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越後の古湯、大湯温泉をたづねた。山あいの奥只見湖の観光を兼ねている。いつまでも続く長いトンネルを抜けると一気に視界が開けた。その昔、銀の発掘でにぎわった銀山平というところから観光船に乗った。南に高山が聳え、その向こうは尾瀬沼である。紅葉の最盛期には少し間があると見えて観光客の姿もまばらだ。
よく晴れた秋の陽がまばゆく湖面に散って、深山の霊気がしずかに湖面を渉っていく。長いお付き合いの女友達と逢うことになっている。そのことを想っている。 校舎の窓ガラスに晩秋の陽が滲んでいる。あのひとが好きだといったショパンのピアノ曲が聞こえてくる。駅のホームで立ち止まり、小さく別れの手を振った白い横顔がおぼろに霞んでいた。
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