向日葵を忘れられなくて♥

シリーズ第2弾「向日葵を忘れられなくて供彜扱襪靴泙靴植

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
第1話から読まれる方はこちら
向日葵を忘れられなくて供 ‖茖横系


会計に向かおうとした時、ケンタは申し訳なさそうに顔の前で手を合わせた。
その仕草はまるでカヨそっくりで、かなり影響を受けている、とおかしくなった。

「すまん。俺金欠でさ。ここの会計は相談料って事で頼む!」

・・・相変わらずだった・・・

「俺が呼び出したからいいけど。でもお前、まだ競馬やってんじゃ?」
「まぁやってるけど・・・違うんだ。女と付き合うって金かかるよなぁ。
今日は金曜日だろ?明日から一泊で温泉に行くんだ。
何とか記念日だ。つって、忙しいのに強引に休み取らされてさ」
「明日早いって、仕事の事じゃなかったのか?」

嬉しそうな顔しやがって。カヨと上手く行ってるんだな♪

それまでは、女にお金をかける男を誰よりも馬鹿にしていたケンタだったから
この発言は、やっぱり大人になったケンタを感じさせた。



ご機嫌だった俺は、帰りのバスの中から住宅街の華やかなイルミネーションを
見て、思わず微笑んだ。
今までは羨ましかったけど、ユキコのいる今は結婚後に思いを馳せる。

俺達も結婚したらあんな風にしたいなぁ。クリスマスはツリーを囲んでパーティ♪
俺はサンタになって子供達を喜ばせるんだ・・・。

ケンタの彼女になった事もあるし、少し離れないとな。と思って、
最近連絡を取っていなかったカヨからメールが入った。

『今日ケンタと会ってたでしょ?ユウジに絶対言ってねって頼んだけど、
ちゃんと言ったかなぁ?心配なので念の為にメールしました。
4人でクリスマスパーティしよう!(聞いてたらごめん)ね?絶対だよ?』

ケンタとカヨにはユキコの事を紹介し、4人で集まる事もあるが、もう3人で呑む
事は無いのかもしれない。
少し寂しい気もするが、それも成長したと言う事だろう。

『聞いてなかった(笑)分かった。日にち決まったら教えてくれ。』

返事を送り、突然、マキの事を思い出した。

そういえば、サキはもう退院したのかな?パパの容態はどうなんだろう。
クリスマス・・・パパとも一緒に過ごせたらいいのにな。

おーっと。駄目だ駄目だ。考えるな。もう関係ないんだから。


アパートに着いて階段を登ると、自宅の前に人影が見えた。
ユキコかと思ったが合鍵を持っているから、中に入っているはず・・・


・・・

恐る恐る近づくと・・・振り向いた人は・・・

え?

ええ?

・・・・マキと赤ん坊・・・

ノォォ━<(゚д゚;)>━━ッ!!!!なんでーーー???


開く トラックバック(2)

第1話から読まれる方はこちら
向日葵を忘れられなくて供 ‖茖横僅


短い秋が終わり12月に入った。
離婚して、そしてユキコと付き合いだして、もうじき4ヶ月になる。
月初のユキコは、レセプト作業やカルテの整理で残業が続くので、その時期は
度々の訪問は遠慮し、日曜日のお昼すぎだけお邪魔する事にしている。
ユキコはもちろん、嫌な顔一つせず迎えてはくれるだろうけど・・・
疲労困ぱいでも笑顔を見せてくれるだろうけど・・・それが逆に申し訳なく思う
俺は、繁忙期が終わるまでは会いたい気持ちを抑える。

うちの事務長は頭が固いから、昔ながらのやり方を変えようとしなくて
電子化されたのが遅かったの。今までのカルテの処理が大変なのよぉ。

月初になるとユキコは珍しく愚痴を口にする。
本当にそうだ。俺の為にも、早く電子化して欲しかった。

そういう時はケンタを呼び出して暇つぶし♪マキとの事もまだ話していなかった。

イメージ 1


「お前、馬鹿か?」

「マキがさぁ」と言っただけで、ケンタはウンザリとした顔をした。

「あんな酷い目にあったのに、懲りない奴だね〜」

ケンタにまで馬鹿と言われるなんて・・・_| ̄|○

「まさかまた奴の名前を聞くなんて。お前が優しすぎるからだな。全く。
だから付け上がらせたんだ。相手に変に期待もたせるなっつぅの」
「だーかーら。もう一切連絡もしてこないし、逢う事も無いんだって。
折角報告したのに、そこまで言う事ないだろ!」

お前はホントに女にだけ優しい奴だ。とケンタの目が言ってる気がした・・・。

「まさか三回のエッチがここまで引っ張られるとは」

ホントに。もう二度と軽はずみなセックスはしませんとも!!

