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■6000ベクレルを越える放射線量もEM使用で、検出限界値以下■心臓は1%機能しなくなっただけで25%が機能不全に

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◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2016/03/08 http://dndi.jp/

「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」-そこまでやるか、EM叩き- 


第16回 美しいEM団子づくり、石岡の「光風荘」
・「光と風と歌と」-その2
・「ボラ感」の歌が胸をうつ

 茨城県石岡市内にある盲重複障害者施設「光風荘」(須賀田毅理事長)にEMづくり専用の建物がある。ここでは土日をのぞく毎日、施設の利用者さんらが順番で班ごとに分かれてEMボカシ、EM団子づくりに励んでいる。どこよりも美しいEM団子を作る、と評判の「光風荘」を訪ねてすぐ、復興ソング「花は咲く」のサプライズがあったことは前回のメルマガ「光と風と歌と」で報告した。
 バンドのみなさんが歌をひとつマスターするのに平均で7ケ月の時間を必要とする、と聞いた。新しい曲になると、1年余りもかかるというのだから、涙ぐましい。今回は、EM団子づくりにまつわるエピソードを紹介したい。団子ひとつ丸くこねられるまでには、どのくらい時間を要するか、その体験を聞いてまた驚いた。丸い団子、その丸いという形を連想するのが難しいらしい。
DND編集長、ジャーナリスト   出口俊一

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:EM団子づくり、丸く仕上げるのには、やはり時間がかかる

◇光風荘のEM棟
入口をくぐると、発酵した匂いだろうか、EM独特の匂いが漂っている。そこで利用者さん十数人が作業台を囲んでいた。「カムカム」バンドでシンセサイザーを担当していた長身の男性が数人と一緒にボカシづくりの作業台にいた。米ぬかともみ殻をEMに混ぜあわせているのだ。右に左に散らしては再び戻し、それを繰り返しながら良質のボカシに仕上げていく。
 このボカシは、ボカシ肥料と言われ菜園や畑の土壌改良に使われている。効率よく、それもローコストで作れるため、国内ばかりか世界各地で作られているそうだ。特別な特許も縛りがないのは、考案者でEM開発者の琉球大学名誉教授、比嘉照夫氏が安全で安心でしかも環境にもよい土壌改良資材を多くの人にお届けしたい、という強い思いがあるからだ。「BOKASHI」のネーミングで欧米をはじめ、アフリカ、アジアなど各地で普及している。
さて、その作業を見てまわった。
 どうですか?とシンセの彼の肩に手を添えたら、「ハイ、指を動かしていると、気持ちがいいです!」という。「指を使うシンセサイザーと、ボカシづくり、そのどちらが楽しいですか?」と聞いた。「ハイ、シンセの方がやはり…」と言って笑った。そうだよね、愚問でした。そばにいた理事長の須賀田さんが、彼はベテランでよくやってくれています。食堂のホールでは朝と、昼と、晩の一日に3回、シンセサイザーで生音楽を聞かせてくれているのです、と教えてくれた。
 一番奥の作業台では、利用者さんら4人が丸い団子状のものを作っていた。丸く捏ねた団子は、いったん、その端に立つ職員の手にわたり、量りで一個一個均一の重さにならされて次々と大きな箱に並べられていた。褐色の土は、米ぬかにEM活性液を含ませたEM団子の材料となるもので、褐色の団子は数ケ月もすると、菌が表面を覆いEM団子という完成品になる。EM団子は、主に全国の河川の浄化に役立てられている。


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◇1年がかりの団子
 私の取材に同行してくれた施設のEM担当である山口せつ子さんは、最初、利用者のみなさんは、まず丸い形というのが理解できないのです。そのため、作業の脇に見本として丸い団子を置いて触らせた。これが丸い団子の形だよ、と教えた。それを触らせながら、丸い形を憶えさせるのです。そうですね、丸い団子の形をマスターするのには、ほぼ1年かかっています、という。

