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私は毎朝、パンを食べている。食パンはアンデルセンのイギリスパンが口にあう。アンパンも好きでよく食べる。だけれども中国製あんのトルエン汚染が発覚して以来、あんぱんにも使われているのではないかという気がして食べる気がしなくなった。
トルエンといえば、伊藤ハムのウインナーからもトルエンが検出されて、販売元の生協(この場合は神奈川などのユーコープ)が商品を回収する騒ぎになった。
生協は「安全な品質」を売り物にしているはずだ。けれども、中国ギョーザの販売で懲りたはずなのに、ことあるたびに品質問題でトラブルを起こしている。今回のトルエン騒ぎも消費者の訴えで分かった。生協が取り扱い製品の安全性について内部精査もしないで「安全な品質」をうたっているとすれば、これは悪質で詐欺行為に等しい。
ちなみにトルエンは毒性があり、蒸気を吸いこんだり、土壌汚染や地下水汚染で皮膚や口から体内に入ると、強い吐き気にみまわれるという。多量に体内に入ると脳障害を引き起こすというから怖い。
ウインナーの製造元の伊藤ハムはトルエンとは別に工場の地下水からシアン化合物が異常に高い数値で検出されたというのに、1か月も汚染水でハムを作り続けたというから恐れ入る。社内では自社製品の安全は二の次、儲け第一主義がまかり通っていた。
このトルエンは外注先の印刷会社がハムの包装フィルムに使用していたという。食品を包装するのにそんな劇物を使っていたのかと、二度びっくりした。中国製品ばかり責められない。
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話は変わって役所の職員、といっても国家公務員ではなく、地方公務員の話だ。
会計検査院がランダムに12の道府県を抽出して調べたら、その全てで国の補助金の不正流用が発覚した。残り35都府県でもおそらく同じような不正を行っているのだろう。
買ってもいない物品をさも買ったようにみせかけ、物品納入業者にお金を蓄えさせていたケースに、当の県は「裏金との認識はない」と開き直っている。ならば県庁内ではこれを「裏金」と呼ばずに「表金」とでも呼んでいるのか。
この辺が枯渇することのない税金で食べている公吏(こうり)と、その税金を納めるために額に汗しながら働いている民間人とのお金に対する感覚の違いなのだろう。
広辞苑によると「公吏」は「公共団体の事務を行う職員の総称」とあるが、その近くに同じ「こうり」と呼んで「狡吏」と書く言葉があった。意味は「わるがしこい役人」とある。
悪がしこい役人がはびこるのは政治家のモラルの低さにも起因する。政治が腐敗すれば行政も腐敗するからだ。
政務調査費と称して公費を家族の飲食代にあてていたり、自宅の光熱費を事務所費として処理していたり…。はたまたネズミ講の関連団体から献金を受けて、そのネズミ講を国会の場で擁護する発言をしていた議員もいた。
10月19日付の朝日新聞の「声」の欄で、新潟県の64歳の男性が、日本は米国より人口が3分の1も少ないのに、国会議員が187人も多いことに疑問を投げかけ、「来る総選挙には各党は率先して、国会議員数の削減を公約に掲げ、リストラの姿勢を示してほしい」と訴えている。
国会議員の定数が何の根拠に基づいているのかは分からないが、政治家が多い分、アメリカより日本国民が国政の手厚い保護を受けているとは思えない。
ちなみに国会議員の報酬は基礎給が2400万円、これに月々100万円も無条件で支給される文書交通費や事務所経費などを含めると、1人当たり年間なんと4400万円にのぼる。このほかに公設秘書3人分2000万円も税金で支払われている。国会議員が衆参合わせて722人(定数)いるとなると、実に年間465億円が支払われているのだ。政党助成金なども加えるといったい国会議員にはどれだけの税金があてがわれているのか、気が遠くなる。
麻生内閣が5兆円規模の経済対策を打ち出して話題を呼んでいる。そのうち2兆円を全世帯に定額給付するというが、後に消費税を10%に引き上げるのであれば、一時的にお金をもらっても手放しで喜ぶことはできない。
ちなみに、国会議員数を半分に減らせば歳費だけで毎年200億円以上節約できる。国会議員を半分に減らしても国民生活に支障がでるとは思えない。これは県政にもいえる。市町村が国の押し付け合併で議員数を大幅に削減しているというのに、県議会は痛みを感じていない。国と市町村は生活に必要な存在だが、県庁がなかったら生活ができないと思う人はどれだけいるのだろう。早く道州制を導入して県議や県職員をリストラすべきだろう。
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話をもとに戻そう。
で、問題は、会計検査院がその補助金の使途について不適切だと指摘しているのに、地方自治体はどうしてこれまで長年にわたり補助金を流用できたのか、ということだ。
県や市町村には税金の使途についてきちんと処理しているかどうかをチェックする監査委員という肩書を持つ人たちが必ずいる。だが監査委員といわれる人たちは知事や市町村長、いわゆる予算の執行者に任命権(もちろん議会の同意は必要)があるものだから、首長に「理解ある人たち」が選ばれることになる。ということは、会計処理に疑義があってもふたをしてしまったり、オブラートに包んだ表現で監査報告をして議会の承認を、企業でいえば株主総会の承認を得てしまうことが多いのだ。
今回のケースはあくまで国の補助金について国の機関が調べたものだが、国の検査機関が県の独自の事業まで調べることができたら、それこそかなりの不正な税金の使途が出てくるに違いない。だとすれば監査委員会の存在意義は何なのかということになる。
以前に警察の裏金作りが発覚した。これも内部告発で分かった。およそ監査で明るみにでたという話は聞いたことがない。
25日付の読売新聞で記者が不正防止策として補助金の制度の見直しを提言していたが、制度の改善だけで不正流用は防止できるとは思えない。むしろ監査委員会制度の在り方を見直すべきではないのか。外国の事情は知らないが、アメリカでは監査委員会は議会サイドに置かれているという。執行部の事業や会計をチェックするのであれば、それが道理ではないか。
(おわり)
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『椿事件』
1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して
「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」
との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。
(ウィキペディア「椿事件」)
2008/11/1(土) 午前 8:00 [ 、 ]