北海道は素敵です!!

贋金だらけの日本に住んでいます。

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 日本記者クラブでジャーナリスト・安田純平氏の記者会見がおこなわれた。

 拘束中も日記をつけてきた安田氏は、約3年4カ月におよんだ拘束生活について、かなり詳細にわたって説明。その内容は、シリアにおける武装勢力の内情を伺い知ることができる貴重な証言となっていた。しかも、身動きを禁じられるという厳しい状況下で、1日に5回は礼拝で身体を動かせることからイスラム教徒に改宗したり、ハンガーストライキに打って出るなど、拘束中も知恵を絞って危機回避や抵抗を試みていたことがわかった。その詳細な証言からは、ジャーナリストとしての安田氏が、いかに中東情勢やイスラム教に対する深い知識と冷静な観察力、タフな精神力を持っているかも伝わった。

 だが、この会見がおこなわれていたのと同じ時間に放送されていたワイドショーでは、生中継でその模様を伝えながら、醜い自己責任論が吹き荒れた。安田氏が解放された当初から自己責任論を煽りに煽った『バイキング』(フジテレビ)だ。

 たとえば、安田氏は会見冒頭で「今回、私の解放に向けてご尽力いただいたみなさん、ご心配されたみなさんに、お詫びしますとともに、深く感謝申し上げたいと思います」と述べたのだが、東国原英夫はこの言葉について、こんなことを言い出した。

「最初に謝罪とお礼等々がありましたので。あれで一応、僕の気持ちはホッとしました。あれがなかったら、ちょっと席立とうかなと思ったくらいです」

 そもそも、安田氏が会見で「お詫び」する必要はどこにもない。逆に、「お詫び」をさせてしまうこの国の受け止め方、空気のほうこそ問題なのだが、それを東国原は“謝罪がなければいきりたつところだった”と言うのである。

 だいたい、安田氏と対論しているわけでも、会見場にいるわけでもなく、たんに番組でコメントするだけの人間が「立つつもりだった」などと言うこと自体が笑止であるが、一体、安田氏が東国原にどんな迷惑をかけたというのか。しかし、こうした東国原の上から目線の発言に対して何のツッコミもないまま番組は進行した。

 この最中、会見では、拘束から解放にいたるまでの過程が事細かに安田氏より説明されていたのだが、これに対しても、土田晃之は「ぶっちゃけ早く質疑応答が聞きたい」「『観音開きの窓』(と安田氏は説明していたが)、いや窓2個でいいじゃないっていう。細かいディテールをすごく話してくださっているんで」と言い、安田氏の説明が長すぎると批判。さらに、元衆院議員で弁護士の横粂勝仁は、こう話した。

「理路整然として、ものすごい誠実に説明されているのは感じるんですが、少し気になったのは事実ばかりであって、内心、感情というのがほぼ言われていない」
「人質になってしまった瞬間のこと、日本政府を巻き込んでしまったときのこと、後悔とか恐怖とか、そういうものは何も語られていないので、質疑応答でそれがどう語られるかですね」

 拘束中に何が起こったのかという細かな事実よりも、日本政府を巻き込んでしまったときの感情、後悔を語るべき──。つまり、東国原や横粂弁護士らは、「事実を語る説明会見」ではなく「後悔を語る謝罪会見」を求めていたのだ。

 現に、横粂弁護士は、安田氏が家族に対するメモのなかで、身代金要求を「放棄」しろ、「払っちゃあかん、断固無視しろ、無事帰る」というメッセージを暗号にして伝えていたことについても、「ご本人が払わなくていいと言ったって、結果払うだろうって気持ちがあったのかも聞きたい」「結果払うというのが世の中なので、それに対するどれくらいの覚悟があったのか、自分だけで完結できないってことがわかっていたかどうか聞きたい」とコメントした。

