【 海のぞみ 冨士を望みて 感嘆す その名も高き 三保の松原 】
(旅の記念樹…一人旅回想録)
【三保の松原】
(天女の羽衣)
静岡県清水市の駿河湾に面した所に、片腕を持ち上げたような小さな半島があります。
ここは三保の松原。
羽衣伝説が残る有名な所です。
美しい三保の風景に心ひかれた天女が、羽衣をまとって舞い降りたのです。
天女は清らかな三保の海に誘われるまま、羽衣を松の木にかけて水浴を楽しんでいたのです。
その間に浜の若者が天女の羽衣を取り去ってしまったために、天女は天界へ帰れなくなったのです。
現在この伝説が残る羽衣の松は樹齢650年と言われ、かなり老朽化が進んでしまいました。
しかし棚引く海原を背景に今にも天女が舞い降りてくるような、不思議な雰囲気を醸し出しておりました。
三保の半島の片側が生命感あふれる清水港で、近代的な漁港の出で立ちを見せています。
半島のもう片側が遠く太平洋まで望める駿河湾で、海を挟んだ正面には伊豆半島が南へと連なっています。
その間の駿河の海を大小さまざまな船舶が、ゆったりと浮かんでは行き交うのです。
こうした風情が、古代と近代とを妙にマッチさせております。
ふと振り返って北側を見ると、海岸沿いの三保の松原の延長に、霊峰冨士の雄姿を望むことが出来ます。
そういえば富士山は様々な角度から絶景と言える景観を持っております。
そんな中でも僕は三保の松原から望む女性的な表冨士が大好きです。
僕が三保の松原に訪れた頃は遠足シーズンだったようで、可愛い園児たちが波打ち際を無邪気に駆け回っておりました。
年老いた釣り人が沖に釣り糸を投げていたので…
『何が釣れるんですか?』
という僕の問い掛けに…
『タコが釣れるんだよ』
と言っていましたが、あれは冗談だったのでしょうか(笑)
こうして当時の記憶を呼び覚ましながら、僕は三保の松原の景観を想い返してみました。
すると天女が三保の松原の美しさに魅かれて舞い降りた伝説が尚一層、真実味を帯びたものに観じられました。
天女(あるいは女神)伝説は、世界各地の湖や内海などの入り江に多く残されています。
美しい心の天女が魅かれる景観(自然)を、人類は未来永劫、失ってはならないのです。
【 羽衣の 美し渚 三保の風 冨士と伊豆との 仲を取り持つ 】
バルセロナの夜 佐野元春
http://www.youtube.com/watch?v=DzitEEy5iGk
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