「謎なのはユキコなんだ。何か俺に言えない事がありそうで」
「解るなぁ。俺もカヨの事が時たま分からなくなる」
「訳を聞いても何故かはぐらかされるしさ」
「聞かない方がいいんじゃね?ユキちゃんはいい子だから、お前に気を
使ってるんだよ。幾ら恋人でも立ち入れない部分ってあるもんだって」

ケンタ・・・心の友よ・・お前と恋人の話が出来る日がくるとは・・・

ケンタに言っただけで心が軽くなった俺は、うんうんと頷いて煙草を手にした。
何度目かの禁煙に挑戦しているケンタも俺の箱に手を伸ばした。

「仕事が忙しくてさぁ・・・こういう時、煙草なしじゃなぁ」
「そういえば、CM見たぞ!・・・ちょっとセンス疑うけど・・・」
「だろ?俺もがっくり。期待してたのに。
俺の出した案の方が絶対良かったはずだ!」

ケンタの勤める大型スポーツ店は、初めてテレビCMを流すという事で
全社員からアイデアを募っていた。ケンタは張り切ってアイデアを練りに練って
ベスト10入りしたものの、そこで落とされた。

「でも曲のチョイスは最高だなぁ!あれって俺の思い出の曲♪」

厳密に言うと、ユキコと俺の思い出の曲。そのCMが流れた時、丁度二人で
見ていて、体がしびれる程感動したもんだ♪

「懐メロ、だろ?もっと流行の曲の方が良くないか?
まぁ悪くないけど。それにしても、アイデア考えてる時すっげぇ
楽しかったんだ。ちょっと仕事にやりがいを感じ始めたよ♪」

仕事の事は、いつも愚痴しか言わないケンタの明るい顔が、少し羨ましかった。

「つー訳で、疲れてるし明日も早いから、今日はお開きって事で」

珍しい!俺が帰ると言っても引き止めるのはケンタだったのに。

泥酔するとルパンになりきり、女性を不二子ちゃん呼ばわりし、そしてお触り。
最終的にはストリッパーになる、あの悪名高き変態ルパンの噂も最近聞かない。

一つ大人になったのか。


開く トラックバック(1)

第1話から読まれる方はこちら
向日葵を忘れられなくて供 ‖茖横杵


「ホント?!わー嬉しい♪私、ユウジのカレー、好きぃ♡
ジャガイモがゴロゴロで美味しいよねぇ♡」

昨夜の事を聞かれたくないから?と一瞬思ったが、違ったようだ。
きっとユキコも、いつまでもこの件を引っ張りたくなかったのだろう。

「そう?♡」

ユキコはやっとベッドから立ち上がり、下着姿でリビングへと向かった。
抜群のスタイルを拝めた事と、カレーを褒められた事で、単純な俺は昂揚感に包
まれた。高校時代のバスケ部の監督が名付けた通り、向日葵そのものだ。
存在するだけでパッと周りが明るくなる。こんな女性は二人と居ない。

「うわぁ!花まで買ってきてくれたの?ありがと♡」
「ね、ね、もう一回寝ない?まだ早いし、ささ、この布団にどうぞ」

振り向いたユキコは、再び布団に入って手招きをしている俺を見て噴出した。

「やだもう♡先にシャワーさせて」
「(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)ウンウン♡」



優しいユキコの周りには、俺を安らぎに導くマイナスイオンが溢れている。
丸い瞳もエクボも、尖った顎も綺麗な鎖骨も、スラっとした足も、俺だけのもの。
全てが愛しくて可愛くて、無くては生きていけない。
ユキコは俺にとっての酸素であり水であり・・・生きる源の全てだ。
悲しい過去を全部忘れるぐらいに、ユキコの人生を幸せで埋め尽くしてあげたい。
何のトラウマも、苦しみもない、二人だけの新しい世界を築きたい。

ああ・・・早く結婚したい・・・。せめて一緒に住みたい・・・。


昼飯にカレーを食べながら、俺は二度目のチャレンジをした。

「ユキコ、一緒に住もう?俺、もう離れて暮らすの嫌だよ」

また緊張したのか脇の下に汗を感じた。いや、きっと辛いカレーのせいだ。

「・・・」

Σ(・ω・ノ)ノ!何故黙る?しかも前は笑ったのに、うつむくなんてっ???