 拘束されて身の危険に晒されているなかで、「助けてくれ」ではなく「無視しろ」と暗号メッセージを送ることはバレるリスクを考えればとても勇気のいることだ。しかし、そうした状況への想像力を働かせることもなく、“本当のところ、日本政府が身代金を払うと思っていたのでは”とゲスの勘ぐりをして、「覚悟があったのか聞きたい」などと言い出す……。これは「日本に甘えるんじゃねえよ」とバッシングしているネット上の自己責任論者とまったく同じだ。


東国原は、安田氏「凡ミス」発言に噛みつき、「ジャーナリズムでなくただの個人的欲求」と


 さらに、記者会見で安田氏が、シリア入りの際に拘束されてしまったことを「私の凡ミス」と語ったことについて、坂上が「衝撃的なワードが出てきた」と言うと、東国原は鬼の首を取ったかのように安田氏を責めはじめた。

「自分の行動を『凡ミスだった』と言い放ったのはいかがなものかと思っております。あの部分で、もし自分が疑っていたら、慎重な行動が取れたはず」

 はっきり言って、紛争地に単身で入ったこともない坂上や東国原が、何を知っているというのだろう。国内外の多くのジャーナリストたちが指摘しているように、現在のシリアのような混沌のなかで誰が正しい案内人なのかや何が安全な選択肢であるかを完全に見極めることは困難なことであり、実際にシリアでは安田氏だけではなく海外のジャーナリストたちもジャーナリスト以外の人も何人も拘束されている。橋下徹も〈安全対策をきっちりと行える者が行くべきだ〉などと叫んでいるが、紛争地では絶対の安全対策など存在しないのだ。

 しかも、東国原はつづけて、耳を疑うようなことを主張した。

「使命感や正義感が勝ったのか、それとも自分の欲求が勝ったのか、そういう論点は僕は明確にしていただきたいと思いますね。正義感とか使命感とか、そういうものを表に出せば、それはジャーナリズムの正義が立つでしょうよ。でも、この方はね、『あー、おかしいな』と思いながらも入ったということは、自分のジャーナリストとしての、自分が知りたいという、知らせたいではなく自分が知りたい欲求が勝ったのではという疑義がある」

 東国原は何を言っているのだろう。ジャーナリストの使命感や正義感と、知りたいという欲求は、明確に分けられものではなく地続きのものだ。何が起こっているのか、人びとの暮らしはどうなっているのか知りたい。ジャーナリストたちのそうした内発的な欲求、問題意識があってこそ、わたしたちは知ることのできない世界の現実を見ることができる。内発的・個人的な欲求があるからこそ、踏み込める取材もある。それをたんなるのぞき見趣味のような個人的欲求だと矮小化することは、橋下の主張と同じで、まったく報道の意義というものを理解していない証拠だ。


坂上、土田、安藤が安田会見に「自分の話が長い」「話のスキルない」「自己責任の話しろ」


 だが、スタジオでは、横粂弁護士がまたも「取材の自由を考え直す必要がある。表現の自由は無制限ではなく公益、公助のために制限がある」「本人の認識では、まだ恐怖とか後悔とか反省が感じられないので、それをもっと言っていただいて議論すべき」などと言い放った。

 挙げ句、土田は再び「話し方のスキルは必要だなと」と言ったり、橋本マナミも「要点がわからなかった」と、安田氏の「事実の説明」に対して不満を漏らし、番組終了直前に会見が終わると、次に始まる『直撃LIVE グッディ!』の安藤優子とのやりとりで坂上が「国民の関心事である自己責任についてどうなんですかといった質問はこれからだったのに」「ご自身の話も2時間もかかってる」と言うと、安藤も「(自己責任論について)核心をつく質問も出てこなかった」などと同調したのだった。

 安田氏のシリアの現状にまつわる重要なディテールに富んだ貴重な証言の数々を「喋りのスキル不足」「時間をかけすぎ」と批判し、自己責任を追及することこそが「核心」だと言い張る──。ようするに『バイキング』では、シリアの武装勢力の実情や拘束者が置かれている状況などにはまったく関心はなく、たんに“安田氏が責められる場面が見たい、開き直ったなら叩きたい”といやしい欲望しかみせなかったのだ。

