今朝は道路が渋滞して、京阪電車が真横を走って行った。
いつも何気に見ている電車を、じっくり見てみた。

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子どもの頃は、近鉄電車をいつも見ていた。
京阪電車を毎日見て、もう40年近く経つ。子どもたちを毎日電車を見に連れて行ったなあ😋

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三、小文吾、大暴れ

人相の良くない男たちだ。
十手をかざして、叫んでいる。
代官所の御用を務めていると言えば聞こえがいいが、お上の威光をかさにきて良民を苦しめている、飢えた狼のようなならず者たちである。

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ひときわ凶悪無残な顔をした、親分らしき男が進み出ると、十手をひけらかすように振りながら言った。
「お前らの話は、残らず聞かせてもらったぜ、犬塚信乃、並びに犬飼現八。お前さんたちの首には、恩賞がかかっているんだ。生死に関わらずな。だから、手向いすれば、遠慮なく叩っ切るぜ。命が惜しかったら、おとなしくお縄につくことだ。もっとも古河に連れて行かれても、どの道そっ首叩き切られるだろうがな。」
信乃はよろよろと立ち上がった。

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手傷さえ負っていなければ、こんな男たちの十人や二十人
叩き伏せるのはわけもない。だが今は自分も現八も手傷を負った上、疲労困憊、たつのがやっとの有様である。
切り抜けることは、まずできまい。だとしたら、縄目の恥を受けるよりは、ここで華々しく戦って切り死にしようと、思い定めたのである。
すると現八が言った。

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「早まるまい、信乃殿。この場はこの大男に任せましょう。」
もちろん、大男とは小文吾のこと。
「ま、そういうことだ、信乃さん。あんたは、そこでゆっくり見物しておくんなせえ。」
そう言うと小文吾、巨体に似合わぬ身軽さで、舟からひらりと飛び降りた。そして、水際に落ちていた大人の胴回りもありそうな倒木を拾い上げ、頭上でびゅんびゅん振り回しながら、ならず者たちに言った。

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「この犬田小文吾に手向かうとは、おめえら、いい度胸だな。さあ、命が惜しくなかったら、かかって来な。」
ならず者たちは、小文吾の怪力ぶりにしばし唖然としていたが、もとより命知らずな無頼漢たちである。
「くそ!」
と声をそろえ、飛び込んで来た。
倒木が振り下ろされ、降ろされたかと思うとさながら燕返しのように、宙に跳ね上がり、跳ね上がったかと思うと、今度は横に飛ぶ。

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その動きの素早いこと。大人の胴回りもある木が小枝のように、軽々と舞うのだ。
あっと言う間にならず者たちは、ひとり残らず叩き飛ばされ、地に這った。
「やれやれ、面倒をかけおって。」
小文吾は倒木を放り投げ、手についた砂を払い落すと、草むらの奥に手早く穴を掘り、ならず者たちの死体を埋めた。しばし手を合わせて瞑目すると、信乃たちに言う。
「こんな所に長居は無用。手前の家に参りましょう。先ほども申し上げたように、手前の家は古那屋という宿屋。さほど広くないにしても、潜伏するにはうってつけ。また、父の文五兵衞はせがれのあっしが言うのも何ですが、なかなか男気のある男。身に代えても、あんたたちをかくまってくれるはず。もっとも、あっしと現八が義兄弟である事は、よく知られているから、いずれ目はつけられるでしょうが、とにかく傷ついた体を休めることが先決。さ、行きましょう。」
小文吾は、手負いの信乃と現八をかばいつつ、葦の茂み、木々の陰を選んで、古那屋へ向かった。

