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 有史以来、地球上でたった2発だけ無辜の市民に向かって原子力爆弾を使用したアメリカ。そしてそのアメリカによる核攻撃の被害を受けた広島と長崎。

 毎年8月6日、9日は広島と長崎で慰霊祭が行われ、国内外の多くの人々が二度と再びこの悲劇を人類が経験することの無いように祈ります。

 昨日、長崎は64回目の「原爆の日」を迎えました。
 
 そして麻生首相と鳩山次期首相?はそれぞれに核兵器や日米安全保障政策に関し、日本としての役割や方針を表明したのです。



(朝日新聞 2009年8月9日20時44分)
『麻生首相と鳩山民主党代表は長崎「原爆の日」の9日、長崎市を訪れ、核兵器や安全保障政策をめぐって発言した。首相は日本が「敵基地攻撃能力」を持っていないことに関して、日米の役割分担を協議する場の設置を検討すべきだとの考えを表明。鳩山氏は非核三原則の法制化を検討する意向を示した。

 専守防衛を掲げる日本は、他国を攻撃するための兵器などを持っておらず、敵からの攻撃が迫って必要が生じた時は、米軍が敵基地を攻撃する役割分担を想定してきた。

 首相は9日の記者会見で、「懇談会の報告書の提言を踏まえて、日米間の具体的な役割分担に関する話は、今後、協議のあり方について検討すべきだ」と述べた。

 政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」は4日に首相に提出した報告書で、「米国との間で適切な役割分担を協議・具体化しながら、日本として適切な装備体系、運用方法、費用対効果を検討する必要がある」と攻撃能力保有の可能性も含め検討するよう提言。首相の発言は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威などを念頭に、提言に沿って検討する考えを示唆したものだ。

 首相はまた、米国に核の先制使用をやめるよう求めるべきだとの意見について「日本の安全を確保するうえで現実的にはいかがなものか」と否定的な考えを示した。

 民主党は敵基地攻撃能力の保有に否定的で、同党幹部は米国に核の先制不使用を要請すべきだとの考えを示している。こうした問題は衆院選でも論点となりそうだ。

 一方、鳩山氏は被爆者団体との懇談で、非核三原則の法制化について「検討することを約束したい」と明言した。これまで鳩山氏は法制化に慎重だったが、直接の要望を受けて踏み込んだ。

 鳩山氏は先月、「(核持ち込みの)必要性があったからこそ現実的な対応がなされてきた」と三原則見直しを示唆したとも取れる発言をした。社民党が民主党に法制化を申し入れたが、鳩山氏は「非核三原則は国是のようなもの。法律は変えられる危険性も逆に持つ」と慎重だった。

 ただ、同党幹部の間ではなお法制化に慎重な声が強い』


 二度と再びこの悲劇を繰り返すな!と胸を張って世界に主張できるのは間違いなく、唯一の被爆国である日本であるはずです。

 その日本のリーダーが、アメリカに向かって国際的な緊張状態が起きたとしても「核の先制使用を止める」様に求めるのは、果たすべき使命ではないかと私は思います。

 麻生首相が「日本の安全を確保する上で現実的には如何なものか」と答えたのは、明らかに現時点での仮想敵国・北朝鮮が日本に向かってノドンを発射する姿勢を見せた場合、しかもそのノドンに核爆弾を搭載している可能性が高い時を想定したうえでの発言でしょう。

 日本の安全保障を考えれば、そうした緊急事態が発生した時は危機を回避する為に核ミサイルで北朝鮮の攻撃能力を壊滅するという発想になるのもあり得る話しです。

 しかしむしろそうした緊張状態を招く原因に、今回の麻生首相の発言がなってしまう事もあり得るでしょう。

 まさかの時、「北朝鮮が日本を攻撃しようとした時」には、日本はアメリカに北朝鮮を核攻撃して貰うことを麻生さんの発言は表明しているようなものだからです。

 しかし現在100発以上のノドンを配備している北朝鮮の攻撃能力を如何にアメリカといえども、その全部を壊滅することなど不可能なことです。
 特に北朝鮮は偵察衛星による位置確保を防ぐ為、移動式の発射装置にノドンを載せています。