 これはこの番組だけの問題ではないだろう。実際、ネット上では、安田氏の自己責任を叫ぶ主張が再び大量に投稿され、バッシングはピークに達している。帰国時から「早く説明しろ」と会見を要求する声は大きかったが、結局はシリアに関心を寄せるでもなく、安田氏の「謝罪会見」「バッシング会見」を見たがっていただけなのだ。

 このように「事実」には無関心の状況では、紛争地にジャーナリストが赴いて報道することの重要性をいくら説いても、その意味は通じない。本日の『バイキング』は、この国の劣化を象徴する放送だったと言えるだろう。

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 「50年近く勤めてきた、本当に愛すべき、すべて人生過ごしてきた仲間たちと過ごしてきた仕事、誇りを持ってやってきたその職場が、そんな(森友)疑惑を持たれて全然説明できない」(自殺した職員の元同僚・近畿財務局OB)

 これは25日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、近畿財務局のOBたちが、取材に答えたときの言葉。

 インタビュアーに、

「真相にたどりついていない今の状況を財務局の職員はどんな思いでいる?」  と聞かれ、そう答えていた。あたしゃ、泣きそうになっちゃったよ。

 インタビューには、もっと肝心なこと、たとえば文書の改ざんは上からの指示がないとできないとか、国民を欺き犯罪行為に等しいことをしでかした佐川元理財局長を褒め称える麻生大臣が、大臣でいつづけるなどあり得ないとか、そういう話もでてくる。

 でも、あたしは冒頭の言葉に参った。

 森友問題があって、悪くいわれることの多い近畿財務局、そして官僚たち。

 しかし、ほとんどの官僚や公務員は、真面目に仕事をしてるんだよね。

 真面目だからこそ、不正に協力しろといわれれば、死ぬほど悩む。

 番組に出てきたOBたちは、みな良い顔の爺さんたちだった。何十年も誇りを持って仕事をしていた人の顔だ。

 安倍政権下では問題が起こると、末端に責任を押し付け、トカゲの尻尾切りをする。

 あたしたちは切り離された無残な尻尾を見せられて、留飲を下げることに慣らされてやしないか?

 ちょっと前までうまくやっていた(と思われる)人が、落ち目になって、方々からボコボコにされるのを眺め、気を晴らすっていうかさ。

 きっと、それじゃ問題は解決しない。きっちりトカゲ一匹を、陽の当たるところに引きずり出さないと。そして、説明があるなら、その口から聞いてやろう。

 潰すなら、頭だ。

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 安倍首相が平和友好条約締結40周年の節目に、日本の首相として7年ぶりに中国を訪問した。

 習近平国家主席から歓迎されたかと思えば、すぐさま来日したインドのモディ首相を山梨の別荘に招待。このところ、「外交の安倍」の“やっている感”のアピールがすさまじいが、内政についてはメチャクチャだ。

 とりわけ、あきれ返るのが、臨時国会の最大の焦点となってきた出入国管理法の改正案だ。従来の移民政策から百八十度転換し、外国人労働者の受け入れを拡大。事実上の「移民解禁」にカジを切ることになるが、安倍首相は中身をごまかしてばかりいる。

「人手不足の深刻な業種に限り、即戦力となる人材を期限をつけて受け入れるもの」と釈明しても、外国人の就労者数が急増することに変わりはない。その数は今後7年間で50万人超とされ、解禁される受け入れ先も農業、建設、介護、外食など多岐にわたる予定だ。

 国民生活に及ぼす影響は計り知れないのに議論もロクにせず、いきなり来年4月施行を目指すとは強引すぎる。それこそ、安倍自民1強の数のおごりだ。

 今の日本では、技能実習制度を悪用した法令違反の外国人雇用がまかり通っている。裏口ではなく、真正面から外国人労働者を受け入れる姿勢は悪いことではないが、外国人向けの社会保障制度は手付かずのままだ。医療や年金、失業手当などで日本人と同様のサービスを提供せずに、外国人を単純労働でコキ使うのは、奴隷同然の扱いとなりかねない。

