私は前々から日本大学藤沢キャbンパス(生物資源学部)で行われる学園祭(藤桜祭)を楽しみにしていたので、レインコートに傘をさしてでかけました。
日大藤沢キャンバスで行われた恒例の「藤桜祭」は台風で散々でした。例年は屋台で賑わうテント村も畳まれていました。
例年は学生の熱気と安く野菜や花を買い求めようとする一般人の活気で賑わっていたのでしたが、今年は名物の「野菜の買い叩き」も行われず、用意された屋台のテントも畳まれて雨に濡れていました。天を恨んでも天に唾しても仕方ありません。
私とワイフは仕方ないし「記念講座」を受講しました。
これは掲示板に貼られた「公開講座」です、一昨年は「鰻」がテーマでした。
この秋ブログにも「柿」を素材に書いて来ました。それは何れも柿が美味しい事、柿は和菓子として最高の素材である事、柿は優れた健康食品である事等を書いて来ました。
「柿」を素材にブログを書きながら常々思っていました。「弥生遺跡から桃や蓮の種が出土してるのに対し柿の種はどうなっているのだろう?)
今も懐石料理の締めの「水菓子」と云えば「梨か柿」が普通です。
講義は「山田昌彦日本大学生物資源学部教授で」表題が「日本人と柿品種」副題に『品種発達の歴史と品種改良」とされていました。
私の興味に重なる部分は以下の通りでした。
①、柿は照葉樹林帯に生育して来た果樹であり、今ではフランスやスペインで盛んに栽培されているが、ペリーが来航した時に欧米に日本の甘柿(御所柿から改良された次郎柿や富裕柿)に渡ったモノでしょう。(ペリーよりもシーボルトやグラバーの方が妥当だと思いますが。
公開講座は2号館の階段教室で開かれました。これは2号館の屋上に登る階段です。屋上から雄大な富士山を遠望させたい、設計でしょう。流石に芸術学部がある総合大学です。階段にもメッセージが描かれていました。
柿は照葉樹林帯に生育した果実で中国日本が故郷です。『公開講座パワーポイント画面を撮影』
②古代に柿は人名や地名には多くみられる。
③しかし、万葉集には柿を謳ったものはない。
④延喜式には祭礼用の菓子として使われ、宮廷でも栽培されていたと記述、更に「干柿」や柿が米に代わって納められた。この時には「10個」というようには数えず「升」が単位になっている。(多分柿は小さいの升で測ったのでしょう」。
公開講座は211号室階段教室で開催されました。講師は山田教授でした。この時間『1時〜3時』は「ミス&ミスターコンテスト」が開かれたいたためか聴衆は高齢者ばかりで学生の姿はありませんでした。
⑤古代の柿は渋柿が多く、実自体も小さかったであろう。
⑥甘柿は奈良県御所市の柿がルーツで岐阜の瑞穂の柿(富有柿)や静岡県森町(次郎柿)も御所柿の子孫です。
⑦柿生王禅寺で発見され禅寺丸柿は不完全甘柿で平安末(1214年)発見された事から日本最古の甘柿と云われているが、完全甘柿としては御所柿が最古である。
柿は渋柿と甘柿の二種に分類される、甘い渋いの分かれ目は柿に固有の大量なタンニンが水に溶けるか溶けないかの差です。水に溶けると渋いし溶けないと甘いのです。
右の亀の甲羅はタンニンのソレです。左は多量のタンニンを活用した柿の材としての活用法です。日本文化は「侘び」「寂」と云われますが「渋」も加えたくなりました。
此れは渋柿が本来種でタンニンを蓄積出来ない完全甘柿とタンニンが水溶性の(不完全甘柿や不水溶性の不完全渋柿の発生する説明図。完全甘柿の代表種で伝統種が奈良の御所柿になります。
私にとって初めてであり、「眼から鱗」の教えは以下の通りでした。
①柿の学名は『Diospyros kaki』です。日本語が学名になっている果樹が多くあります。「椿」「ユリ」「アジサイ」「シャクナゲ」「ツツジ」等それです。柿をフランスでは「シャロン」、イタリアでは「PIPО」、スペインでは「カキ」です。
世界の柿の生産量は急増しています。ところが日本は伸び悩んでいます。日本の柿の活路はDNA
猿蟹合戦の「青い渋柿」「熟した甘柿」は猿が採った柿が不完全甘柿」であっただけの事で、近世初めには完全甘柿は珍しかったのでしょう。
日本での柿の生産量は頭打ちでヨーロッパが追い上げて来ています。
スペインやイタリアでの柿生産は活発化しています。何れも御所柿の子孫です。
②柿の品種改良は歳月がかかるので大変に難しかったのですが、最近は発芽した時点でDNA分析すれば、新品種の解析が行えるので、スピード感が出て来ました。(昔は新品種の確認の為に桃栗3年柿8年の時間を要していましたが、今は違います。
素晴らしい講座でした。感心して講師の山田教授の経歴を確認すると京大農学部を卒業し農林省果樹試験場に勤められ2016年から現職『日大生物資源科教授』に転じられて、果樹試験場時代にはシャインマスカットを造られたと記されていました。マスカットと云えば庶民には縁の薄い高額品で「千疋屋」や「高野」で箱入りの贈答品です。そのマスカットが私でも小遣いで口に出来るようになったのは山田教授の御努力の結晶なのでしょう。加えてシャインマスカットは皮が薄いので、丸ごと口に出来ます。山田教授は”もう70を過ぎてしまってこれからどれほどの事が出来ようか?”謙遜されていましたがマダマダ意欲満々、何れ巨大で果汁タップリの巨大甘柿が出来ると期待したいものです。
昔は品種改良は時間を要する作業でしたが新芽を解析するだけで新種の性格が解るので、時間の節約が可能になりました。
午後3時未だ気になる展示があったのですが愈々台風の気配が濃くなったので”家でシャインマスカットを食べようか!”笠をさして小田急六会日大駅に向かいました。街路樹の桂が葉を落として八丁味噌に似た芳香を漂わせていました。
日大生物資源学部キャンパスから小田急駅までの街路樹は桂です。樹木の選定も大学の理念の表現でショウ。
家に戻ってホットコーヒーと次郎柿とシャインマスカットでお三時にしました。
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