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成人病の真実 近藤誠著/文藝春秋
定期健診は人を不幸にする
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管理コメント:これこそ全ての医療問題を解きほぐす基本中の基本!命を救うために検診に取り組んでいると医療関係者は云うが、この事実はその間違いを明確に示してくれる。医者がストライキをすれば死亡率が下がることと、その理由は全く同じ。一部の疾病に対する医療を除いて、医療が命を救うというのは幻想であり、むしろ根拠のない医療が生命を脅かしていることを示すのだ。
サラリーマンは団結して職場健康診断にノーを突きつけよう。市や村の無料または補助金付き検診を無視しましょう。
そうすればあなたの会社も少しでも国際競争力が回復できるはずだし、あなたの市や村の財政赤字が少しは減るはずです。
人間ドックやガン検診への補助金だけでもずいぶんな出費だが、そんなデタラメをさも良きことのようにしているのは日本だけです!検診の努力は経費の無駄遣いであるばかりか、病気を増やし国民の死を増やしている・・・
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・・・そのための(管理人:医師による健康指導が人々の健康維持に効果があるか否かについての)くじ引き試験が、フィンランドで行われました。
40歳〜55歳の会社管理職をつとめる、みたところ健康な男性を対象として検査を行い、心血管疾患になりやすい因子があった約1200人を選び出したのです。具体的には、
・コレステロール値が270㎎/dl以上
・中性脂肪(トリグリセライド)が150㎎/dl以上
・最大血圧が160㎜Hg以上、200未満
・最小血圧が95㎜Hg以上、115未満
・タバコ、一日10本を超える
・体重が標準体重の120%以上
・耐糖能検査で、一時間血糖値が162㎎/dl以上
という七つの危険因子のうち、少なくとも一因子を有する人たちで、くじを引いて二つのグループにわけました。
片方のグループは、なにもアドバイスしないで本人の自由にさせておく「放置群」です(610人)。他方は、医者がライフスタイルに介入する「介入群」(621人)。介入群に対しては、医者が面接して食事内容をアドバイスし、運動量を増加させるためのプログラムを手渡し、喫煙者には禁煙のアドバイスをしました。食事については、摂取カロリー、飽和脂肪、コレステロール、アルコールおよび砂糖を減らし、不飽和脂肪(主としてマーガリン)、魚、鶏肉、子牛の肉、野菜を増やす、というものです。
介入群の人たちはその後5年間、4か月ごとに担当医のもとを訪れています。各訪問時に検査をうけ、食事、体重減少、禁煙、運動に関するアドバイスをもらい、高血圧と高脂血症が持続していれば、薬が処方されました。かなり徹底した介入法ですが、介入群のうち途中でドロップアウトしたのは26%だそうで、遵守度は相当局い。そしてドロップアウトした人たちにも、毎年手紙をだして、危険因子と対処法を思いださせています(J Amerian Medical Association」254巻2097頁.1985年)。この試験では、試験期間の五年がすぎても、さらに10年間、両グループの生死を調査しました。
結果は半ば当然、半ば意外なものでした。・・・介入群は放置群にくらべ、心血管疾患の危険因子が減少したことです。ところが意外なことに、死亡した人数は逆に増えてしまったのです・・・
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放置群
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介入群
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14人
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34人
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がん死
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21人
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13人
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総死亡
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46人
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67人
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・・・(J American Medical Association」266巻1225頁・1991年)。
この試験での心臓死は、心筋梗塞による死亡と心臓突然死でした。広く心血管疾患一般を減らそうとした介入法が、心臓死を増やし、総死亡まで増やしたのではどうしようもない・・・
なぜ介入群では、総死亡まで増えてしまったのか。説明可能な方法はいくつかあります。第一は、介入群の寿命は本来、放置群と差がないのだけれども、この試験ではたまたま差があるという結果になった。統計的有意差がでたのは偶然だった。サイコロで同じ目が数回つづくのに当ったようなものだ、という説明法です。・・・第二は、起こるべくして起きた現象だ、というものです。その原因として一つ考えられるのは、無症状の場合に高血圧や高コレステロール血症などを治療することの害作用が、治療による有益な作用を上回ったということです・・・
考えられる別の原因は精神的ストレスです。検査で病気や異常を指摘され、医者からアドバイスや薬をもらいつづけることが精神的ストレスになり、心筋梗塞の発生を増やした可能性があります。