 折しも、元徴用工の韓国人4人が新日鉄住金に強制労働の損害賠償を求めた訴訟について、韓国大法院(最高裁)は新日鉄側の上告を棄却。計4億ウオン(約4000万円)の賠償命令が確定したばかりだが、日本政府は、元徴用工の補償問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」との立場を崩そうとしない。

 今度の入管法改正問題でも、過去の負の歴史と向き合わず、また外国人なら劣悪な環境で働かせてもいいという感覚でいるのなら、将来に再び禍根を残すことになる。

 そもそも、なし崩し的に外国人就労を拡大する前に、自国民の雇用問題の解決を優先させるべきだ。90年代半ばから2000年代初頭の超就職氷河期の失われた時代に社会に出た現在の30〜40代は、今なお定職に就けず悪戦苦闘している人が数多い。

 彼らはこの先、AIによる自動化・無人化の進展によって仕事を奪われかねない。さらに奴隷同然の外国人労働者を連れてきて、職を競い合わせるのは、あまりにも酷な仕打ちだ。とんでもない国づくりである。

 やはり、この政権に国の行政を任せるのは危険だ。

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 菅官房長官の“懐刀”を自任する大臣補佐官が近く退任するという。今国会での成立が見込まれている水道法改正案など、公共サービス改革の旗振り役を務めてきた人物だが、突然の退任発表は、「なぜ、このタイミングで?」と臆測を呼んでいる。実は、官房長官を後ろ盾に権勢をほしいままにしてきた補佐官を巡っては、怪文書も出回る騒動が起きていた。

「菅義偉官房長官の大臣補佐官を務める福田隆之氏が近く退任することが30日、分かった。関係者が明らかにした」――。31日の深夜1時に産経ニュースが配信した小さな記事が、政界では大きな話題になっている。

 福田氏は1979年生まれの39歳。早大教育学部卒業後、野村総合研究所の主任研究員を経て、2012年から新日本有限責任監査法人エグゼクティブディレクター・インフラPPP支援室長を務めていた。その時に菅長官の知遇を得て、16年1月から官房長官補佐官に就任した。民間からの登用は菅長官の一本釣りだったといわれている。

 起用の理由について、菅長官は当時の記者会見で「民間資金の活用による公共施設の整備運営(PFI)に広範な識見、経験を有しており、公共サービス改革に関わる重要事項を担当してもらう」と説明していた。

「福田氏が手掛けていたのは、主に水道事業や港湾のPFIです。役所との折衝では官房長官の威光を振りかざし、ゴリ押ししてくることで有名だった。口癖は『菅長官が言っている』。『官房長官の意向なのだから、つべこべ言わずにやれ』という高圧的な態度で、陰では“黒い補佐官”と呼ばれていました」(国交省関係者)

 加計学園問題で、官邸の補佐官や秘書官が「総理のご意向」を振りかざしたのと同じ構図だ。

 書かれている内容の真偽は分からないが、永田町では、臨時国会直前から福田氏に関する怪文書が出回っていたという。

「怪文書に書かれていたのは、PFIに関連したリベート疑惑などです。民間業者の選定に介入して見返りを要求しているとか、パリ出張の際にフランスの水道業者から接待を受けていたという内容でしたね。福田氏のバックには竹中平蔵氏がいて、民間運営の市場形成で利権を独占しようとしているとか……。それらが事実ならば、水道法改正案の成立も危うくなりかねない。報道では、担当していた仕事に区切りがついた福田氏が自ら退任を申し出たとされていますが、焦った官邸側が“切った”のが実情でしょう」(自民党議員秘書)

 いやはや、日刊ゲンダイが入手した“怪文書”には、「補佐官室にポテトチップスを常備」「蕎麦の薬味のネギにも手をつけないほどの野菜嫌い」「自宅用の土産は和菓子が喜ばれる」など、役所内部の人間しか知り得ないような情報も書かれている。

