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「恋に落ちる確率」(ジェニファー・クルージー)。大人になりきれない大人のための、おとぎ話なんだね。ウィットに富んだ会話を楽しむ群像劇。2005年RITA賞受賞。
「恋に落ちる確率」(Bet Me) Jennifer Crusie(2004) 平林祥訳 ライムブックス
ミネルヴァ(ミン)・ドブズ(33)保険数理士
キャルヴィン(キャル)・モリッシー(35)セミナー会社経営
ミネルヴァの目下の最重要課題は「ダイエット」。
1カ月後に迫った妹の結婚式でドレスを着るため、母親から厳しく減量を命じられているのだが、まったく効果がない。しかもベッドの誘いを断ったせいで恋人にもふられてしまう。
最悪の荒れた気分でいるとき、元恋人が超ハンサムプレイボーイに、あの女(私のこと!)と1カ月以内にベッドをともにできるか賭けをもちかけるのを聞いてしまう。賭けの対象にされるなんて屈辱! それならいいわ、妹の結婚式に同伴するまで適当につきあっておいてお払い箱にしてやる。
しかし、魅力たっぷりのキャルと付き合ううち、優しく誠実な内面を知り、心ならずも惹かれる気持ちを止められない。
キャルのほうも、最初は豊満なミンの体に釘付け。ばかばかしい賭けに乗るつもりはまったくなかったが、心優しく頭の回転が早く、一緒にいて楽しいと感じられるミンにどんどん惹きつけられていく。
「賭け」のことが頭にあって、キャルを信じきれないミン。
ミンの元カレ、キャルの元カノ、二人の家族や友人が総動員。すんなり進まない2人の恋の行く末は・・・。
33歳と35歳だというのに、2人とも大人になりきれていない。
母親の干渉に甘んじているミン。
失読症だったため親に認められず不幸な子ども時代を送り、今でもそれを引きずっているキャル。
2人が何とかゴールインできたのも、おせっかいな友人たちのおかげが大きい。
キャルの元カノもミンの元カレも、自分の世界に閉じこもって自分の論理を人に押し付ける子ども。
このところヒストリカルばかり読んで、20歳そこらで人生に立ち向かっている登場人物に慣れていたので、この本の困った迷子たちに対して「ちゃんと大人になりなよ!」と喝を入れたくなってしまう。
現代のロマンスは、迷子の大人たちのためのものってことかな?
でも、実生活で迷ったり悩んだりしているからこそ、ロマンスには断固とした愛というか、生き様というか、そういう迷いのないものを求めてしまうのよね〜。
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