お遍路「秋の土佐路をゆく」

テレビ番組「街道てくてく旅 四国八十八カ所を行く」のブログ版

お遍路2005夏

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 URL http://www.geocities.jp/yukiwarisou182000/index.html

  第76話 高野山お礼参り (高野山奥の院)  

  8月27日  47日目

 高野山町のメインストリートを歩いていた。朝9時前だというのに歩行者が群れをなしている。年配者や手を組んだ若いカップルが時おり自分の前をふさぐ。へんろ道を気ままに歩くのとはどうも勝手が違う。

 人の流れが急に止まったのを感じた。しかし、自分の足はそのまま動き続ける。一瞬、左目に動くものを感じた。クルマが突っ込んでくる。軽トラックだ。あわてて足を止めた。
 クルマに急ブレーキがかかった。運転席からすごい形相をした男性がが飛び出してきた。非はこちらにある。ひたすら頭をさげるだけだった。

 四国路を1月半も歩いていたからか、自分のまわりに細かい注意が及ばないようである。六十六番雲辺寺への道を一緒した大阪のBさんが笑っていた。「お遍路を終えて1ヶ月はぼやっとしています」、と。こういうことなのか。

 徒然草の「高名の木登り」の段が思い浮かんだ。お調子者の私が「自戒」にしている一節である。
 「ここまできて事故を起こしたらすべてが水の泡」。そう考えて、奥の院での参拝後は一切寄り道せずに帰宅することに決めた。

 参道をまっすぐに進み、10時に奥の院に詣でた。へんろ道では弘法大師様に寄り添っていたとは云いがたい。ここではその非礼を詫び、「できればもう一度へんろ道に戻りたい」、と付け加えた。最後に無事帰宅できることのお礼を口にした。

 参拝後は一息入れずに参道を折り返し、通りかかったバスに飛び乗った。高野山駅にバスが着くや、ケーブルカーと電車を乗り継いで、難波駅へ一気に戻った。12時50分だった。

 13時49分発東京行きの新幹線の座席におさまり、弁当を広げた。まもなくケイタイの震動があった。メールは高知市で同宿した福島の学生遍路 Sさんからだった。
 「高野山にお参りして宿坊に泊まる予定でしたが、日帰りになりました」。彼も今日高野山をお参りしたようだ。
 すぐに自分の結願をSさんに打ち返した。すると、Sさんが私の結願を祝福してくれた。
 「一期一会」と心に云い聞かせても、こんなかたちで心が通い合うのも、うれしいものである。

 さて、1ヶ月半ぶりの我が家が刻々近づいているが、わが心中は「帰心矢のごとく」ではない。妻はでかけて自宅を留守。まだまだ旅の宿が続いている。(画像は 高野山奥の院 )
*大変長くなりました。ご愛読を感謝いたします。

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 第75話 結願前夜と結願の日 (八十七番長尾寺〜八十八番大窪寺)      
 
 お遍路 45、46日目   8月25日〜26日

 お遍路最後の宿は不安な晩となった。関東地方に大型の台風が迫っているという。
 これまで、妻は家の様子を一度も知らせてこなかった。それが、「床上浸水になるかもしれない」とメールを打ってきた。 長女は妻の実家へ出かけている。次女は仕事で戻れないという。妻が一晩中出水に怯えるのかと思うと気が気ではない。

 テレビをつけっ放しにして、画面の気象情報に釘付けになった。多量の雨をともなう大型台風のようだ。「よりによってこんなときに」、と唇をかむがどうしようもない。
 
 9時を過ぎて妻からメールが入る。「どうにかなるでしょう」。

 大窪寺へは女体山を経由しての道があるという。お遍路を経験した友人が、「足との相談ですが、お勧めです」、とメールで知らせてくれた。 しかし、宿の主人は、「ここまで来て無理をしないほうがいい」と言い張る。クルマ道を行くことにした。

 8月26日 5時に宿をそっと抜け出た。大窪寺への道はなだらかな上り坂がどこまでもどこまでも続く。ただ、トラックの往来が激しく、歩道がないところでは気を抜けない。ドラマチックなコースを予想しただけに肩透かしを食った。やはり、友人の勧めた女体山を歩くべきだったか。

 大窪寺の大きな山門が見えてきた。9時10分。わずか4時間で来てしまった。
 お寺の境内にはお遍路の姿はなかった。一番霊山寺のにぎわいとは別世界である。でも、誰一人参拝者のいない境内でよかった。心おだやかに「同行二人」の旅を終えることができたからだ。
 88回目のお経は声を出して唱えた。金剛杖と菅笠は納経所に奉納して、さわやかな気持ちでお寺をあとにしたのだった。
 (画像は結願符)
 画像の「結願符」について
 お遍路の記念として、「道しるべ」が欲しかった。帰宅後すぐに「へんろみち保存協力会」にその旨問い合わせたところ、「へんろシール」や「しるべ札」などはへんろ道での表示以外には利用を一切許可していない、とのことだった。
 「結願符」(四国霊場八十八ヵ所徒歩巡拝)は、回答者で同会代表 宮崎 建樹さまが、私の「結願」の記念として、同封してくださったものである。

