星子シリーズ妄想計画実施中!

コバルト文庫山浦弘靖先生著・星子ひとり旅シリーズで滾る毎日。2016年もよろしくお願いします。

【真夏の夜のシンデレラ】

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7

宙太「さぁ、お手をどうぞプリンセス」

宙太はいつもの笑顔で星子の手を取り、庭園のベンチまで星子をエスコートする。
星子をベンチに座らせると庭園に咲き乱れている薔薇を手で触れながら星子に話しかける。

宙太「君は僕と出逢わなければよかったのかもしれないね」

星子はその宙太の言葉を聞き、一瞬止まってしまう。

星子「あ…そう、そうですよね!よく考えてもみれば会長さんと出逢ってから何かしら騒動に巻き込まれちゃって、平穏な学園生活をまだ味わったことなんてないし、会長さんが卒業するまで大人しく傍にいれば日本一周旅行をいただけるっていう約束も、今までの苦労を考えてみればやっぱり割りにあってないというか…そうだ!追加で日本の名産品をぜーんぶもらう約束とか…あ…」

星子は喋りながら自分の頬にツゥーっと1粒の涙が流れているのに気がつく。

『私…泣いて…』

頬につたう涙をぬぐう星子を宙太は愛おしげに見つめていた。
 
宙太「旅行もお土産も全て君にあげるよ。君との約束はかならず守るさ。だから星子さん」
星子「…はい」
宙太「僕のハニーをやめてほしいんだ」

星子は宙太の言葉を聞いて俯いた。そして俯いたままで宙太に怒り始める。

星子「…嫌…嫌です!嫌よ!!そんなに簡単に約束を叶えてもらいたくはないわ!それに今まで私に散々迷惑をかけてきて今更出逢わなければよかったですって?!私は会長さんが何を悩んでるのか知らないし、いきなりハニーを解消してほしいっていう理由も分かりません!けど1つだけ分かるのはあなたが自分勝手だということよ!どうしていつも自分で何もかも背負おうとするんですか!あなたの周りにはあなたを大切に思ってくれている人が、助けてくれる人がたくさん居るのに!自分が1番辛い時ぐらいなんで私達を頼ろうとはしてくれないんですか…私はあなたを」

星子はハっとなり我に返り、自分が言いかけた言葉を脳裏に浮かべて赤面する。
宙太は星子の力強い言葉に不意打ちをくらったような表情で驚きを隠せない。
やがて宙太は星子の側まで歩みよると星子をふわりと抱きしめる。
そして、宙太は星子の目をまっすぐに見つめ口を開いた。

宙太「僕は所詮この学園の偽りの王子様だ、って前に君に言ったことは覚えてるかい?その時の言葉の意味を君は近いうちに知ることになる、とも言ったよね。そして今日…君はアイツに再会した。君の運命の歯車は回り始めたんだよ。僕はね、僕の事でこれ以上君を、そしてみんなを傷つけたくはないんだ。だから君をこのまま僕のハニーにしておくことはできない」

宙太の言葉の1つ1つが星子の心に冷たく突き刺さる。

星子「私は会長さんに迷惑をかけられたことはありますけど、傷つけられたことなんて、そんな事は…!」
宙太「いつからだろうね、僕が1番恐れることが君を失うことだと思ったのは…」

星子は宙太に優しく抱きしめながらも、抱きしめられているその手が少しだけ震えているのを感じた。

―会長さんが最近悩んでいた理由って私のこと?
―私を傷つけたくないから?
―私に嫌われたくないっていつも言っていたのは本当のことだったの?
―私の為にそんな悲しい顔をどうしてするの?
―掴めない答え。
―私が…今、目の前にいる会長さんに言える言葉…それは…

星子「大丈夫…私は会長さんのことが好きですよ」

星子は宙太の頬を両手で包み込むように触れ微笑む。
宙太は星子の言葉を聞いて少しだけ笑顔を取り戻す。

宙太「…本当に君って子は」
星子「ごめんなさい…まだうまく言えないけど、会長さ…宙太さんには嫌われたくない、これだけは本当の気持ちよ。もし私がハニーじゃなくなってもあなたの側にはいてあげたい…まだ自分の想いに整理ができてないの…でも私は多分、宙太さんの事が、す…」

星子が宙太に最後の言葉を言おうとした時だった。
ピカッと雷が鳴る前兆のような光が2人の頭上の真っ暗な夜空を照らす。
そして次の瞬間、ドーーーーーーーーーーーンと風紀委員会室がある校舎の方から爆音が聞こえてきた。
宙太は星子と爆音に驚き顔を見合わせると、宙太はやれやれといった顔をして星子を自分の腕の中から解放した。