 作業台の男性に聞いた。
 上手にやりますね、もう何年やっているのですか?
「2から3年になります」
 丸くこねるのは難しくないですか?
「ハイ、一応、手ほどきしてもらうのですが、前は、いくらやってもヘビのような格好になったり、ジャガイモだったり、なんだかわからない形になって、うまくいきません。いまのように丸くできるまでには、結構、苦労しました。いまはもう慣れました」

  私もやってみた。いやはや、これがうまくいかない。土が柔らかいために力の加減が要領を得ず、ジャガイモのようないびつな形になってしまうのだ。1年がかりとは気が遠くなるような話しだ。丸い形をイメージしても丸い形に整えるのは容易じゃないのである。

 団子は1個240gと決めている。女性で230gだったり、手の大きい男性では280gといろいろだが、成型の過程で土を足したり削ったりしながら最終的には240gに整える。EM団子は箱詰めされて乾燥し、発酵ののち一個150gの製品となる。
 「光風荘」でつくるEMボカシは、1キロ300円で、園芸用品店や市役所の即売コーナー等で販売されている。月に200袋ほど売れる。大口の注文も入るという。販売先に、作った利用者さんらを同行させることもある。販売先から、「いつもありがとうね」とか、「いいものができたね」などと励ましの声をもらうと、みんな嬉しそうに照れながらも御礼を述べ、次にまた行きたいと自分の順番を心待ちにするのだそうだ。

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◇年間2万個の製造
その一方、EM団子の方は、これも年間2万個余り製造する。一個30円から40円で引き取られているうえ、茨城県や近隣の河川の浄化のために利用者さんらとEM団子を投入している。全国の社会福祉法人や授産施設、作業所の多くで、このようなEMボカシ、EM団子づくりを行っているEMボカシネットワークを作って応援している。

 山口さんは、利用者さんらこの取り組みについて、
「丸い形のイメージがつかみにくいのだが、丸か、三角か、形の識別ができたとしても丸い形を作る、となるとこれがまた難題で、幼少のころから泥んこ遊びなどの経験がないため、手のひらは頼りないくらい薄く、指といえば細く白かった。EM団子づくりを始めると、やがて男性の指は節くれて力強くなり、女性はしなやかなに変化してきているんです」と胸を張った。

 「光風荘」の開設当初から理事として活動している鈴木せつ子さんは、EMボカシ作りを始めた頃を述懐した。
「平成9年ごろですが、当時、施設運営にお金がない、お金がない、と耳にするので、それならEM(有用微生物群)でボカシを作って売ればお金になるじゃない、とうことでボカシを作ることになったんです。」
ボカシは、EMと米ぬか、もみ殻を発酵させたもので、これを生ごみに混ぜて発酵させたものを土に返すという循環型の社会の一端を担ってきた。が、鈴木理事の提案でそれを販売したら、好評だった。自分たちの作ったボカシを地域の方々が使ってくれるということになった。「利用者さんらの精神面の充実と作業を通じての生きがい作りの一助になっているんですね」という。加えて、EMボカシ、EM団子づくりには、地元から、石岡市ボランティア連絡協議会(会長、井坂日出代さん)はじめ、大勢のボランティアの方々が日々、応援してくれている、という。

◇自立のために…
 自立には、社会との接点を結ぶ、ということがなにより大切だ。まず日常的な仕事に就けるか、どうか。何か、いい仕事はないだろうか、とそこを最重要の課題としている。施設の運営に携わる責任者は常にそのことが頭から離れないものらしい。
 日本一美しいEM団子を作る光風荘を訪問-というコメントを写真入りでフェイスブックにのせたら、多くの反響があった。中でもニュージーランド在住の女性から、それだけきれいなお団子を作るのであれば、本物の団子を作って販売したらどうか、というメッセージが入った。そのことを控えめながら「そんなことは無理ですよね」という意味の否定的な説明を加えて、須賀田さんにお伝えした。
 すると、
「いやいや、ひょっとしてそれもいいかもしれませんよ。団子づくりの応用というか、本物の団子をつくるのですね。いいアイディアだと思います。わたしたちは、利用者さんらに何かいい仕事はないか、と日々、考えているのでどんなアイディアでも喉から手が出るほどいただきたい。みなさんの自立の一助になればこれほど喜ばしいことはないのです」と喜んでくださった。
利用者さんの作業といえば、これまで割りばしの袋詰め、メンコの束ね作業、ティシュの袋入れといった請負の内職作業が多かった。飾りのクラフト制作、陶芸といったものが、一般的だった。とくに内職は、材料や製品の受け渡しに車で運んだりしないといけないので対価のわりには負担が多いのだ。クラフトや陶芸については材料費がかさみ作品とてそう売れるものでもない、という。

