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湯沢町の小町堂を視て横手の街に戻る途中です。同行のT君は巨木鑑賞が趣味です。秋田に行ったら、秋田杉の神木を観たいものだ思って、旅立ち前に調べておきました。「筏の大杉」と云うのが在って写真で視れば霊感が漂っています。
これが「筏の大杉」です、径は5.5m樹齢千年だそうです。写真出典横手商工会議所https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%A0%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%9D%89&dcr=0&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwij98vu5rDZAhXEUbwKHauUCIQQ_AUICygC&biw=1920&bih=962#imgdii=_0H5wDz5t0CMOM:&imgrc=E-DbUVZ3iygU7M:&spf=1519002851314
そこで、国道13号を左折して北上方面に向かかいました。この街道(107号)は「秀衡街道」とも云うようです。平泉から藤原秀衡は、源義家の加勢を得て、陸奥の安倍氏の内紛を収めた(前九年・後三年の役)の舞台でした。
此れはJR横手駅駅舎の壁に懸った絵です。絵は「後三年の役」で、秀衡が空飛ぶ雁の列の乱れを視て、薄野に隠れていた敵軍を知り、安倍一族を討伐した故事を描いています。JR北上線に「後三年駅」があります。
次第次第に谷は深く尾根は高くなって行きます。この川(成瀬川)を秋田杉を筏に組んで都や江戸に運んだのでしょう。写真で視た記憶では、巨木の杉は先端が幹別れしていて、双頭の蛇のようでもあり、カタツムリの眼のようでもあります。諏訪神社の「木落し」を思わせる姿です。
此れは諏訪大社御柱祭のクライマックス「木落し」です。写真出典:諏訪市観光連盟https://tabicoffret.com/article/2294/index.html
国道107号線を横手から北上市に向かいます。この道が秀衡街道で「高速秋田道」に絡む様に走っています。この道は雪を捨てるダンプがひっきりなしに走っていました。成瀬川の谷間に雪捨て場が在るのです。
国道107号線を左折して、南の谷間に進みます。谷底にある「比叡山三十番神社」の境内に「筏の大杉」は自生しているのです。
手前の車がお世話になった4WDのレンタカーです。背後の杜が比叡山三十番神社で境内に自生している「筏の大杉の天辺が「なまはげ鬼の角」のように聳えて見ました。
筏の大杉は見えるのですが、参道も鳥居まで雪に埋もれていて到底行けそうもありませんでした。
こんなに雪深い処にも民家がありました。
天然の秋田杉は、人工林の秋田杉と違って枝打ちや間伐等の保護を受けていませんから、成長は遅いし、年輪の幅が狭いため強度に優れています。有名な大曲の「曲げワッパ」はこの天然杉を原材料にして作った生活用具(弁当箱やお櫃)です。左竹藩は「曲げワッパ」に「樺細工などを奨励したのでしょう。1.5万石の弱小藩なのに200人もの家臣を抱えていたのです。加えて農地は猫の額です。都や江戸で売れるような生活民具の製造を奨励したのでしょう。江戸時代の木地師の伝統工芸と云えばこけしやお椀を想い起しますが。角館蘆名家の再興を夢見た京都三条家お姫様の美意識が、美しい秋田杉の木工民具を支えた事でしょう。そう想うと。この雪の重みが秋田杉民具の美しさを作っていることを確認しました。角館の樺細工伝承館で匠の技を見詰めました。寒さに耐えた桜の表皮の美しさは三条家のお姫様を髣髴させる雅さです。
角館伝承館での樺細工の実演、伝統工芸士の手元に在るのは茶筒で秋田杉の曲げワッパに桜の樺(表皮)を張り付けています。手前が髪止めです。
此れが曲げワッパの製品です、秋田杉の光沢と樺の艶がマッチングしています。
髪止めを土産に求めました。伝統工芸士は白木の秋田杉で作った「曲げワッパ」を取りだして、その袴部分に樺を貼り始めました。此れから茶筒造りを始めるのです。袴は樺細工で、蓋は白木の儘にするのか。蓋も樺で覆うのか解りません。陳列棚には蓋も袴も樺で覆ったモノもも在れば、蓋だけは白木のモノもあります。私は白木と樺のツートンの方に魅力を感じました。茶筒の隣にはお弁当箱が置かれていました。天然杉の光沢のある木肌に樺の留め具がお洒落でした。まるで曲げ木が着物なら止め具は帯や帯留めのような感じです。素材は天然に勝るモノは無く、細工の技は陸奥の匠が最高です。
此れが曲げワッパの弁当箱です。天然の秋田杉の光沢も年輪も美しいのですが、それは天然のモノ、樺細工の留め具のデザインがあってこそ天然と人工が調和し田魅力があります。写真出典楽天https://item.rakuten.co.jp/nabiken/1090132/?l2-id=pdt_shoplist_spage#100415501540円でした。
樺細工伝承館の置かれた桜の椅子。「樺細工はこの表皮を使うのです」説明を兼ねています。
私と同じ歳の堤防の桜。人工の染井吉野は表皮に皴が多いので髪切り虫が付き易い上に、成長が早いモノの瑞が柔いので長生き出来ません。
桜も杉も厳しい自然がストレスを与えたモノが美しいようです。人間も過保護に甘えずストレスに耐えたモノが尊いのでしょう。
角館の武家屋敷は常緑の樅の木と枝垂れ桜が囲んでいました。樅の木は蘆名家を守ろうとした武士の面影で、枝垂れ桜は三条家のお姫様でしょう。樅だけでは家を守るには充分でしょうが武骨で無粋に過ぎます。雅で美しい桜があってこその樅の大木です。そう想うと武士を束ねた大番頭「岩橋家」で撮影された「たそがれ清兵衛」を想い出しました。樅の木が清兵衛(真田博之)なら恋人朋江(宮沢りえ)は桜でしょう。樅の木は桜の美しさを、桜は樅の木の一途さを引き立てていました。
何時か、樅と桜が引き立てあう季節に再訪したいものです。
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