産婦人科 こころの森 レディスクリニック

☆産婦人科に相談しにくいかたの質問にお応えします。

炎症・感染症

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 新型インフルエンザにかかった妊婦さんはどうしましょう?

 この質問に対する答えはひとつではありません。
でも、有名な産科婦人科の医師の意見が載っていたので、ご紹介しましょう。

==確かにCDC(米国疾病管理センター)は思い切った推奨をしています。
これは、専門家が緊急事態におけるリスクとベネフィットを考慮し、
投与したほうがよいとの見解をしめしたもので、賛同します。
薬剤選択では、状況を考慮しながら使い分けてよいとしています。
吸入可能であれば即効性や安全性が期待できるザナミビル、
妊婦でも後期になると息苦しさもありますのでオセルタミビルのほうが
服用しやすいかもしれません。==

 つまり、残念ながら、「母体が心配な人は、のめば?」
という程度にしか、お勧めできない、ということになると思います。
週数にもよりますが。
「投与したほうがよい」といいながら、
じゃあ、全員に投与、とは言っていないのです。
CDCの推奨にも「思い切った」という形容をつけなければいけない、ということは、
医師側として、投与するのには、覚悟が必要、というかんじです。

 予防が一番。みなさん気をつけてください。
そして、インフルエンザにかかったから、とか、
インフルエンザの薬をのんでしまったから、とか、
心配しすぎて、慌てて人工妊娠中絶っていうことにならないように
落ち着いて行動していただきたいと思います。せいこ

==明日で8週目に入る妊娠初期の私ですが、インフルエンザワクチンの接種に
迷っておりました。担当の先生はどの周期で打っても大きな問題はないと説明
して下さったのですが、医師の立場から日本では「受けなさい」と強く言えないのが
現状の様で・・・。1年前に稽留流産をしているのでなんとなく怖くて迷っております。==

 基本的に、どんな予防接種も、妊娠前に済ませておくのが原則です。特に生ワクチンを使う場合は、妊娠中にはダメです。でも、インフルエンザの予防接種は、不活化ワクチンを使っているので、妊娠中でも、接種してもかまいません。

 この質問の方は、妊娠初期の流産を経験していらっしゃるので、特に、気を使っていらっしゃるようです。心配ならば、前回の流産の時期を過ぎてから、接種を受けられるのがよいでしょう。

 妊娠中期、後期になってきますと、予防接種が及ぼす悪影響の可能性が、低くなります。予防接種を受けなくて、インフルエンザにかかってしまうと、妊娠中に辛い思いをしないといけなくなりますので、接種を積極的にお勧めする病院もあります。でも、日本では「受けなさい」と強く言えないというのが、仰るとおり、まさに、現状です。

 妊娠初期の場合でも、インフルエンザの予防接種の赤ちゃんへの影響は、考えなくてもだいたいは大丈夫です。ところが、、この質問の方のように、たまたま流産になってしまったり、奇形を持った子供さんが生まれたりした場合に、「あのとき注射を受けなければよかったのかもしれない」と、ご自分に罪の意識を感じてしまうようになるのが心配です。

 妊娠に気づかずに、インフルエンザの予防接種を受けられた場合でも、それを理由に、妊娠を中断するのは、望ましい選択とはいえません。(ひらたく言えば、中絶しなくてもいいです、ということです。)

 食べ物の残留農薬の問題とか、先日ニュースになった硫化水素の問題とか、普通に生活していても、赤ちゃんに影響するかもしれない要素は数限りなくあります。現代生活では、何もかも安全ということはありません。神経質になりすぎるのが心配ですから、マスクくらいで、ま、いっか、と思えるようになるといいですね。

 10月4日の妊娠週数と奇形に関する記事も参考になさってください。

 

腟の炎症 その3

 婦人科受診で「おりものがおかしい」という訴えの多いのは、むしろ、年令の高い人です。原因はエストロゲンの低下です。今までお話してきたように、デーデルライン桿菌が減ってしまうので、雑菌が繁殖してしまうのです。

 「人生50年」の大昔ならいざしらず、「人生80年」の現代において、ぜひ、名前を変更して欲しいのですが、「老人性腟炎」といいます。更年期以降の女性の腟炎は、たいてい老人性腟炎です。デーデルライン桿菌の減少と腟表面の細胞の萎縮が原因なので、せめて「萎縮性腟炎」とかなんとかいえないものかと。だって、51才で「老人性」と言われたら、嫌でしょ?