◇足利のこころみ学園、川田園長の願い
  余談だが、栃木県・足利のワイナリーで知られる「こころみ学園」の創設者、故・川田昇園長が、ワインの本場フランスに行って、そこでシャンパンの製造を目撃しその製法を聞くに及んで、「うちでシャンパンを作ればこれでまたひとつ園生に仕事が与えられるじゃないか」と小躍りしたというエピソードをメルマガで紹介した。
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 さて、その作り方といえば、発酵を終えて仕上がった瓶詰めのワインに乾燥酵母と餌になる砂糖を入れて再び発酵を促す。その瓶の中で二次発酵するから瓶内二次発酵方式と呼ぶ。この発酵によって澱がたまるため、どうにかして澱を処理しないとせっかくのシャンパンに濁りがはいる。その濁りを除去するために瓶を逆さまの状態で回転させながら酵母の澱を瓶の口元に集めて、澱を取る。気が遠くなるようなこの作業をルミュアージュ(動瓶)と言う。
 が、ルミュアージュは、日に2回、1回の回転が45度で、100日連続でやり続けなければならない。毎回45度の狂いない角度で回し根気よく100日続けられるだろうか。その独特の製法を習熟したのが、自閉症の園生だった、というのは驚愕でした。彼のその才能を見出した川田園長も並ではない。
 スパークリングワインの製造はこれで終わらない。瓶の口に澱が溜まった瓶をそっと抜いて、マイナス20度の不凍液で口の部分を凍らす。栓を抜くと、勢いよく澱をためたところが鉄砲玉のように飛びだしていく。さらに量を調整しコルクを打って、ワイヤーで固定するという手順をふまなければならない。
 このココ・ファーム・ワイナリーの名前を一躍有名にしたのが九州沖縄サミットでした。ここのスパークリングワイン「NOVO」が、夕食晩さん会の乾杯に使われた。このシーンをテレビの前でかじりつくように見ていたワイナリーの関係者から歓声があがったことは容易に想像できます。ココ・ワインが世界にデビューした瞬間だった。