「官邸が絶対的な力を持っていれば、内部情報がポロポロと漏れ出てくることは考えられません。政権中枢を直撃する怪文書騒動や補佐官の退官は、政権の力がなくなり、官邸のグリップが利かなくなっていることの証しでしょう。霞が関全体が、3選でレームダック化した安倍政権と距離を取り始めているように感じます」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 こういう綻びから一気に崩壊まで行くケースもある。安倍政権もそろそろ先が見えてきた。

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来年10月に消費税を10%に引き上げると宣言した安倍首相が、さっそくバラマキ策を打ち出した。財務省が、低所得者対策として、1世帯あたり2万円で1000円分商品券を25枚受け取れる「プレミアム付き商品券」発行の検討に入ったのだ。

 国民をバカにするのもいい加減にしてほしい。日本経済新聞のデータによると、1世帯当たりの年間消費税負担額は、年収200万円以上300万円未満の世帯で13.1万円。これが消費税10%に引き上げられれば、予測で17万円に跳ね上がる。それをたったの5000円ばらまくことを“低所得者への配慮”などとほざいているのである。

 そもそも、消費税は低所得者であるほど負担が重くなる逆進性がある。日本生活協同組合連合会の調査によると、年収1000万円以上世帯の消費税負担額が収入に占める割合は2.80%だったのに対し、年収400万円未満の世帯は5.72%。低所得者のほうが約2倍も負担率が高くなっているのだ。同じように、軽減税率にしても消費額の高い高所得者のほうが恩恵を受けるものであって、低所得者対策とはとても言えない。その上、たったの5000円のバラマキを「プレミアム」などと称して「やってる感」を演出しようとは、たんなる騙しではないか。

 しかも、だ。低所得者には「5000円出すから我慢しろ」と強いる一方で、安倍政権は驚きの方針を固めた。なんと、株式の配当や売却益といった金融所得への課税については増税を見送る、というのである。

 つまり、日々の生活を送るにも精一杯の低所得者から税金をさらに巻きあげようというのに、不労所得で収入を稼ぐ超高所得者は優遇されたままなのだ。

 そもそも、所得税は年収が高くなるほど税率も上がる累進税率になっているが、金融所得は累進課税を免れており、所得税が最高55%(住民税含む)の税率であるのに対し、金融所得は一律20%でしかない。しかも、高所得者ほど金融所得の割合が多いため、所得税の負担率は年収1億円を超えると右肩下がりになっているのだ。

 昨年、政府は2020年から所得税を年収850万円超の会社員に増税することを決めたが、それによって見込まれる増収は約900億円。対して、金融所得課税を現在の20%から25%に引き上げた場合は、増収は財務省の試算でも2500億円で、数千億〜1兆円の増収になるとの試算もある(中日新聞2007年12月12日付)。「税収が足りない」とわめくのなら、この不公平極まりない優遇を真っ先に見直すべきだが、安倍首相はそれを見て見ないふりをするのだ。

 汗水垂らして働く人びとに痛みを押し付け、不労所得によって左団扇で暮らす富裕層は優遇する──。これで消費税引き上げを納得しろというほうがおかしいだろう。

 その上、信じられないのは、消費税引き上げについて安倍首相が「経済に影響を及ぼさないよう対応する」ための具体策として、「引き上げによる税収のうち半分を国民に還元する」「2019年10月1日から認可・無認可あわせて幼児教育を無償化する」などと強調していることだ。

 おいおい、昨年9月に臨時国会の冒頭で解散表明をおこなったとき、「これまでお約束していた消費税の使い道を見直すことを、本日、決断しました」と言い、「子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当」「増税分を借金の返済ばかりでなく、少子化対策などの歳出により多く回す」と宣言したではないか。それが「税収のうち半分を国民に還元する」って、話が違うだろう。「半分」というか、そもそも消費税に限らず税金は100%国民のものだが、この人は税を領主さまに納める「年貢」や「地代」か何かと勘違いしているのだろうか。