「いっいや。マキが部屋に居たろ?また来たら困るし、ね?」

また余計な事を・・・そんなのは言い訳にすぎないのに・・・_| ̄|○

「鍵はどうしたの?」
「送ってくれるって言ってたけど・・・」
「だったら大丈夫じゃない♪」

・・・何故だ・・・理由が聞きたいが・・・聞いちゃいけない空気が流れている・・・

「まっまぁいずれ結婚すんだし、いっか!あは・あはは」
「カレー、美味しい♡カレーだけはユウジに敵わないなぁ^^」

ユキコの抱えている問題を聞き出すすべを俺は知らないでいた。
その闇の扉の向こうには、一体何が隠されているのだろう。
俺がまだ未熟すぎるから、鍵を渡してもらえないのか?
無理にこじ開けようとすると、俺達の仲が壊れてしまう。そんな気がした。




その日を境に、まるで俺達の会話を見透かしていたかのように
何故かマキから、電話が入るようになった。
それはたまにではあったが、俺は不快感を隠せなかった。
鍵が届いたか確認?届きました!
パパの状態が少し落ち着いた?そりゃ良かったね。
・・・用件だけで終わればいいのに・・・
ママとの会話・・・気になるドラマ・・・どうでもいい事もベラベラと話しやがる。
サキがまだ退院していないから、パパのお見舞い以外の時間が相当暇らしい。
ユキコに優しくしてあげてと言われているから、仕方なく何度か相手をしたが、
暇つぶしに付き合わされては敵わないと、無視を決め込む事にした。
最初はユキコの気持ちを裏切るみたいで、少し罪悪感があったし、ストーカーに
でもなったらどうしようか?と思ったが、俺達の前にマキが姿を現す事はなかっ
た。次に電話が来たら携帯を変えようと思った時から、その気持ちが通じた訳
では無いだろうが、マキも俺の電話を鳴らさなくなった。
北風が勝った!と思っていた。


開く トラックバック(1)

第24話 過去 (TдT)

第1話から読まれる方はこちら
向日葵を忘れられなくて供 ‖茖横艦


「でも、マキさん可哀想ね・・・彼にも逃げられて、
パパがうちの病院に入院してたなんて・・・そりゃ鬱にもなるわ・・・」

俺はマキの父親の事を本人の前以外で「パパ」というのが
癖になっているらしい。ユキコにまで伝染してしまった。

「でも、もう俺には関係ない。今の電話は昨日の礼だった。
二度とかかわる気は無いよ」
「私も一時期酷い鬱状態だったの。だから、その辛い状況が分かるわ。
自分じゃどうしようも出来ないのよ・・・」

全くそんな面影の見えないユキコが、鬱の過去を持っていたなんて、
初めて聞く事だった。

「そんな・・・初めて聞いたよ・・・」

ユキコはギュッと布団を被りなおし、少し視線を下に向けた。

「だって言ってないもん。思い出したくないんだ、あの時の事・・・」

俺のせいなんだ。きっと・・・。
ああ、あの時に戻ってやり直せたら!
18歳の泣いているユキコを思いっきり抱き締めてやれたら!

「言っとくけど、ユウジのせいじゃないからね。
お爺ちゃんが死んじゃった後で急に来たの。自分でも不思議だった。
長い介護で疲れてたせいもあるかも知れないわ・・・」

それは俺への精一杯の気遣いなのだろう。
余りの慈悲深さに俺は危うく涙ぐみそうになった。

「私にはその時、力になってくれた人が居たけど、マキさんには誰も
居ないなんて・・・私、公認してあげるわ。ユウジ、力になってあげて?」

力になってくれた人。そのニュアンスに男の影を感じたが、俺に過去を嫉妬する
資格はない。聞きたい気持ちを胸に押し留めた。

「何言ってるんだよ?そんな事しない。ママがいるじゃん」

ユキコの優しさは、全く底抜けだ。
元から優しかったけれど、何度も悲しい出来事を乗り越えた分、
人の痛みが深く理解出来て、理不尽な事を許せる、俺とは段違いな人格者だ。
早くユキコに相応しい男に成長しなければ!

「駄目。じゃあ力にならなくてもいい。それは言いすぎた。(笑)
マキさんに優しくしてあげて。私はユウジを信じてるわ。
ていうか、私にベタ惚れだから浮気なんてしないって知ってるし♪」

見抜かれている。でも信じてくれているのが気持ち良い俺だった。
そういえば、ユキコが俺の浮気をよく疑ったのは、高校生の頃の話だ。

「もういいって、この話は。何か他の事話そうぜ?」
「あのね、正直に言うと心配な部分もあるの。
今のマキさんに、ユウジが冷たくすると逆効果になりそうで・・・。
余計かたくなになる気がする。北風と太陽のお話みたいにね」

