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ヒロくんとシンくんは、今日も公園で遊んでいます。
シンくんの頭は生まれつきの天然パーマで目立ちました。
来年は二人とも小学生です。
そこにイジメッ子の大くんが、仲間を連れてやって来ました。
そうしていつものようにシンくんをイジメます。
『おーい、シン。おまえの頭は鳥の巣アタマ。タマゴがいくつあるのかなー』
こうしてシンくんは、いつも泣かされるまでイジメられます。
ヒロくんは大くんが恐くて近づけません。
いつも遠くへ逃げて隠れているのでした。
ある夏の陽射しが強い日、二人の前に白い子犬が現れました。
子犬は体が弱っていて歩くのも辛そうでした。
ヒロくんは咽が渇いたので水筒の水を全て飲みました。
シンくんも咽が渇いていましたが、その水筒の水を子犬に飲ませてあげました。
子犬は喜んで、シッポを振りながら美味しそうに水を飲んだのでした。
二人は子犬の頭や体を撫でてあげました。
その翌日、ヒロくんが一人で公園で遊んでいると、恐ろしい野良犬が現れました。
野良犬は『ガゥルグゥル…』と吠えながら、今にもヒロくんに飛び付いてきそうです。
ヒロくんは恐くて泣き出しました。
その時、どこからともなく昨日の白い子犬が飛び出してきて、野良犬に体当たりしました。
それに怒った野良犬は、子犬の頭に噛み付いて遠くへ放り投げました。
そしてまたヒロくんに向かって来たのでした。
ヒロくんが《もうダメだ》と思ったその時、子犬がまた野良犬に飛び掛ってきました。
そして野良犬が子犬の方を向いたその鼻先に、子犬が思いっきり噛み付いたのです。
これには野良犬も《たまらん》と、遠くへ逃げて行きました。
ヒロくんは座り込んで泣いていましたが、子犬はどこへともなく消えてしまいました。
数日後、ヒロくんとシンくんは、いつものように公園で遊んでいました。
そこにまたイジメッ子の大くんが仲間を連れてやって来て、シンくんを囲みました。
すでにシンくんは泣いています。
ヒロくんは途中まで逃げて隠れようとしましたが、数日前の白い子犬を思い出したのです。
あの子犬は恐ろしい野良犬に立ち向かっていったのに、自分は友達のシンくんを見捨てて逃げている…。
『白い子犬は、体が弱っていたのにボクを助けてくれた…』
『それに水を飲ませてくれたシンくんではないボクを助けてくれた…』
《ボクの大切な友達、シンくんを助けるんだ!》
ヒロくんは急いでシンくんの所に戻って、イジメッ子の大くんに体当たりしました。
そうして公園中に響くような大きな声で『や・め・ろー』と叫んだのでした。
その声に引かれるように、お散歩をしている人や、たまたま通りかかった何人かの人たちがやってきました。
イジメッ子の大くんたちはクモの子を散らすように逃げて、二度と公園には来なくなりました。
その後のヒロくんとシンくんは本当の親友になったようです。
爽やかな風が二人を守るように流れて、青い空が何処までも眩しく見えました。
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