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とは、言うものの、そんなに良介みたいに授乳体験したいならいいわよ。させてあげましょう。
「ねえ、啓介。そろそろ良介に授乳するけど手伝ってくれる?」
と、優しい私は落ち込む啓介に声をかけてやった。これで少しは慰めになるかなと。
なのに、振り返ってみた啓介の顔は目をギラギラ光らせてまるで獣のような顔つきをしていた。
もしかして、余計な情けを掛けてしまった?!
「よぉーーし、良介の飯だ!! 俺にも少し分けろよな、良介! 世の中分かち合いと言うのは大事なんだぞ。今からしっかり覚えておけよ」
赤ん坊の良介にそんなセリフが分かる訳ない……
まあ、それでもお乳さえ飲ませていれば良介も啓介も大人しくなるからいいか。
だけど、これじゃあ、まるで子どもが二人だ。
頭痛がする。
どこのお宅の旦那様もこんな調子なのか、ちょっと、いやかなり疑問だ。
と、今更こんなことを疑問視しても始まらない。
「楓、消毒綿用意しているぞ。それに良介のオムツ交換も終わりだ!」
「あ、ありがとう」
良介のオムツ交換なんて滅多にしない人が珍しい。余程私のお乳を飲みたいのかと呆れはするけど、そんなに嬉しそうに目を光らせて消毒綿を持たないで欲しい・・・・
まるで今から手術台にでも上る気分だ。
これから啓介と良介にお乳搾りをされるかと思うと何だか自分がホルスタインにでもなった気分だ。
おしまい
読者の皆さま、最後までお付き合い頂き大変有難うございました。 ほんとうに、初期作品なので転載しながら手直ししたくてウズウズしてしまうのですが、 まあ、拙いなりに勢いもあるので当時のままこちらで紹介しました。 さて、明日からは何をUPしようかな〜〜〜と、考えるんですが、 最近はTLばかりをメインに書いているので、恋愛小説って滅多に書かないのでこちらでどこまでUP出来るのか謎なんですが(汗) まあ、悩んでも初期作品はどれもこれも拙さすぎて皆さんには申し訳ないのですが(汗) 次回は Berry's cafeの総合ランキングで最高3位になった作品「さよならは言わない」をこちらでも紹介します。 このお話もまだまだ小説書き始めた頃の作品なので、一人称で文章もかなり独りよがりなところが多いです。 (それは今もだよ〜なんて突っ込み入れないでねwww) と言うことで、明日からもまたよろしくお願いします。 |
続)鬼畜部長と一緒に食べる朝食は
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「息子のご飯取り上げる父親がどこにいるの?いい加減にして」
「だから、毒見しなきゃ気が収まらないだろう。何事も家庭円満。家族の健康を一番に考えてだな」
こんな馬鹿な父親相手にするのは時間の無駄。今の内に早く洗濯物終わらせよう。
「あ、おい。俺はだなぁ……聞けよ!!」
「聞いてます。家族を守るのが父親の役目って言いたいんでしょう?」
かなり不機嫌な啓介。思いっきり溜息が出てしまう。
世の旦那様って皆こんな調子なのかしらね? 私には信じられないわ。
人が洗濯機に洗濯物を入れている時までお乳の量を調べる人がどこにいますか?!って言うのよ!
「いい加減にして!!!」
「はい、すいません……」
あまりにも鬱陶しいので大声で怒鳴ったらかなり落ち込んでは茶の間の方へと向かった。
やっと諦めたのかと思ってホッとしたのも束の間。洗面所を出て茶の間へ向かうと座敷の方から何やら話し声が聞こえてきた。
啓介は何をしているのだろうかとこっそりと襖を開けた。
「お義父さんの娘ってちっとも男心分かってないんですよ。お義父さんだって楓が生まれた時やってみたでしょ? お義母さんのお乳搾り。あれ、難しいんですよね。なんで大人には出来ないのに赤ん坊だけ出来るんでしょうね。すっごいムカつくんですけど」
何を仏壇に向かって話しているかと思えば、良介に出来て自分に出来ない乳搾りの相談ですか?!
