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1月4日向ヶ丘遊園に在る川崎民家園に出かけました。例年は「三溪園」に出かけ「筝曲」を聴いたりしていたのですが、民家園で過すお正月」には「獅子舞」や「南京玉簾」が観られるのです。民家園は広大な生田緑地にあって「バラ園」と並ぶ主要な施設です。入れ物が大きいのに較べて来園者が少ないので何時来ても閑散としています。民家の庭は大抵が広いモノです。
これは房総九十九里にあった作田家民家です。分棟型(ぶんとうがた)という民家で左側が母屋右側は鰯漁の網や櫓を納めて在ります。庭が広いのは此処に筵を敷いて茹でた鰯を干し上げる為です。
1月4日の作田家住宅の庭、庭で正月遊びが出来るので大変な賑いでした。鰯を干した庭では都会の親子が「正月遊び」に興じていました。
作田家の庭で「ベー独楽遊び」に興じる子供達実は子供以上に燥いでいたのは爺さん婆さんでした。この右では「独楽回し」「メンコ」、「竹馬」、「剣玉遊び」も用意されていました。
房総の民家は庭に「茹で上げた鰯を干します。『干鰯』と呼ばれる肥料にする為です。
これは甲斐国塩山に遇った広瀬家、富士山に近いので強風対策で軒下が浅く、北面の荒壁の表情が美しくまるでミロの絵のようです。この庭で切干し大根を作り、大豆や小豆の鞘割をしたのでした。
広瀬家住宅の軒下から庭を視る。庭では若い親子が「羽根つき遊び」に興じていました。
甲斐や相模や茨城の民家の庭では「大豆や小豆」「切り干し大根」を作ります。ですから、庭は総じて広いのです。そんな庭は普段は子供達の格好な遊び場だったのでしょう。「家庭」という言葉は家と庭で出来ています。庭が無くては家庭は形を為さないのです。マンションは家の内外が遮断されています。隣近所は壁で隔てられています。結果的に季節感の乏しい生活になってしまいます。
1月4日にはいつも閑散としていた広瀬家の庭に、正月遊びの道具が出されて子供達の歓声が響いていました。甲斐の広瀬家の庭ではチェーンでコートを仕切ってその中で「追羽根つき遊び」をしていました。
広瀬家の庭は羽子板遊びの会場になっていました。懐かしい板絵に見入ってしまいました。羽の先端の黒いのが無患子/むくろじの実(種」です。
これが無患子の実です。右の茶色の蝋質の殻に左の黒い種子がはいっています。無患子は「憂いを消す種子」と書きます。これは古代の洗剤なのです。穢れを消す訳ですから心の穢れも消し去る効果があると信じられたのです。そんな次第で無患子の黒い種子は数珠になります。私は宝戒寺(鎌倉)に無患子の実を拾って数珠を手作りしようとしたのでしたがドリルの刃が通らず断念した事があります。
これが夏の無患子の実です(宝戒寺で撮影)
羽子板には「赤い鳥」を舞台に活躍した矢部季等や黒崎義介風の懐かしい絵が描かれています。
私の生家の寺の庭でも昭和30年代までは近所の子供が追羽根をついて遊んでいました。「追羽根遊び」の羽根は無患子(むくろじ/数珠に用いられる木の種)の種子に羽根をつけて追羽根して遊びます。羽根突き歌を歌いながら遊びました。負ければ顔に墨付けされるのを含めて「厄除け」呪術が起源の遊びと思います。
ひとめ ふため
みやかし よめご いつやの むさし ななやの やしろ ここのやで とお 羽根つき歌こそ聞こえませんでしたが、
広瀬家住宅も嬉しそうです。
若しかしたら「座敷童子/ざしきわらし」が縁側に出て居そうな気がしたのでしたがそれもありませんでした。
縁側には暖かな日差しが射してお年寄りがスマートフォンを捜査していました。「座敷童子」は見えませんでしたが”久々の賑やかし良いので”、縁側に出ている気配を感じました。私達夫婦は孫にも恵まれたので精々昔遊びを教えたりしながら健康に過したいと思います。
歳末には浅草寺は「羽子板市」で賑わいます。
羽根つき遊びは一年間の営みで蓄積した「穢れ」に憑りついた厄を払うのが「羽子板」で羽子板を家に飾る事で厄を払い福の神に来て貰う呪術であったと思います。
室町時代には「胡鬼板/こぎいた」遊びが盛んになります。胡鬼板(こぎいた)とは蚊を喰う蜻蛉の形を模した虫で羽子板の原型と云われます。胡鬼板を使って羽を付いて遊ぶのですから平安時代の蹴鞠に似ています。毬を足で蹴るのは男性で女性は毬を無患子の実(種)を用いたシャトルにして胡鬼板で打ち返して遊んだのでした。無患子の種を災いの原因と思えば「悪魔祓い遊び」です。自分の家に来た悪魔を相手の家に打ち返すのです。悪魔が自分の陣地に落ちたら顔に墨を塗られるのです。
浅草寺仲見世の羽子板市は歳末納めの市で東京の歳時記です。でも大鳥神社の催事厄除け祭事です。
羽子板が悪魔を払う道具だと思えば江戸時代浅草寺に近い大鳥神社で歳末に商われ始めた「羽子板市」も来年は羽子板を家に置いて”悪魔が遣ってきたら叩き返すぞ”意気ごみを示す行事になったモノと思います。
私は広瀬家住宅に沢山の人が集ってお正月遊びに興じているのを楽しく眺めました。建物は謂わば入れ物です。民俗は遊びに良く残されています。正月は一番の「ハレの日」です。冬は寒くて緊張を強いられます。緊張が続くと病気に成り易いモノ。正月が明ければ大寒です。そして立春、ズット緊張を強いられます。緊張は「穢」で病気に成り易いモノ、ハレで心身の緊張を解して置く事は健康の為に有効です。追羽根つきを庭ですることは健康維持の為に有効でしょう。
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