 治療は数回の洗浄とエストロゲンホルモンの内服です。10日間も服用すれば、たいてい治ります。

 同じように若い人でも雑菌の繁殖する腟炎もあって、単純な腟炎といいます。

 もうひとつ、「トリコモナス腟炎」があります。トリコモナスは原虫で、顕微鏡では、風船のような虫がウニュウニュ動いているので面白いです。(あ、この発言は、不謹慎ですね。)精子を顕微鏡で見てオタマジャクシに例えますが、トリコモナスはさしずめツインビーってとこですね。

 トリコモナスは性交でも感染しますが、大衆浴場でも結構うつるようです。というのは、性交がない、という人でも発症するからです。洗い場にペタンと座ってしまうのがいけないのではないかと考えていますが、実際のところは解りません。

 治療はこれもいい薬があって、少しの洗浄で比較的簡単に治ります。

 さて、これ以降の腟炎は性行為感染症で、治療は難しくなります。性行為感染症というのは、「性行為で感染する」のではなく、「性行為以外では感染しない」病気ですので、認識を新たにしていただきたいと思います。

膣の炎症 その2

 さて、居てくれてありがたいデーデルライン桿菌ですが、この菌は膣の中を酸性に保つ働きをします。
酸性が強く、他の菌の増殖を抑えてくれるのです。ですから、
デーデルライン桿菌の働きが弱まっているとき、
もしくは侵入したバイ菌のほうが強いとき
に膣炎が起きます。

 一番多いのがカンジダという真菌によるカンジダ膣炎ですね。
これはカビの一種で、ミズムシや、インキンタムシの仲間でもあります。
非常に強い痒みが出て、おりものがチーズかすのようになります。
性交によって感染もしますが、性交とはまったく関係なくおきるものでもあります。
幼少児が外陰部を痒がるとき、たいていはカンジダによる膣炎、外因炎です。

 幸い、ミズムシと違って、とてもよく効く薬があります。
1週間かけて、洗浄と投薬を続ければスッキリ治ります。
この頃は1週間かけて膣内で溶けるタイプの薬を使うことが多いようで
1度の洗浄と投薬で、以降の治療は必要ありません。
外陰部の痒みには、抗真菌薬の外用をします。
幼少児の場合には外用だけで治まることが多いです。

 カンジダだけで長くなってしまいますが・・・・

 カンジダ膣炎になるのは、デーデルライン桿菌が弱まっているときで、
その原因は女性ホルモンの分泌が弱くなっているときです。
でも、性交によって侵入するカンジダが強い場合も膣炎をおこします。
鶏と卵、どちらが先か?というのと同じ話になりますが、
夫婦間もしくは恋人間でうつしあってちっとも治らないという場合があります。
(セックスパートナーが一人では無いときは言うまでもありません)

 妻の膣炎を治してもすぐ再発する場合には、夫の陰茎炎があると考えて
外用剤を塗布してもらいます。ピンポン感染を防ぐためです。
妻と同じ薬を塗ってもらえればいいので、泌尿器科にかかってもらうまでも
ありません。

 ただし、この場合も男性にはあまり症状がでないことが多いので、
外用してもらうには説明がむずかしいでしょうね。
まるで、妻がどこかから菌をもらってきたかのように誤解されるといけませんので、
真菌はどこにでもあって、もちろん外陰部にもちょっとは居て、
デーデルライン桿菌が弱くなっているときだけ炎症が起きるの、という風に
話をするのが良いと思います。
エストロゲンが少ないらしいの、疲れているのね、と説明して理解してくださるご主人だと
理想的ですね。(まず、ありえません。^^;)

腟の炎症

 腟の入り口は小陰唇で覆われていますが、腟は、婦人科の臓器としては、まず外と接している部分といえます。湿っていて暖かいので、いろんなバイ菌が繁殖しやすい場所です。

 性交があれば、バイ菌の侵入する機会も増えますし、男性側が性行為感染症を持っていれば、すぐうつります。しかも、男性には症状が出にくくて、女性には症状が出やすいという憎らしいバイ菌もあります。

 私がバイ菌と呼ぶのは親しみやすいという理由でもありますが、いわゆる細菌というバイ菌以外に、感染を起こすものとして、マイコプラズマ、ウイルス、スピロヘータ、原虫などがあるためです。

 お腹のなかに腸内細菌として、乳酸菌などのいい菌がいるように、腟の中にも、いい菌がいます。デーデルライン桿菌といいます。

  細長い菌=桿菌(かんきん) =デーデルライン桿菌など
  丸い菌 =球菌(きゅうきん)=黄色ブドウ球菌など

 居て欲しくないけれどいる菌    =ピロリ菌など
 居て欲しくている菌        =乳酸菌など
 いても困らないけど、出てから困る菌=大腸菌など

    これらの普通に存在する菌を常在菌(じょうざいきん)といいます。


 いろんな分類があります。腟の炎症にはこのデーデルライン桿菌が重要な働きをします。細長くて、居て欲しくて、常在菌という分類に入る菌です。   続く

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