◇涙でかすんだボラ感
 さて、光風荘の訪問から、まもなく一週間余り過ぎた12月20日に再び訪ねた。年に一度の「ボランティア感謝の集い-クリスマス会-」。この日も好天で、光風荘に穏やかな光が差し込んでいた。やはり午前10時の集合時間より早めに着いて駐車場で待機していたら、鈴木さんから声がかかった。ホールには、利用者さんらが席についていた。ステージの最前列には、ボランティアの方々が座っていた。ホールには、利用者さん、職員、それに保護者のみなさま、そして理事ら来賓の方々が招かれていた。
 午前10時半、利用者さん代表による「始めの言葉」で開演し、理事長の須賀田さんが挨拶を述べ、来賓として地元の今泉文彦市長が激励した。う-む、突然というか、予期せぬ事態と申しましょうか…。
 続いて来賓として呼ばれたのが、金沢工業大学客員教授でジャーナリストの出口さま…」と紹介された。迷わず、壇上に上がったものの、スピーチの用意はなく、少し戸惑いながら、先日の「カムカム」バンドの「花は咲く」で泣かされたことを”告白“した。壇上に立ちながら胸にこみ上げるものがあった。
 ボランティア感謝の集いは、通称、「ボラ感」と呼ぶ。ひとつひとつが丁寧に進行していった。施設長の須賀田さんが来賓の皆様を紹介し、次に司会を務める和合さんが、保護者を代表して挨拶にたった。ボランティアの方々が「親代わりになって子供たちに接してくださって本当にあり難いことです」と感謝の気持ちを伝えたあと、その前日に福島で歌手のさとう宗幸さんが歌った「あ・り・が・と・う・の歌」を引き合いにボランティアの皆様に「ありがとうございました」を繰り返した。この真心のスピーチに心打たれた。後日、YouTubeでこの歌を聴いたら、心が揺さぶられてたまらなかった。
 利用者でつくる自治会の代表として挨拶にしたのが、あのキーボード奏者で、美しいEM団子を作る、さとみさんだった。立派でした。ボランティアのみなさんは10数団体に及んでいた。「ぽこあぽこ」、「むつみの会」、「さつき会」、「はくつる会」、「たんぽぽ」などで、読み聞かせのボランティアだったり、手を貸すボランティアだったりだが、その大半はEMのボランティアに携わっていた。それぞれを紹介し、ステージで記念品を贈り、代表が挨拶した。
 午後は、土浦から軽音楽の演奏が入った。土浦ウィンドアンサンブルの軽快なリズムに合わせて体を揺らせたり、踊ったりする子もいた。演奏も後半に差し掛かった頃、「花は咲く」の演奏が始まった。すると、職員が近くにいた「カムカム」バンドのボーカルの女性二人をステージのそばに案内し、マイクを持たせた。歌は、演奏の途中から飛び入りした格好だ。いやあ、なんとも…。演奏がひと段落したら、アンコールが起こった。アンコールには「花は咲く」が選ばれた。
 今度は、最初から最後までフルで歌い上げていた。私の席の近くに、「カムカム」バンドの男性ボーカルの姿が目に入った。彼は、職員から腕を支えられるようにステージに呼ばれたが、どうしたのだろうか、彼はその招きに躊躇した。行けばいいのになあ、と思いながら、ほら、行って、行って、存分、その甘い声で歌ってきなよ、と小さく声をかけた。腕を組んだまま、彼は頑なな様子だった。
 ほら、君の出番だよ、みんな待っているよ、と、また声をかけた。すると、スーと立って職員の肩を借りて、ステージの方へと向かったように見えた。
 歌は伸びやかで、心に響いてきた。その一部始終を見届けながら、こんなドラマが現実に起こりうるものか、と。それが夢のステージのようでもあり、夢なら覚まさないでほしいと思ったら、また涙があふれた。

  

◇世の中に大切なこと
 ハンディのある人を日夜、表に裏に支えていく。また身近に寄り添いながら自立を手助けすることは、とても尊いことだ、と教えられた。時間をかけてもできるまで待つことの大切さを学んだ。光風荘でみたEM活用に関わる方たちのやさしさに心を打たれた。私は、その笑顔と歌声を心に刻んだ。この麗しい絆を守っていかなければならない、と心に誓った。 みなさま、ありがとうございました。

 ≪次回に続く≫

「検証 朝日新聞とツイッター」-そこまでやるか、EM叩き-
第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

第3回:EM攻撃は朝日から始まった
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

第4回:浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞)
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150924.php

第5回:国立天文台執行部が下した決断
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150926.php

第6回:悪臭が消えた!常総市の学校にEM散布
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151019.php

第7回:EMによるプール清掃、驚きの効果を実証
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151101.php

第8回:EM批判は 由々しき「沖縄差別」
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151111.php

第9回:片瀬久美子の記事に虚偽浮かぶ
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151118.php

第10回:「捏造」という片瀬久美子の現実
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151127.php

第11回:「捏造」という片瀬久美子の現実 続報
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151209.php

第12回:朝日大記者、疋田桂一郎氏の3つの戒め その1
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151226.php

第13回:第4の権力、恣意的に行使されたら-筑紫哲也氏の憂慮
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160220.php

