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久々に良質のミステリーを堪能。
「チャイルド44」(トム・ロブ・スミス、2008年)
スターリンの圧政下にあるソ連。
主人公は、国家に忠誠を誓った男レオ。
正義のために「国家の敵」を逮捕し、あるいは抹殺することに
すべてを捧げてきた。
その彼がある連続殺人事件をきっかけに、真の正義とは何か、
真の愛情とは何かに目覚め、自らの正義を貫くために
命をかけて犯人を追及していく・・・
「犯罪など我が国にはありえない、あってはならない」という大前提に
阻まれ、進まない捜査。
部下の裏切り、密告。
妻との確執。
本当にすべきことは何か、常に己に問いかけながら茨の道を進む
レオの姿に、人の良心とはいかに強く尊いものかを教えられたような
気がします。
巨大な国家に脅えながら生きざるをえなかった当時の人々の
恐怖を知るという意味でも、貴重な読書体験でした。
いつもなら子供が犠牲になる話は絶対に読まないのだけれど、
本作は筆に気品が感じられ、表現も抑制されているので大丈夫。
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