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この話は、ある田舎町のタクシー運転手の健二さん(仮名)のお話。
健二さんはこの日の勤務時間を終えたので、本社に戻ろうしていました。
帰り道、道にお客さんが手を上げていました。
手を上げていたのは女性で、髪が長く、いかにもってかんじ。
「めんどくせぇーなぁ・・・」
そう思いつつも、しょうがないのでお客さんを乗せました。
「どこまでですか?」
するとそのお客さんは、
「鬼哭山(きこくやま)まで」
健二さんは驚くと同時に、嫌な予感がしました。
その地には、鬼哭山という山があるのですが、そこは地元のタクシー運転手の中でも悪い意味で有名で、「絶対に行ってはいけない」といわれる場所でした。
健二さんはとても怖かったのですが、これも仕事なのでタクシーを動かしました。
タクシーを走らせながら、健二さんはバックミラーで、後ろのお客さんの様子をうかがっていました。
お客さんは、ずっと下を見ていました。
それに髪が長いので、目すら見られない状態でした。
15分後、鬼哭山のふもとまで来て、タクシーを止めました。
「お客さん、ここまででいいですか?」
するとそのお客さんは、ある薄暗い道を指さし、
「あそこに行け・・・」
と、低い声で言ったのです。
健二さんは戸惑いましたが、しょうがなくタクシーを走らせました。
薄暗い林道だったのですが、建物や人はもちろん、街灯すらないので、車のライトだけが明かりでした。
健二さんは今にも逃げ出したいぐらい恐く、足が震えていました・・・
ふと、バックミラーをみると、さっきまで乗っていたお客さんがいないのです。
(あれ・・・?)
バックミラーから、視線を前に移すと、首をつっている女性がタクシーの前に現れました。
それはさっきのお客さん。
すると、お客さんは口を開き、
「(私の遺体を)見つけてくれてありがとう・・・」
といいました。
その瞬間、健二さんの叫び声が、暗闇の鬼哭山に響き渡ったのでした・・・
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