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あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
トルストイ作アンナ・カレーニナ ←あらすじ
 
 
 
メインは、恋を知った人妻アンナの破滅の恋物語です。
それだけを描いても、それなりの意味を持ちますが、
地味に実直に生きる夫婦を影のように描くことで、教訓的な意味も併せ持つ作品です。
 
 
教訓も良いのですが、私個人としては、
アンナが恋に破滅していくことに対して
だから不倫はダメなんだよという倫理のブレーキでなく
そのようにしか生きられなかったアンナに、自分の女性性を重ねながら
同類あい憐れむという気持ちで、涙したい作品です。
 
 
今回のアンナ・カレー二ナは、
アカデミー賞美術賞ノミネート、衣装デザイン賞受賞ということで
美しさは絶品です。
 
 
舞台劇を想定した演出には、違和感もあるかもしれませんが
アンナという女性の、めくるめく人生は、まさにスポットライトの当たる舞台!
彼女が突き進み、悩み、仕出かしてしまう出来事には
私たちは、ただただ観客として傍観し、感激するほかない……
と言うには、ふさわしい演出なのでしょう。
 
 
舞台ついでの演出と言いますか
ダンスや、作業など、ところどころ
作為的な“型”を意識した動き方には、目を引くでしょう。
 
 
アンナは、夫と子供がいるのに不倫した自分勝手な女、と言ってしまえばそれまでですが
初めて恋を知った女性の、止めることのできない恋心は
当然、肯定できるものではないことを踏まえて
そんな恋にめぐり会えたことが、幸でもあり不幸でもあることを
(女性は特に自分の)痛みとしながら見ることに、
この作品は、意義があるのではないかと思っています。
 
 
主演のキーラは、華やかで悲しくて、良かったと思います。
 
 
ただ、(好みになると思いますが)
愛人役のアーロン・テイラー=ジョンソンも、色男の魅力は無くもないですが
 
 
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ジュード・ロウの夫を差し置いてまで、不倫に走るかな……
などと思ってしまうことをお許しください^^;
 
 
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1997年のアンナ・カレーニナ
ショーン・ビーン演じたヴロンスキー伯爵は、ホント、適役だったな〜と思うので
ちょっと、アーロンには厳しくなってしまうのです……
 
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夫の優しさが、うっとおしく思うのは、
思い通りにいかない彼氏への想いに、渇しているから……
 
 
すごく好きでたまらない人に出逢えたことは、生きる歓びが与えられたようなもの。
けれど
恋愛のトキメキは、生活の一部にとどまらず
人生のすべてを侵食し、やがて、前にも後にも進めずに、命をも奪うものになる……
 
 
そんな壮絶さを、『アンナ・カレー二ナ』に求めるとしたら
もっともっと、悲壮感をこみ上げても良かったかも……
(過去作品のほうが、悲惨な印象があります。)
 
 
キーラも映像も美しい分だけ、もっと狂おしい苦悩を見せてもいいと思ってしまうのは、
贅沢でしょうか…….
 
 
美しい絵巻になっている今作は、毒気を抜いて、
より視覚的なエンタメを狙ったのかもしれません。
 
 
 
 
 
追記)
なぜ、舞台のような演出をしたかについて……
オーランド・ファイジズ(『囁きと密告』の著者)いわく
この時代=19世紀のサンクトぺテルブルクの貴族は
人生を舞台の上で演じているかのようだった――
監督は、そのコンセプトでこの演出をされた旨、立田敦子さんの記事を拝読いたしました。
違和感もあるかもしれませんが^^;、斬新でしたね。
 
 

 

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