向日葵を忘れられなくて♥

シリーズ第2弾「向日葵を忘れられなくて供彜扱襪靴泙靴植

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向日葵を忘れられなくて供 ‖茖毅穫


ユキコのお陰で綺麗になった車に乗り込むと、彼女はピンク色の携帯を開けたり
閉めたりして、言おうか言うまいか、少し迷ったそぶりをして、ようやく

「あの・・・さっきカヨちゃんからメールが入ったの。
『クリスマスパーティ、どうすんのよ?』って。
どうしようか?ねぇ?こんな時に」

と言った。でも、その言葉尻には「するよね?」という期待が込められている。

「あはは。ユキコと連絡ついたってメールした時、激怒のメール
入って来たけどなぁ。もう許してくれたのかな」
「いい友達だよね♪」

本当にそうだ。俺って、なんだか凄く恵まれてる。

有り余るお金も、地位も名声も無いけれど、人に恵まれている。
『幸せ』という基準や定義なんて難しい事は分からないけれど、
改めて振り返ると、今の自分は上出来だと思えた。

「パーティしようぜ?つってもいつもの飲み会だけどさ。
これ以上カヨ様を怒らせたら、怒鳴り込みに来るかもよ」
「分かった!じゃ、メールするね♪」

ユキコは、どう思ってるだろう。俺と居て幸せだろうか?

アクセルを踏みながら助手席をチラっと見ると、一件落着と言いたげな顔でメール
を打っているユキコが居た。エクボを窪ませた明るい表情を見ると、考えるよりも
先に聞かずに居られなかった。

「ユキコ、今、幸せ?」

俺を見て、一瞬キョトンとしたユキコは携帯を閉じ、にっこりと頷いて言った。

「幸せだよ。ユウジが太陽みたいに暖かい人だから」

その微笑みは、俺の幸せ度を倍以上に膨らませた。

「やっぱり向日葵には太陽が無いとね♪」

居るだけで俺を幸せにしてくれるユキコ。
こんなに可愛い事を言うユキコ。
今まで幸薄かったユキコ。
これからは誰よりも、幸せを感じて欲しい。
その為に俺は汗を流し、我武者羅に努力する。
そうする事で、頼りない俺がやっと一人前の男に成長するような気がした。

今なら。
人の痛みや、哀しみが少しは分かるようになった今の俺なら。
ユキコを幸せにする資格があるんじゃないか?

急に体の中心に一本の太い芯が通ったのを感じた。
まるで眠っていた、侍魂が目を覚ましたみたいに、熱い血がたぎる。
不甲斐ない自分を変えたいと思ってはいても、どうすれば変われるのか。
その肝心な所が分からずに居た。けれど、その端くれを今掴んだと思った。

「俺、ユキコをもっともっと幸せにするから」

軽く聞こえないように言ったものの、その言葉が妙に恥ずかしくなった俺は左手を
伸ばし、愛しいショートカットヘアをグシャグシャとかき乱した。


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