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  小笠原 少斎 ( せうさい ) (秀清)河北 石見 ( いはみ ) (一成)の両人、monclerダウンお台所まで参られ候。細川家にては男はもとより、子供にても奥へ参ることはかなはざる御家法に候間、表の役人はお台所へ参られ、何ごとによらずわたくしどもに奥への取次を頼まるること、久しきならはしと相成り居り候。これはみな 三斎 ( さんさい ) 様(忠興)秀林院様、お二かたのおん焼餅より起りしことにて、黒田家の森太兵衛などにも、さてこそ不自由なる御家法も候ものかなと笑はれしよしに御座候。なれども亦裏には裏と申すことも有之、さほど不自由は致し居らず候。
的に、 一層 ( いっそう ) 他人を俗にする事だ。小えんの如きはその例じゃないか? 昔から 喉 ( のど ) の 渇 ( かわ ) いているものは、 泥水 ( どろみず ) でも飲むときまっている。小えんも若槻に囲われていなければ、浪花節語りとは出来なかったかも知れない。
「もしまた幸福になるとすれば、――いや、あるいは若槻の代りに、浪花節語りを得た事だけでも、幸福は 確 ( たしか ) に幸福だろう。さっき藤井がいったじゃないか? 我々は皆同じように、実生活の木馬に乗せられているから、時たま『幸福』にめぐり遇っても、 掴 ( つか ) まえない内にすれ違ってしまう。もし『幸福』を掴まえる気ならば、 一思 ( ひとおも ) いに木馬を飛び下りるが 好 ( よ ) い。――いわば小えんも一思いに、実生活の木馬を飛び下りたんだ。この猛烈な歓喜や苦痛は、若槻如き通人の知る所じゃない。僕は人生の価値を思うと、百の若槻には 唾 ( つば ) を吐いても、一の小えんを尊びたいんだ。
「高が犬を一匹くれなどとは、お前も余っ程欲のない男だ。しかしその欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような不思議な犬をくれてやろう。こう言う 己 ( おれ ) は、 葛城山 ( かつらぎやま ) の 足一 ( あしひと ) つの神だ。」と言って、一声高く口笛を鳴らしますと、森の奥から一匹の白犬が、monclerダウン落葉を蹴立てて 駈 ( か ) けて来ました。
足一つの神はその犬を指して、

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