「消費税は全額社会保障に使う」と同じ嘘を平気で何回も言う安倍首相


 安倍首相の嘘はこれにはじまった話ではない。2014年に消費税を5%から8%に引き上げた際、安倍政権は大々的に「消費税率の引上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」「社会保障制度は、すべての世代が安心・納得できる全世代型へ」と訴えていたが、蓋を開けてみたら、実際は2014年度の増税によって税収は5兆円増えたのに、社会保障の充実策に使われたのはたったの5000億円。2017年度は消費税増収分8.2兆円のうち、1.35兆円しか社会保障の充実策に充てられていない。結局、社会保障の充実を謳いながら、増税した分の多くは財政赤字の穴埋めに使われてしまった。

 だいたい、安倍首相は、高齢者の医療費や介護保険の負担引き上げ、生活保護の切り下げなど社会保障費を削り倒す一方で、防衛費は増額の一途を辿り、来年度予算編成でも過去最大となる5兆2986億円を要求。その上、本日付けの東京新聞の報道によると、F35やオスプレイなどの購入でこの予算でも足りず、防衛省は2014年以降、本来ならば自然災害や不況対策などのために組まれる補正予算から毎年2000億円前後を追加。軍事ジャーナリスト清谷信一氏は「国の借金が巨額に上り、消費税増税が必要だといいながら、防衛費にじゃぶじゃぶ使えば世論の批判を浴びる。事実上、本予算を小さく見せるために補正予算を使っている」と指摘している。さらに恐ろしいことに、トランプ政権の押し売りで大量の兵器を購入した結果、〈日本の防衛費が将来的に、現在の2倍の11兆円超に達する可能性〉があると、「週刊朝日」(朝日新聞出版)11月9日号は報じている。

 安倍首相は昨年、「安倍政権は10年間にわたり削減されてきた防衛費を再び増加させた」と誇らしげに語ってみせたが、その分、わたしたちの暮らしを支えるための社会保障費はどんどん削られてゆく──。それでなくても貧困世帯は大打撃を受けているのに、さらに消費税引き上げで金をふんだくろうとする言い訳が「半分は還元する」、である。軍備増強のために社会保障が削減され、増税で生活をダイレクトに苦しめた挙げ句、「でも社会保障にも使いますよ」「半分は還元するんですよ」なんて、タチの悪い詐欺のようではないか。


貧困を改憲の言い訳に使う姑息な安倍首相、貧困拡大させてるのは自分なのに


 しかも、社会保障を削減しつづける上に消費税を引き上げれば、格差が広がるだけでなく、将来不安もより一層高まる。そうなると結局は消費が減って、景気はより冷え込むだろう。景気拡大をと訴えるならば、格差を広げる消費増税などもってのほかで、減税あるいは消費税の廃止をした上で、法人税や金融所得税の累進率を上げるべきだ。

 だが、富裕層や大企業の優遇に邁進する安倍首相に、こんな声は届かないのだろう。いや、それどころか安倍首相は、消費増税によって引き起こされるであろう格差拡大をも改憲のダシに使おうとしている。

 昨日おこなわれた代表質問で、日本維新の会・馬場伸幸幹事長から「教育無償化を改憲で国是としてはどうか」と水を向けられると、安倍首相はこう返した。

「自民党が示した改憲4項目のなかにも教育の充実が含まれているが、貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済状況にかかわらず、教育が保障される国でありたい」

 教育の無償化は別に憲法に書き込まずとも、やろうと思えばすぐにやれることだ。第一、「貧困の連鎖を断ち切る」と言うのなら、貧困層がもっとも深刻な打撃を受ける消費増税など実行するはずがない。そうして貧困を拡大させている張本人が、貧困と教育を語り、憲法改正をもち出すとは、下劣にもほどがあるだろう。

 軽減税率やクレジット決済の話題だけをクローズアップするメディアの無批判な報道もあって、消費税引き上げに対しては「仕方がないか」という諦めムードの空気が流れている。一方、金融所得への増税見送りなど富裕層に痛みが少ないという不公平さを、メディアは報じない。「5000円あげるから」という国民を舐めきった姿勢を、見過ごしてはいけないのだ。
 

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