第14回:なぜ、朝日新聞を問題にするのか?
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160222.php

第15回:光と風と歌と
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160226.php





第15回 光と風と歌と

◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2016/02/26 http://dndi.jp/

「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
 -そこまでやるか、EM叩き- 


第15回 光と風と歌と   http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160226.php
・盲重複障害施設「光風荘」を訪問
・恒川ご夫妻と鈴木せつ子さんの信頼
・「花は咲く」のサプライズに感動
・EMボカシ、EM団子づくり評判

 EM(有用微生物群)がどのように役立てられているか、EMボランティアの活動はどのようなものなのかーこれから数回にわたって、EM活用の事例を現場から報告しようと思う。まず、全国的に広がるEMボカシネットワークのひとつで、EMボカシやEM団子を作って実績をあげている茨城県石岡市の「光風荘」を訪問した。
DND編集長、ジャーナリスト   出口俊一

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◇「光風荘」を初訪問
茨城県を中心にEM(有用微生物群)で地域の環境ボランティアに取り組むNPO「緑の会」理事長の恒川敏江さんと、それから恒川さんが長く懇意にしている茨城県石岡市にある「光風荘」の筆頭理事で石岡「緑の会」の代表、鈴木せつ子さんのお二人から今年初めて賀状が届いた。
 「是非、是非、取手へ。又、泣かせてしまうかもしれません」  恒川敏江

 「昨年は光風荘を元気づけて頂きましてありがとうございました。
皆さん 大変喜んでおりました」               鈴木せつ子

どうも還暦を過ぎると涙腺がゆるんでいけない。賀状を手に達筆な万年筆の文字を追っていたら、ふと、また、熱いものがこみ上げてくる。
「光風荘」とは、盲重複障害者施設で社会福祉法人「常陸青山会光風荘」(理事長、須賀田毅氏)という。多くの人の努力で創設し、幾多の苦難を越えてまもなく30年を迎える、という。盲重複(もうちょうふく)障害施設というのは、目が不自由なうえにほかの障害も抱える方々をサポートしている。
この施設が、EMのボカシやEM団子を作って販売しその売上が施設の大きな収入になっているうえ、施設の利用者のみなさんの自立に役立っている、と聞いて、それは凄いなあ、ぜひ訪ねてみたい旨をお願いした。どうやって団子の形を整えるのだろうか、不思議に思うところもあった。


◇世間に知られていないEMボカシネットワーク
EMには、地域や学校の清掃や環境活動のほか、EMボカシネットワークという授産施設等を結ぶ組織があり、現在、国内各地に授産施設、作業所340ケ所でボランティアグループが活動している。米国やアジアなど海外展開も実現している。
もう15、6年前になるが、幕張メッセで開催した「活力自治体フェア」にボカシネットの活動を紹介する展示ブースが設けられ多くの来場者の共感を呼んでいた。その展示ブースに地元の堂本暁子元千葉県知事が立ち寄られ、相当長い時間足を止めて、ボカシネットワーク名誉会長の比嘉節子さんの説明に聞き入っていた。
当時、私は偶然、この場面に居合わせており、堂本知事が車椅子の方々の手を取って激励している姿をカメラで追っていた。
授産施設でのEMボカシ、EM団子づくりは世間にはあまり知られていない。ボランティアのみなさんが控え目に活動を続けており、あえてPRするという必要性がないからだろう。いつか取材したい、と思っていながらなかなかチャンスがなかった。が、昨年、恒川ご夫妻の紹介で「光風荘」理事の鈴木せつ子さんにお目にかかる機会があり、それが縁で今回の訪問が実現した。
鈴木さんは、施設に初めてEMを導入した立役者だった。その経緯については後日、詳しく報告することにしたい。「光風荘」のEM団子は、粒ぞろいでどれも質がよく、その評判はいまでは「全国一美しい」という。

