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ナミキくんは、パパと海へ行きました。
パパはサーフボードで波に乗って、ナミキくんに手をふります。
『パパ、かっこいい』
まだ4才になったばかりのナミキくんは、海へは恐くて入れません。 砂浜で走りまわり、とんだりはねたりしながら、波の上のパパを追いかけます。
そのうちナミキくんは、つかれて砂浜で眠ってしまいました。
パパはナミキくんがよろこぶので、ますます調子にのって…
『よ〜し、今日はナミキの誕生日だから、大きな波にのって、ナミキをよろこばせてやるぞ〜』
と、ひとりごとを言って沖へと向かいました。
パパはどんどんどんどん沖へと向かい、大きな波をさがしましたが、どこにも見あたりません。 しかたなく、もう少し沖へ行ってみようと、サーフボードの上から手でこいで行きました。 するととつぜん海が凪いで、パパのボードは砂浜と平行に流されて行ったのです。 パパは黒潮に流されたのでした。
おどろいたパパは、いっしょうけんめいに手で波をかき、ナミキくんの待つ砂浜めがけて進もうとしましたが、潮の流れが強すぎてどうにもなりません。
パパは砂浜に一人で残してきたナミキくんを想いだしました。
『ウォ〜、クソ〜、なんてこった。ナミキーナミキー』
とうとうパパもつかれはてて、声も出なくなりました。
そのときです。パパのサーフボードがガクンとゆれたと思いきや、少しづつ方向を変えて、ナミキくんのいる砂浜へ自然に向かいはじめました。 そしてずいぶん砂浜に近づいたところで、パパのサーフボードが止まりました。 するとボードのすぐヨコから、背ビレのようなものが、ヒョコッと飛びだしました。
『うわ〜、サメだ〜』
そうパパがさけんだとき、その背ビレは弧を描いて空中をとび、一回転して海に飛び込み、どこへともなく消えて行きました。
『なぁ〜んだイルカか〜』
ホッと安心すると、いそいで砂浜へ戻りました。
『ナミキ〜。パパもどったぞ…』
ところがナミキくんはスヤスヤとねむっています。
『まったくナミキは…。パパは死ぬかもしれなかったんだぞ〜』
パパはナミキくんのカラダをゆすって、夢の中のナミキくんを起こしました。
ところがとつぜん起こされたナミキくんはフキゲンになりました。
『パパ、せっかく楽しい夢をみてたのに、何で起こすんだよ〜』
パパはあきれてしまいました。
ナミキくんはつづけて言います。
『パパ聞いてよ。 ボクねぇ、夢の中でパパのボードを見てたんだけど、パパがちっともかえってこないから、ボク海へとびこんだんだ。 そしたらね、ボクおよげないからさー、おぼれそうになったんだ…。 そしたらね、そしたらねー。 ボク、イルカになったんだよ。 そしてね、パパの所までイルカのままおよいでいってね、パパにイタズラしてやろうと思ってパパのボードを砂浜まで引っぱってきたんだよ。 パパったらバクハツしそうなぐらいに、びっくりしてたよ〜。 ははははははー。 パパおもしろかった〜』
それを聞いていたパパは、さっきまで黒潮に流されたことや、イルカが砂浜までボードを引っぱってくれたことを思い出して、パパの目には涙がにじんできました。 そしてまだ話たりないナミキくんを強く抱きしめたのです。
『ナミキー。 パパはなぁ〜、パパは…』
パパはもう声になりません。
『グゥ〜、パパ…、くるしいよー』
『ナミキ。ねてるとこを起こしてゴメンな。 だけど今日はもう、お家へかえろ。 ナミキとパパの、お家へかえろう…。 ママのおいしいゴハンをいっしょに食べよう』
『うん、そうしようパパ』
『今夜はナミキの好きなカレーだぞ〜』
『やった〜。ママのカレーだ〜い好き。パパ、また海へこようね』
『ああ、わかった』
パパとナミキの夏は、忘れられない想い出となりました。
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おはようございます♪
とっても いいお話でした。^^
途中 鳥肌たっちゃったし。。。^^;
いやーすごいですね。。里中さんは。。。。
ほんと 何者ですか???^^。。。笑
このお話に絵がついて 絵本になれば いいのにね。^^
子供たちにも 読ませてあげたいです。^^
2007/11/10(土) 午前 10:14 [ karin ]
素敵な物語ですね♪
私は最初、砂浜で寝てしまったナミキくんを心配しました。
潮が満ちてきてナミキくんを、、、と思ってしまったのです。
ほんと、素敵なお話ありがとうございました。ポチ☆
2007/11/10(土) 午後 1:33
何だか途中、泣きそうになりました。
素敵なお話ですね。
親子の愛情というものを、いっぱい感じました。
2007/11/10(土) 午後 8:20 [ - ]
カメタロウさん…この童話にはモデルになった家族が存在します。とても暖かい家族ですよ…。傑作ポチありがとうございます!!!