宙太「はぁ…続きは明日のパーティーで話そうか。今は風紀委員会室に急いで行くことが先決だと思うしね」
星子「…そ、そうね…」
宙太「さあ、行こうか。あ!でもその前に」
星子「…?」

宙太は星子の耳元で小さく呟く。

宙太「僕も君の事が好きだよ」

星子は宙太の言葉を聞くと耳を真っ赤にして、手にしていた封筒を制服のポケットにしまう。
そして宙太から差し出された手を取り、風紀委員会室のある校舎へと走り出す。
今だけは離れたくないと言うようにぎゅっと星子は宙太の手を少しだけ強く握る。
すると宙太も星子の手を優しく握り返す。
星子は握り返された手のぬくもりにどきどきしてしまう。

『伝わるはずはないと思うけど…早打つ心臓の鼓動が宙太さんに伝わりそうで恥ずかしい…』









|ω・`)ソォー(覗)・・・マダマダツヅイチャウ…あと1回!あと1回!!(≧Д≦ノ) ノ
宙太さんお誕生日記念SSの続きをやっとこさUPしました。
ってかもうショートじゃないしオマエ( ̄▼ ̄|||)無駄に長くて本当に申し訳ない!!
最後なんてグダグダな文章でもうどうしてくれようかって感じで…orz
しかも宙太×星子カプが折角いい雰囲気だったのに最後はお決まりの伏線を投下してしまったし(;一ω一) だってだって…甘すぎて思わず溶けそうになってさ…///
そういう事で、
次回『事件は現場で起きてるんじゃない。風紀委員会室で起きてるんだ! (*・ω・)ノ!!』(笑)でようやく最終話になりますよ=ε=ε=ε= ヽ(*・ω・)イヤッホウ!!
ふ〜バレンタインまでには終われそうで良かった…(´-ω-`;)

校舎の裏庭。
星子の手には握られた封筒と白い薔薇がある。
生徒会室のある校舎の裏庭をぬけ、教会の前に出ると右側にある茂みの中にわずかに見える細い道をまっすぐ走っていく。ふわりと風と一緒にかすかに香ってくる甘い薔薇の香り。
薔薇の香りをたどってもう少し奥に進んでいくとガラス張りでまるで鳥かごのような温室と薔薇の庭園が見えてきた。
星子は薔薇の刻印が刻まれているドアノブの鍵穴に持っていた金色の鍵を入れ、カチャリと音がした庭園の扉をゆっくりと開けた。

宙太「ようこそ秘密の花園へ、星子さん…」

星子は庭園の真ん中に立っていた宙太の顔を見て思わず胸がトクンと脈打つのがわかった。
そして宙太に出逢ってからの出来事が星子の中で回想される。

『やっと僕の名前、呼んでくれたね』

私は名前を呼んであげただけなのに、とても嬉しそうに笑ってくれた会長さん。

『寂しいって気持ちにウソをついて我慢なんてしちゃだめだよ』

私が泣きたい時は何も言わずにただ傍にいてくれた。

―私には王子様がいるのに…もしかしたら私、会長さんの事…

星子は手の中にある白い封筒をギュと握り締め、ゆっくりと宙太の前まで歩いていった。

続いちゃう。

このSS、実は書くのが2回目だったりします;
昨日出来上がった文章をブログにUPしようとしたら突然パソコンが動かなくなってしまい、なんとかパソコンが復旧したかと思ったら今度はデータ消失が発覚。・゚゚・(>_<)・゚゚・。
業者に依頼してなんとか仕事で使うデータだけは元通りになったものの、SSのデータというかワードのデータのみが見事に半消失してしまったのです・゚・(ノД`)・゚・
今回のSSだけ何故か保存用データを作ってなかったんだよ…orz
なので本当は書くつもりのなかった風紀委員会室サイドを追加して書いてみましたw
楽しく書いてしまいましたのでキャラが程よいぐらいに壊れててスミマセン(≡∇≡;)
あと2回だけこのSSに引き続きお付き合いくださいませ(・∀・)ノそれにしても文章長ぇー

6

風紀委員会室。

右京「2人ともよく頑張ってくれたな」

ニコニコと笑顔の右京はセキュリティプロテクトと格闘すること数時間、学園のホストコンピュータに侵入して見事データを取り出し、パソコンの前で疲れ果て意気消沈している左京とタケルに話しかけた。
右京は2人がセキュリティプロテクトをはずしてくれたデータの中身を確認しないまま空のディスクに転送すると、今度は白い封筒を取り出しデータを転送したディスクを封筒に入れ封をした。それを見ていた左京が右京にすかさず噛みついた。