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歩きながら、現八に聞く。
「お前、信乃さんが誰かに似ていると思わないか?」
「ああ、房八殿にだろ。芳流閣で刃を交えた最初の時に、そう思った。一瞬、これは山林房八殿ではないか、とな。もっとも、房八殿がいくら義侠の徒であろうと、ひとりで関東公方の御所に殴り込みをかけるほどの、暴挙をするはずがないと思ったがな。」
小文吾は信乃を振り返り
「房八というのは、手前の妹ぬいの夫なんですよ。」
と説明した。
信乃は黙っていた。房八と聞いても会ったことがないのだから、興味がわくはずもない。この信乃と房八が似ていることが、やがて信乃の運命に大きく関わってくるのだが、そんなことは知るよしもない信乃なのである。
ところでこの時、木の陰に隠れて一部始終を見ていた男がいた。
海で働く者らしく、赤金色に塩焼けした男である。
男は小文吾たちの後を見え隠れについて行き、三人が
古那屋に入るのを見届けると
「これは大変な事になった。早速犬江屋の旦那に知らせなくては。」
と呟いて、走り出した。
「旦那、旦那、船主!」
男は海岸を見下ろす一角にある、大きな屋敷の中に飛び込んで行った。
そこが船主、船を何艘か持っていて荷物を運び、それを商売にしている犬江屋の屋敷らしい。


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彼岸花は私の小さい頃は、「蛇のかんざし」と呼ばれて、そのネーミングからして、なんか触ってはいけない花というイメージだった。
こうして見れば、たくさんの花が集まってひとつの花を作るような形態と、燃えるような赤。
きれいな特徴的な花だ。


彼岸花 寄り添って咲く 庭の隅

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これは中村さんと親しい夫婦の、若い時に体験した話である。
中村さんとこの夫婦は、北海道に住んでいた。
Bさん夫婦が、まだ結婚前の20歳くらいの時、夜、支笏湖へドライブに行った。

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支笏湖の周りの道を走っていると、後ろの車がしつこく煽って来た。

嫌なヤツが来たなあ。

Bさんは苦々しく思っていた。

先に行かせようと左へ寄ると、後ろの車も左へ寄る。
どうやら、追い越したい訳ではなさそうだ。

これは、車を止めて話をしないとダメだな。

Bさんは思った。しかしBさんはケンカには、からっきし自信がない。
そうこうする間に後ろの車が、Bさんの車の横にピッタリ並んで来た。
運転手が何か手まね身振りで言っている。
「何か言ってるよ。」
助手席の彼女が言った。
Bさんは車のウィンドウを開けた。
すると相手もウィンドウを開けて

「あんた、ヤバイよ。あんたの車に…、ヤバイって、ヤバイって!」
そう言うと、サーッと追い越して行ってしまった。

…?

Bさんは訳がわからず、首をかしげた。

少し走ってから、Bさんたちは車を止めて、自販機で缶コーヒーを買った。
Bさんが車の近くに立っている彼女にコーヒーを渡して、自分も飲み始めた。
すると車の方を向いた彼女が、手に持った缶コーヒーを下に落として

「キャーッ!」

と悲鳴を上げた。
Bさんが驚いて車をみると、車の屋根の上に手形がついていた。
細かい砂ぼこりが付着した車の屋根から、後部バンパーまで、ふたつの手形が一直線に伸びていた。胴体が乗った後はどこにもない。手のひらだけで、車に手形をつけたとしか思えない。
後ろの車の運転手には見えていたのだ。
屋根の上にいた何かが。

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「ごめん!」
信乃は震える手で現八のほお当てを取ると、
「やはり…。」
「どうなさったんで?」
「ご覧下さい、この牡丹の花の痣。」

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確かに今までほお当ての下に隠れていたが、現八の右の頬下やや見えにくい所に、くっきりと牡丹の花形の痣がある。
「わたしも、同じ形の痣があるのです。」
「そうですかい?」
小文吾は驚かなかった。

