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長女がテニス部に入り、休みの日もクラブで留守がちになった。
最初の頃は成長した彼女が頼もしく、嬉しかった。
この頃は寂しさが慣れてきた。
三女が保育園生活での最後の作品展作りに1歳の頃の人形を作るという。
赤ちゃんの時の衣類や靴、帽子など用意するようにとのことだった。
三姉妹の思い出の箱。
仲良く並んだ三個。
さすがに長女の物は重い。
探すべく服が見つからず、次々探す。
三人のファーストシューズが出てきた。
ヨチヨチ歩いたのだろう。
こすれた傷がつま先についていた。
いつの間におっきくなったんだろう、我が娘たちは。
こんな事を考えながら週に一度のみちこさん面会に行く。
いつもなら、忙しい長女を除く次女&三女をお供に片道2時間のドライブだが
今回は断わられた。
母ひとりの面会。
みちこさんは寂しがるのじゃないだろうか。
会話なく、手を握るだけの面会。
いつもはおしゃべりな二人が場を明るくしてくれた。
今回は本当に母娘だけ。
名も知らぬ花をいつも持っていく。
聞いても覚えられないから、あえて聞かない。
チョコレートが大好物のみちこさんにはビターチョコを内緒で少し。
子供のように喜んでくれる。
その笑顔見たさで禁止されている差し入れをしてしまう母。
糖尿病も患っており、だめなんだけど・・・。
子供の頃から大人になるまで毛嫌いされていた。
メンドクサイ次女。
なのに・・・
施設のスタッフの方へ
「私の妹なんです。」
次女だよ、みちこさん。
「はいはい、次女なんです。とても働き者で自慢の娘なんですよ。」
なんでここに来て泣かせるの。
いいおばあさんみたいじゃないの。
子供の頃から疎まれる事しかなかったのに、今ここでそんなに優しくされるととても辛くなる。
動かなくなった右手の指をイチ、ニィ、サン、シィ・・・と折って見せてくれた。
「リハビリ、頑張っているのよ。」
子供が褒めてもらいたがっている笑顔で何度も繰り返すみちこさん。
脳梗塞は発見から3時間が勝負だという。
母の迂闊さで、みちこさんは麻痺を残したのに
みちこさんはいつもいつも母に詫びる。
「ごめんね。遠いのに・・・。」
老いてはじめて親子関係を築くことってあるのだろうか。
いつか母がみちこさんの年齢になった時・・・
母と娘たちの関係はどうなっているのだろう。
子供が次々育って、母から離れていく。
みちこさんはこんな思いで子育てしたのだろうか。
みちこさんという女性と今の母と。
だぶってみえたのは気のせいだろうか。
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