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幼少の頃、茨城県南部出身の祖母がヤドカなるものが来る、よく言っていた。
台風や雷の夜に耳にした言葉だ。
早く寝ないとヤドカが来るから。
ヤドカが来るから家に入りなさい。
などなど。
私だけでなく、両親もヤドカとは何なのか、わからなかったようだ。
祖母に言わせると、彼女も子供の時分に母親から、ヤドカが来ると言われたらしい。
要は、言うこと聞かない子供へのたしなめなのだろうが、祖母以外からは、きいたことのない言葉なのだ。
最近、ふと、そのヤドカという言葉を思い出した。
何故か。
そう、常陸国風土記を読んでいて、ヤドカが出てきたのだ。
夜刀神。やとの神。
これだ。
ヤドカを恐れろというのは、自然を怖れろ、ということだったのだ。
人はどんなに頑張っても、自然にはかなわない。
せいぜい自然を敬いながら、共生するのが精一杯だ。
お彼岸を前にして、祖母を思い出した。
休みがとれたら、西谷辺りを訪ねてみよう。
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