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「こんな痣のある人間くらい、いくらでもいますぜ。」
と、小文吾が言ったのには訳があるのだが、信乃は気がはやっていたので耳にも留めず、
「その身投げしようとした人、つまり現八殿のお父上、糠助という名だったはずですが?」
と聞いた。
今度は小文吾が驚いた。
「確かに糠助。だが、どうしてもそれを?」
「その糠助さん、わたしの知り合いなのです。」
信乃は小文吾に、かいつまんで事情を話すと
「それにしても、よりによって一騎打ちの相手が、その糠助さんの息子だったとは!」
と嘆き、腰の小太刀を抜き放った。
「おっと、信乃さん、どうなさるつもりで?」
「知らなかったとはいえ、糠助さんの子と戦って、わたしだけが助かったとあっては、あの世の糠助さんに合わせる顔がない。もし現八殿がこのまま息を引き取るなら、直ちに後を追って、泉下の糠助さんにお詫びするつもりです。」
今にも腹を切りそうな勢いである。すると
「ご安心下さい、信乃殿。」
犬飼現八が目を開け、起き上がった。

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「ほお当てを取って頂いた時、すでに気を取り戻していたのでござるが、おふたりの話を聞きたくて、目を閉じていました。欺くようで気が引け申したが、かねてより実父に事を知りたいと願っていたもので。失礼の段は平にご容赦を。改めて名乗り申す。それがしは、犬飼現八信道。」
そう言うと頭を下げたが、見るからに生真面目そうな顔が、糠助によく似ている。小柄なところも親ゆずり。ただ、顔も体つきも、糠助に比べればずっと引き締まっている。
「ところで、犬塚氏、お手前、それがしと同じ痣があるとか。誠に不思議な暗号。卒時ながらお見せ頂けまいか?」
「お安いご用。ご覧下さい。」
信乃は腕まくりして、左腕の痣を見せると、今度は懐から珠を取り出した。
「現八殿、あなたもあなたもこのような珠を持っておられるはずだが。」
現八が生まれたお祝いに魚を捕りに行ったところ、鯛が釣れその腹から<信>の字が浮かび上がって見える珠が出て来たと、糠助が言っていた。
現八は、首にかけていたお守り袋の中から、珠を取り出した。

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確かに字こそ違え、同じ珠である。
小文吾も珠を見ていたが
「なるほど。現八、おめえ、こんな物を持っていたのか。守り袋の中まで見たことはなかったから、知らなかったが。俺たちはやはり、義兄弟になるべくしてなったんだぜ。」
「どういう事だ、小文吾?」
「おめえと俺とは赤ん坊の時、同じ乳を飲んだ仲。せいぜいひと月で、おめえは養父の見兵衞殿に引き取られて、古河へ行っちまったそうだが、元服して見兵衞殿と古那屋を訪ねて来てくれた時にゃ、そんな隔たりはすっ飛んじまってたっけなあ。以来、義兄弟の契りを結んだ訳だが、しかしどうやら俺たち、もっと深く前世からの宿縁で結ばれているらしいと言ってるんだ。いや、おめえとだけじゃない。この信乃さんともな。まあ、見ねえ。」
そう言うと小文吾、いきなり、ふたりにくるりと背を向け、着物の裾をまくった。
むき出しになった小文吾の腰のあたりを見て、信乃と現八が異口同音に叫ぶ。
「あ、その痣!」
小文吾にも、信乃の腕や現八の頬にあるのと同じ、牡丹の花の痣があったのだ。

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「それだけじゃねえぜ。」
小文吾が、無造作に懐から取り出したのは、もう言う必要もあるまい。珠。<悌>の珠。

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現八は三つの珠を見比べると
「字こそ違え、同じ珠と痣を持つ、我ら三人確かに不思議な縁で結ばれているようでござるな。」
すると、信乃が言う。
「いえ、三人だけではありません。大塚でわたしの叔父蟇六の下人をしている額蔵という者、誠の名を犬川荘助といって、<義>の珠を持っています。」

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「それなら、まぎれもなくその荘助さんも、我らが仲間。」
小文吾が言えば、現八もうなづく。
荘助はその頃、主人蟇六夫婦の仇を討ち、代官所の牢に入れられ、処刑を待っていた。だが、古河へ向かう時別れたきりの信乃は、そんなことは知らない。
早く、その荘助殿に会いたいものと、三人がしゃべっていると、突然、葦の茂みの間から、四、五人の男たちがぱらぱらと飛び出して来た。
「御用、御用!」

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