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雨ふり。
つくづくついていない。
この辺りは<だんじり>や<布団太鼓>などの秋祭りが毎週どこかで行われているが
この秋、すべて小春日和な週末での祭りだった。
今頃長女は疲れ果て、雨降りの寒さで天気の神様に罰当たりなことを
つぶやいていないだろうか。
昨日は週間天気予報での雨を裏切って、秋晴れの中「ソーリャ、オーリャ」と掛け声をかけていた長女だった。
だんじりの一団が駆け抜けていくと、汗臭さと湿布のメントールが香った。
男も女も子供も熱く熱く綱をひく。
ウチハでカツを入れてもらう音。
パッシ!パッシ!
「頭、下げてっ!!気合いれてっ!」
背中を叩かれ、疲れた顔の長女の口元が引き締まった。
母が見ている前を、妹達が名前を呼ぶ声を聞かぬまま走り去る。
朝の6:30から夜の10:30まで。
長女の熱く長い一日が始まる。
町の慣習を知らない母には鉢巻をしめ、颯爽と風をきって家を出て行く長女が遠くにいってしまったかのような
一抹の寂しさを毎年感じる。
この町に生まれ、この町に育ち、この町に馴染んでいる三姉妹たち。
夜遅くに泥の塊のような長女が帰宅し、作っておいた巻き寿司を2つ3つ頬張る。
こっくり、こっくり舟をこぎ・・・
おかえり。長女。
母の子供に帰った長女は目をつぶり夢をみる。
1時間かけて再び編みこむ頭をぐるんぐるんと暴走する長女。
眠りと戦う気力ももはや無いのであろう。
明日も頑張りなさい。
そして今夜はゆっくりお休み。
長女の綱で破れた手のひらはきずだらけのオロナイン軟膏の匂いがし
パンパンにむくんだ足は湿布の匂いがした。
今日は雨。
寒さがこたえていないだろうか。
母も・・・罰当たりな事言ってみたりした。
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