左京「ちょ、待て!!アンタ、そのファイルの中身が何なのか確認しないのか?そのデータでもう一人の会長が誰なのか分かるんだろ?そのまま俺達にも見せないつもりなのかよ…そのデータを探し当てたのは俺らだぜ!!」
タケル「全くだ。そのデータを見る権利は当然あるよな?さ、そのディスクをこっちに渡してもらえませんね委員長ドノ?」

左京とタケルの2人に言い迫られたが笑顔でさらりとかわす右京様。

右京「データにハッキングした後、ホストに侵入した形跡を全く残さずにセキュリティプロテクトまで見事に復元されているとは…驚きだな」

パソコンのディスプレイを見ながら感心している右京。
もはや右京に何を言っても左京とタケルにはデータを見せる気などサラサラないらしい。

タケル「時間の無駄だったな…まぁ俺は会長が何人いようが野郎には興味がないし」
左京「だぁぁああ!俺はまだ納得いかないぜ!!今晩は大事な約束があったんだ…この埋め合わせ、どうにかしてくれるんだろうな?」

まだ納得のいかない左京を背に右京は窓の外を見ながら小声で呟きはじめる。

右京「テレジア…」
左京「は?」
右京「聖テレジア女学院のミス・テレジアの女子生徒2人から僕と会長に何度も会食の誘いがあってね、立場上どうしても断れなくて今まで約束を保留にしておいたんだが、来週の会食に君達2人を僕と会長の代理で出席してもらおうかと思っていたんだけど…」

ピクっ。と左京とタケルは右京の口から発せられた学校の名前に反応する。
聖テレジア女学院といえば良家の子女の通うお嬢様学校で美人が多いと言われている全寮制女子高である。

タケルと左京は笑顔で右京の手をガシっと握り締める。

左京「そういう大事なことはもっと早く言って下さいお兄様w」
タケル「僕達をその会食に是非参加させてください委員長様w」
右京「これからも僕の為に役立ってくれ」


オイオイ風紀委員長自らがいいのかこれで;と心の中で突っ込みを入れていたマサルが冷静を取り戻し、話しを元の話題に戻す。

マサル「委員長さんはそのデータ、気にならないのか?」
右京「僕は他人の過去とか全く興味がないからね。ただ星子さんが気になっているようだから調べてあげただけだよ。それに…たとえ興味があったとしても、データからじゃなくて本人の口から聞きたいしね。君もそうだろう?」
マサル「ああ。会長の問題行動は今まですべて我慢してきたが、今回の件だけは会長から直接聞かないと気がおさまりそうもないな」
右京「それじゃ副会長の了解もとれた事だから会長を尋問する時に利用させてもらう情報を得る為に、やっとこの出番がきたということだね」
マサル「…出番?」

右京は机の下から大きな水晶玉を取り出し、ゴトっと机の上に置いた。

マサル『今度は何をするつもりなんだこの人は;っていうより、そんなもの一体、どこにしまってあったんだ?』←(マサルの心の声・笑)

小次郎「ね!右京先輩、それ何?」

マサルが疑問を問う前にいつの間にか風紀委員会室に戻ってきていた小次郎が机の上にある水晶玉を指差して右京に尋ねる。

マサル「っ…小次郎くん!いつの間に帰ってきたんだ?」
小次郎「先輩達が漫才してる間にだよ。静かに部屋に入ってこないとまた先輩達に動物扱いされちゃうじゃん。で〜何なのその水晶玉は。右京先輩って占いの趣味とかあんの?」
右京「これは僕が使うんじゃないよ。もう少ししたら春之くんが帰ってくるからこの使い道がじきに分かるさ。それより小次郎くんのその様子では任せておいた用件のほうはかたがついたようだね」
小次郎「まぁ〜ね。結局右京先輩から預ってたゲン先輩の切り札は僕が見る前に本人に取られちゃったのは残念だったけど」
右京「それは僕が今度ご褒美に教えてあげよう」
小次郎「右京先輩さっきからご機嫌〜こっちも解決したんだね!で、どうだったのさ?宙太兄ィ以外にもやっぱり生徒会長さん居た!?」
右京「さっきまでは居たようだけど、今は居ないみたいだね」
小次郎「なんだよそれ;」