 もし数発のノドンが東京に着弾すれば数百万人が死ぬのです。

 そんな事態はいかにしても防がなければならないし、そんな事態に至らぬように6ヵ国協議という枠組みを作ったり、国連主導の制裁などを行っているわけです。

 ですから、上記の麻生さんの発言は8月9日という「原爆の日」に語る日本国リーダーの言葉としては余りにも時宜に適さず、人間としての奥深さも無いと言わざるを得ません。

 一方で、鳩山さんは非核三原則の法制化に踏みこむ様な発言をしています。

 日本がアメリカに占領されて以来64年。
 今もってアメリカの軍事的、経済的なくびきから解放されていないことは政治家であるならば百も承知な筈です。

 「非核三原則」が大嘘であること。
 アメリカの原子力空母や原子力潜水艦や戦略爆撃機などが日本に寄るたびに、わざわざ核兵器を外してやってくることなどあり得ませんし、その大嘘は既にアメリカ側の高官や公文書並びに日本の元次官などによって明らかになっているじゃありませんか。

 つまり、「核兵器の持ち込み」はアメリカにとっては事前協議の対象にならないのです。
 真に日本へ核兵器を持ち込ませないためには、アメリカと決定的な対決を覚悟しなければならなくなるほどの重大決断をすることになるのです。(私は非核三原則は嘘であることを認め、日米安保を結ぶ以上、核の持ち込みは認めると言うことを公にすべきだと言う考えです)

 本当にその覚悟が鳩山さんにあるのか?

 にもかかわらず、選挙に勝つためだけに「非核三原則の法制化」を検討するなどと安易な約束をしているようでは、鳩山さんが総理になったとしても待っているのは針の筵だけでしょう。

 また民主党の小沢さんはー
 「アメリカとのFTA締結というマニフエストは修正の必要なし。その為に農家の戸別所得保障制度を言っている」
 ーと吠えたようです。

 以前、本ブログでー
 「アメリカとの間でFTAを締結すれば遙かに値段の安いコシヒカリや秋田こまちがなだれ込み、日本の農業は壊滅する。
 その農家に税金で所得を保障するというのは食糧安保の観点からも、農家以外の日本人にとっても大きな不利益を与えることになる」と書きました。

 小沢さんが言う農家の個別所得保障制度などで守れるほど生やさしい「FTA締結による農家への打撃」ではないのです。

 管代表代行は農家の抗議を受けマニフエストの修正を語り、小沢さんはアメリカの顔色を気にしてマニフエストの実行を語る。

 ますます民主党もなんだかなあ!?という感じですね。

 そして最後に一言。

 麻生さんが核について国家的な視野で自らの主張を語った同じ日。
 彼は長崎市での長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列し以下のような挨拶を語りました。

 「64年前、長崎の方々は原子爆弾によって筆舌に尽くしがたい苦しみを経験された。7万ともいわれる尊い生命が一瞬にして失われた。一命をとりとめた方も、癒やすことのできない傷跡を残すこととなられました」

 ところが、「傷跡」を「きずあと」ではなく、「しょうせき」と読んでいたのです。

 よりにもよって、原爆の悲劇を語り、被害者の癒せぬ痛みを和らげなければならぬ国のリーダーが、「傷跡」を<しょうせき>などと読み違えて良いはずがありません。

 彼の言葉の全て軽く虚ろに響きます。 

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戦争の被害の記録・証拠となるものの事を“戦争証跡(せんそうしょうせき)”と言ったりするのですけど。
“戦争証跡博物館”とか。
原稿では“証跡(しょうせき)”だった、あるいは、麻生首相の語彙で読み替えたんじゃないですか?

ひょっとしたら、また“いやさかえ”の時と同じく、勘違いの勇み足だったりして。

わはは。ははは。

2009/8/10(月) 午後 10:59 [ dok*ka_*o_*ar*ka_2 ] 返信する

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dokoka_no_dareka_2さん。
今回の発言は文脈から言って「証跡」と見るのは難しいでしょう。癒すことの出来ない「証跡」と言ったとすれば、それこそ恥の上塗りみたいなモンじゃないかと。

2009/8/11(火) 午前 1:36 [ yuushi2011 ] 返信する

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