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あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
第二次世界大戦下のフランス。
3人の息子が戦死した母親が気の毒だとの上官の命令で、
末っ子の二等兵(=プライベート)ライアンを戦地から探し出して、
生きて、アメリカに帰還させる任務を負うことになった、ミラー大尉と部下たち。
 
 
え?ライアンだけ特別ですか!??   と言う感じなのですが……^^;
 
 
戦争を扱った作品には、戦争を背景として、人物の物語を見せるものもありますが
この作品は、戦場でライアンを探し出す行為を通して、戦争そのものを見せつけながら
とても思うところの多い、ドラマチックな作品でした。
 
 
名作なので、今更なのですが、
▼〜▼ 雑感のべます。
 
 
▼▼▼
 
1つめ。
 
上層部も人の親なので、子供が3人も戦死した母親の元に、
末っ子(ライアン)は生きて還してあげようと思うのは人情で、
だから、ライアン二等兵を戦場のどこかから捜して来い、と命令する状況もわかります。
 
 
ですが、現場は大変なんです。
命令を受けた部隊は、戦地を捜すわけなので、自分たちも死ぬかもしれない。
なんで、ライアンだけ捜して帰還させるの?と思うのは当然のこと。
そのために出た犠牲はどうなるのか?と。
 
 
似たケースがありました。
ある上官を守るためにした装備が不都合を起こし、結果、
数名の部下まで死ぬことになってしまった現場に、ミラーらは遭遇します。
そのとき、思うのです。
 
 
――1人を救うために、何人もが犠牲になる――
 
 
ライアンを帰還させるのは、一見、美談のようで、周囲への影響を冷静に見せてくれる。
けれど、その納得のできなさが、戦争の理不尽さなのでしょうね。
 
 
2つめ。
 
 
これも、戦争の理不尽さなのですが……
 
 
ドイツ兵とのシーンが、よく物語っていました。
 
 
仲間のアメリカ兵を撃ち殺したドイツ兵も、命令で戦っているだけ。
話してみれば、アメリカのガムが好きな、普通の青年です。
報復したい部下たちを抑え、ミラーは、彼を逃がします。
ドイツ軍に戻れば、また攻撃するとわかっていても、彼一人を殺したところで、
戦争の大元は変わらない
 
 
案の定、ミラーたちが、ドイツ兵たちと、再び戦場で出くわし
あのドイツ兵は、逃がしてくれたミラーを撃ってしまうのも、予想どおりかもしれない。
もちろん、恩を仇で返したわけでなく、戦争だから、ということ。
 
 
でも、その前のシーンが、切ないのです……
 
 
そのドイツ兵は、捕虜になったときに、親しく会話したアメリカ兵を見つけ
戦闘中なのに、まるで旧友に会ったような、
やあ!という明るい感じで、呼びかけるのです。
引き金を、引かざるを得ない状況にいるのに……
だから、銃撃戦が待っているのに…………
 
 
戦争は、争わなくていい者同士を、争わせ、
憎まなくてよい人を、憎ませ
死ななくてもよい人たちを、死なせる………
 
 
部下たちが、命がけで見つけたライアンに、
ミラーは「命を無駄にするな」と言い残します。
 
 
▼▼▼
 
 
そんなライアンのラストシーンは、冒頭にも呼応して、とても重厚です。
いくつもの命を背負って、生かされてきたライアン…………
子供や孫につながった命の中にも、
ライアンを生かしてくれた者たちの魂があるのかな、とも思えてくる…………
 
 
戦争映画には、少なからず、戦争の不条理を感じますが、
ただ、戦争反対映画と思うだけではもったいないと、思っています。
 
 
自分では、生死をどうすることもできない状況にあるときでも
人は、理不尽に思う気持ちに、どう始末をつけ
どう行動して、納得するか……
 
 
この作品には、そんなことを思いました。
名作です。
 
 
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