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世間様教

  精神科医の斎藤学(さいとう さとる)は「本音のコラム」(最終回、東京新聞12月29日付)でこう述べている。
 かねがね痛感するのは日本という社会に蔓延(まんえん)する宗教、名付けて「世間様教」の猛威だ。
 一人ひとりが集団の意向に沿うことに汲々(きゅうきゅう)とする予定調和の世界。そこから外れると罰せられる社会。戸籍制度にしがみついて「健全家族」の幻想を維持するのも宗旨の一部。その無理から生じるのが人嫌いやひきこもりで、そこからはい出そうとする別の無理が空転すると薬物乱用、過食症など依存症が発生する。
 私に求められているのは彼らの治療だが、私は彼らを病人とも人格が偏っているとも考えない。彼らは「考え違い」をしているだけだ。世間を気にしすぎて能力や魅力に欠けた自分を責めたり、絶望したりしている。
 人が気になるというなら、ホリエモンと呼ばれる人の生き方を見ればいい。彼は今の時代が必要とすることを身体で理解している。自分の限界も知っていて、そこを他人に任せる力がある。こういう人でないと、予定調和に陥った日本の経済界に波紋を起こせない。
 東京地検特捜部が彼を容疑者に仕立てあげたとき、「日本社会は異端を排し、無難の中に閉じこもり続けるのか」という危機感に駆られた。幸い堀江氏は生き残った。彼にも鬱屈(うっくつ)はあるだろうが、それをしのぐ好奇心と快楽指向がまばゆい。
 以上、最後はお説教になった。長年のご愛読を感謝いたします。
 
 ホリエモンって単なる拝金主義者ではなかったのか。それはともかくとして「一人ひとりが集団の意向に沿うことに汲々とする予定調和の世界」を日本式集団主義というのだ。
 同じく精神科医で作家の加賀乙彦は興味深いことを言っている。
 
   たとえば、統合失調症というのは文化や言語を問わず、どの国でもおよそ百人に一人くらいの割合で発症する精神疾患ですが、同じ統合失調症の妄想でも 、フランスで目立っていたのは「他人と顔や心が同じになってしまった」という訴えでした。「みんな(あるいは誰か)と同じだと思われている」「自分の独自性がなくなってしまう」と悩むのです。
  一方、日本の患者さんの場合は、「私はみんなと違ってしまった。だから嫌われ、悪口を言われる。仲間はずれにされている」と、切々と訴える。
                                                        (「不幸な国の幸福論」集英社新書)
 
   精神病の一歩手前のノイローゼの患者でさえ、
 
  フランス人では人との違いがなくなることが、日本では人と違ってしまうことが、苦悩の中心となっているケースが多かったのです (同上)
   
 

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