バタン。とドアが開く音と同時に今度はゲンジロウが息を切らせて風紀委員会室に現れた。

ゲンジロウ「は〜ようやく見つけたで小次郎;お!皆もまだここにおったんやな」
右京「僕らは今日一日中、君の弟さんに振り回されたうえ、生徒会長不在のおかげで今日中に片付けないといけない仕事が風紀委員会にまわってきてしまって当分帰れそうになくてね」

ニコリと右京はゲンジロウに笑顔を向けたが、ゲンジロウは右京の目の奥が笑ってないことに気がつく。

ゲンジロウ「な、なんや委員長さん、えらくご機嫌ななめやな〜;」
小次郎「ゲン先輩がくる前までは右京先輩スゴく機嫌良かったんだけどね。ほらゲン先輩って会長にそっくりだから会長に向けられた怒りの矛先がゲン先輩にまんま向けられてるからじゃないの?」
ゲンジロウ「なんやそれ;ん、なんでこないなトコに水晶玉があんねん?もしかして委員長さん、これで誰かを呪うつもりじゃ…こ、怖っー!!そんな事より星子ちゃんはまだここに戻ってきてないんか?もうそろそろ来てもええころなんやけどな〜」

ゲンジロウがドアに目線を向けると、タイミング良く先ほどまで図書室に行っていた星子と春之がドアを2回ノックして風紀委員会室に入ってきた。

春之「はぁ〜いwお待たせ!課題をちゃんと終わらせた星子ちゃんが帰ってきたわよw」

星子は春之に背中を押されて右京の目の前へ。
右京は椅子から立ち上がると星子の前に1通の白い封筒を差し出す。

右京「これを君にあげるよ」
星子「これ…なんですか?」
右京「この封筒の中には君が知りたがっていた王子様と、それからこの学園の生徒会長の秘密を知る手がかりが入っているんだ。これをどうするのかは君に任せるよ」

右京はさらに白い薔薇を星子に手渡す。

右京「この薔薇の名前はウインチェスター・カテドラルと言うんだ。この学園のどこかにこの薔薇が咲いている庭園がある。君はその場所がどこだか分かるだろう…そこに会長がきっといるはずだ。君が後悔しない選択をすることを僕は祈っているからね」

マサル「それからこれも」

今度はマサルの手の中から金色の小さな鍵が星子に手渡される。

マサル「あの庭園には生徒会長かこの鍵でしか入れないんだ。会長がいつもサボりで庭園に行っていたから鍵を俺が預っていたんだが、まさかこんな時に役に立つとはな」

星子「あの、私は会長さんの事…」

星子が躊躇っていると後ろから小次郎が星子の顔を覗きこんだ。

小次郎「星子さんw」
星子「…?」

ぅチュw

星子「///////こ、小次郎くん!!」

風紀委員会室に居る小次郎以外が思わず硬直する。
小次郎は覗き込んだ星子の右頬に大胆にも口付けをしたのだ。
凍りついた空気は除々に嫉妬の熱い炎に包まれていくのがわかる(笑)

小次郎「いいから早く会長を迎えに行ってあげてよ星子さん!でないとこれ以上の事しちゃうからね、それでもいいの?」

小次郎が星子に詰め寄ると、後ろからバシっとゲンジロウに頭をはたかれた。

ゲンジロウ「おーまーえーは、どんだけ勇者やねん!!!」
小次郎「っ痛テテ;ゲン先輩ってば何すんのさ!今のは僕に心配をかけた会長への嫌がらせにきまってんじゃん。文句あるなら会長に直接言いなよね。僕はちっとも悪いことしてる気しないもん」
春之「じゃ私からもw」

ぅチュw

今度は春之が星子の左頬に口付けをする。

星子「///////っ〜春之先輩まで!!もう一体なんなのよ!!!」

春之は右手の人差し指を口にあて、星子にウィンクをなげる。

春之「うんwいつもの星子ちゃんに戻ったみたいねw今のは星子ちゃんが元気になりますようにっていうおまじないよw星子ちゃんが元気がないと私の愛しい会長さんも元気がなくなっちゃうのよね〜困ったものだわ」
星子「春之先輩…」

ゲンジロウ「星子ちゃん、ちょっとええかな?」

今度は背後からゲンジロウに話しかけられたので星子は思わず警戒してしまう。

星子「!!…もしかしてゲンジロウ先輩も私になにかするつもりですか!?」
ゲンジロウ「っとと星子ちゃん;ワイにまで警戒せんでもええよ;ただ1つだけお願いがあるんや。宙太はな…今でも誰にも言えん鉛みたいな想いの過去を1人で抱えとる。星子ちゃんには想ってる王子様がおるのはじゅうぶん分かっとるから宙太のことを無理に好きになれとは言わんけど、今の宙太には星子ちゃんの助けが必要なんや。今だけは宙太の側にいてやってくれへんか星子ちゃん…」