いずれにしても、この試験結果からは、検査によって病気や異常を発見した場合にライフスタイルを変更し、それでも検査値が改善しなければ医者から薬をもらうという方針は無意味であるか危険、ということになります。
以上を要するに、定期健診は、それを支えるデータ的根拠がまったくないわけです。それなのに、なぜ日本では数千万人規模で実施されているのか。定期健診の淵源をたどれば、大正時代に制定された工場法にもとづく職域健診に行き着きます。その頃は当然ながら、定期健診に関するデータの蓄積はなにもなかった。あったのは、健診をすれば病気が早く発見できて、役にたつのではないか、という先入観だけでした。
他方、人間ドックはというと、一九五四年に国立東京第一病院(現.国立国際医療センター)に設けられた、短期入院型の人間ドックが(おそらく世界でも)最初です。しかしこれも、・・・それを支える臨床データはなかった。なぜ米国や英国でのように、まず、くじ引き試験をしてその結果を待つという方針をとらなかったのか、科学的厳密性に欠けています。
日本で定期健診がここまで広まった原因は、結局、医者と一般人のあいだに、医療に対する過度の期待や、思考と行動面における非科学性があったことに尽きるでしょう・・・
なぜ定期健診をうけると、人は不幸になるのか。なんでもないのに「病気」や「異常」のレッテルを貼られてしまうことが原因です。つまり、定期健診で検査する項目の多くには「基準値」があり、健常人でも5%が「基準値外」になるように値が定められています。それで多数項目を検査したら、こういうことになります。
たとえば一〇項目を検査した場合には、(少し複雑な計算をすると)少なくとも一項目が「基準値外」と診断される人が40%も生じることがわかります(複数項目が基準値外になる人もいる)。そして30項目も検査したら、少なくとも一項目が「基準値外」と診断される人は78%。
これが、人間ドックで8割以上もが「病気」や「異常」のレッテルを貼られてしまう原因です(別の理由は、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症に関する基準値を低く定めすぎているからですが、それについては第Ⅰ部参照)。
基準値は、それを超えた人のなかから精査によって、本当に病気の人をみつけるための出発点であって、基準値を超えたことイコール病気でも異常でもありません。しかし、受診者はそうは思わない。「基準値外」と聞いたら、「病気」だ「異常」だ「不健康」だと思ってしまう。なんでもないのに不健康だと思いこまされ、それからの日常を、意気があがらない状態で過ごさねばならなくなる。これが不幸でなくてなんでしょう。
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■内容(「BOOK」データベースより)
日本には高血圧、高コレステロール血症、糖尿病など成人病を指摘された人が何千万人もいる。また大腸や胆嚢のポリープを発見された人も数多い。そうなると、食事内容に気をつける、病医院へ通って検査を繰り返す、薬を処方されて飲む、といった生活が待っている。また、ポリープがあるといわれた人は、将来がんになるのではないか、と不安な日々を過ごしているはず。しかし成人病を指摘されたら、本当にそういう生活を送らねばならないのだろうか。節制や治療の必要がないものがあるのではないか。病気と考えなくてよいものはないか。そしてポリープは本当にがんになるのか。本書では、これらの疑問点を徹底的に検証。これまで発表されている医学論文にもとづいて、治療の必要性を再吟味したものである。
内容(「MARC」データベースより)
がん、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病…。検査によって作り出される「病気もどき」に惑わされるな! これまでに発表されている医学論文にもとづいて、治療の必要性を再吟味し、疑問点を徹底的に検証する。
■目次
まえがき
第Ⅰ部
第一章 高血圧症「三七〇〇万人」のからくり
基準値を変えただけで大量の「病人」が出現した
第二章 コレステロール値は高くていい
高すぎると危ないが、低すぎるのはもっと危険
第三章 糖尿病のレッテルを貼られた人へ
症状がないのに糖尿と診断されたらどうする?
第四章 脳卒中予防に脳ドック?
「異常」は確かに発見できる。だから厄介なのだ!
第Ⅱ部
第五章 「医療ミス」医師につける薬はない
相次ぐ医療事故を看護婦の罪にしてはいけない
第六章 インフルエンザ脳症は薬害だった
厚生省と専門家による隠蔽のシナリオ
第七章 インフルエンザワクチンを疑え
「解熱剤は危険。だからワクチン」でいいのか?
第八章 夢の「がん新薬」を採点する
いま話題の抗がん剤三種。有望なのは一つだけ。
第Ⅲ部
第九章 ポリープはがんにならない
一般人をまどわす「ポリープがん化説」を一刀両断
第一〇章 がんを放置したらどうなる
すべての治療を拒否した患者たちを追跡調査
第一一章 腫瘍マーカーに怯えるな
簡単便利なマーカー検診にこれだけの落とし穴
第一二章 定期健診は人を不幸にする
「基準値外なら病気」と誰もが思う。健診の罪!
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基準値を変えただけで大量の病人が出現する高血圧症。高コレステロール血症、糖尿病治療の膨大な金と労力のムダ。この欺瞞をみよ。
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がん、高血圧、高コレステロール、糖尿病・・・検査によって作り出される「病気もどき」に惑わされるな!!
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日本では医者の数が多くなったので、健康のガイドラインを厳しくして、健康診断で、やたらと患者を生産している。
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