向日葵を忘れられなくて♥

シリーズ第2弾「向日葵を忘れられなくて供彜扱襪靴泙靴植

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向日葵を忘れられなくて供 ‖茖毅杵


終電に間に合うように、ケンタとカヨとは別れた。
週末という事もあり繁華街はまだ賑わっている。
その人の波をかきわけて駅までの道を二人で歩き始めてすぐに、
ユキコが聞きたい事があると言った。

「田舎でお婆ちゃんと何話してたの?ユウジ言ってくれないんだもん。
ずっと気になりつつ、聞けなくて・・・」
「ん〜。結婚してから言った方がいいのかな?って思ってたんだ。
お仏壇を返して欲しいんだって」
「お婆ちゃんったら。私に言っても聞かないと思ってたのね」

ユキコが明るくケタケタ笑ったので、承諾したと取れた。

「ユウジ、お婆ちゃんに気に入られたね♪前の旦那なんて・・・」

うっかり前の旦那の話なんてしちゃった、と言いたげに話を止めようとしたので
俺は続きを促した。ヤキモチなんて微塵も感じなかった。

「前の旦那さんの事、お婆ちゃん凄く嫌がってたから。良かった♪」
「ホントに?嬉しいなぁ♡」

ユキコと俺の繋いだ手の力が少し強くなった。

「お父さんとお母さんも、ユウジが相手でホッとしてるだろうなぁ」
「マジで?本当はあんな奴で大丈夫か?って思ってるかも」
「大丈夫!高校の時、気に入ってくれてたじゃない?」
「そうだけど。結婚となるとまた話は別かも・・・」

また弱気な俺が顔を出した。相変わらずだ。人間、そんな急には変われない。

「バツイチ同士で色々あるけど。ううん。あったけど。
私はユウジじゃなきゃ無理。だからしょうがないって思ってくれてるって」
「しょうがない?何だよそれ」

とは言いつつも、その台詞が嬉しい俺はニヤけているはずだった。

「ユウジって何処かお父さんと似てる。だから一緒に居て安らぐの。
カオリがあんなに懐いたのも、きっとそれが理由じゃないかな」

そうなのかな?企みがあったみたいだけど・・・w

カオリちゃんの事はともかくとして、ユキコの父親と俺が似ていると、お婆ちゃんが
言った事を思い出した俺は、少々照れながらまたユキコの手を強く握った。

「何処が似てるんだろ?自分じゃわからないなぁ」

ユーモアに溢れていつも笑っていたあのお父さんと、似てるなんて光栄だけれど
恐縮でもあった。密かに憧れていた人だったから。

「こんな事言うとファザコンみたいで恥ずかしいけど、ちょっと似てる。
凄く優しい所とかね。私、お父さんに怒られた記憶が無いんだもの。
小さい時、お父さんと結婚したいって思ってた、お父さん子だったの」

こんな事を娘に言ってもらえるお父さんって素敵だ。と改めて憧れた。
こんな事を言えるユキコも素敵だ。

「お父さんの代わりにでも何にでもなる!俺頑張る!」
「そのままでいいよ。そのままのユウジでいいの」

ユキコの発する言葉の一つ一つに、愛を感じた。

「今思えば・・・お父さんとお母さんってロマンチックよね。
死ぬ時まで一緒だったなんて」

今まで二人の間に流れていたほんわかとした空気とは、全く似合わない『死』
という重い響きに、俺はただ戸惑い言葉を探した。

幸せな気分の時でも、ユキコは死の事まで考えているのかな。

「だったら俺達も一緒に。ただし・・・老衰で」
「そんな上手く行く?」
「愛があれば、何だって可能だ!俺は奇跡を信じるぞ」

もしも、ユキコと再び逢う事の無いまま死を迎えていたら、俺の魂は後悔だらけ
だっただろう。心の底から命のありがたさを感じた。



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