◇「花が咲く」
さて、訪問の前夜、恒川さんから携帯に連絡があり、待ち合わせ場所と時間を確認したあと、こんなことを口にする。
「なんとしてもバンドの演奏と歌を聞いてほしいの!でも、急だから、段取りがうまくいくかしらねぇ、うまくいくといいのですけれど、ハイー、さて、どうなるでしょうかねぇ、ハイ」と、毎度、恐縮するくらい丁寧な口ぶりで、その日は特に祈りに似た熱い思いが伝わってきた。
 12月11日、その日は小春日和で「光風荘」に光が降りそそぐ。私は家内が運転する車で到着し少し余裕をもって駐車場で待った。
 それから間もなくNPO「緑の会」の恒川敏江さん、芳克さんご夫妻が、若手の鈴木勝也さんの運転で到着した。取手市からである。そこにタイミングよく鈴木せつ子さんも姿を見せた。にこやかな人たちだ。揃って瀟洒なデザインのエントランスをくぐった。
玄関を入ると、理事長の須賀田毅さん、副理事長で光風荘施設長の須賀田滋理さん、そしてEM担当のベテラン職員、山口せつ子さんが出迎えてくれた。挨拶もそこそこに廊下を抜けて離れのホールに案内された。
並んで歩きながら恒川さんが、「よかったねぇ、出口さん、運がいいわ」と明るく言った。私は、まだその意味がのみこめていない。ホールに入って、あっ!と思わず声をあげた。準備が整っていたのだ。シンセサイザー、ドラム、パーカッションといった演奏をバックに男女3人のボーカルがマイクの前に並んでいた。私たちが来るのを待っていたのだ。どのくらい待たせたのか、申し訳ないなあ、と胸が痛んだ。演奏が始まろうとしていた。
 ステージの真正面の席に案内された。席につくと、司会の方が、これから始めます、東日本大震災の復興ソングをお聞きください、それでは、と手拍子を合図に、太鼓とシンセサイザーによるソロリとした前奏で「花が咲く」が始まった。

  真っ白な 雪道に 春風かおる
  わたしは懐かしい あの街を思い出す
  叶えたい夢もあった 
  変わりたい自分もいた…

 懐かしさいっぱいのイントロのあと、男性のボーカルが甘い声で歌い始め、ソプラノの女性がよく通る声で後に続いた。たちまち美しいハーモニーの世界に引き込まれてしまっていた。

  悲しみの向こう側に
  花は 花は 花は咲く
  いつか生まれる君に
  花は 花は 花は咲く

 女性二人の重なるようなソプラノに続いて、「花は 花は 花は咲く」のサビのところで、突然、熱いものがこみ上げてきた。そのリフレーンでは不覚にも涙が止まらなくなった。しばらく視界がかすんだままだった。
 私のための演奏会だった。その真心とのびやかな歌声に心底、参った。心が揺さぶられてしまった。「なんとしても聞いてもらいたい、凄いのよ」、と恒川さんが強く勧める理由がようやく理解できた。
演奏が終わると、立ち上がって拍手に力を込めた。しばらく鳴りやまなかった。恒川ご夫妻も家内も涙をためながら拍手を送っていた。
そして、拍手が止まると、静まり返ったホールは、ボーカルやバンドのみなさんが、演奏前のように、何事もなかったかのように元の場所に立ち尽くしている。こちらの感動が伝わっただろうか。何か、誰かの次の言葉を待っているような神妙な様子に見てとれた。 お礼を述べたい。どんな言葉でもいいから、感動を伝えたいという思いにかられた。とっさに、須賀田理事長と鈴木さんに目をやって、「ひとこと挨拶してもよろしいでしょうか」と頼んだ。鈴木さんが、「どうぞ、どうぞ、お願いします」と言ってくれた。

◇「勇気と希望をいただいた」と挨拶
「えー、初めて光風荘にお邪魔しました出口といいます。出口という私の名前は、みなさま、ご存知と思いますが、入口、出口の出口です。私は出口なのに光風荘の入口から入ってきました」
 そんな風に切り出すと、ステージ側からドッと笑い声がはじけた。手前に立つボーカルの三人も笑っていた。私は少し気分がよかった。その調子で続けようと思ったが、すぐに言葉が詰まった。