いつもとは違う真剣なゲンジロウの言葉に星子はコクンと頷く。

星子「もう、仕方がないわね…まぁ、一応私は会長さんのお世話係としてこの生徒会にいるんだから、会長さんを捜してここに連れてくるのも私の仕事ってことなのよね」
左京「仕方なくなんてホントかよ、あんだけ憧れてた王子様よりやっぱ会長のほうが好きなんじゃねーの?」
星子「そ、そんなわけないでしょ!勘違いしないでちょうだい!」
タケル「お、今のツンデレっぽいなw」
小次郎「ツンデレ星子さん可愛ス〜w」
星子「もう!ツンデレ言わないで!」

星子が怒るとわーっと逃げ回る小次郎ワンコ。
室内がいつも通りの愉快な生徒会の雰囲気に戻る。

星子「と、とにかく!明日のパーティーは学園行事なんですから、生徒の代表でもある生徒会長さんがパーティーに不在だなんて許されない事よ!今から会長さんを捜してちゃんと連れて戻ってきますから皆さんは引き続き準備をしていて下さいね!」

星子はその場にいた全員に見送られて風紀委員会室を後にした。
星子が出ていった事を右京は確認すると春之を手招きして机の上に置かれた水晶玉を指さす。

右京「それじゃ春之くん、早速で悪いがコレを頼むよ」
春之「あの庭園だけには監視カメラが仕掛けられないから、この水晶で星子ちゃんと会長さんの様子をうかがおうってことなのかしら?」
右京「さすがは春之くん。察しがいいと助かるよ」
春之「そうと決まればどんなことでも聞いてちょうだい。私、占いよりデバガメのほうが得意なのw」
タケル「威張れる特技じゃないな」
マサル「儀式とかじゃなくて良かったぜ;」
春之「うっさいわよそこ!」

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学園の中でも生徒会役員と一部の生徒しかその存在を知ってはいない庭園に宙太は1人でたたずんでいた。まるで中世ヨーロッパの城にある庭園を思い出させるような薔薇がいくつも咲き乱れている。宙太はゲンジロウと別れた後、生徒会室を抜け出し、この庭園に来た。この学園で生徒会長しか使用することの出来ない回線で宙太はとある人物に呼び出されていたからだ。

『今宵、ウインチェスター・カテドラルの咲く庭園にて待つ』

WINCHESTER CATHEDRAL(ウインチェスター・カテドラル)
ウィンチェスター聖堂の復旧の一助にと名づけられた、けがれのない白い薔薇の名。

宙太「この場所を指定してくるとは、彼らしいというか…」

ふう、とため息をつくと、白い薔薇の中から聞き覚えのある口笛が聞こえてきた。
これは彼が昔よく歌っていた曲。
口笛が聞こえてくる方へ視線を凝らすと待っていた人物が宙太の前に現れた。
メガネ越しに見る彼の瞳は昔と変わりなくまっすぐで、そして端整な顔立ちをしていた。
目の前の彼が男だと分かっていてもドキっと胸が高鳴るのを思わず感じてしまう。

