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ミネさんの表現の豊かさにタジタジです〜! 続きを頑張って書きます! プルルルルゥ。プルルルルゥ。プル・・・・・・・・・・ゥ サクラは、電話の音に「ハッ」と我に返った。 (今日は長い一日だったわ) 朝から南風の吹く暖かな日差しだったので、ヒロシとよく行った思い出の海岸へ久しぶりに行ってみた。 そこには、昔そのままの風景が残っていた。遠くに見える山並み、汐の匂い、白波を立てながら走るポンポン船、釣をしている家族連れなどを見ているとなんだかセンチになって・・・・、 そうこうした思い出を夕焼けの中に見ながら家路を急いでいたので回りが見えなかったのだろうか、もう少しで車にはねられそうになった。、 その時、あさ自転車で転んだ男の子に助けられた。ビックリしたのと、抱きかかえられて助けられたこととで、なおいっそうヒロシの事が胸一杯に広がった・・・・・・。 夕食に何か食べなきゃあと思ってスーパーに寄ったが、食欲もなく、迷ったあげくあまり飲めないお酒と、スモークチーズを買って帰った。 暗い部屋に灯をともすと、やはり我家・・・・少しは落ちついた。 CDのスイッチを入れ、グラスにジンとライムを入れて氷を浮かせて一口飲むと、喉からおなかにかけてジンライムの温かさが通るのが心地よく感じる。グラスを見つめ、しばらくすると緊張もほぐれてきた。 JBLのスピーカーからは 手の平から虹のようにこぼれてしまった大切な時間、 思い出そうと思っても、どうしても思い出せないの 貴方がそこにいる事は解っているのに、なぜか思い出せないの 汐風が頬をなでる浜に立ち、夕日を眺めていると何時も眼に涙があふれてくるは何故 好き・・・・・・ と、囁くように語りかけてくる バックに流れるピアノも透明な旋律を奏でている そういった雰囲気のもとで、あまり飲めないお酒を無理して飲んだものだから、すぐに頭がボーッとしてきた。肩の辺りから身体の力が抜けていき、お酒の酔いにサクラは身をまかせた。 (どうしているんだろうなーっ、今頃ヒロシは) 事故のあと意識が戻ったという事は知らされたものの、ヒロシに会わせてもらえなかった。いくら頼んでもヒロシに会わせてもらえなかった。 病院の中を痛む身体でくまなく探しても、ヒロシを見つける事はできなかった。看護師さんに尋ねても、知らないという返事しか帰って来なかった。。 会えないと解るとますますヒロシを思う気持で心が占領されてしまい、出口の見えない暗闇の中で毎日、毎日泣いていた。そういった憂鬱な日々が続いた 沈んだ気持のまま退院する日が迫った頃、友達から「ヒロシくんっち、引っ越ししたんだって」と、突然聞かされた。 聞いた瞬間、ヒロシの事が少しでもわかった嬉しさと、もう逢えないのではないかという複雑な気持が脳裏をかすめた。 サクラは聞いた「エッ、わたし事故の後ヒロシと一度も会っていないんで、そんな事ゼンゼン知らなかった。」「それ、本当の話!!!」 友達は少し困った顔をして「サクラ知らないの、言っちゃいけない事だったのかなぁ??・・」 サクラ「何があったの、教えて!! お願い」 友達は、困ったようにうつむいていたが、心配そうに答えた「なんでもお父さんが転勤で、急に引っ越したらしいよ」「それ以外は知らないけれどね」 サクラは動揺した。(なぜなの。なぜ、わたしに黙って行ってしまったの)(一言ぐらい言ってくれてもいいじぁないの) 二人は沈黙したまま長い時が流れた・・・・ サクラの悲しい心が天に届いたかのように、急に外が暗くなりポツリ、ポツリと窓ガラスにあたった雨粒が大きな水滴となり、一筋二筋と流れ落ちるをサクラはジット見つめていた・・・・。 ボンヤリした頭で夜空を眺めると流れ星が一筋尾を引いて落ちてきた。 グラスの氷が溶けて『カチリ』と部屋に響いた 『愛しい人がなんの前触れもなしに居なくなる事は、心が張り裂けるほど辛いもの。運命の神は冷酷なものだから、理由を知るともっと辛くなる。それでもお前は会いたいというのか、知らない方が幸せと言うこともあるぞ』 思考能力が弱まった頭に飛び込んできた低く優しい声。その声のする方を見ると、黒猫が窓枠で背中を丸くして、左が金色、右が銀色の眼がサクラの心を見透かすかのように、こちらを見ていた。 サクラと眼が合うとノソリと起き上がり闇の中へ吸い込まれていった。 プルルルルゥ。プルルルルゥ。プル・・・・・・・・・・ゥ さっきから電話がしきりになっている。 サクラは大儀そうに電話の受話器を耳にあてがった。 受話器からはキリンの甲高い声が聞こえてきた。『どうしたの、早く出てよ。身体でも悪いの』『今日カフェで私とぶつかった男性怒ってなかった』 サクラ『大丈夫、明日お店に来るそうよ』 キリン『ソウ、有り難う。サクラ、明日は店に出てくるんでしょ。頼むよ』ガチャン キリンは自分の用件だけ喋って一方的に電話を切った。 サクラは『フゥ〜〜ッ』とため息をつき、窓から外を眺めた。 空には零れ落ちるほどの星が輝き、家々の窓からオレンジ色の灯がもれているのが見えた。 (この星空見ているのかなぁ・・・・) サクラは、どうしても理由が知りたかった。 ヒロシは、なぜ自分に黙ってどこかへ行ってしまったんだろう? あんなにいっぱい話したのに・・ あんなにいっぱい一緒にいたのに・・ 『愛しい人がなんの前触れもなしに居なくなる事は、心が張り裂けるほど辛いもの。運命の神は冷酷なものだから、理由を知るともっと辛くなる。それでもお前は会いたいというのか、知らない方が幸せと言うこともあるぞ』 また・・そんな声が聞こえてきた。 でも、サクラはそこのところが引っかかっていて、次の恋をする気にもならなかったのだ。 もういいや・・ ヒロシがどこかで幸せに暮らしてるなら、私はそれでいいんだから。 そう思いなおして、空を見上げた。 そこには、澄んだ空気と共にすくい上げたいほどの星の輝きが瞬いていた。 明日、あの男の人来るって言ってたな。 あの人・・どこかで会ったことがあるような・・? サクラは、首を振って、 「今日は、早く寝ようっと」と言いながら、ふかふかに干したお日様の匂いのする布団に包まった。 ジリリリ〜!目覚ましがシンとした空気の中に響き渡った。 「え〜っ・・もう朝!?」 「ん〜っ・・・ねむい・・・」 ・・・ 「あ〜っ!大変!こんな時間じゃないの!?キリンに怒られちゃう!」 そう言って、トーストとミルクを急いで食べながら、サクラは大急ぎで支度をして出かけた。 チャリにまたいで、お店に行く時間が好きだった。 「あの・・すみません。」と後ろから声がした。
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