 「EMの恒川さんご夫婦や理事の鈴木せつ子さんから、この日の12月11日は、バンドの皆さんが、とっておきの演奏と歌を披露してくれるかもしれません、というお話がありました。どんな演奏をするのだろう、と思っていたら、演奏が始まって…、もう、10秒も立たないうちに、熱いものがこみ上げてきて胸が詰まって涙があふれて…あふれて止まりませんでした。
みなさん、素晴らしい演奏と歌をありがとうございました。歌詞に、悲しみの向こう側に…とありました。この歌はどんな状況にあっても希望を失わないということの大切さを教えてくれているように思いました。
みなさんが、ここまでくるには大変な努力があったのだろうと推測いたしますが、そのようなことを少しも感じさせない息の合った見事な演奏でした。ボーカルの3人は、のびやかで美しいハーモニーでした。感動しました。皆様から勇気と希望を戴きました。心から御礼を申し上げます。本日は、ありがとうございました」

 挨拶の後、鈴木さんが、「どうぞ、真ん中へ、一緒に写真撮影を」と私たちの背中を押してくれた。家内は、バンドの一人一人の手を取ってお礼を述べていた。それを終えると、バンドのみなさんと一緒にカメラに納まった。この写真とこの歌は、生涯の私の宝物となった。

◇「カムカム」バンド
 施設長の須賀田滋理さんによると、バンド名は、「カムカム」という。「光風荘」、そして「光風荘アネックス」の二つの施設にはそれぞれ38名、合わせて76名の利用者がおり、音楽が好きな愛好家らで結成した。2003年の設立当初は、音大卒の職員が指導にあたった。それ以来、毎週金曜日の午前中を練習の日と決めて励んできた。いまでは、地元の老人ホームや小中学校に出向いて演奏を披露している。ロータリークラブの集まりや落成式、地元の祭りにも呼ばれて人気だ、という。
レパートリーは演歌からポピュラーまで幅広く、出張演奏の客層に合わせて曲目を変えている。
「まつり」、「島唄」、「花」、「涙そうそう」、「世界に一つだけの花」、「明日に架ける橋」、「マツケンサンバ」、「Love Love Love」、「風になりたい」など20曲以上を演奏し歌いこなす。バンド結成10周年を記念して作詞作曲したオリジナルの「風」という歌詞をみせてもらった。

 未来への地図は無くしちまったけど
 そんなもんは捨て 自分で描けばいい

 太陽は西に沈み 東からあがっていく
 循環した日だけど 今日ははじけよう

 夏だ 花火だ 祭りだ 踊りましょう
 ここに光がいつまでも照らすように

◇1曲、半年から1年がかりの根気
 今度は、理事長の須賀田さんが、振り返ってくれた。
「利用者さんらは、楽譜を読むことができないので、憶えるのに時間がかかるんです。気に入った曲を選んだら、まずCDを聞いて憶える。何度も何度も聞いて憶え、音を拾うのですね。それぞれが音を出してみて、それらを合わせていくのです。ちょっと難しいかなあ、という部分が出てくると、そこは編曲して歌いやすくしたりするんですね。1曲、みんながマスターして歌えるようになるには、半年から1年、平均にすると、7ケ月余りはかかりますね」
 なんという根気だろうか。バンドのみなさんの姿勢も凄いが、指導にあたる職員やボランティアのみなさんの熱意も素晴らしい。それが日常で、ごく当然という風なのだ。施設の利用者の、最後の一人ができるまで待つ、せかさずに待つ、あきらめずに待つ、大切なことは寄り添うことであり、その子、その人、一人一人に時間を合わせていくことなのだ、と知らされた。