宙太「久しぶりだね、圭一くん」

宙太は右手をあげ彼、圭一に普段通りの何気ない挨拶をしてみる。
圭一は宙太の言葉を聞くと宙太の方へと目線を向けた。

圭一「僕とまたこうして話せる機会なんてもう二度とないと思っていただろう?」
宙太「何をおしゃいますやら。君はこの学園に一番必要な人だっていうのに、そんな事言っちゃだめだよ。でもさすがに今回の君の帰国には驚いたかな。君がこの学園に帰ってくる時期がね、ちょっと早すぎやしないかい?」
圭一「本当は彼女と約束したあの日に彼女の前に現れるつもりだった。けど…どうしても今彼女に会ってあの指輪を渡さなければと思って一時帰国したんだよ」
宙太「それはつまり、僕はもう用済みってことなのかな?」
圭一「いや、君が大切にしているあの場所を今すぐ奪うつもりはないよ」
宙太「それじゃ、どういう事だか説明してもらいたいね?」
圭一「ただ彼女に会いたくなった…それだけだよ」
宙太「暫く彼女の側に居なかったから、もしかして不安になったのかい?彼女…星子さんが君のことを今でも覚えているのかってね」
圭一「君はそんなに心配性だったかな?でもそれは違う。不安なんて今更僕にはないよ。僕の中にあるのはただ1つ、あの日に交わした彼女との約束だけだからね。でも、そんな彼女は僕の事を懐かしんではくれたみたいだけど、はっきりとは覚えてはいなかったようだが」
宙太「…星子さんに会ったのか?!」
圭一「ああ。彼女に指輪を渡すのが目的だってさっき言っただろ。それに噂の君のお気に入りの生徒会役員がどんな生徒かというのも直接見てみたかったしね。彼らが今頃必死になって僕のことを調べまわっているようだけど、君は僕との約束を守ってまだ僕の事を生徒達に内緒にしていてくれてたんだな」
宙太「まぁね、君とのお約束はちゃんと守っていますよ。君がこの学園の生徒会長として戻ってくるまでは君の事は一切誰にも言わずに僕が生徒会長としてこの学園を守ること。あの日の約束から僕の使命になってますからね。それで、君はこれからどうするつもりだい? その様子じゃ、すぐさま僕を生徒会長の席から外す気はないみたいだけど、引き続き君の代理で僕が生徒会長を務めてもいいのかい?」
圭一「そうしてくれると助かるよ。僕が一時帰国したのには実はもう1つだけ目的があってね…」

『僕の病院で圭一くんに試してもらいたい新薬が開発されたんですよ、美空会長』

圭一が話している途中で背後から聞き覚えのある声がした。
宙太が振り向くと、そこにはお隣の学園・聖四つ葉学園の早乙女天彦生徒会長が立っていた。

天彦「といっても、まだ医薬品として市場には出せない段階の新薬なんですが、うちの研究員がどうしても圭一くんの協力が必要だと言って聞かなくてね。生徒会長の最終奥義「勅命」ってやつを使って圭一くんに一時帰国してもらいましたw」

早乙女会長がにこにこ笑顔なのとは裏腹に宙太の表情はどんよりしていた。というか呆れ顔に近い。

宙太「ふぅ…なんか君が出てくると場の雰囲気が一気に変わるよな;そうか…それじゃ圭一くんの病気は治るのかい?」
天彦「それはどうでしょうね〜なんせまだ出来たばかりなものでw」
宙太「それでも望みはあるということなんだよな?」
天彦「それについてはハイwその為に圭一くんにわざわざ帰ってきてもらったわけですからね」
宙太「そうなのか…そうか…良かった…」
圭一「あの時にも言ったはずだが、僕がこの病気になったのは君のせいなんかじゃない。君はいつまで僕に後ろめたい思いを抱えているつもりなんだい?僕は君のことを彼女をめぐる唯一のライバルだと思っているんだけどな」
宙太「ライバルって…僕は星子さんには特別な感情をもってはいないさ。ただ君の代わりに、彼女が寂しがらないように側にいてあげてるだけで…」

ちょっと赤面して俯いた宙太を見て圭一はクスリと笑う。天彦も圭一の後ろでクスクスと笑っていた。

圭一「君は昔から嘘つくのが下手だね。君も今、生徒会長という立場なら少しはこの早乙女くんみたいに詭弁を覚えないとだめだよ?」
天彦「酷いですね圭一くん。僕はいつも思っている事をありのまま素直に口に出してるだけですよw」
圭一「それに…」

圭一は言葉を言いかけている途中で宙太に顔を近づけ、宙太の掛けている眼鏡を外すと、まっすぐな瞳で宙太を見つめる。

圭一「クールな君にはもうそろそろ飽きてきたよ。本当の君を僕にみせてくれるなら君の希望通りに彼女へ全てを話してあげるのにね」

宙太は圭一に外された眼鏡を圭一の手から奪い返すとふぅとため息を一つついた。

宙太「随分余裕なんだね、圭一くんは」
圭一「余裕?そうでもないかな。僕がいない間に君以外にも彼女に好意を持っている生徒もいるようだし。でも恋愛はライバルが多いほど、そしてそのライバルが強ければ強いほど燃えるものだろ?そういうわけで君にもう暫くこの学園を任せることにするよ、美空会長ドノ」
宙太「君の期待にはなるべく答えないように努力しますよ。それで君はいつまで日本にいるのかな?」
圭一「残念だけど、明日の夕方には帰国するよ。新薬の研究はあちらでも可能らしいんでね」
宙太「そうなのか…それじゃ明日の夕方のパーティーに出席することは難しいか…君のことをみんなにちゃんと紹介しておきたかったんだけどね。それに彼女にも、だって君は彼女の本当の王…」