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 第74話 近づく旅の終わり (八十六番志度寺〜八十七番長尾寺 さぬき市) 

 お遍路 45日目    8月25日

 旅の終わりが現実のものとなってきた。
 八十六番志度寺を出た。太陽はいつしか姿を隠し、空は灰色の雲におおわれてきた。八十七番目の長尾寺への道は、遠くの山並みを借景にしてゆるやかな傾斜がどこまでも続いている。
 
 「喉元過ぎれば暑さ忘れる」、ではないが、土佐の炎暑をもう忘れている。かかとと指先が靴の中で湯気を立てて怒っていたのに、今では「そんなこともあったなあ」でしかない。
 
 「最後まで歩ける」と確信できたのは、8月1日だった。静岡からきた教員遍路のTさんから靴ひもの結び方を教わった。
 「靴ひもは、平地では足首で結ばずに一段下のひも穴で結ぶと楽ですよ」。(画像は 志度寺を出てからの町並み)
 いわれる通りにしてみた。最初は違和感があった。しかし、慣れると具合がいい。「最初からこうしていればもっと楽だったのに」、とほぞをかんだものだった。

 ささいなことだけど、とてつもなくうれしいこともあった。
 土佐の国道では歩道のない箇所がいくつもある。そこでは路側帯といわれる白い線の外側を歩いた。
 私はいつも対向車を前に見て歩く。クルマが近づけば必ず足を止めてクルマの通り過ぎるのを待つことにしていた。クルマと対等にすれ違うなどという「生意気」な態度はとらなかった。
 ある朝、大型トラックが疾走してきた。私は端に寄り、足を止めた。すると、運転手が手を振った。「わかっているよ」という合図だった。
 ほとんどの運転手は私の姿を見れば、心持ち道路の中央に寄ってくれるが、手まで振ってくれた人は後にも先にも一人だけだった。

 宿の電話予約は前日に宿のおかみさんに頼むことが多かったが、都合でキャンセルすることもあった。そのときは、コンビニの店員、公民館の係員、散歩中の女性に頼んだものだった。
 
 朝食のバナナを前日に用意したくて、バナナ1本だけ買ったことも何度かある。どこの店も気持ちよく応じてくださった。

 へんろ道では感傷にふけることは少なかったが、ここまでくるとさすがに複雑な思いが頭の中を飛び交っている。無我夢中で前へ前へと進んだ阿波と土佐の道。反面、後半はすっかり「守り」に入ってしまい、旧道を避けて国道を選んだのが悔やまれる。「ここまで来て、もし、山の中で立ち往生したらどうする!」、というのがその理由だったが。

 さあ、最後の宿は、民宿「ながお路」。八十六番長尾寺の門前にある。早世した学生時代の友人「長尾君」を偲んで決めた宿である。(画像は道端の蝶)

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    第73話 お接待のすべて 
       (八十六番志度寺手前   讃岐市牟礼町) 
 
 お遍路 45日目   8月25日

 八十六番志度寺の手前2キロでコンビニ「サンクス」に立ち寄った。地図には表示がないから新しい店らしい。
 商品棚を見渡すとコンビニ店には珍しく野菜や果物のスペースが広い。昼食前に栄養補給をしようと、ブドウとトマトを棚から抜いた。
 「すみません、これを洗っていただけるならば買いたいのですが」。30代と思われる店の奥さんが二つ返事で引き受けてくれた。
 現金を支払って、「店の横で食べさせてもらいます」と断りを入れると、奥さんは「どうぞ、店の中で」と傍らのイスを勧めてくれるではないか。「お言葉に甘えさせてもらいます」と笠の緒を解くことにした。

 「涼しいところでからだを休ませ、甘いものを口に入れれば元気百倍です」。そんなことを奥さんに喋って、店内で休めたことのお礼のことばに代えた。
 明日で旅が終わる。「お接待」という四国のならわしに何回も背中を押されてここまできた。これまでの「お接待」をまとめておこう。
(画像は 志度寺手前平賀源内旧邸 エレキテルが展示)
                         