◇さとみさんのお気に入りは?
 さとみさんは、この日、ホールの奥でキーボードを担当していた。バンドでは、7歳から習っていたピアノの経験が役立った。
-17歳の時に入所した。入所当時は、不安だったけれど、慣れてくると楽しく生活ができるようになった。バンドに入った時はうれしかった。たくさんの演奏依頼があるので、本番が近いと練習が大変だけれど、みんなと一緒にやれることが楽しく感じられようになった。これからの目標は、自立をすることです。自分のことはできるだけ、人の手を借りずにやってみること、それが自立の第一歩だと思います-。
 さとみさんが、入所3年目に書いた作文でそこには繰り返し自立を強調していた。現在30歳、バンドにはなくてはならない存在に成長していた。
 一番好きな曲は?
 はい、「花は咲く」も素敵な曲だと思いますが、いきものがかりの「風が吹いている」が好きです。2014年の冬季オリンピックのテーマソングでした、と語った。
さとみさんが一押しの「風が吹いている」を後日、YouTubeで聴いた。

  時代はいま変わっていく
  ぼくたちには願いがある
  この涙もその笑顔もすべてをつないでいく

  風が吹いている
  ぼくはここで生きていく

  さとみさんが心でどんな夢を描きながら聴いているのだろうか、と思ったら聴いているうちに、心が泡立ってきた。春めいてきたので、チャリでこのCDを買いに走ろう、と決めた。

  
◇丸い団子づくり
 次に、ホールから控室に場所を変えて少々、施設の概略を聞いた。鈴木せつ子さんは施設の設立時からの理事だった。てっきりEMのボランティアの方だとばかり思っていた。大変な誤解をしていたようだ。北里大学(衛生技術学科)卒の才媛で、県立病院勤務等ののち、石岡市議会議員、茨城県会議員も務めたという。人に歴史あり、鈴木さんのことはしっかり書き留めねばならないと再び強く思った。
そうそう、施設訪問の目的だったEMボカシ、EM団子づくり、その作業棟に移動した。さきほど歌を披露してくれたボーカルの方々、シンセサイザーの男性、キーボードのさとみさんらが、それぞれ持ち場で作業台を囲んでいた。ボカシを混ぜ合わせたり、器用に団子を捏ねたりしていた。
 歌を憶えるに平均7ケ月かかるというが、EM団子づくりの場合は、それを丸い団子に仕上げられるまでになるには、ほぼ1年の歳月を要するという。さとみさんは、この施設のなかで、一番、上手に団子を丸める名人なのだそうだ。
 この専門の作業所で、年間、数多くのEMボカシやEM団子をつくっている。団子は1個30円から40円で引き取られていく。つまりEM団子が施設の大きな収入源になっているうえ、利用者の自立を促す尊い日課となっているのだ。

   
◇妨害の影響
その一部は長年、東京・日本橋川の河川浄化に使われてきた。EM団子の投入には、「光風荘」の彼らも参加したことがあった。が、昨年から日本橋川のEM団子投入は、ストップした。
悲しいことに悪戯な大学教員やフリーライターらによる妨害の影響がこんなところにも及んでいる。

 ≪次回に続く≫

「検証 朝日新聞とツイッター」-そこまでやるか、EM叩き-
第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

第3回:EM攻撃は朝日から始まった
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

第4回:浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞)
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150924.php

第5回:国立天文台執行部が下した決断
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150926.php

第6回:悪臭が消えた!常総市の学校にEM散布
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151019.php

第7回:EMによるプール清掃、驚きの効果を実証
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151101.php

第8回:EM批判は 由々しき「沖縄差別」
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151111.php

第9回:片瀬久美子の記事に虚偽浮かぶ
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151118.php

第10回:「捏造」という片瀬久美子の現実
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151127.php

第11回:「捏造」という片瀬久美子の現実 続報
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151209.php

第12回:朝日大記者、疋田桂一郎氏の3つの戒め その1
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151226.php

第13回:第4の権力、恣意的に行使されたら-筑紫哲也氏の憂慮
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160220.php

第14回:なぜ、朝日新聞を問題にするのか?
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