宙太が圭一に詰め寄ろうとした時、早乙女会長の手が2人の間を遮った。

天彦「はいそこまで!お2人とも残念ですがお時間です。圭一くん、お迎えがきたようですよ、さぁ行きましょうか」

圭一は天彦に促されるまま宙太には何も言わず、庭園に宙太を1人残したまま天彦の後に続き、庭園の出口に止めてある車の前まで行くと足を止め、振り返って宙太に笑顔で言った。

圭一「君がこの学園の生徒会長でいる間は、君の好きにすればいいさ。彼女の手には僕が託した指輪がある。今はそれだけで十分だよ」

宙太は圭一に言われた言葉を聞き、コクンと頷くことしか出来なかった。
天彦は圭一を車に乗せると庭園に戻ってきた。

天彦「さて、と…これからどうするんですか美空会長殿?」
宙太「そうだね…まずは星子さん以外のみんなに全てを話したあと、僕が無事だったら圭一くんのお許しが出た事だし、前から星子さんに言おうと思っていたことを心置きなく彼女に伝える事にするよ」
天彦「おおっwついに星子さんに愛の告白でもしちゃいますかww」
宙太「いや。星子さんには僕のハニーをやめてもらおうかと思ってね」
天彦「そうかい、星子さんにハニーをやめ…え?ええええええ!!!正気かい君っ!?」
宙太「ああ、僕はいたって正気だよ。悪いんだけどね早乙女くん、もうそろそろ星子さんがここへくるような気がするから君にもお帰り願いたいんだけど?」
天彦「確かに圭一くんは好きにすればいいって言ってたけどさ…ここで一気に片をつけるおつもりなんですね美空会長は;はいはい、それじゃ僕は君のご健闘をお祈りしながら帰ることにするとしますか。もう少しすると僕のとこの役員達が僕を捜しにこの学園へのり込んできそうな嫌な予感もするしねぇ〜お邪魔虫は退散いたしますよ、ではw」

右手をあげ手を振り帰っていく天彦を宙太は見送る。
宙太はふと、いつのまにか自分が吹っ切れたような、投げやりだが不思議と不快でもない、
変に清清しい気分になっている事に気が付く。
ガチャリと背後で庭園の扉が開けられる音がした。

宙太「ようこそ秘密の花園へ、星子さん…」

宙太が振り返り扉が開く音がした方向を見ると、そこには1通の白い封筒をぎゅっと握り締めている星子の姿があった。

続く。

春ちゃんのお誕生日まであと3日。どこまで続くのよ宙太さんお誕生日記念SS(笑)
宙太さんと圭一さんの再会場面は実は3パターン用意してあって、その中で謎が微妙に次回に続くんじゃねーか?というこの展開を選んでみました。圭一さんがなぜ海外にいて、宙太さんに生徒会長をまかせてるのかという謎はちょっとだけバラしたつもりでおりますが、オイラのつたない文章で伝わっているでしょうか;「あの日交わした約束」の謎オチは乙女ゲー王道のEDである卒業式SSにて全て書きこめたいと思ってます。このSSはあと3回の更新でなんとか完結するように手直ししてます。
無駄に長くて本当スミマセン;
こんなノロマ更新SSでも大好きですよとか言われるとほんと照れますけども嬉しいです。
有難うございますw
それにしても圭一さんのキャラが未だに掴めておりません;
第1部(生前)を読めば、左京さん+タケルさん÷2みたいな性格(ツンデレ口調)なんですけど、第2部(死後)では右京先生+マサルさん÷2みたいな性格(クール口調)なので、今回のトキもえでは書きやすかった後者の設定にしております;次回、やっと宙太×星子シーンが公開できますよ!ちょっと訂正するところがあるので公開は来週中という事でw
駄文失礼しました。

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小次郎「も――――――!!!どこ行っちゃったんだよゲン先輩―――――!!!」

学園の校内にある噴水の前で小次郎はたまらず1人で叫んでいた。
右京にゲンジロウの行動を見張る様にと言われて先ほどから学園中を探すも、
全くゲンジロウの気配はなく見つからない。

小次郎「はぁ…もうやだ。ゲン先輩だけじゃなく会長もいつの間にか居なくなってるし、もー何を隠してるんだよあの2人は…右京先輩達だけに内緒なら別にいいんだけど、俺にも内緒とか、凄くヤダ。俺は本当に2人の事をなんでも言える兄貴みたいに思ってるのに、会長とゲン先輩は俺の事、単なるウルサイ後輩としか思ってないのかな…はぁ…」

