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塩田平は東を屏風のような独鈷山に囲まれています。
その山中の野倉という名の集落に美しい道祖神が祀られています。
多分、筒井道祖神と並んで、日本一有名で、美しい道祖神の一つでしょう。
塩田平から独鈷山を見る。 右端に別所温泉があってその裏山を越えたあたりに野倉集落があり ます。鹿教湯温泉はその先です。
多くの旅人は別所温泉から、裏山の坂を上って行きます。
峠辺りに野倉民俗資料館がたっています。
資料館の前を少し下ると「赤地蔵尊」が祀られています。
石の祠の中に木造のお地蔵様が祀られ、その全身が真っ赤に塗られているのです。
赤くなければ良くある延命地蔵尊ですが、(傍に井戸があって延命水が湧き出ています)
傍に案内板があります。
赤く塗ってあるのは霊力が尋常では無い…、ことの表れでしょう。
村人はこのお地蔵さんを産川に放り込みます。
すると、お地蔵さんは目を覚まして、怒って・・・・・・、雨を降らす…、というのです。
同じような風習は全国各地に残っています。
雨の少ない塩田平地方にあっては、雨が切実な問題だったことでしょう。
延命地蔵さんは、雨を降らせることで、村人の命を守ったのでありましょう。
別所温泉から野倉に登る道に祀られた道祖神。野倉道祖神の幼児型のようです。
昭和に入って村興しで祀った「観光道祖神」でありましょう。
野倉の赤地蔵尊。 延命地蔵尊ですが、赤く塗られたのは「雨降り」祈願の為です。
川に投げ込まれたお地蔵さんは赤鬼のように怒って、雨を降らせる…、思われました。
延命地蔵さんの前を内村郷に向けて少し登ります。
野倉集落の村外れ、峠にあたります。(標高700m)
土手の中腹に目指す双体道祖神がおいでです。
土手の中腹、畑の中に祀られた双体道祖神、桂の黄葉が見事でした。
畑をお持ちの方が、道祖神の周囲を綺麗に草刈りして、草花を育てておいでです。
彼岸花の咲いた跡がありました。
朝顔は未だ盛んに花を着けていますし、マリーゴールドが鮮やかです。
道祖神の頭上には桂が見事に黄葉しています。
道祖神の前のお宅が喫茶店を営んでおいでです。
道路に大きな椅子を出して、椅子の背には「ペニー」の名が書かれています。
別所温泉から汗を拭き拭き峠を越えて…、美しい道祖神を拝んで・・・・、
”まあ、一息してからお帰りなさいな・・・” そんな思いなのでしょう。
御影石の自然石の前面を丸く刳り貫いて、その中に夫婦の神様が仲良く立っておいでです。
男神は平安時代の正装「衣冠束帯」姿ですし、女神は十二単です。
ひな祭りのお内裏様と同じお姿です。
二人で手を取り合っています。
余った手では肩を抱き合っておいでです。
伊邪那美、伊弉諾神の姿は江戸時代以降こんな姿で描かれることが多かったのです。
未婚の人には縁結び、既婚者には夫婦円満のご利益があると信じられています。
(案内板の説明要旨)
多くの道祖神は主として子孫繁栄、五穀豊穣を祈って刻まれ、祀られています。
祀られている場所は塩田平の水源地であること、女神山と夫神山に挟まれた場所にある事から・・・、
五穀豊穣を祈ったものと考えた方が”土地にあっている”と思います。
案内を書いた人が、別所温泉の”愛染かつら”の思いがあって、
縁結びの神様と案内したものでしょう。
間違いではありませんが・・・・・、風土を大切に考えたほうが妥当な様な気がします。
手前の石が道祖神、向こうの山が女神山。夫神山(義民の墓があった)との中間にあります。
双体道祖神様の目線に屈んで見える風景。
茶房「パニ」の看板。 向こうの黄葉した桂の樹の下に道祖神がおいでです。
佐久地方から千曲川中流域の道祖神は大抵こんな姿をしています。
男女神が平安時代風で、仲よく手を取り合っています。
これが、聖山を越えて梓川流域(安曇野)に出ると、着色されています。
所謂「安曇野型道祖神」になります。
浅間山の北鹿から群馬にかけては「抱擁型道祖神」が特徴になります。
八ヶ岳の南麓から甲府盆地にかけては繭玉のような「玉石」が並んでいます。
相模に出ればお地蔵様が二体並んでいます。
地域地域によって道祖神と言っても全く姿形が違っています。
夫婦円満、五穀豊穣、子孫繁栄、厄除け・・・、何れも同じような祈りを奉げた道祖神ですが・・・、
地域によって姿形が違うことは・・・・、地域性と言えば身も蓋も無いのですが…、文化の地域特性を良く示しています。
歴史や風土、県民性等の反映なのでしょう。
「安曇野型」双体道祖神様
相模型双体道祖神
千曲川中流域は「地域の絆の強さ」「人間の心」を前面に表していると思います。
それこそが「修那羅の石仏・石神」で表現されているものであり、
再三発生した一揆を引き起こした要因でありましょう。
美しい風景の中、秋の陽射しを体一杯に浴びながら・・・・、
美しい石仏を巡って歩く…、最高に幸せな時間です。
パニで一服したいのですが…、未だ開店前のようですし、次の予定もありますので・・・、
別所温泉に向けて、峠を下りました。
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2012年11月13日
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