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「やっと逢えた…兄さん」
夢見心地で声を聞く。
目の前で熱っぽく語る彼は、一緒に育っていたら多分こんな風に成長したであろうと思われる、弟の姿をした人。
魂の形は弟と同じ。
だけど、この世界で生を受け育ったから友人にしかなれない存在。
もしこの世界で自分が生まれたとしたら出会う事の無かった赤の他人だ。
他の世界では兄弟だった可能性があるんだと話しても「何を馬鹿な事を…」
と、一笑に付されるであろう。
だから言わない。
そんな彼から弟だと、会いたかったと告白される。
自分は弟だと。
まるで夢のような話だった。
肉体も精神も魂もこの世界に持ってきた。
たった一人でやってきた。
そう思っていたエドワードだったが。
もしかしたら弟アルフォンスの精神や魂をこの世界に持ってきてしまったかも知れない。
元いた世界とは逆のことをしてしまったかも知れない。
そんな都合の良い夢。
それほどまでに弟アルフォンスの存在は自分の中で絶対的な力を持っている。
彼に再び逢えない事は絶望だと思いつめるほどに。
だから夢だと思った。
酒を浴びるように飲み、かなり酔っている実感もある。
だから目の前の事柄は酔いが見せる都合の良い幻覚だと判っていた。
自分の願望が目の前で起こっている。
夢でも何でもいい。
そう強く思う気持ちも本当だ。
だから。
夢ならば覚めないでくれ…
そう思いながらエドワードは懐かしさに口を開いた。
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