もはや右京のお願いはどこへやら、小次郎はゲンジロウと会長に自分にも言えない秘密があった事実のほうが悲しくなり芝生に座りしょんぼりしていた。すると背後の茂みからガサっと音がしたので振り向けば、そこには探していたゲンジロウが立っていた。

ゲンジロウ「なんやお前、まるで捨てられた子犬みたいに悲しそうな目ぇして、どないかしたん?」
小次郎「ゲン先輩!!もうどこにいってたんだよ!一体誰のせいで俺がこんなに落ち込んでると思ってんのさ、ゲン先輩のバカ!!!」
ゲンジロウ「いきなりバカとは何やねんオマエ!(-"-;)それよりこんなとこで1人でうずくまってるやなんて、気分でも悪いんか?」
小次郎「ゲン先輩と会長のおかげで気分は最悪だよ!マジむかつく!!もうこうなれば右京先輩からもらった最終兵器をここで出すからね!いいよね!」
ゲンジロウ「ち、ちょぉ待てて小次郎!!な、ちょっと落ち着けて!!ワイがお前を怒らせるようなことをした原因はよう分からんけど、お前の気がすむんやったら謝ってやるさかい、な、てか右京くんの最終兵器ってなんやねん!?マジ怖いからやめてんか小次郎くん〜;;」

小次郎は自分の目の前で両手をあわせ懇願しているゲンジロウを見て、すこし気がおさまったのか、手に持っていた最終兵器の紙をズボンのポケットになおした。

小次郎「わかった。じゃゲン先輩に1つだけ聞きたいことあるんだけど、俺の質問に正直に隠し事なしで答えてくれる?」
ゲンジロウ「それは質問の内容によるけどな、まぁワイが言える範囲内であれば答えてやってもええで」
小次郎「じゃその言える範囲内で我慢してあげるからちゃんと真面目に答えてよね、それでは質問!」
ゲンジロウ「はいな」
小次郎「ゲン先輩と会長が生徒会室で話してたアイツって誰?」
ゲンジロウ「お前…あの時の話を聞いとったんか?」
小次郎「うん、ごめん。2人が何を話してるのかとっても気になって、ドアの反対側で立ち聞きしてた…」
ゲンジロウ「そうか…」

小次郎は立ち聞きしていたことをゲンジロウに素直に謝ると、ゲンジロウは下を向いてしまった小次郎の頭を左手で押さえる。

ゲンジロウ「すまんな小次郎。その質問に答えんのはワイじゃなくて会長の役目なんや。明日には会長が星子ちゃんやお前らにちゃんと話してくれるやろうからもう少しその答えを待っててくれへんか、な?」

よしよし、と小次郎の頭を押さえていたゲンジロウの手が小次郎の頭をやさしくなでる。

小次郎「その答えって、星子さんが悲しむことじゃないよね!俺は会長とゲン先輩を信じていいんだよね!」
ゲンジロウ「ああ、それについてはイエスや。ワイも宙太も星子ちゃんやお前を泣かすような事はせえへんよ」
小次郎「だったらいいよ。明日まで待ってる。あ、でもこれどうしようかな〜ね!ゲン先輩は右京先輩からもらったこの秘密兵器って何なのか気にならない?」
ゲンジロウ「調子のええやっちゃなーお前は;てかそれこっちにはよ寄こさんかい!どうせワイがめっちゃ困るような事しか書いてないに決まっとる!!いいから早く見せぇい!!」
小次郎「ヤっダよー!!こんな面白いネタ、簡単に渡してたまるか!べーだ!」
ゲンジロウ「あんなぁ小次郎くんよ…さっき少しでもお前のことを可愛い後輩やと思った自分がなんやアホらしくなってきたわ…お前はやっぱり可愛くない弟のままでじゅうぶんじゃーー待てこのバカ犬ー!!!!」
小次郎「もー!ゲン先輩まで犬とか言うな―――(>Д<*)o=3!!!」




宙太さん登場を期待していた方々…本当にすみませんでした…orz
校正していて、ど―――――しても小次郎くんとゲン兄ィのお話を入れたかったので追加で書かせていただきました つД`)・゚・。・゚゚・*
じ、次回こそは宙太さんと圭一くんが出てきますよ!本当に!!
ってか本当に長くなりそうだよ〜このSS…く、クリスマスまでには終わりたい…
てか終わらせねば(≡∇≡;)

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