 四国遍路 お接待一覧

お接待くださった場所   お接待者 内     容
1 2日目 5番地蔵寺手前 五百羅漢のおばあちゃん 熱いお茶
2 2日目 6番安楽寺途中県道12号沿い 寿食堂 塩
3 2日目 6番安楽寺門前で 電動車イスの婦人 パン2ケ
4 5日目 12番焼山寺下って宿泊先 鍋岩荘 冷凍栄養ドリンク
5 5日目 15番国分寺手前 個人商店 冷えたトマト
6 6日目 宿泊先「鱗楼」 ご主人 インスタントの記念写真
7 6日目 徳島市内国道192号沿いで  婦人 百円
8 7日目 立江寺出ての道路で クルマ遍路の男性 ゼリービーンズ
9 7日目 民宿 金子や 手前 青年 自販機のジュース
10 7日目 民宿 金子や おかみさん アイスクリーム
11 10日目 23番薬王寺出て国道55号沿い 婦人 紙パックジュース
12 10日目 国道55号沿い 岡崎商店 トマト オロナミンCドリンク
13 14日目 国道55号横」旧道 吉良川 パン屋 ラスク
14 15日目 27番神峯寺上り クルマ遍路の男性 ゼリービーンズ
15 19日目 36番青龍寺前 サンゴ細工店 サンゴ細工店 お茶
16 20日目 民宿 汐浜 おかみさん           おにぎり バナナ
17 22日目 民宿 日の出手前 無料休憩所        麦茶 スイカ トマトジュース
18 23日目 国道321号 真念庵近く レストラン水車    トマト
19 24日目 宿泊先 民宿 久百々 おかみさん     バナナ キャンディ おにぎり
20 24日目 38番金剛福寺 売店のおばさん      紙パック茶 3箱
21 25日目 宿泊先 民宿星空 ご主人         バナナ ミカン
22 28日目 41番龍光寺 門前 果物直売所      ミカン スイカ メロン
23 29日目 宿泊先 とうべや ご主人         スイカ
24 29日目 大洲市手前の旧道 クルマの婦人      栄養ドリンク
25 30日目 内子町 国道56号 果物直売所      梨 桃
26 30日目 大瀬の旧道宿場町 衣料の店 上田商店   百円 ドーナツ ペットボトル茶
27 31日目 久万高原ふるさと旅行村 食堂       トマト
28 33日目 北条市 国道196号沿い 「はまのや」  麦茶
29 34日目 大西町星の浦海浜公園「ふれあい市」 出店者  梨 
30 36日目 64番前進寺を打った直後  クルマの婦人 塩アメ
31 37日目 四国中央市 豊岡町コープA        メロンのサイコロカットサービス
32 38日目 伊予三島市寒川の旧道 婦人        ウーロン茶
33 39日目 伊予三島市中曽根町住宅街 婦人      いちじくの申し出
34 40日目 71番弥谷寺俳句茶屋 ご主人       うどん格安料金
35 42日目 42日目 78番郷照寺直前 宇多津町 津の山堂 お茶 和菓子 赤飯(青年に)
36 44日目 83番一宮寺へ向かう岩田神社 婦人    百円

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  第72話 屋島寺への坂道で (八十四番屋島寺   高松市屋島)   
 
 お遍路 45日目   8月25日

 お遍路も残り2日となった。札所の数にして5つである。そのうちの4つを今日お参りする。
 
 八十四番屋島寺への道は舗装された急坂だった。5時50分、散歩の女性が軽やかな足取りで坂を上がって行く。そのうしろ姿は美しい。「追いついて、お顔を拝見」、と足を速めたが、逆に差が開くばかり。ついには姿を捕らえることもできなかった。

 思えば、生まれてこのかた、住んだところはどこも平地だった。坂道に無縁である。アスファルトの坂道が苦手なのもそのせいかもしれない。土佐の27番神峯寺、伊予の六十番横峯寺も難所だったが、この屋島寺への坂道もたやすくない。

 登るにつれて脇道から散歩者が姿を見せはじめてきた。すでに5、6人。杖も持たずに達者に山頂を目指している。腰の曲がった老齢の婦人も混じっていた。
 
 歩いて20分、今度は坂を降りてくる人が目立ってきた。6時過ぎにこの坂を下ってくるのだから、登りは5時頃ではあるまいか。しかも平日である。
 小学生が大股で下ってくる。サラリーマン風の男性も会釈をしてすれ違う。ざっと見た感じでは60代と思われる人が一番多いようだが、私よりはるかに年上らしい人も元気な姿を見せていた。屋島寺の山門に着くまでに約50人とあいさつを交わしたかもしれない。

 6時40分、広々とした屋島寺の境内に到着。参拝後ベンチで朝食のパンを食べた。そのあいだにも、元気そうなな年配者が次々と現われて絶え間ない。お堂を回って手を合わせる人もあれば、お寺には見向きもしないで門から消えてゆく人もある。顔なじみらしく立ち話しをする姿も見られる。45日間歩いていて、これだけ大勢の早朝散歩者を見たのは初めてだった。

 屋島寺は標高280メートルの山寺。坂道は長くはないが、一気に登る感じの勾配もある。下りは年配者の膝には辛い。それでもこれだけの人が足を運ぶ。この山にはひとを引きつけてやまない何かがあるのだろうか。

 ついでながら、屋島寺からの山下りは急傾斜だった。私の歩いたへんろ道ではナンバー1。雨中なら一度や二度は転倒するだろう。 かの源義経が「鹿も四足馬も四足」とひよどり越えを敢行したが、この屋島寺からの下り道ではその奇策を使えるかどうか。
(画像は 八栗寺へ向かう道から振り返った屋島遠景)

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