もう……知らない。
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その一言でかなり啓介を怒らせたようだ。
「何を出し惜しみしてんだよ。良介には飲ませても俺には出せないって言うのか?」
「そうじゃなくて……きっと良介が全部飲み切ったんだと思うよ?」
「そうか……なる程」
そんなのに真剣に悩まなくても良介は安全で美味しいお乳を飲んでいるから健やかに育ちます。と、何度説明しても毒見するんだと何度もチャレンジしている。
流石にそんな啓介の相手をする暇は私にはないのだからと無視を決め込んだ。
「さてと、洗濯機見てくるかな。もう、終わったかな?」
「なあ、楓。そろそろ授乳時間だろ?」
何故か、授乳時間が近づくと啓介は私の傍から離れない。きっと「リベンジだ!」と言って良介に張り合って授乳タイムするつもりなのだ。
良介は毎回美味しそうにお乳を飲む。だけど、何度挑戦しても啓介は飲めない。それを私が出し惜しみしていると文句言われる始末。これでも本当に会社の部長さんなの?と言いたくなる。
「授乳まではあと30分くらいはあるわよ」
「そうか……でも、そろそろだよな。結構お乳溜まってるんだろ?」
だからってこれは良介のご飯なんです。
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「お腹いっぱいになったんだな。気持ち良さそうに寝てるじゃないか」
「うん。こんな寝相見ていると親子そっくりね」
「お前によく似てるよな」
私はこんなに大の字になって寝ません! いつも両手を横に広げて大イビキで寝ているのは啓介そっくりよ。
本当に啓介によく似ている。とっても可愛い子。こんな可愛い男の子が生まれるなんて私は幸せ者だ。
と、感激していると、私を幸せにしてくれるはずの啓介が何やら始めようとした。
「何してるの?」
「決まってるだろ、良介の食事が安全かどうかの毒見をするんだよ」
安全かどうかって……母親のお乳が何よりも安全で一番大事な栄養素が沢山入っているのに。絶対に啓介はそんな意味で毒見をするんじゃないって分かっている。
「これは良介のおっぱいなの。良介のご飯なの。だから、パパは変な事しなくてもいいの」
「だから毒見してやるって言ってるだろ。良介のヤツ、毎回毎回人の前で美味そうに飲んでるんだぞ。たまには俺のモノなんだから飲ませろよ」
それが本音だと思うと笑いたくなってしまう。でも、だからってここで止めさせても啓介の不機嫌は治りそうにない。少しお乳を飲んだら諦めるのかもね。
そう思って、良介と同じ様に「授乳だ〜」と啓介パパの授乳タイムを始めた。
なのに、啓介ってば良介以上に力が入ってお乳を吸ってる。そんなに力任せにしなくてもお乳は出るのに。良介は上手に飲むのに……
「パパの下手」
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消毒綿を持ってきてくれたのは良いけれど、啓介ってさっさと私の授乳用の服のボタンを外して手伝い始めた。
「いいわよ。自分でやるから」
「良介抱っこしているんだ、俺が手伝ってやる♪」
その声が何故か喜んでいる声なのよね。授乳用の服は洋服を全部脱がなくても良いように横の方が開く様になっている。そこから張って大きくなったおっぱいを出して赤ちゃんに飲ませるのだけど、その前に消毒綿でしっかり拭いてから授乳をさせる。
毎回消毒綿で拭くのは抵抗あるけど赤ちゃんが細菌感染しない為には必要なんだよね。
と、思っていたら、消毒綿の袋を開けた啓介はその綿を持って私のおっぱいを拭き始めた。
「くすぐったいから止めてくれる?自分で出来るわよ」
「まあまあ、俺が良介の為に丁寧に拭いてやるから♪」
それって丁寧って言うより厭らしい拭き方の様に思えるんだけど?
軽く拭けばいいのに、いったい何度拭くつもり?!
「ちょっと、もういいわよ。良介お腹空かしてるんだから。ねえ、良介、おっぱい飲みましょうね」
と、私が良介を抱っこして授乳を始めると、啓介はかなり不機嫌な顔をして畳の上に寝っ転がってしまった。
それでもパパなの?って言いたいけど、まあこれも試練よ。
この前から啓介は『楓のおっぱいは俺のモノだぞ!なのに、良介なんぞにくれて堪るか。』とバカなセリフを吐いては赤ちゃんの良介と喧嘩してた。
喧嘩と言っても良介は何も分からないから、「バブバブ」言って喜んでた。遊んでもらっていると思って。
これでも父親なのか?って思ってしまったけど、父親なのよね。
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