旅人のマントを脱がせたのは、強い北風ではなく、太陽の光だったという話。
北風が冷たい風を吹けば吹く程、旅人はマントを手放そうとしなかった・・・

冷たくすればする程、かたくなに?
冷たくする→鬱状態が酷くなる→また俺に頼ろうとする→冷たくする→・・・・・
そんなの嫌だぁぁぁ!!!ヾ(`Д´)/

「ユキコがそこまで言うなら、そうするけど。
でも今度こそ、電話してこないと思うよ。ユキコの事も言ったしね」

早く違う話題を!と考えると、丁度良いタイミングで昨夜の謎を思い出した。

「そういえば、ユキコは昨日何処行ってたんだよぉ。
俺、ケーキ買ってカレー作って待ってたのに」

話を変えた事に抗議をするかと思ったけれど、
ユキコは不自然な程の明るい笑顔を俺に向けた。



第1話から読まれる方はこちら
向日葵を忘れられなくて供 ‖茖横穫


電話を切った後、シーーーーンとうるさいぐらいに部屋中が鳴り響いた。

まだ俺・・・嘘ついた事、告白してないよね・・・

「ふーん」

Σ(-д-iii)
なんでしょう?その冷たい声・・・怖くてユキコの顔が見れません・・・

「日曜日の朝っぱらから電話かぁ・・・7時だよ?まだ」

思わず見た壁時計は、7時丁度だった。
Σ(・ω・ノ)ノ!
ホントだ!マキってば、なんて時間に・・・ってか、恋人が居るっつったのに!
二度とかけてくるなっ!・・でも寝られなくて・・・って言ってなかったっけ・・・
( ゚д゚)ハッ!マキの事は考えるな。今はユキコの事だけ考えろ!

「今のは・・・今のはさ、前の奥さんなんだ」

いや、これは逆にチャンスだ。と昨日の筋書きとはかなり違うが、真実を言った。

「前の奥さんがどうしてこんな時間に電話してくるの?」
「これが、ユキコに話があるって言った事なんだ!
いきさつを全部話すから聞いて欲しい・・・」

俺はベッド脇に再び戻り、布団の上に正座をした。そしてベッドの上に下着姿の
まま座ったユキコを見上げ、苦い気持ちで嘘を白状し、真実を告白した。
出産に立ち会った事も、気絶してしまった事も、その時にネクタイを忘れた事も
マキの失踪も、俺の家に居た事も、産後の鬱状態だと言う事も、パパの事も・・・
勿論戸籍の事も。もう嫌だった。全て話して、黒い腹の中を真っ白にしたかった。

「俺が悪かった!とっさに嘘なんかついちまって、後悔してる!」

頭を下げた俺をユキコはケラケラと笑った。

「苦しゅうない。おもてをあげぃ!」

お・怒ってらっしゃらない?ヨカターヨ・゚・(ノД`)・゚・

「いいよ、もう。そんな泣きそうな顔しなくても」
「・・・本当にごめん・・・」
「私、怒ってないよ?私の事を思ってついてくれた嘘だもん」

絶対に怒られると腹をくくっていたが、俺の考えすぎだったのだろうか。
マキも、俺は戸籍の事を散々悩んだが、あっさり了承。女って良く分からない。

いや、ユキコは天使なんだ。それとも女神様?観音様の生まれ変わりかも?

「正直に話してくれて、ありがとう。その勇気が嬉しい」
「ホントに怒ってないのか?」

にこっと笑ったユキコは寒かったのか、オレンジ色の布団を体に巻きつけた。
ユキコは、ピンクよりもオレンジや黄色を好む。まるで自分のシンボルの向日葵
が誇らしいかのように。それも俺の好きな所だ。

「とっさに嘘をついちゃう気持ち、分かるもの・・・嘘って苦しいよね」
「こんな思い、もう二度と嫌だ」
「ユウジって顔で全てを語るよね。何考えてるのか、すぐにわかっちゃう」

自分ではポーカーフェイスのつもりなのですがw

「一昨日も目がバシャバシャ泳いでたから『絶対何かある』って思った。
嘘から尻尾がでてますよ〜って教えてあげたいぐらいだった。ふふ♪
自分から言いたくなるように、わざとシカトしてみたんだよね」

こんなに情の深い女じゃなかったら、俺はとっくに捨てられてる。

「出産に立ち会った事はちょっとショックだけどさ」
「ごめんよ!><俺ってマジ馬鹿だよね」
「でもユウジは血が駄目だから、私が出産の時に気絶しないように
先に心の準備をしてくれたんだ、って思う事にする」
「ありがたきお言葉・・・(TдT)」

怒りとか恨みいう、汚い感情を母親の胎内に忘れて来たみたいなユキコを俺は、
心から尊敬する。でもこれ以上、俺を甘やかさないでくれ。とも思った。




.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事