2007/11/10(土) 午後 11:50 [ 夢先案内 ]
かりんさん…嬉しいお言葉ありがとうございます。僕の方は、かりんさんの恋バナに鳥肌たっちゃいました…。僕の正体はヒミツですよ(笑)
2007/11/10(土) 午後 11:55 [ 夢先案内 ]
紫苑さん…ナミキくんを心配していただいたとのこと、紫苑さんは優しい人なのですね。ポチありがとうございます。
2007/11/10(土) 午後 11:58 [ 夢先案内 ]
カナデさん…ありがとうございます。この親子は実在の親子がモデルになってます。愛情深い親子ですよ…。
2007/11/11(日) 午前 0:01 [ 夢先案内 ]
今度は童話を始めたんですね!!
ほんま無事でよかったぁ〜!!!平和に終わってよかったです!!
波乗りするからほんまにその怖さを痛感します・・・;
2007/11/11(日) 午後 5:13
杉も神さん…この童話のモデルになったサーファーの男性(パパ)は本当に黒潮に流されそうになったのです。その時は自力で岩場に飛び込んで難を逃れたそうですよ…。今では笑い話になっているようですが…ね!!!
2007/11/11(日) 午後 9:00 [ 夢先案内 ]
素敵なお話。展開にどきどきしてしまいました!
2007/11/12(月) 午前 9:03
あら。。ゆめさんがこれを考えたの??ってちょっと笑っちゃったのは私だけ??(おっと失礼♪)
ゆめさん 実はのほほんメルヘンさんなのね・・・(笑)
「愛」だなぁ・・・最近「愛」ついてるなぁ・・・(*^-^*)のほほん♪
2007/11/12(月) 午後 8:32 [ - ]
咲楽さん…ありがとうございます。咲楽さんの動物園記事も興味津々でしたよ…。
2007/11/12(月) 午後 10:31 [ 夢先案内 ]
ももさん…あはははー。意外でしたか…。僕は五重人格と言われてますからね。でもね個人的には、のほほーんと生きていたい願望があります。ももさんは間違いなく、のほほん人間だよねー(笑)
一大事の説明ありがとう…。(僕は怒ったりしないですよ…笑)
2007/11/12(月) 午後 10:41 [ 夢先案内 ]
ええ!そうかな!ぐじぐじ悩んでばっかりだよ??泣いてばっかりだよ??
のほほんとしたいよー(笑)寝たら何悩んでたか忘れるけどさー。
( ゚д゚)ハッ 寝たら忘れちゃうトコがのほほんなのか・・・
2007/11/13(火) 午後 11:35 [ - ]
ももさん…ひとりボケツッコミ…ありがとう(笑)さすが関西人は身にしみてますね(笑)
ももさんの『のほほん』は精神衛生上とっても良いと思いますよ。
これからも、のほほんで行きましょう!!!
2007/11/14(水) 午前 0:12 [ 夢先案内 ]
検索から失礼します。こんばんわあ


宜しくお願いします


感動的なお話ですねぇ
時々お邪魔させて頂きますね
2012/12/18(火) 午後 8:43 [ 赤毛のアン ]
赤毛のアンさん…コメントありがとうございます。
童話を読んでいただけたのですねm(._.)m
また何時でもお寄り下さいね!!!
2012/12/24(月) 午後 10:40 [ 夢先案内 ]
海で溺れた人をマンボーが運んでくると云う話は何かで読んだ事があります。世の中には科学では解き明かせない不思議な事が存在します。素敵なお話でした。
2013/6/5(水) 午後 8:54 [ 剣の迷子 ]
剣の迷子さん…ありがとうございます!
マンボウのお話は始めて聞きました。
科学では説明できない奇跡の中に、愛に通ずる心の結びがあると信じたいですね…。
2013/6/11(火) 午後 9:04 [ 夢先案内 ]
まだブログ始めて間もない私の所に訪問ありがとうございましたm(__)m
思わず話にのまれてしまいました
この年になっても海なし県で育った私は朝陽が上がる時間帯と夕陽が沈む時間帯は好きだけど
波が高い海は好きになれません
ドキドキしながらお話みてました
また機会がありましたらお邪魔させて頂きます
ありがとうございました
2014/5/12(月) 午前 7:18 [ みぃ ]