要は美穂以外の女を欲しいと感じたことはなかった。
たまに目の保養をするくらいでそれ以上のものは何もないのだ。
しかし、これまでの愛人の数を考えれば美穂にとっては信用できないと思ってしまった。


「愛しているのは美穂だけなんだから。他の女には興味はないよ」
「ほんとうに?」
「ああ、欲しいのは美穂だけ。他の女なんて女には見えないよ」
「嬉しい!」


これだけ言っておけば暫くは大人しくなるだろうと要はしっかり抱きしめてキスのおまけまでつけてやった。
そんな調子で社長室にいる二人に当てられているのは秘書らだ。
あまりにもアツアツな二人に嫌気がする秘書らは、この状況を社内でしっかり噂として広めながらストレス解消をしていた。
その話が測量部の弘のところまでやってくるにはそう時間はかからない。
弘はその噂を聞いた上で家へ帰ってからの二人の扱いを決めていた。


結婚を決めた二人はいつまでもアツアツの状態でいるものだと思っていた弘達屋敷の者は今日も朝から騒がしいと頭を悩めていた。


「いい加減にしろ! 俺がいつそんな事を頼んだ?!」
「だって、絶対そんなのは嫌なのよ!許せないんだから!」

「今度は何の喧嘩なの?美穂ちゃん、あまり怒ると頭の血管が切れちゃうよ?」
「ああ、弘からも言ってくれ。お前の元婚約者は強情で困る」
「美穂ちゃん、どうしたんだい?」


弘が心配しているにも関わらず要も美穂も背を向けては何も話そうとはしない。
何が原因で喧嘩をしているのかと聞けば文句の言い合いばかりで肝心な内容は分からない。
堪りかねた弘は近くにあった花瓶から花を取りだし、そこに入っていた水を二人に頭めがけてかけた。


「いい加減にして欲しいのはこっちだよ。いったい何なんだ? 兄貴はもう少し美穂ちゃんの話を聞いてやんなよ!美穂ちゃんも、もう少し兄貴に優しくしてくれよ。こんな傲慢で厭味な奴でも一応俺の兄なんだから」


弘に掛けられた水に驚いた二人はお互いを見合うと今度は弘に怒りだした。


「俺の美穂に何てことするんだ!」
「要が風邪でもひいたらどうするつもりなの?!」


弘は夫婦喧嘩は犬も食わぬとはよく言ったものだと反省した。
絶対にこの二人の喧嘩は無視するのが一番だと感じてしまった。


「あー、もう、こんなに濡れちゃって。大丈夫?」
「美穂こそ濡れてしまったじゃないか。せっかくの綺麗な髪が台無しだ」
「私なら大丈夫よ。タオルで拭かなきゃ。本当に大丈夫なの?」
「美穂こそ、タオルを持ってくるよ」


今度は二人して髪を拭き合いっこでもするのかそんな雰囲気だ。
弘は堪りかねて二人から逃げる様にその場から離れた。

二人は屋敷へと帰ると早速要の寝室に籠って出てこなかった。


「・・・・まあ、いいけど。俺、出張でいないからあの二人の好きにさせてよ」
「そうですね。やっと落ち着いたようなので。一安心です」


執事の岡部もかなり気を揉んだようで安堵の表情を浮かべていた。
弘はやっとおさまるところでおさまったかと言う感じだ。
家政婦の吉田は美穂の部屋をどうすればいいのかと弘に聞いていた。


「美穂ちゃんは兄貴の部屋で良いと思うよ。もう俺の客人じゃなくて兄貴の客人だから」
「それは良いのですが、お夕食はどうなさいますか? まだお部屋から出てこられないのですが」
「放っときなさい。お腹が減ればベッドから出るでしょう。今はそれどころではないはずですよ」


すっかり要と美穂が今どんな状況にあるのかバレていた。
そうとは知らず二人は帰宅して数時間経った今もまだベッドの中で抱きしめあっている。


「ねえ、洗面所は何時になったら片づけるの?」
「記念にそのまましておこうか?」
「ええっ、嫌よ。それに、本当に愛人とは別れたんでしょうね?」
「愛人なんていないよ。美穂だけだから」

「本当に?」


要はもっと美穂に信じてもらおうと沢山キスをした。
そしてその夜は二人だけの甘い時間を過ごそうと部屋からは一歩も出てこなかった。


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